製薬業界への転職・中途採用情報【2025年最新情報】

製薬企業に転職決定実績を擁するエリートネットワークが、製薬業界の全体像から仕事内容、採用動向から選考のポイントなど転職活動に役立つ情報を詳しく解説します。

1.製薬業界の全体像 - 役割・構造・成長性について

製薬業界は、新薬の研究開発から製造、販売、流通までを手掛ける産業です。人々の健康を守るために、病気を治す・予防する・症状を和らげる薬を届けるという、非常に社会的意義の高い分野です。グローバル市場規模は100兆円を超え、なかでも日本は、世界でも有数の医薬品消費国。超高齢社会が進むなかで、医療の質と安全性の担保がこれまで以上に求められており、製薬業界は今後も継続的な成長が見込まれる業界です。

歴史的には化学技術をベースに発展し、近年ではバイオテクノロジーやデジタルヘルスといった最先端技術の活用が進んでいます。特に、がん治療薬や免疫疾患向けのバイオ医薬品、高分子医薬、創薬AIの開発が急速に発達しています。

日本の代表的な製薬企業には、第一三共株式会社中外製薬株式会社武田薬品工業株式会社アステラス製薬株式会社塩野義製薬株式会社エーザイ株式会社協和キリン株式会社田辺三菱製薬株式会社住友ファーマ株式会社などがあり、グローバル展開を強化しています。

社会貢献性が高いこと、最先端の薬学及び生理学の知識・技術に触れる機会が多いことに加え、専門性の高い業界であるため、給与水準が比較的高く、福利厚生も充実している企業が多いのが特徴で、転職市場では恒常的に人気のある業界です。

「社会貢献性が高く、安定した業界で働きたい」「今後キャリアの専門性を深めたい」「グローバルな仕事に携わりたい」そんな想いをお持ちの方であれば、製薬業界はフィット感が高いでしょう。

