日本を代表する総合商社。
伝統的に重厚長大産業や資源・エネルギーの上流権益に強みを持っており、現在12隻のLNGタンカーを傭船し年間1千万トン超と総合商社としては最大規模のLNGトレーディング事業を手掛ける。
鉄鉱石、原油・ガスの権益では国内トップクラスの地位を揺るぎないものとしつつ、近年はアジア最大級の民間病院グループIHH Healthcare Berhad(IHH)を中核としたヘルスケア事業や、世界的なタンパク質需要を取り込む食料・ウェルネス事業などの強化に注力。
2023年3月期に連結純利益1兆円を達成して以降、資本効率を重視した「攻めの経営」を加速させており、個人の挑戦を尊ぶ「人の三井」の文化のもと、投資という既存の枠組みを超えた事業創造を続けている。
明治初期、貿易が外国商館に独占されている状況を打破するべく井上馨や益田孝らによって設立された先収会社が源流。
井上馨の政界復帰に伴い、先収会社は解散したが、当時27歳だった益田孝が社長を務める旧三井物産が1876年(明治9年)に設立。日本初の総合商社であり、日本特有の「総合商社」という企業形態の原型を作った。
法的には旧三井物産と現在の三井物産には継続性はなく、全く別個の企業体であるが、旧三井物産の実績や精神は受け継がれている。
“人の三井”とよく称されるように、「人材主義」が最も重要な企業文化の一つ。
エネルギーや金属資源などの資源分野を伸ばしつつ、更なる利益水準の底上げに向けて、利益の安定性が高い非資源において「化学品」と「生活産業」「次世代・機能推進」の3分野を中心に拡大していく方針。
例えば、化学品では米国とサウジアラビアでのメタノール製造事業、デンマークでの世界初のeメタノール(低炭素メタノール)事業、米国及びUAEにおけるクリーンアンモニア生産事業へ参画。米ルイジアナ州で25%を出資する世界最大規模の低炭素アンモニア工場(生産能力約140万トン/年)が2029年に稼働予定であり、火力発電所や船舶の代替燃料として高まる需要を取り込んでいる。
中期経営計画2026ではIndustrial Business Solutions、Global Energy Transition及びWellness Ecosystem Creationという3つの攻め筋を設定。その方向性を継承しつつ、次期中期経営計画を見据えた本部・ユニットを新設。
1. 「デジタル・電力ソリューション本部」の新設
エネルギーソリューション本部の電力事業領域とプロジェクト本部を統合し、新たにデジタル・電力ソリューション本部を設立することで規模感ある収益成長を実現。
2. 「総合エネルギーソリューション本部」の新設
エネルギーソリューション本部の次世代エネルギー領域とエネルギー第一本部を統合し、総合エネルギーソリューション本部を設立。
3. 「AI戦略推進ユニット」の設立
AIテクノロジーの加速度的な進化に対応するため、ICT事業本部長直轄組織としてAI戦略推進ユニットを設立。全社戦略を実現する主軸として現場へのAI実装を推進し、ビジネス創出を加速するだけでなく、AIと事業の融合を通じ、競争力を飛躍的に高めていく。
このように、1兆円規模の利益を安定的に創出するフェーズにありながら自己変革のスピードを緩めず、8つのオペレーティングセグメント、15の事業本部で常に複数の新規事業投資案件の検討が同時進行している。
デジタル化やグリーン化といった構造変化を「商機」と捉え、正解のない環境で自分が信じる仮説を仲間と共に実証していく過程を若手から裁量権を持って遂行できる環境。
社員のスキルや経歴、キャリア志向などを相互参照できる人材管理システム『Bloom(ブルーム)』を導入し、部門間の垣根を越えた連携や相乗効果も高まっている。
実際に、上述の低炭素アンモニア事業は、化学品とエネルギーなどいくつかの部門が一緒になり知見を組み合わせたもの。社内外・国内外問わず多様なステークホルダーを纏めて大きな案件を推進し、事業投資とトレードの両面から世界の産業基盤を支えるダイナミックなビジネスに携わることができる。
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