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理系修士技術職34歳。家族から「当たった宝くじを捨てるのと同じだ」と言われるも、違和感を拭えず、妻との共働きも両立させたく、鉄道会社から風力発電会社へ

理系修士技術職34歳。家族から「当たった宝くじを捨てるのと同じだ」と言われるも、違和感を拭えず、妻との共働きも両立させたく、鉄道会社から風力発電会社へ

No.1536
  • 現職

    東証プライム上場 エネルギー会社グループ 風力発電事業会社

  • 前職

    東証プライム上場 鉄道事業会社

今西 順一 氏 34歳 / 男性

学歴:県立高等学校 卒
慶應義塾大学 理工学部 卒
慶應義塾大学大学院 理工学研究科 修了

実用英語技能検定1級
TOEIC L&R 895点
鉄道設計技士
乙種第4類危険物取扱者

① 初めに

新卒で大手鉄道会社に約10年間勤め、この度、転職をした。転職してから数カ月経つが、決断して良かったと思う日々である。
この実現に多大なる協力をしてくれた(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの久井さんと高橋さんに感謝している。

その久井さんから、私の転職は「30代中盤で未経験で全くの畑違いの異業界に飛び込むのは、事例としては多くない。同様の転職を考えられている方々の安心材料になると思うので、ぜひ体験記を執筆して欲しい」と言われた。

そこで、私の経験や考えたことを簡単に書いてみることにした。私の経験が、キャリアについて悩んでいる方や迷っている方の後押しになれば幸いである。

② 転職を決意した経緯

実は転職活動をするのは2回目だった。

1回目は、約5年前。厳しい上司や難しく輻輳する業務に疲れ、そこから逃げるために転職という手段を使おうとしていた。
とにかく状況を変えたかった。
こうした理由であることを自分でも理解していたため、最終的には内定が出る直前で考え直し、前職に残留して当時の仕事に向き合い、乗り越えることを選択した。

それから約5年が経過し、改めて転職を考えた。理由はいくつかある。

仕事は自分で能動的に対応し、こなせるようになった。自分で周りを巻き込んで、解決した問題もいくつかあり、自信は付いてきた。
そういった中で大手企業の中で歯車の様に働いていくことに対し、違和感を覚えていた。
周りの先輩や上司を見ると、現状に上手く適応して受け入れているように感じられるが、果たして自分自身はこのまま20~30年間続けていった先に「満足した会社員人生を送れた」と胸を張って言えるのか不安になった。
他の人に合わせる必要はない、自分らしく、自分の考える姿で情熱を持ち、周囲を巻き込み、仕事に向き合えばよい。
そう思いつつ、この数年間、常に心に引っかかるものがあった。

一方プライベートでは、結婚・子供の誕生・家族の他界などここ数年で様々なライフイベントがあり、妻と共働きの私にとって、転勤を前提とした前職の働き方は成立しないと思っていた。
転勤を控えてもらうよう願い出ることも選択できたが、そもそも前職で働くことに対して違和感を覚えていた私は、違う選択肢を取ってみようと決意した。

③ キャリアの棚卸しを通じて気づいた点

改めて、何のために働きたいのか、どう働きたいのかをあれこれ考え、棚卸しをして整理することにした。
新卒の就職活動を思い返すと、大手一流企業で働き、周りからどう見られるかということばかりを気にしていたことに気づいた。
就職ランキングなるもので上位に入っている企業で働くことがステータスであり、「仕事内容は、自分の思うやりたいことの大枠に入っていれば良し」としていた。正直、もっと違う基準で働く先を決めていれば、と後悔することもあった。

それでもやはり、学生時の自分では、今の自分の変化は予測できなかったと思う。どうやったってなるようにしかならないのだろうと思い、先を見ることにした。
そして最終的には、前職とは関係しない分野で働くことが自分のチャレンジしてみたいことだ、という結論に至った。