本記事では、製薬業界の将来性や製薬会社へ転職する際のポイントにも触れていますので、製薬業界へ転職を考えている方は、是非ご一読下さい。

2.製薬業界を構成する主な企業群

医療用医薬品メーカー

医師の処方箋が必要な医薬品を製造・販売するメーカーです。主に病院・クリニックなどの医療機関向けに供給され、疾患の治療・診断に使用されます。

企業名特徴・主力領域
第一三共2005年に第一製薬(1915年設立)・三共(1899年設立)の合併で誕生。がん、心血管疾患、免疫疾患などの治療薬に強み。抗がん剤として抗体薬物複合体(ADC)開発に経営資源を集中。アストラゼネカやメルクと共同開発するEnhertuが世界的に急成長し、研究開発力とCMC(Chemistry, Manufacturing and Control:医薬品の開発・製造プロセス全般)技術が高評価。横浜の新研究拠点などで研究開発投資も積極的。
中外製薬1925年東京都中央区の京橋で創業。がん・免疫領域に特化。スイスのバーゼルに本拠地を置く世界有数の製薬企業であるロシュグループの中核企業として革新的抗体医薬を創出。独自のRecycling/Sweeping抗体やSwitch抗体など次世代技術を持ち、ヘムライブラ・アクテムラに続く大型品を育成中。最新設備の中外ライフサイエンスパーク横浜やDXを活かした研究体制が整う。
武田薬品工業1781年 大阪市中央区の道修町 (どしょうまち) 発祥。創業240年超の国内最大手。消化器・オンコロジー・希少疾患・血漿由来製品・神経科学に資源を集中し、アイルランドのシャイアー社買収でパイプラインを拡大。売上の約8割を海外が占め、英語公用語化が進む多国籍環境が特徴。
アステラス製薬2005年に山之内製薬(1923年設立)・藤沢薬品工業(1894年設立)の統合で誕生。泌尿器・移植・腫瘍・遺伝子治療を重点領域とし、アメリカのAudentes社買収で先端バイオロジクスを強化。外部スタートアップとのオープンイノベーションが活発。
塩野義製薬1878年に大阪市中央区の道修町で創業。主力は抗生物質。感染症・抗菌薬のリーディングカンパニー。COVID‑19治療薬も開発。
協和キリン1949年に協和発酵工業として設立。キリングループの医薬事業の中核を担う。独自の抗体技術を基盤としたバイオ医薬品の開発に強みを持つ。腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経の4領域を重点領域とし、グローバルに事業を展開。
エーザイ1941年東京都文京区の湯島で創業。「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」理念の下、認知症とオンコロジーに集中。アメリカのバイオジェン・インク社と共同開発したアルツハイマー薬レケンビが米国で承認され市場拡大中。患者との「共創」に基づく臨床開発やデジタル連携が強み。認知症(アルツハイマー)薬、抗潰瘍薬を世界規模で展開。
田辺三菱製薬源流の田辺製薬は、1678年江戸時代に大阪市中央区の道修町にて、合薬「たなべや薬」の製造販売として創業。300年超の歴史を持つ。2007年に三菱ウェルファーマと合併し、田辺三菱製薬が設立。中枢神経、免疫炎症、糖尿病・腎を重点領域とし、グローバルに事業展開。
住友ファーマ1897年大阪市中央区の道修町で設立した大日本製薬がルーツ。2005年に大日本製薬と住友製薬が合併し、大日本住友製薬(現 住友ファーマ)が誕生。住友化学をバックボーンとする研究開発力を強みとして、精神神経領域、がん領域を中心に新薬開発を推進しており、モダリティとしては、低分子及び再生細胞医薬が中心。
大塚製薬1964年徳島県鳴門市創業。医薬品とニュートラシューティカルズ(健康食品・飲料)の二軸で事業展開。抗精神病薬「エビリファイ」、飲料「ポカリスエット」、食品「SOYJOY」等は、一般消費者にも知名度。
Meiji Seikaファルマ1916年創業の明治グループの医薬品事業会社。感染症治療薬・ワクチンと中枢神経系疾患治療薬を事業の柱とする。特に抗菌薬の分野では国内トップクラスの実績を誇り、長年にわたり日本の医療を支えている。
イーライリリー1876年に米国インディアナポリスで創業した世界的な製薬企業。日本法人は1975年に神戸市で設立。糖尿病、がん、免疫、神経変性疾患の領域で革新的な医薬品を開発・提供。特に糖尿病領域では世界をリードする存在。

一般用医薬品メーカー(OTC)

