総合電機メーカーからSaaSベンチャーへ転職し、部長にまで昇進した36歳。やっぱり日本の産業基盤を支えたく、DX推進と戦略立案の両経験を活かせる老舗総合重工業メーカーへ

No.1707
  • 現職

    【東証プライム上場 名門 総合重工業メーカー】
    情報統括本部 DXグループ
    業務プロセス変革プロジェクトのプロジェクトリーダー・ビジネスアナリスト

  • 前職

    【東証プライム上場 総合電機メーカー】
    調達本部 原子力機器調達グループ
    遠隔機器調達(年50億円規模)や国の補助事業案件(100億規模)の管理担当
    →エネルギー営業本部
    再生可能エネルギー(太陽光・風力)の機器営業及びEPC案件のプロジェクト管理担当
    ※大型案件受注による事業部長賞 受賞
    →新規事業企画部(営業部門と兼務) 主任
    新ビジネス(サービスモデル)の事業化に向けた拡販対応、DX化・カーボンニュートラルに関するソリューション営業

    【複数のVCから投資を受ける建設業向けの業務管理システム開発・提供スタートアップ】
    エンタープライズ本部 マネージャー
    インフラ・公共領域担当法人営業、領域責任者
    ※担当クライアントの利用浸透・評価における優秀賞 受賞
    →ビルディングエンタープライズ本部 部長
    大型案件の取り纏めや業務改善・サービス活用提案、新プロダクトの開発プロジェクト等

樫本 太希 氏 36歳 / 男性

学歴:東京都立 神代高等学校 卒
慶應義塾大学 総合政策学部 総合政策学科 卒
TOEIC 800点

掲載日:2026年3月10日
目次
  1. 学生時代の就職活動
  2. 総合電機メーカーでの担当業務
  3. SaaSベンチャーへの転職
  4. 今回、二度目の転職に至ったきっかけ
  5. 転職活動で重視した点
  6. 転職活動を通じて気づいた点
  7. 最後に

① 学生時代の就職活動

振り返ると、私は「社会的意義のある大きな機構の中で仕事がしたい」と考えていた学生でした。派手なベンチャー志向というよりも、社会の基盤を支えるような、長く残る事業に関わりたいという想いが強かったと思います。

大学では総合政策を学び、国際安全保障分野のゼミに所属し、社会制度やエネルギー問題、公共性の高い事業に関心を持ちました。資源が乏しい日本において、エネルギー安全保障の観点で社会に寄与することが、人生の時間を投資する価値のあることだと思っておりました。
学生時代は野球や陸上、バレーボールなど部活動に打ち込み、チームで目標を追う経験を重ねてきました。勝つために自分の役割を果たす力、そして最後までやり抜く力が自然と身に付いてきたと思います。スポーツマンとして表彰などの輝かしい実績はありませんが、日々の業務や生活に活きていることも多く、今思えば、この姿勢はその後のキャリアの土台になっています。

就職活動では、「社会インフラに関わること」「スケールの大きな仕事」「日本の産業に貢献できる会社」を軸に企業を回りました。
具体的にはエネルギー業界、重電メーカーなどを中心にエントリーをし、最終的に選んだのは、エネルギーや社会インフラを担う総合電機メーカーでした。社会を動かす現場の最前線で、自分の力を試したいと思ったからです。

② 総合電機メーカーでの担当業務

最初に配属されたのは、原子力分野の調達部門でした。
国の補助金案件や監査対応も含む、極めて厳格なプロセス管理が求められる環境でした。入社時は3.11後ということもあり、原子力事業に向けられる世間的なプレッシャーも大きく、日々緊張感を持って業務にあたっていました。
年間数十億円規模の機器調達を担当し、入札、公募、監査対応、社内規準整備などの実務を経験しました。「公正さ」「再現性」「エビデンス」など社会インフラ事業の重みを体で覚えることができましたが、これも人手不足と事業環境の多忙さも重なり、若手に業務を任せていただいたお陰で、大きく成長することができたと感じています。当時は大変なことの方が多かったですが、あの時の経験が今でも大変役立っています。

その後、再生可能エネルギー部門へ異動し、太陽光・風力発電のEPC(Engineering・Procurement・Construction)案件を担当しました。
役割としては法人営業・プロジェクト管理の2つのミッションを持っていました。工程遅延や仕様変更、地元住民説明、追加契約交渉など机上ではなく、現場で泥臭くプロジェクトを完遂する経験でした。大型案件で表彰を受けたこともありますが、それ以上に、トラブルを乗り越えた経験が自分を強くしました。

この部門で数多くの現場を経験したことから、業務の効率化やデジタル化の重要性などの2社目への転職を考える問題意識が芽生えてきたと感じています。それは総合電機メーカーであることから、業務効率化によって生まれる “ 時間 ” は優秀な技術者が新たな技術や事業を創出できる時間になるはずだと考えたためです。

さらに次の所属先である新規事業部門では、DXやカーボンニュートラル関連のサービスモデルを企画し、既存事業と新技術を組み合わせる構想づくりに携わりました。
その中で、スピード感を持って業務効率化とデジタル化に取り組みたいという思いが強くなり、転職を決意しました。
ベンチャー企業にチャレンジしたい、自分の実力を試してみたいという思いがあったのも事実です。

③ SaaSベンチャーへの転職

2022年、SaaS企業へ転職。
エンタープライズ営業職としてインフラ業界向けDXを推進し、個人目標130%超、事業成長率188%など、スピード感ある環境で結果を出してきました。いち担当者から、マネージャー、部長と役割を広げ、最大15名の組織を率いながら、業界トップシェア拡大に取り組みました。

