電気インフラ設備の現場一筋36歳班長。内定先との丁寧なオファー面談を経て、東証プライム上場 完成車メーカーへ転職成功

No.1660
  • 現職

    【東証プライム上場 完成車メーカー】
    東海地方の年間自動車生産台数トップ工場 生産本部 工場の動力設備保全業務

  • 前職

    【東証プライムグループ 電炉法による鉄鋼生産に欠かせない黒鉛電極のトップメーカー(水力発電所も保有)】
    中部地方の工場 製造部門 電気チーム 班長(特別高圧受電設備や配電設備の監視・点検・軽微な補修業務等)

多治見 佑樹 氏 36歳 / 男性

学歴:長野県立 池田工業高校 電気・情報システム科電気コース卒
危険物取扱者 乙種 第4類
第2種電気工事士
酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者
ボイラー技士 2級
電気主任技術者 第3種

掲載日:2025年8月14日
目次
  1. はじめに:工業高校卒のオペレーターが転職を決意するまで
  2. 原点とキャリア:17年間の現場オペレーターとしての歩み
  3. 迷いと転機:業務縮小の波と “ 張り合い ” の喪失
  4. 試しの一歩:実務経験の棚卸しとAIという支え
  5. 志望理由の深掘り:備えることで見えてきたこと
  6. 出会いと信頼:エージェントという “ 橋渡し ” の存在
  7. 面接と違和感:ミスマッチを“拒絶”ではなく“理解”へ
  8. 決め手は “ 期待 ” :選ばれる転職から、選ぶ転職へ
  9. これからの姿勢:期待に応える準備と、感謝の気持ち

はじめに:工業高校卒のオペレーターが転職を決意するまで

私は、いわゆる “ 工業高校卒・現場オペレーター出身 ” の人間です。
これをお読みになる皆様に合うかわかりませんが、自分なりの転職体験記を、率直に綴らせていただきます。

原点とキャリア:17年間の現場オペレーターとしての歩み

長野県内の工業高校を卒業後、製造業の中でも比較的規模の大きい工場に就職しました。

変電設備や電力のピーク管理など、24時間体制の監視業務と点検が主な仕事です。
約17年間、同じ企業で勤務を続け、製造現場の電気インフラに関わる保守・運用を一貫して行ってきました。

迷いと転機:業務縮小の波と “ 張り合い ” の喪失

正直、仕事に大きな不満はありませんでした。
現場設備の点検や保全業務を長く担当してきて、自分なりにやりがいもあり、仕事への誇りもありました。

ただここ数年、業務分担の見直しによって、点検業務の割合が少しずつ減ってきました。
将来的にどうなるのか、上司や周囲にそれとなく聞いても、「誰でもできる作業になる」「むしろ歓迎される流れ」という雰囲気があり、どうやら設備系業務は社内でも縮小され、アウトソーシングの方向に向かっていることを感じました。

私自身、今年で37歳。
何かにチャレンジするには、正直ギリギリのタイミングかもしれません。(むしろ、自分では遅いスタートだと覚悟していました)
でも、このまま実務経験を腐らせてしまっていいのだろうか?
今後の業務にも不満がはっきりあるわけではないけれど、 “ 張り合い ” のある仕事ができるか? と考えると、自信が持てなくなりました。

ここで一つ、誤解の無い様にお伝えしておきたいのは、私は「現場の段取りと実務」に集中してきた人間であり、管理職や生産技術・保全といった立場にいたわけではない、ということです。
いわゆる “ オペレーター ” として、設備と向き合う日々を送ってきました。

そのため、正直自分の実務経験が他の企業でも通用するのか、活かせるのか、わかりませんでした。

試しの一歩:実務経験の棚卸しとAIという支え

ここで役立ったのが、AIでした。
これまでの実務経験や役割、実績を言葉にすることが自分では難しかったのですが、AIを使うことで客観的に整理し、履歴書や職務経歴書も自然に書けるようになりました。
そうして、「一度試してみよう」と思えたことが、最初の一歩でした。

もしご縁が無ければ、それはそれで納得して会社に残り、与えられた仕事を精一杯やる。
そういう覚悟の上で、自分のキャリアの棚卸しを始めました。

私は、進みながら臨機応変に対応を変えるようなタイプではありません。
不器用な面があり、良い言い方をすれば “ 準備型 ” 。
とにかく気になるところは、先に備えてからでないと前に進めない性格です。

自分の気持ちを整理し、固めていく上でこの性格は大きな支えになってくれました。

自分の仕事、オペレーターとしての経験、そして “ 足りないからこそ求めるもの ” 。
さらに、その仕事に就いた後にどんな地域と関わりを持てるか。
こうしたことを徹底的に考え、文章にしていきました。

志望理由の深掘り:備えることで見えてきたこと

見慣れていない求人票でしたが、文面から「企業側の需要」を汲み取り、さらに職務経歴書をブラッシュアップしていきました。
この過程で、自分がアピールすべき部分、そして「自分が知りたいこと(逆質問)」も明確になっていきました。
こうして、志望動機や職務経歴書を固めて、転職活動を始めました。

活動の中でまず強く感じたのは、「エージェントさんによって、企業側の対応も全く違う」ということでした。

最初は大手の転職サイトに登録し、複数のエージェントさんと連絡を取りましたが、紹介される求人案件の中身、やり取りの丁寧さ、レスポンスの速さ等、全てにおいて、かなり差があることに驚かされました。