薬局やドラッグストアなどで購入できる、処方箋不要の医薬品を製造・販売するメーカーです。※風邪薬、胃腸薬、鎮痛薬、ビタミン剤などが該当します。

企業名特徴・主力製品
大正製薬1912年東京都豊島区創業。リポビタンDやパブロンで知られるOTC医薬品のトップメーカー。近年は海外M&AやAI創薬、ワクチン事業にも挑戦し、処方薬との相乗効果で研究・生産体制を強化。MBO(経営陣による買収)により2024年4月、非公開企業に。
佐藤製薬1939年 東京都日本橋に創業したOTC医薬品専業メーカー。総合感冒薬「ストナ」、滋養強壮剤「ユンケル黄帝液」、象のマスコット「サトちゃん」で広く知られる。薬局・ドラッグストア向けのきめ細かな営業網、海外(アジア・北米)展開、機能性食品や医療用医薬品への領域拡大も進行中。
ロート製薬1899年、大阪市中央区の道修町で創業した「山田安民商店」を起源とする120年以上の歴史を持つヘルスケア企業。目薬・スキンケアが主力。近年は再生医療や腸内環境など次世代ヘルスケアにも投資し、ベンチャー企業との協業も活発。
久光製薬1847年、佐賀県鳥栖市で漢方薬舗として誕生。貼付剤に特化した独自の経皮吸収技術で成長。主力製品「サロンパス」は100以上の国と地域で販売され、米国OTCパッチ市場でトップシェアを誇る。次世代ワクチン用マイクロニードルの開発など新領域にも積極投資。
ライオン1891年、東京都中央区の日本橋で石鹸事業を始めたことに端を発し、「ライオン歯磨」の大ヒットで国内オーラルケア市場を開拓。130年以上にわたり日用品の専門メーカーとして、歯磨・洗剤・ハンドソープなど暮らしの必需品を提供。ハミガキ・口腔ケアを中心にOTC展開。
エスエス製薬1765年東京都中央区の日本橋で創業。OTC医薬品に特化した老舗メーカーで、鎮痛薬「イブA」、美白-肌荒れ改善薬「ハイチオールC」、かぜ薬「エスタック」など強力なブランド群を擁す。2017年以降はフランス大手サノフィグループ傘下となり、グローバルR&Dとデジタルマーケティングの知見を取り入れて成長を加速中。売上の約9割をブランドOTCが占め、CMと店頭施策を連動させたマーケティング力は業界随一。
第一三共ヘルスケア2005年に第一三共のOTC事業を集約して誕生。総合製薬会社で培った研究開発力を背景に、『ロキソニンS』『ミノン』『ルル』など医薬品からスキンケアまで幅広いブランドを展開。医療用医薬品と同水準の品質・安全管理が強み。大手企業グループの安定感とベンチャー的な機動力を併せ持つ。
小林製薬1919年大阪市中央区の道修町創業。大阪発の家庭用医薬品メーカーとして “あったらいいな” を形にする独自開発力で成長。医薬品から日用品まで約2000アイテムを自社企画・国内外生産し、ブルーレット等のロングセラー商品を輩出。「熱さまシート」「命の母」などユニークなOTC製品多数。

ジェネリック医薬品メーカー(後発医薬品)

ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、特許期間が終了した新薬(先発医薬品)と同じ有効成分・効能を持つ薬で、低価格で提供される医薬品です。 これらを製造・販売しているのが「ジェネリック医薬品メーカー」です

企業名特徴・展開内容
沢井製薬1929年、大阪市東成区で沢井薬局として創業。1948年に沢井製薬株式会社を設立以来、医療用後発医薬品(ジェネリック)のパイオニアとして研究開発・製造・販売を一貫して担い、国内シェアはトップクラス。
東和薬品1951年大阪市東成区で創業。医療用ジェネリック医薬品専業メーカーとして国内トップクラスのシェア。2005年には東証プライム上場を達成。京都・滋賀・山口など国内に分散した自社工場で高い品質管理とBCP体制を敷く。注射剤・バイオシミラー(バイオ後続品)にも注力。
日医工1965年富山市婦中町(ふちゅうまち)で創業。ジェネリック専業として経口剤から高難度注射剤まで国内最多級の品目をそろえ、2010年代にはアメリカのSagent社買収で海外展開も開始。2021年の品質問題を機に経営再建計画を進め、生産・品質管理体制を抜本強化中。
富士製薬工業1965年東京都渋谷区の恵比寿創業。女性ヘルスケア(ホルモン剤・緊急避妊薬)と画像診断用造影剤に特化し、特定領域に経営資源を集中することで高収益を実現。2005年JASDAQ上場、2014年東証一部。2012年にバイオシミラー開発のアイスランドのアルボテック社と資本提携し技術力を強化。
日本ケミファ1950年東京都千代田区の神田創業。化学メーカーをルーツに60年代から医薬へ転換し、現在はジェネリックと高尿酸血症領域の自社創薬(トピロキソスタットなど)が二本柱。研究・工場・営業が一体となったフラットな組織の中堅企業で、IT活用や直販体制強化に積極的。
共和薬品工業1954年大阪市都島区の友渕町で創業。CNS、がん、希少疾病など高付加価値ジェネリックに注力し差別化を図る。12年にインド大手Lupin社のグループ入りし、海外の開発力とコスト競争力を獲得。鳥取市の品質保証拠点など国内外の連携で複雑製剤・バイオシミラーにも挑戦中。
キョーリン製薬HD1923年東京都渋谷区創業。2008年に持株会社化。呼吸器・泌尿器・耳鼻咽喉科に特化し、去痰薬ムコダインやOAB治療薬ベオーバなど自社新薬を保有。医薬品・ヘルスケア・薬局の三事業を統合し安定収益を確保しつつオープンイノベーションで新薬創出を推進。

