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29歳、施工管理技術者の転職

29歳、施工管理技術者の転職

No.781
  • 現職

    東証二部上場企業グループ  電気設備の施工管理技術者

  • 前職

    建設会社  施工管理技術者

出口 弘光 氏 29歳 / 男性

学歴:北九州市立大学  経済学部 経済学科 卒

はじめに

転職体験記を書くにあたり、まず大学卒業時から前職のことについて記そうと思います。私は経済学部経済学科といういわゆる文系の学部に入学し、周りの学生と同じように大学3年の冬頃から就職活動を行いました。就職活動は業界や職種を絞って行わずに、金融系や商社、メーカーなど様々な企業の説明会に参加しました。

そんな中で、ある住宅メーカーの企業説明会に参加しました。その時に耳にした 「住空間を創造する」 という言葉が非常に印象に残り、既に大学3年の終盤という状況で、周囲の友人達からも内定を頂いたという話を聞くことも増えてきたこの時期に、建築系の企業の選考に応募してみようと思うようになりました。また一軒家という特定の家族が利用する空間を創造するという個人向けの住宅メーカーより、不特定多数の方が利用し、地図に載ったり、あるいはメディアに取り上げられるような有名な物件の工事に携わりたいと考え、オフィスビルや商業施設の建築工事を請け負う企業と縁があり、施工管理職として入社することになりました。

前述のとおり私は文系の学部を卒業した人間ですので、面接時に施工管理ではなく事務系の社員としての入社を勧められたりしましたが、自分次第の努力でどうにかなると考えて施工管理技術者として働いていく意思を伝え、希望通りに施工管理職として採用されました。

入社後の印象

正直に言うと、建設業界と言われても具体的なイメージが湧かないまま、ただ漠然と地図に載ったり、あるいはメディアに取り上げられるような有名な物件の工事に携わりたいという気持ちが先行するばかりでした。
入社後は、現場研修で朝礼から作業終了まで1日中現場に密着することで資材の名前や用途など基本的なことを学んでいきました。その後、施工管理職の基本となる職務である、安全・品質・工程・予算の4つの管理項目について先輩社員の指導の下、着実に知識を習得していき自分で一つの現場を担当するようになりました。担当した現場の中では、メディア等に取り上げられるものもあり、非常にやり甲斐と達成感を感じることができました。

建設業界には戸建ての住宅、マンションの建設を専門とする企業があります。また、オフィスビルや商業施設の中でも躯体工事を専門とする企業、電気・空調などの設備工事を専門とする企業など複数の専門業者が一つの工事現場に集結し、ほとんどマンパワーで何もない更地に数年かけて数十階建てのオフィスビルや様々な用途の建物が次々に完成していく様子に感動した覚えがあります。その気持ちは、初めて担当した現場からずっと変わらずに一貫して味わうことが出来ました。

転職しようと思った理由

仕事に対するやり甲斐や一つの現場が竣工する度に覚える感動は変わりませんでした。前職の会社の企業理念に 「企業の永続」 というものがありましたが、その理念に反するように次々に社員が退職していく状況が入社以来続いてきました。退職する理由で、労働環境が厳しいというものが多かったと思います。

具体例を挙げると、拘束時間が非常に長い。私自身も遠方の現場に直行する時は、朝5時に起きて現場に向かったり、一人の社員が最低2〜3件の現場を同時に管理する体制をとっていたので、現場から帰社後も自分が担当する他の現場の材料発注などをこなしたりしているうちに、終電間近で帰宅することも多々ありました。その割に、残業代はみなし残業代程度しか支給されず、社員の中には残業代を残業時間で割り込んだ時の時給が東京都の最低賃金を下回っていると嘆く社員がいました。また、ゼネコンと協力会社の作業員との板挟みに苦しみ体調を崩して退職せざるを得ない状況に陥る社員もいました。

そのため、2003年に設立された若い会社の中で、私は新卒で2期目の採用で施工管理職として4名が同期でいましたが、私が退職したため現在は1名を残すのみで、1期目は施工管理職として10名が採用されましたが、現在は1名が在籍しているという状況です。私の後輩についても1〜2年で会社を去っていくという状況でありながらも、会社が改善しようという姿勢を見せず、長く勤めていくには将来的に不安になり転職を決意し、退職しました。

転職活動期

私自身は建設業界で働いていくことにやり甲斐や充実感を感じていたことと、前職で得た知識や経験を活かすことが出来る建設業界の中で、安心して長く働くことが出来る企業に勤めたいという考えを持ってはいましたが、退職後約2ヶ月は、特に何もしてきませんでした。と言うのも転職活動といっても何から手を付けたらいいのか分からなかったというのが本当のところです。ただ、インターネットで様々な転職情報を取り扱うサイトから情報は得ていたのですが、実際に転職支援サイトに登録し履歴書や職務経歴書の作成に手を付けたのは、退職後2ヶ月経ってからでした。

転職支援会社に手伝って頂こうと思った訳は、自分ではどのように動いていけばいいのか分からなかったことと、第3者からのアドバイスを頂くことで転職活動がよりスムーズに進むと思ったからです。まず、(株)エリートネットワーク様に登録するより前に別の2つのサイトに登録しました。しかし、2社共レスポンスが悪く感じたのと、サイト上でのやり取りばかりで直接会って私と会話することは一度もなかったことに不満を感じていました。

