高層ビル、巨大な橋梁、最新鋭の工場やプラント設備といった多種多様な建設現場の「司令塔」として重要な役割を担う施工管理職。建築、土木、電気工事等あらゆる領域の施工管理経験者の転職支援実績を持つエリートネットワークが、転職市場の動向から求められるスキル、転職活動でのポイントまで徹底解説します。
施工管理は、建設プロジェクトの現場を円滑に進めるための司令塔です。建物や道路、橋、ダムといった様々な構造物が計画通りに、安全に、品質良く完成するように、管理・監督します。
都市部の再開発プロジェクトや老朽化したインフラの修繕、災害からの復旧・復興など、建設需要は依然として全国的に高い水準にあります。
しかし、施工管理業務を経験している人材は、上記の需要に対し不足しています。例えば、60歳未満の1級土木施工管理技士による監理技術者資格者証保有者は、平成17年度をピークに減少の一途を辿っています。
さらに、約800万人の団塊の世代が75歳以上になる、いわゆる「2025年問題」により、経験豊富なベテラン技術者が大量に退職時期を迎えています。建設業界では「約90万人の労働人口が不足する」と予測されており、技術継承の面でも危機感が高まっています。
このような状況下で、施工管理技術者、特に国家資格である「施工管理技士」の資格を持つ人材を求めているのは、ゼネコンやハウスメーカーはもちろん、鉄道会社や道路会社、総合ディベロッパー、プラントエンジニアリング会社、さらには自社工場の新設・改修を行うメーカーや、新店舗やデータセンターの建設・既存店舗の建て替えを行うメガバンクをはじめとする金融機関、発電所やエネルギーセンターの操業管理を行う電力・ガス会社や再生可能エネルギー会社まで様々です。
特に昨今はAIやIoTの普及によりデータの量が爆発的に増加しており、データセンターを所有・運営するIT・クラウドサービス企業、通信事業者の採用意欲は非常に高いです。
これらの背景から、各企業が施工管理経験者の確保と育成に力を入れております。「今の環境に不満がある」「もっと自分を活かせる場所があるのでは?」と感じているなら、今こそキャリアを見つめ直す絶好の機会と言えるでしょう。
日々、数多くの方々から転職相談を受ける中で、私たちが耳にする代表的な転職理由をご紹介します。
施工管理は、現場を納期通りに、安全かつ円滑に進めるための重要な役割を担います。しかし、雨・台風・猛暑といった天候の影響、資材の遅延、想定外のトラブル対応などにより、長時間労働や休日出勤が常態化しやすいのが現実です。
厚生労働省の調査(建設業における時間外労働の上限規制について)においても、建設業の年間実労働時間は全産業平均より346時間長く、年間出勤日数は30日多いという結果が出ています。
「家族と過ごす時間を大切にしたい」「趣味の時間を確保したい」といった理由から、土日祝休みの職種等、より規則的・計画的な働き方ができる職場環境を求めて転職を決意されるケースは後を絶ちません。
私が転職するに至った経緯は、6年前に離婚して “シングルファザー” となったからです。前職では、海外を含めた全国転勤が必須条件でした。就いていた職種は、建設業の施工管理です。施工管理は現場業務が基本であるため、ワークライフバランスの確保が非常に難しく、土日祝日の休日出勤はもちろんのこと、平日も早朝から夜遅くまで勤務する日々が続いていました。
「決められた図面通りに、高品質な建物を造る」ことにやりがいを感じる一方、キャリアを重ねるうちにより上流工程に関わりたいと考えるようになる方も少なくありません。
事業の企画段階からコスト管理、設計、投資判断まで、より広い裁量権を持ってプロジェクト全体を動かせる発注者(デベロッパー、メーカーなど)の立場を目指すのは、自然なキャリア志向と言えます。
日々業務に励んでいる中で、元請側の立場から一つ気づいた事がありました。
極端に言いますと、施工管理という職は言わば決められたものを安全に正確に、決められた品質を守ってひたすらに造る仕事であるということです。なぜこの土地にこの建物を建てるのか、どういった背景があるのか等には気にも留めずに施工を行う日々に、疑問というよりも違和感を覚えました。
建設業に関わる以上、安全かつ高品質な美観性の高い建築物を造りたいという気持ちは誰しもが抱いていると思うのですが、ゼネコンの施工管理職では施工に特化した職種のため、その考えからは逸脱してしまっていることに気づき、自分がやりたいこととは何だろうと考え始めたことが転職活動を始めたキッカケでした。
建設工事は、一つの現場が終われば次の現場へと、常に働く場所が変わります。工事現場が全国各地に点在していることに加え、少ない施工管理メンバーで全国の案件を担当しているケースも多く、転勤や出張がどうしても発生します。工期が数年に及ぶ大規模プロジェクトでは、地方の現場と都内の自宅を行き来するケースや、休日を利用した移動、単身赴任を余儀なくされることも珍しくありません。
「地元に腰を据えたい」「家族との時間を大切にしたい」という思いから、勤務地を限定できる企業への転職を希望される方は非常に多くいらっしゃいます。
今回転職をした理由は、会社の方針としての全国転勤があったためです。結婚を見据えていたパートナーと話し合った結果、転勤のない会社に転職をしようという話になりました。ゼネコンは建設の工期によって異動や転勤が発生してくるので、今後のことを考えて今回の決断に至りました。
過酷な就労環境で培った実務経験は、同業他社だけでなく、異業界からも高く評価される「ポータブルスキル」の宝庫です。