CMO/CDMO(製造受託企業)

CMO(受託製造機関)とは、製薬会社などから医薬品の製造を請け負う企業のことです。
CDMO(受託開発製造機関)は、CMOの機能に加えて、医薬品の開発段階(製剤設計やプロセス開発など)から製造まで一貫してサポートする企業です。新薬開発のスピード化、コスト削減、柔軟な生産体制の実現などを背景に、製薬企業が自社で製造設備を保有せず、外部のCMO/CDMO活用が急拡大しています。

企業名特徴・主なサービス
CMIC HD国内CDMOの草分け。原薬・製剤・治験薬から商用生産まで一貫受託し、海外6拠点を含む30以上の工場・開発サイトを保有。医薬品開発CROで培った規制対応力とネットワークが強みで、プロジェクトマネジメントも評価が高い。
協和キリンフロンティア協和キリンの製造子会社。抗体医薬や細胞培養技術に強みを持ち、原液から最終製剤まで対応。親会社の研究パイプライン支援で培った高品質管理が武器。
AGC合成医薬品とバイオ医薬品の両軸で事業を展開。40年以上にわたる医薬品原薬・中間体の受託開発・製造の経験を有し、世界7拠点で微生物・CHO・細胞治療まで展開。ガラス・化学プラントの設計技術を製薬にも転用し、フッ素化や超低温反応などの高度な合成技術を提供。
富士フイルム富士フイルムの創薬技術と写真フィルム由来の精密化学を融合し、難溶性APIや造影剤などニッチ高付加価値品に強い。富山県富山市の既存工場敷地内に設備投資を行い、バイオCDMO拠点を設置。平時には抗体医薬品・抗体薬物複合体(ADC)といったバイオ医薬品の製造、パンデミック時にはmRNAワクチン・遺伝子組換えタンパクワクチンの製造が可能な設備を整備。原薬製造から製剤化、包装までを一貫して受託できる体制を構築。
旭化成バイオ医薬CDMOのBionova Scientific社をアメリカで展開。国内では旭化成ライフサイエンス社の宮崎県延岡市の工場で微生物発酵や高薬理活性物質の製造を受託。膜分離やバイオプロセス資材を自社供給できる “装置×製造” シナジーが強み。材料科学と製薬双方に触れたい人に好適。
カネカ​mRNA・核酸・ペプチド・タンパクなどのバイオ医薬・診断薬を受託製造。有機合成と発酵技術を併せ持ち、ビタミン・コエンザイムQ10等の大量生産ノウハウを医薬原薬に応用。ペプチド合成設備や高薬理活性物質も保有し、中分子領域に強い。
リコー3Dバイオプリンティングや画像解析を活かし、mRNAやiPS細胞のCDMOを展開。iPS細胞の大量自動培養システムを開発。製造×ITを融合したiPS創薬・再生医療研究が強み。
ニコン​光学・精密制御技術を核に、再生医療用・遺伝子治療用細胞のCDMOニコン・セル・イノベーション社を展開。再生医療用細胞から遺伝子治療用細胞まで、再生医療研究の幅広いニーズに対応。
