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機械メーカーの経理担当(USCPA)、年収アップを目的に転職

機械メーカーの経理担当(USCPA)、年収アップを目的に転職

No.1109
  • 現職

    一部上場 大手電機メーカー 経理部 経理担当

  • 前職

    一部上場 大手機械メーカー 経理部 経理担当(工場原価計算、本社連結決算、英文での短信・開示)

藤森 強 氏 34歳 / 男性

学歴:東京大学 経済学部 経営学科 卒
米国公認会計士 (USCPA)
日商簿記 2級
TOEIC 920点
漢語水平考試(HSK)2級
運動会 合気道部

2018年転職活動総括

 転職にあたり私が考えたこと、持っていた経験などを転職活動の総括として記述します。
もし今後転職活動をしようとする方のご参考になれば幸いです。

(1)自己紹介

大阪出身、男性、34歳。
2008年3月に東京大学経済学部を卒業、機械メーカーに総合職正社員として入社。
2018年までの10年間、3工場の経理、本社連結決算、営業部門経理担当を歴任。
2018年9月にエリートネットワークに登録、5社受験して11月に第1志望の会社に合格。

(2)新卒での就職の判断、志向

世の中に役立つ事業、特に成果物が実体を伴うことからメーカーを志望。そのなかでも巨大な機械が動くプロモーションビデオに印象づけられて入社。
一方で平成不況を幼少期から見てきた立場から、企業と労働者に真のWin-Winの関係が成立することには懐疑的であり、企業への就職とは労働の売買契約であるとも考えていた。

(3)前職での担当業務、実務経験、スキルなど

①本社経理部 原価計算グループ(2008/4-2009/5)
・工場原価計算(月次、四半期、年次):
 工場仕掛品・在庫に関する月次および年次の決算仕訳、試算表作成、月次締め表の作成

・工場他部門への経理勉強会:
 原価計算を中心とした初級経理知識の教育と、お金の流れから見た工場オペレーションの概説

②北関東工場 総務部 経理グループ(2009/6-2010/6)
・工場原価計算(月次、四半期、年次):
 工場仕掛品・在庫に関する月次および年次の決算仕訳、試算表作成、月次締め表の作成

③東北工場 総務部 経理グループ(2010/7-2014/6)
・工場原価計算(月次、四半期、年次):
 工場仕掛品・在庫に関する月次および年次の決算仕訳、試算表作成、月次締め表の作成

・工場損益取り纏め:
 月次工場損益計算書の作成、予実分析と、工場長への報告
年次の工場ビジネスプランの作成

・工場補給部品の在庫管理システム導入とオペレーションの構築:
 会計基準の変更に伴い、工具器具備品の在庫残高の見える化を実施。
 在庫管理システムの導入、製造現場での現物管理、経理帳簿の作成までを一気通貫のオペレーションとして構築した。

④本社管理部 連結決算グループ(2014/7-2018/7)
・グループ連結決算(四半期、年次):
 各社報告パッケージのチェック、勘定科目別の総合チェック
 関連会社間取引の照合取り纏め
 連結調整仕訳起票
 Tax REC資料作成
 連結売上、連結損益計算書、連結純資産計算書、連結貸借対照表の作成
 上記資料の管理部長およびCFO報告

・開示業務:
 四半期報告書、有価証券報告書の各パート作成
 短信(和文・英文)の作成と取り纏め

・上記のマニュアル作成:
 各業務について、作業の全体図・決算の中での意義を踏まえた詳細なマニュアルを作成

・連結決算上の適時課題解決:
 新規連結子会社の財務諸表作成と取込み
 繰延税金資産の会計基準変更に伴う決算処理作成
 連結決算システムのバージョンアップ対応

⑤営業本部 経営企画室(2018/8-2018/12)
・本社単独の海外損益分析:
 月次予実差異分析、売上に関するビジネスプラン作成

(4)業務外の個人のスキル

①日商簿記2級(2007/11):就職してからどの様な職種でも必ず役に立つと考え取得。

②米国公認会計士(2011/12):会計知識を英語で勉強したい、また海外でも働けるチャンスに活かせる様な資格が持てればよいと考え挑戦。平日は毎日2時間、休日は5時間程度勉強し、2年半で合格。その後に異動した連結決算Gでは英語の財務諸表確認や開示作成があったため、非常に役に立った。

③TOEIC 920点(2013/5):英語力を鍛えたいと思ったため、通常の試験対策の他に留学予備校・夏休みを使った海外旅行などを活用。自己最高点を更新した以上に、自然と英語で話せる様になったのが大きい。

④HSK2級(2018/10):中国の国際政治・経済面でのプレゼンス向上を見て、中国語の復習をしたくなったため取得。簡単過ぎたので、機会があればもっと上の級も勉強したい。

(5)転職の背景、きっかけ

①背景:東北工場勤務時に東日本大震災とそれに続く原発爆発に遭遇。その際に工場長が「会社は従業員の安全に責任を持てないが、従業員は会社の仕事に責任を持て」と工場従業員全員の前で発言、その後も本社で経営中枢の立場の者による従業員を軽視した発言が頻々に聞かれた。
また、部署ごとに繁閑の濃淡が極端に強く、スキルにならない仕事で頻繁に深夜残業をする職場が多かった。

上記の理由から、現状の労務契約を続けることは賃金・機会費用・精神衛生的に時間(すなわち人生)の無駄遣いであると考え、条件さえ合えば動こうと考えていた。

②きっかけ:半年前に結婚し、海外異動や収入に関して自分だけの話ではなくなった。
特に配偶者が私より労働時間が短いにもかかわらず賃金が高かったのが悔しかった(笑)ことから、より良い条件での職場を探した方が良いと考えた。

(6)転職で拘ったこと、譲れないこと

会社で働くことを「個人対企業の労務サービス契約」と見て、契約条件のファクタを考えた。
①就労時間:短い方が良い
②賃金:高い方が良い
③勤務地と異動:異動は少ない方が良いが、あっても地域はある程度推定できる。
④やりがい:やりがいは必ずしも仕事内容のみで決まらないことから、転職の条件として曖昧。
⑤職場環境:職場の人間関係は状況により変化するため、転職の条件として曖昧。

上述の中で入社前に定量的に観測できるのは②③のみであること、また現状の問題を最も大きく解決できることから、②を最優先、③を第二優先として転職先を検討した。

(7)転職活動での気づき、学び、反省点

①相談相手:自分一人だと上述の(5)(6)はなかなか言葉にして整理できない。しかし面接で必ず聞かれる質問の答弁のベースになるので、必ず友人や家族に相談した方が良い。

②面接対策:5社受験したが、聞かれることは8割方同じなのである程度テンプレート化できる。但しそれを自分自身の言葉で流暢に伝えるには練習が不可欠なので、これも必ず事前に友人や家族に手伝ってもらい、忌憚のない批判を貰っておくべき。

(8)次の職場への抱負など

間違いなく前職場よりも仕事はしんどいと思う。また、企業という組織に属す以上、自分の命と賃金の交換をするという契約形態自体は変化していない。
しかし前職場よりも条件は良くなっており、また自分で考えて選択したことなので、ベストエフォートで頑張りたいと思う。

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