QCDSE(Quality:品質、Cost:原価、Delivery:工期、Safety:安全、Environment:環境)の5大管理を、実践してきた経験は、プロジェクトマネジメント力そのものです。このスキルは、IT、製造業、コンサルティングファームなど、あらゆる業界で求められる普遍的な能力です。
施主、設計事務所、専門工事業者、行政、近隣住民など、立場の異なる利害関係者の間に立ち、合意形成を図ってきた経験は、高いコミュニケーション力のみならず人間力の証明でもあり、どんな組織でも重宝されます。
実行予算の策定、出来高管理、VE(バリューエンジニアリング)提案によるコスト削減など、シビアな数値感覚は、どの分野でも必要とされています。
人命に関わる労働災害を未然に防ぐためのKY活動や安全管理の徹底、工期遅延などのトラブルを乗り越える問題解決能力は、メーカーの品質保証やプラントの安全管理など、信頼性が求められる職務で高く評価されます。
「施工管理以外の道がイメージできない」という方もご安心下さい。ご経験を活かせるフィールドは、多岐にわたります。
事業の企画・開発段階から関わり、プロジェクト全体を統括します。施工管理の知識を活かし、設計事務所やゼネコンを的確にリードできるため、年収アップと働き方の改善が両立しやすい人気のキャリアです。
自社工場やオフィス、店舗などの建設・改修・維持管理を担います。短期的な全国転勤の可能性は低く、腰を据えて働ける環境が魅力です。
発注者の側に立ち、専門的な知見から設計・発注方式の検討、工程・コスト管理などを支援します。
公共事業などを中心に、調査・計画・設計・維持管理までを担います。施工現場の知見は、より実現性の高い計画・設計を行う上で大きな強みとなります。
ビルや商業施設の資産価値を最大化するため、運営管理やテナント対応、修繕計画の立案などを行います。建物に関する技術的知見が直接活かせます。
建材メーカーやBIMソフトベンダーなどで、技術的な知見を活かして顧客に最適な提案を行います。「現場を分かっている営業」として、高い信頼を得られます。
建設業界へのDXを推進するSaaS企業などで、プロダクト開発のPMや、顧客への導入支援を担当します。業界の課題解決に直接貢献できるやりがいがあります。
太陽光発電所や風力発電所などの建設プロジェクトマネジメントを担います。国も支援する成長産業であり、将来性も豊かです。
建設業界のクライアントに対し、現場の業務改善や経営戦略の立案などを支援します。
建設現場の安全対策の企画・実施、危険箇所の特定と改善、労働安全衛生教育などを担います。現場で培ったリスクマネジメントの視点は、事故を未然に防ぎ、働く人の安全を守る上で極めて重要です。
事前準備も疎かにやみくもに応募しても転職活動の成功は掴めません。後悔しないために、以下の3つのポイントをしっかり押さえましょう。
まずは、これまでの実務経験を具体的に書き出してみましょう。
担当した工事の種類(S・RC・SRC等)、規模(請負金額・延床面積)、自身の果たした役割、そして「何を工夫し、どう貢献したか」を言語化することが重要です。
その上で、「なぜ転職したいのか」「転職によって何を実現したいのか(年収、働き方、やりがい等)」という「転職の軸」と「優先順位」を明確にしましょう。この軸が、企業選びの羅針盤となります。
給与や休日などの条件面だけでなく、例えば総合ディベロッパーの選考を受けようとしているのであれば、その企業が「どのような建物を」「どのような思想で」造っているのか、企業文化や社員の働き方はどうか、といった「求人票の奥」にある情報収集が不可欠です。企業のウェブサイトやニュースリリースはもちろん、可能な限り実際にその企業が手掛けた建物を訪れてみることは必須でしょう。
株式会社竹中工務店様が運営する『竹中大工道具館』や清水建設株式会社様の技術研究所内にある『建設技術歴史展示室』、住友林業株式会社様の『フォレスターハウス』といった各企業が運営する施設は、各社の技術や歴史を学ぶのに非常に効果的です。
職務経歴書では、単に担当工事を羅列するのではなく、具体的な数字(工事規模・コスト削減額・チーム人数等)を織り込むことはもちろん、ご自身のスキル(マネジメント、コスト管理、調整力など)が、応募先企業で転用できる、再現性があると伝わるように記述する必要があります。 面接では、「なぜ同業他社ではなく、当社なのか」という問いに、ご自身の言葉で情熱をもって語れるよう、しっかり事前準備しておくことが内定への鍵となります。
しかし、これら全てを一人で行うのは大変な労力がかかります。日常業務を抱えながら行うことになれば、必然的にヌケやモレも生じることでしょう。特に、多忙な施工管理業務と並行しての転職活動は困難を極めます。
そこで私たちエリートネットワークの出番です。実績豊富な転職カウンセラーが、キャリアの棚卸しから、非公開求人案件のご紹介、企業ごとの応募書類の添削、面接対策まで、プロの視点で一貫してサポートします。
弊社を通じて転職を成功なさった施工管理経験者の方々の『転職体験記』も多数掲載しておりますので、是非ご覧下さい。
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クライアント企業との太いパイプと採用実績・高い定着率で財閥系企業や上場企業を中心に各業界の大手企業各社から評価を頂いており、ハイキャリアの転職支援実績が豊富にございます。
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