帝人再生医療CDMO事業を担う帝人リジェネット社、ジャパン・ティッシュエンジニアリング(J-TEC)社を展開。千葉県柏の葉再生医療プラットフォームの中核機能として、国立がん研究センター、三井不動産と連携。遺伝子導入および細胞培養( 大量培養)、組織培養など幅広いニーズに対応。
味の素低分子から高分子、核酸医薬、抗体薬物複合体(ADC)まで幅広いモダリティに対応し、Corynex®やAJIPHASE®などの独自技術を活用して、前臨床から商業製造まで一貫したサービスを提供。食品系発酵で培ったスケールアップ力が強み。
JCRファーマ1975年兵庫県神戸市の東灘区で創業。自社バイオ薬製造で磨いたCHO培養と精製技術を外販。神戸市西区の井吹台の最新GMPプラントで原液から凍結乾燥製剤まで対応し、希少疾病薬の小ロットにも柔軟。
太陽ファルマテック無菌操作が求められる注射剤の受託製造に特化。富山県富山市に注射剤製造に特化した設備を持ち、高度な無菌製造技術が最大の強み。液剤、凍結乾燥製剤、プレフィルドシリンジなど、幅広い形態の注射剤に対応可能。
日新製薬医薬品の原薬合成から製剤化(錠剤、カプセル剤、散剤など)まで、一貫した受託製造開発を行う。滋賀県甲賀市に原薬製造、固形製剤(錠剤、カプセル剤など)の製造設備を有す。長年にわたるジェネリック医薬品の製造で培った効率的な生産技術と品質管理体制をCDMO事業にも応用。
日東電工同社のコア技術である高分子設計、粘接着技術、コーティング技術を医薬品製造に応用し、医療用テープや経皮吸収型製剤(パッチ剤)などのニッチで特殊な剤形の受託製造開発に強みを持つ。新しい剤形やドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発にも貢献。
タカラバイオ​遺伝子治療用製品、細胞医療用製品、ウイルスベクターの受託製造開発に特化しており、この分野のパイオニア的存在。滋賀県草津市に最新鋭のGMP工場を有し、遺伝子治療に不可欠なウイルスベクター(アデノウイルス、レトロウイルス、AAVなど)の製造技術において、世界トップクラスの技術と実績を有す。
住友化学化学メーカーの幅広い高難度な有機合成技術を活かし、医薬中間体や原薬の受託製造を行う。愛媛県新居浜市に医薬中間体や原薬の製造の主要拠点有り。
三井化学住友化学と同様に、幅広い有機合成技術とプロセス開発能力を活かして医薬中間体や原薬の受託製造を行う。不斉合成技術やフローリアクター技術など、特色ある合成技術を医薬品製造に活用。福岡県大牟田市に医薬中間体や原薬の製造の主要拠点有り。
ペプチドリーム2006年に東京大学発のスタートアップとして設立された創薬ベンチャー。特殊環状ペプチドの医薬品原薬の受託製造開発に特化。ペプチド医薬品の合成に関する深い専門知識と経験を有しており、複雑な構造のペプチドも高効率で合成可能。創薬研究段階から臨床開発、そして将来的な商業生産まで、ペプチド医薬品開発の全段階をサポート。神奈川県川崎市に製造・研究開発の主要拠点有り。