そこで、違う会社に依頼しようと調べていたところ、(株)エリートネットワーク様のサイトを拝見し、正社員専門であることや 『 転職体験記 』 から一人一人に誠実に対応して頂ける印象を受けたので登録することにしました。登録した翌日には、お世話になることになった転職カウンセラーの小中出様から電話連絡があり、その時になぜ転職しようと思ったのか、前職の仕事内容、志望する業界はあるか、などいくつかの簡単な質問に回答した後カウンセリングの約束をしました。

カウンセリング当日は先日電話で話した内容に加え、前職を志望した動機や家族構成や趣味に至るプライベートなことまで2時間以上かけて私の事を理解してくれようとしているように感じました。また、事前に面談前に履歴書と職務経歴書を提出していた事もあり、その場で20社ほど企業をピックアップして頂き、書類選考を進めて頂くことになりました。

約2時間のカウンセリングの中で最も印象に残っていることは、「いつまでに転職先を見つけたいですか」 という小中出様の質問に対して 「特に期間は定めていません」 という回答をしたと記憶しておりますが、「ある程度期間を定めて活動するつもりがないのなら、お手伝いすることはできません」 とはっきりと言われたことに驚いたと同時に、自分の転職活動に対する危機感の薄さに気付かされました。小中出様は 「期限を定めることで転職活動もメリハリをつけて行うことができる。また、面談時点で10月末だったこともあり、退職してからの期間が空き過ぎるほど相手企業に与える印象は良くないものになる」 と指摘して頂きました。

確かに、実際の面接の場においても、企業の面接担当者の方からも在職中に転職活動はしてこなかったのですか? という質問を受けることは一度や二度ではなかったと記憶しています。最後に面接時に注意することとして、大きな声ではっきりと受け答えすること、面接する企業の事を最低5時間以上調べること、質問を50個考えその中から本当に聞きたいことを5個準備すること、以上の3点を必ず守ることを約束し面談を終えました。

カウンセリングした日から、1週間もしないうちにさっそく書類選考に通過したという連絡を受け、こんなにあっさり通過するものなのかと非常に驚きました。さっそく企業研究をして、面接する企業に適した内容の志望動機や退職した理由、長所、短所などをまとめた面接対策シートを作成し、事前に小中出様に添削、アドバイスを頂き一次面接に臨みました。結果的にこの企業とは縁がなかったという連絡を頂きましたが、立て続けに3社で書類選考に通過したという連絡を受けていたので、そんなに簡単に内定が頂けるものではないということと、次に控える面接の準備があったので落ち込む暇もなく気持ちを切り替えて、それぞれの企業研究と面接対策シートの作成に当たりました。

また、面接が終わる度に小中出様に面接内容と面接官からの質問に対する私の受け答えの報告を行いました。「面接終了後すぐに報告することで、次の面接に活かせるものがあるかもしれないし、うまく受け答えできなかった質問への対策を立てることができる」 ということでした。私が志望していた業界は前職の経験が活かせる建設業界で、似たような質問を受けることが多かったためその点でスムーズに受け答えできていたものと思います。

書類は通過するが面接で落ちるということが何度か続き、小中出様から落選した企業からの面接時の印象をフィード・バック頂く機会があり、どの企業も声が小さく自信がないように見えたという共通したダメ出しを受けていたことを知りました。よく言われることですが、自分では声を出しているつもりでも相手に伝わらなかったら意味を成さないという事を改めて実感し、私が前職で担当してきた各プロジェクトに誇りを持っていたので、それが相手に伝わっていないのは非常に悔しいと感じたので、次に控える面接からはこの点を特に注意しようと決意しました。

結果的に内定を頂いた企業の面接では、大きな声で私の経歴を説明することができ、企業研究をしっかりすることで、自分が入社した時にどのような職務に従事するのかという具体的なイメージが湧き、その企業に対する興味が質問となって面接時に様々な疑問や不安を解消することができました。具体的な不安を挙げると、内定を頂いた企業は電気系の知識が必要になってくる業種で、前職で得た知識を活かせる部分と全くゼロから勉強し直さないといけない部分でしたが、その場で回答して頂き、一気に不安が消え去りました。

私自身の努力も必要とするところではありますが、元もと新しいことや経験したことがないことに挑戦するという意味では、入学した高校のサッカー部が県内でも強豪と言われる学校で、私は素人でしたが臆せずに入部したり、文系の学部卒で建設業界を志し、面接では事務系の職種を勧められるも施工管理職に固執したことがあったので、今回も新しいことに挑戦できて、様々な知識を得られる環境に身を置くことが出来て良かったと思っております。

最後に

初めて小中出様にカウンセリングして頂いてから内定を頂くまでに約1ヶ月ほどでしたが、その間に様々なアドバイスを頂き、悪いところは率直に指摘して頂き、良い企業と出会い内定を頂くことが出来ました。ただ、転職を考えている方は在職中に活動することを勧めたいと思います。と言うのも経済的な負担が非常に大きく感じられたからで、前述したとおり面接官からもそのような質問が何度もありました。

ただでさえ、転職というストレスや不安が付きまとう状況の中で、できるだけ余計なことは考えずに臨むことが出来れば、少しはストレスも減るものと思います。私自身、退職後約2ヶ月間何もしてこなかったことでアルバイトをせざるを得ない状況になり、小中出様からの電話にすぐ出られなかったり、メールに返信が遅れたりと、大変ご迷惑をお掛けしたことと思います。そんな中でもカウンセリング当初から根気強く変わらず手厚いご支援を頂いたことで、カウンセリング時に設定した期限である “年内” に内定を頂くという目標を達成することができて、非常に感謝致しております。

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