④ (株)エリートネットワークでの転職活動

それから転職サイトに登録した。毎日、数多くのエージェントから「一度話をしましょう」という趣旨の連絡を頂いた。
1回目の転職活動の時に同様のやり取りを経験していたため、エージェントごとに自分との相性の良し悪しや熱量の違いがあることは知っていた。
出来るだけ経験豊富で、親身に転職実現をサポートしてくれる人に会いたいと思っていた。
送られてきたメッセージやプロフィールを読み比べ、この方は面白そうだと直感したのが(株)エリートネットワークの高橋さんだった。
返信をしてみたところ、部下の久井さんという方から電話がかかってきた。
初回のWeb面談の日程を調整してもらい、ついにその日が来た。

高橋さんと久井さんによる1時間程度の面談で、私の経歴や転職に至った経緯、やりたいこと、現在の転職市場の状況など様々なことを話した。
今回の転職活動でも、複数のエージェントとお会いしたが、ここまで深堀してあれやこれやと聞いてくれたのは、この二人のコンビだけであった。

やり取りで特に印象的だったのは、高橋さんから「よし、わかった。色々と考えているようだけど、要するに家族と一緒に暮らしたい。そういうことだろう。もう今の会社は卒業しよう。その実現のためにコミットするから。安心してほしい」という趣旨のコメントを頂いたことである。その通りだと思った。
何だかんだ言って、家族との時間を大切にしたい、というのは大きな転職の理由であったと思う。そこを言葉にして明確にしてくれた高橋さんに感謝している。
コミットする、という言葉も嘘偽りが無いように思えた。そして、その場にいた久井さんは、この高橋さんに鍛えられている人であるからきっと信頼できるだろうと直感した。

それからは応募先を決め、履歴書や職務経歴書の添削をしてもらった。
自分で作成した職務経歴書の初版は2枚であったが、久井さんから、企業側が読みやすいとされるフォーマットを教えてもらい、「どれだけ長くても良いので、とにかくご自分の実務経験を余すことなく書いてみて欲しい」と言われた。
最終的に6枚に及ぶ職務経歴書に仕上がった。記載内容も洗練され、企業に知って欲しい自分の強みや経験を散りばめることが出来たと思う。
こういったやり取りにおいても、久井さんは遅い時間帯であっても丁寧に対応してくれ、ハードワークを重ねてくれた。
もしも初版の職務経歴書で応募して戦っていたら、この転職は上手くいっていなかったと思う。この点についてもお礼を申し上げたい。

⑤ 最後に

さて、冒頭にも記載したが、私のチャレンジしたいことは、未経験の異業界であった。
久井さんだけでなく、他社のエージェントからも「厳しい転職活動になると思う」と言われた。
考えてみれば当然のことで、企業側からすればキャリア採用をするというのは、即戦力を期待しているのであって、30代の未経験の人材を採るというのは遠回りであり、大変に思い切った決断となる。
それでも、この転職で自分がやってみたいと思うことを貫きたいという気持ちは変わらず、業界を絞って複数社に対して応募をかけることにした。

最終的に、幸いにも1社のみ書類を通過し、面接を受け、晴れて内定を頂くことが出来た。
自分の決めた道をぶれることなく、真っすぐに向かって良かったと安堵したことを今でも忘れない。
採用してくれた転職先の企業には本当に感謝している。そして、こういうご縁を得られたのも久井さんと高橋さんのお陰である。

私は転職を考えてから実現するまでに約5年間かかった。
家族に相談すると「何で今の大手企業で働く機会を得られたのに辞めるのか。当たった宝くじを捨てるのと同じだ」というようなことを言われたこともある。
確かにそれはその通りで、前職で働き続ければ安定した生活を享受し続けられる可能性は高かったと思う。
それでも、自分の心に素直に向き合い、違和感に従い、行動を起こしたことに対して、自分のことながら良くやったと言いたい。

生きていれば色々なことがあるというのは、この10年間で少しずつ見えてきた。
この転職もその中の一つである。また10年後に、今回転職して良かったと胸を張って言えるよう、日々研鑽に努め、謙虚に生き、邁進していこうと思う。

最後になるが、この転職までの道のりを支えてくれた家族と親友にも大変感謝している。特に妻は子育てをしながら転職活動をする私を応援し、サポートしてくれた。最後の最後で力を発揮できたのは、妻のお陰である。本当にありがとう。

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