IT × バイオ企業

IT(情報技術)とバイオ(生命科学)を融合させた事業を展開する企業。特に医薬・創薬分野では、以下のような技術が活用されています。

  • AI(人工知能):創薬ターゲット探索、構造予測、スクリーニングなど
  • ビッグデータ解析:ゲノムデータ、電子カルテ、リアルワールドデータ(RWD)など
  • バイオインフォマティクス:遺伝子情報の解析・予測
  • in silico創薬:コンピュータ上で薬を設計・検証
  • クラウド / SaaS:製薬データの管理・共有、治験の効率化
企業名特徴・展開内容
ペプチドリーム独自プラットフォームのペプチド創薬基盤「PDPS」にAIモデリングとロボティクス自動合成を組み込み、従来の低分子医薬品と抗体医薬品の中間に位置するモダリティとして、創薬ターゲットに対する高い結合親和性と選択性を持つペプチドを迅速に発見。世界中の製薬企業と共同研究開発を進め、多様な疾患領域(がん、感染症、神経変性疾患など)において画期的な医薬品の開発を目指している。
FRONTEO 元々リーガルテック分野で培った自然言語解析とAI技術を創薬、診断支援、介護予防など多岐にわたる分野に応用。独自開発の人工知能「KIBIT」を活用し、論文や臨床データなどの非構造化データを解析することで、創薬ターゲットの探索、新規化合物の探索、バイオマーカーの発見などを支援。特に、開発の難易度が高いとされてきた中枢神経系疾患やがん領域での活用に強み。研究者とデータサイエンティストが一体で仮説検証を行える環境が魅力。
デジタルガレージ 同社がインターネットサービスで培った決済、マーケティング、インキュベーションなどのアセットと組み合わせることで、医療・健康データを活用したプラットフォームの構築や、企業間のデータ連携を促進し、新たなヘルスケアサービス創出を支援。ヘルスケア・バイオ領域のスタートアップ企業への投資育成、事業開発支援にも強み。
エムスリー日本最大の医療従事者向けポータルサイトを運営しており、国内医師32万人、世界600万人規模の医療従事者ネットワークを武器に、臨床試験支援、RWD(リアルワールドデータ)解析、AI画像診断へ進出。プラットフォーム上に蓄積する大量データと医師リレーションを掛け合わせるビジネスモデルが強み。
メドピア 現役医師である創業会長の下、薬剤の処方実感の共有、エキスパートドクターへの症例相談、有名研修病院所属医師主催の症例検討会など、医師に必要とされる臨床現場の情報を、医師専用のソーシャルメディアで地域・専門科目の垣根を越えて発信。蓄積する大量のコミュニティデータを活用し、医薬マーケティングや患者向け栄養指導アプリ、疾病予測AIを提供。実臨床に近い定性・定量データを短期収集できる点が他社にない強み。医療現場の声をダイレクトにプロダクトへ反映できる。
MICIN オンライン診療SaaS「curon」と治験DXプラットフォーム「MiROHA」で診療から治験実施、データ解析まで一気通貫で担う。AI・機械学習によるデータ収集・利活用をメイン事業とし、優秀なデータサイエンティストが集まっている点も特徴的。医師・薬剤師・元コンサルが混在する少数精鋭組織。
CureApp医師が処方する形で使用される、疾患の治療効果を持つソフトウェア(デジタル療法)を開発。薬や手術に次ぐ「第3の治療法」として、国内初の治療用アプリ承認(ニコチン依存症)を皮切りに、高血圧症・精神疾患など複数領域で治験を進行。医師向け管理画面、IoTデバイス、機械学習による行動変容ロジックが中核技術。薬事申請・保険償還を勝ち取ったエビデンス構築力が最大の強み。

3.製薬業界における主な職種

研究・開発職(R&D)

  • 基礎研究職 ─ 病気の原因や作用メカニズムを解明し、新たな創薬ターゲットを見つける仕事です。理系修士・博士卒が多く活躍しています。
  • 創薬研究職 ─ 実際に薬の候補となる化合物(またはバイオ医薬品)を設計・合成し、候補化合物を選定する仕事。薬学・化学・生物系出身者に人気です。
  • 非臨床研究職 ─ 動物実験などを通じて、候補物質の毒性や効果を評価します。GLPに準拠した試験設計が求められます。
  • 臨床開発職(CRA/CRCなど) ─ 人に対して新薬の効果や副作用を確認する臨床試験を計画・実施する仕事。CROや医療機関、製薬メーカーで活躍します。

薬事・品質関連職

  • 薬事職 ─ 薬を国に承認してもらうための申請書類の作成や、当局対応を行うポジション。法律や規制の知識が求められます。
  • 品質管理(QC)・品質保証(QA) ─ 製品が安全で高品質であることを担保する仕事。GMPの知識が必須で、製造部門との連携も多い職種です。
  • 安全性情報管理(PV) ─ 副作用情報を収集・評価・報告し、リスクを管理する職種。医学・薬学の知識が活かせます。