入社当時は前例やルールが少ない環境で、試行錯誤しながら取り組んできました。決められたレールや方針を与えられるのではなく、自身で考え・行動し、責任も自身に返ってくる、と言うと一見厳しい環境に思えますが、社会人としてもスキルを磨くことができたと感じています。数値的な結果は良く見えますが、あくまで結果論であり、白紙の状態から試行錯誤を重ね泥臭く仕事に向き合ってきた結果得られたものだと考えています。

何よりも、大企業とスタートアップ、両方を経験できたことは、私の財産です。

④ 今回、二度目の転職に至ったきっかけ

部長として一定の成果を出し、組織も拡大し、裁量も増えました。正直に言えば、日々忙しい環境ではありましたが、居心地は悪くはなく更なるチャレンジングな環境も中長期的にはありました。
しかしながらベンチャー企業である以上、責任あるポジションになるにつれて業務の総量が調整しにくい現実にも直面しました。入社して4年が経ち、家庭環境も変わったことからワークライフバランスを重視したいという思いが強くなりました。

一方で、目まぐるしく変わる世の中で市場価値を高め、一人の人間としても社会人としてもスキルを磨いていきたいという思いも強く持っていました。それに悩む中で「自分はどこで戦い続けたいのか」と問い続けていました。
その中で、SaaSでのDX推進は刺激的でしたが、やはり私は “ 産業そのもの ” を動かす現場に強く惹かれていることに気づきました。
エネルギー、インフラ、重工業といった日本の根幹を支える産業に、もう一度深く関わりたい、もう一度、巨大な組織の中で勝負したいという思いが強くなりました。そして、デジタルと事業の両方を理解する立場として、橋渡し役になりたい。これらが今回の転職の主な理由となります。

上記に加えると年齢的な観点もあり、30代後半なのでこれまで積み上げた経験をどう使うのかを真剣に考えた時、「次の10年」を決める転機だと思いました。

⑤    転職活動で重視した点

今回の転職活動で、私が譲れなかった軸は3つです。
1.    社会的意義の大きさ、産業基盤に寄与できる環境
2.    自分の強み(業務分析×DX×事業推進)が活かせること
3.    ワークライフバランスの確保

一方で、手放したものもあります。
肩書きやスピード昇進、短期的な評価指標です。
スタートアップでは、成長率や数字が明確であり、業務への取り組みや得られる成果も大企業とは異なります。しかし次は、より長期的な視点で価値を生む仕事を選びたいと考えました。そして、家庭環境と両立できるワークライフバランスを確保することを重視しました。

企業選びでは、「なぜ自分なのか」「なぜこの会社なのか」を徹底的に言語化しました。これまでのキャリアを棚卸しした職務経歴書をベースに自身と向き合い、志望度の整理シートを何度も更新し、自分の本音と向き合いました。

⑥    転職活動を通じて気づいた点

転職活動を通じて気づいたのは、「自己理解の深さがすべてを決める」ということです。

・自分は何に喜びを感じるのか。
・どんな環境で力を発揮できるのか。
・何を失っても後悔しないのか。

条件比較では答えは出ませんでしたので、最後は自分の原点に立ち返る作業でした。そして、「転職をする」という決断を転職活動前にしていたことも大きかったと思います。「候補企業が決まって、現職と比較する」ではなく、「異なるキャリアを選択する」と覚悟を決めたことが、転職活動の充実度を変えると感じました。

もう一つの気づきは、「キャリアは直線でなくていい」ということ。
大企業からベンチャーへ、そして再び大企業へ。一見遠回りに見える経験も、すべてが今に繋がっているように感じています。

反省点を挙げるなら、もっと早く自分の軸を明文化すべきだったことです。転職活動は多忙な中で行うため、想像以上にスピード感があります。候補企業への質問や企業研究、比較する際の軸など、転職は準備が9割だと思います。普段から自分自身の志向を棚卸ししておくことの重要性を痛感しました。

⑦    最後に

次の職場では、もう一度ゼロから信頼を積み上げる必要があります。これまでの経験に固執せず、謙虚に学び、しかし挑戦は恐れない気持ちで日々努力していきたいと考えています。

そして、日本の産業の未来に、少しでも貢献できる存在になりたいと思います。
これは結果として自身のキャリアや成長に繋がるものだと思っているからです。DXは目的ではなく手段であり、現場が変わり、事業が強くなり、産業が前に進むという、その実装に全力を尽くしていきたいです。

今回の転職活動を通じて、自分の価値観と真剣に向き合う機会をいただきました。
伴走してくださった転職カウンセラーの黒澤様には、心から感謝しています。転職という新たなキャリアを踏み出すという意識と覚悟を持つことを教えていただき、転職活動のスタート時から正しい心構えをもって臨むことができたと感じています。

これから転職を考える方へ、僭越ながら助言させていただくとすると、キャリアは他人からの評価ではなく、自分の評価基準で決めるものだと思います。
迷いも不安も含めて、年齢を重ねると様々な要因が絡み合ってきますが、実際に転職先で働き、人生の限りある時間を投資するのは自分なのですから、それらが積み重なって自分の人生の物語になるのだと、今は感じています。
成功か正解かどうかはやってみないと誰にもわかりませんが、自分で選択したということが新天地で頑張る原動力になるはずだと確信します。
皆様の転職活動のご参考に少しでもなる部分があれば幸いです。

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