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エンジニアリング会社から、国際総合物流会社へ

エンジニアリング会社から、国際総合物流会社へ

No.1275
  • 現職

    一部上場 財閥系 海運及び国際総合物流会社 事務系 総合職

  • 前職

    東証1部上場 エンジニアリング会社 インフラ設備の建設EPC向け営業職

南谷 達男 氏 35歳 / 男性

学歴:慶應義塾大学 経済学部 経済学科 卒

学生時代は、一貫してチームスポーツに取り組んできたほか、海外に住む身の回りの家族や知人の影響もあり、漠然と海外で、且つ、チームで大きな仕事に取り組んでみたいと考えていました。こうした背景もあり、新卒での就職活動をしていくなかで、早くから海外に出ることができ、世界の社会インフラを支えるエンジニアリング会社に関心をもち、応募。入社しました。

入社当初は、本社の管理系の仕事に従事し、経営層がどのような緊張感・課題をもって、どのような意思決定をしているか横目に見る貴重な経験ができました。他方、フロントでの経験がやはり必要になると考え、入社7年目に一念発起し、海外の現場に3年間従事する機会を頂きました。

入社10年が経過し、30代も半ばに差し掛かる頃、管理系を経て、海外営業に従事し、主に海外の顧客の入札業務を経験するなかで、建設請負者として仕事をするだけでなく、より上流で事業を中長期的に管理していく仕事がしてみたいと考えるようになり、なんとなく転職を意識し始めました。

この頃、転機として大きかったのが、2人の子供の成長と、それに合わせた妻の復職でした。人生100年時代、共働きが当たり前になりつつあるなかで、今後の働き方も見直す必要があるとも徐々に考えるようになりました。
このように考えるなかで、“社内では経験が積み重なってきていても、それが社外ではどうなのか”、“社外の人はどのようなスキルをもって仕事にあたっているのか”と興味を持つようになり、迷いながらも、“まずはやってみよう”という好奇心から転職活動を始めました。

転職活動をして良かったことは、自分を正直に見直すきっかけになったこと、今後の人生を何に懸けるかという腹決めができたことです。前職に不満がなかったわけではありません。転職カウンセラーの方にも、最初はうわべの取り繕った転職理由を話していましたが、実際のところ、処遇、働き方、家庭とのバランス、会社の体質等、思うことは数多くありました。
それらはどこの職場でも起こり得ることで、いちいち文句を言っても仕方ないことと考えて、自分のなかで封印していましたが、本当にそれが譲れない条件ならばそれともしっかり向き合い、恰好をつけずにそれを自分の優先事項として据えるべきだと考えるようになりました。

とはいえ、どんなに待遇が良くても、自分のありたい姿に近づけるか、興味がある分野の仕事ができるかが、長い人生では大切です。やりたいことをやっていない父親像を見せることはしたくなかったので、仕事人生を懸けてしっかり取り組める大きな社会課題があるとよいと考え、“海外のインフラ管理にかかわれる”仕事を探し、そのなかで“今より家庭とのバランスがとれる”という視点で仕事を選びたいという自分自身のこだわりを決めました。

仲間と一緒に、自分だけでは実現できないような課題に挑戦する機会がある仕事、且つ海外でのインフラ開発・管理となると、自然と会社も絞られます。そのなかで、自分の経歴が認めてもらえる企業となると、それほど多くはなく、“今挑戦しなければ、後で後悔する”という思いにも掻き立てられました。

面接に向けては、結果がどうであれ、自分が納得でき、自分にプラスにするには、やれることは精一杯やるしかないと考え、試験や面接には睡眠時間を削ってでもできる限りの準備をして臨みました。ホームページでVisionやMissionを読んでも簡単に頭に入ってくるものではなく、自分のなかで咀嚼して、腹落ちさせるにはそれなりの時間も必要となります。その会社にかかわるニュースを突然見始めても、そのイベントの裏側にある背景は読み取れません。

しかし、こうした積み重ねによって、自分自身の理解が徐々に深まり、面接の場の一言一言に現れ、相手との共感につながるのだなと感じました。実際、仕事をしていてもそうですが、全く畑違いの相手と、自分たちの常識・言語で話すことは非常識で、共感を得られません。相手の言語に落とし込み、同じ土俵で議論できるように自分自身のマインドセットを変えることが必要ということを改めて感じることができました。

他方、苦しかったのは、前職への思いでした。“自分が抜けたら迷惑をかける”、“寂しいと思ってくれる仲間もいる”、“頑張っている仲間にネガティブな影響を与えるかもしれない”、“本当に転職するときどう切り出したらよいのか”、“転職先では、外様となり、誰も助けてくれないかもしれない”、“自分の実力・経験は通用しないかもしれない”等、色いろ思いが夜な夜な頭をよぎり、見方によっては“身勝手な”自分の行動に後ろめたさを何度も感じました。

ただこうした考えにも、自分の軸を書き出して“自分がまずどうありたいか”を第一に考えることが大事であると感じました。感情に流されて前職にとどまってもどこかで後悔する自分を想像してしまい、自分の人生を人に預けずに自分で決断できたことは、人生のなかで大きな経験となりました。

自分の人生には誰も責任は持ってくれません。他人の視点を気にしてこれまで我慢してしまうことが多かったのですが、それで軸のない決断をしていては、最後に振り返ったときに、“もっとこんなことをしておけばよかった”と後悔すると思います。どんな選択をしてもリスクはつきものですが、悩んで出した答えであれば、それが自分にとっての“正解”と今は納得することができています。

こういった経験は、必ず自分を強くすると信じており、逆に新天地で自分自身を鼓舞する良いモチベーションになると考えていますので、後悔しないよう、転職先でも鋭意精進したく考えています。転職カウンセラーの方々には最後までご支援・ご指導いただき、末筆ながら御礼を申し上げる次第です。ありがとうございました。

以上

この転職者を担当したカウンセラーに
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