営業・マーケティング関連職

  • MR(医薬情報担当者) ─ 医師や薬剤師に自社製品の情報を提供し、信頼関係を築く営業職。医療業界との接点を持てる仕事です。
  • マーケティング ─ 製品戦略の立案や市場分析、プロモーション施策を行うポジション。データ分析力や企画力が活かされます。
  • メディカルアフェアーズ(MA) ─ 営業とは異なり、科学的・医学的な立場から医療従事者をサポート。医師や研究者との高いレベルの対話が求められます。

製造・技術系職種

  • 製造職 ─ 医薬品を工場で製造する仕事。製造ラインの管理や製造記録の作成、工程改善などが含まれます。
  • 製造プロセスの最適化や設備導入、スケールアップなどを担う技術職。工学系出身者に人気です。

管理部門

  • 人事・経理・法務・SCM・IT など 製薬業界でも、企業運営に欠かせない管理部門があります。製薬業界経験がなくてもチャレンジしやすい職種も多くあります。

4.製薬業界の採用企業の現状・転職難易度

製薬業界は、長寿・高齢化や医療技術の進歩に伴い、今もなお成長を続けている業界のひとつです。特に直近では、海外企業との連携やグローバル開発やデジタルヘルスとの連携といったテーマが加速しており、採用企業のニーズにも変化が見られます。

新薬開発やスペシャリティ領域での採用が活発

近年はがん、希少疾患、免疫疾患など高難度なスペシャリティ領域での研究開発に注力する企業が増えており、臨床開発職やメディカルアフェアーズ職の採用が活発です。英語力や先行研究の論文を渉猟できる高度な専門知識を持つ博士人材への需要も高まっています。

他業界からのCMO/CDMO(医薬品製造受託機関)参入が活発

近年、製薬業界の中でも特に存在感を高めているのがCMO/CDMO(医薬品製造受託機関)です。新薬開発のスピード化、コスト削減、柔軟な生産体制の実現などを背景に、製薬企業が自社で製造設備を保有せず、外部のCMO/CDMO活用が急拡大しています。特にバイオ医薬品や核酸医薬品など、特殊な製造技術を必要とする分野では、CDMOの存在が不可欠になっています。こうした市場成長と連動し、製造受託企業における採用ニーズも活発化しています。

製薬×IT・DX(デジタル)人材も注目

デジタル臨床試験やリアルワールドデータの活用、AI創薬など、製薬業界もデータサイエンス、AI解析、デジタルマーケティングといった分野のニーズが急拡大しています。IT系バックグラウンドを持つ方の、異業種からの転職も歓迎されています。

薬剤師の製薬業界へのキャリアチェンジも増加

薬剤師といえば、病院や調剤薬局での勤務が一般的なイメージですが、近年は製薬業界へのキャリアチェンジを目指す薬剤師も増加しています。薬剤師の代表的な職種としては、メディカルアフェアーズ(MA)、メディカルサイエンスリエゾン(MSL)、安全性情報管理(PV)、医薬情報担当者(MR)、開発職(CRA、CRC)等があります。専門知識を活かし、より広い視点から医療に貢献したいと考える方にとって、製薬業界は魅力的な選択肢です。

製薬業界の転職で成功するには、業界特有の選考プロセスを理解することが重要です。 また、創薬研究や臨床開発のポジションは競争率が高いため、エージェントのサポートを活用して最新の求人情報を把握し、適切なタイミングで応募することが成功の鍵となります。

エリートネットワークは、博士人材の転職支援実績や、大手製薬企業やバイオテクノロジー企業への転職支援実績も豊富です。採用動向・選考ポイントを熟知した転職カウンセラーがキャリア設計をサポートします。

製薬の転職体験記 (25件)

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