さらには、企業側とのやり取りにも、違いが現れていました。
よく「相性が大事」とは聞きますが、私が実感したのは、エージェントさんと企業様との “ つながりの強さ ” の違いでした。
例えば、(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの奥田さんを通じて紹介された企業では、面接だけでなく、オファー面談まで組まれるケースもありました。

同じ自分の履歴書なのに、対応がまるで違う。
これは、本当に衝撃的でした。

出会いと信頼:エージェントという “ 橋渡し ” の存在

最終的にお世話になったのが、エリートネットワークの奥田さんです。
他のエージェントさんと比べて、求人案件紹介のタイミング、企業との密な調整、そして奥田さんご本人の熱意。
それらが段違いで、こう思えました。

「この人が間に入ってくれるなら、自分でも前に進めるかもしれない」

求人の質は、奥田さんのお陰で自分で探していた時よりも、段違いに上がりました。
各企業から求められることがより明確になり、自分の「備え」も、さらに深められるようになりました。

私の場合は、まず “ 職務マッチ ” を徹底的に意識することにしました。
前述のように、私は悩む時間が多く、動き出しが遅いタイプです。
こうした性格だと、時期が限られる求人を逃してしまう可能性もあります。

そんな中、奥田さんからの「まず応募されてはいかがでしょう?」という後押しがありました。
私は「まず考えたい、検討したい」というスタンスでしたが、より多くの転職支援を経験しておられる奥田さんの判断を信じ、応募に踏み切ることにしました。
奥田さんが紹介してくださる求人案件が、私の希望していた職務としっかりマッチしていたことも、大きな後押しになりました。

また、自分の職務はオペレーターではありますが、 “ オペレーターならでは ” の取り組みも伝えたいと思い、これまでの成果物を(重要な部分はマスキングして)企業様に提出してもらえるよう、奥田さんにお願いしました。
エージェントさんによっては、こうした資料の提出を受け付けてもらえないケースもあります。
だからこそ、奥田さんのように “ 橋渡し ” してくれる存在がいたことは、転職活動で、間違いなく大きな後押しになったと感じています。

面接と違和感:ミスマッチを “ 拒絶 ” ではなく “ 理解 ” へ

書類選考に通過した後、いよいよ「面接」というフェーズに入っていきました。

実際の面接では、職務経歴書に記載した実務経験以外の部分で、「○○はできますか? 経験はありますか?」といった質問攻めを受ける場面もありました。

経験があればアピールポイントになる項目。
でも、そこは自分にとって未経験の領域です。
私は正直に、
「未経験です。やったことはありません。勉強することになりますが、それも御社に頼る必要があります」
と答えました。

いくつかの企業様からは、この返答が「学ぶ姿勢が弱い」と判断されることもありました。
同じスタンスで臨んでいても、別の企業様では好意的に受け止めてもらえることもありました。
その差に私は違和感を覚え、AIを使って面接毎に振り返りをしていました。
「相手からはこう聞かれた」
「自分はこう返事をした」
「その時、相手に対してこう感じた」
「そして、自分はこう考えて対応した」
このように一つ一つのやり取りを振り返り、まとめていく中で、私は気づきました。

「このミスマッチは、 “ 転職相場 ” とのズレなんだな」

そう捉えることで、私は企業の対応を “ 拒絶 ” ではなく “ 理解 ” として受け入れることができました。
当初は、「未経験でも頑張ります!」の一辺倒でしたが、それ以降は「この企業さんの需要には、自分は合わない」と素直に判断できるようになりました。

決め手は “ 期待 ” :選ばれる転職から、選ぶ転職へ

ありがたいことに、最終的には複数社から内定をいただきました。
最初は「選ばれるかどうか」が全てだったのに、いざ内定が複数出ると、今度は「どこを選ぶか」という新たな悩みに直面しました。

給与、勤務地、仕事内容と、どれも違いがあって、どれも決め手になりそうで、どれも決め手になり切れない。
正直、最後の最後まで悩みました。

そんな中で、私にとって一番助けになったのが、奥田さんが調整してくださった「オファー面談」の存在でした。
内定を出してくださった各企業の担当の方と直接お話しし、
「あなたには、こういうところを期待しています」
「こういう仕事をお願いするつもりです」

このような具体的な説明を受けたことで、私は初めて、
「どこで何ができるか」ではなく、
「何を求められているか」という視点で企業を選ぶことができました。

自分のこれまでの経験が、その企業の “ これから ” にちゃんとつながっていると感じられた場所。
ここでなら、貢献できるかもしれない。
そう思えたことが、私の最終的な決断の後押しになりました。

これからの姿勢:期待に応える準備と、感謝の気持ち

今は、入社に向けた準備を進めながら、
「求められていることを、きちんとこなすには何が足りないか?」
そんなことを意識して、日々を過ごしています。

もちろん、すぐに100%の力を発揮できるとは思っていません。
けれど、「どうすれば貢献できるか」「何を学べば戦力になれるか」
そう考える時間を持てていること自体、とてもありがたいことだと感じています。

この体験記が、現場の第一線で励んでおられるどこかの誰かにとって “ 考えるきっかけ ” になれば。
転職という言葉が、ほんの少しだけでも怖くなくなる手助けになれば。
私にとって、これほど嬉しいことはありません。

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