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28歳、公認会計士補、修了考査不合格の後、奮起して一部上場メーカーの経理へ

28歳、公認会計士補、修了考査不合格の後、奮起して一部上場メーカーの経理へ

No.635
  • 現職

    一部上場 機械メーカー(本店登記は地方) 経理部 経理担当

  • 前職

    中堅監査法人 公認会計士補

福元 誠 氏 28歳 / 男性

学歴:旧帝国大学 文学部 4年次で中退
TOEIC865点

はじめに

私は、地元の有名進学高校を卒業後、旧帝国大学の文学部に進学しました。しかしながら、授業に興味が持てなかったことや、あまり友人ができなかったこと等があり、徐々に出席しなくなってしまいました。その結果、留年することが決まったため、家族と相談し、大学を一旦休学した上で、父親が経営している税理士事務所を手伝うことになりました。
父の事務所では、業務上必要だからということで簿記の勉強をしていたのですが、この業界で生きていくならいずれ資格が必要になると考え、資格の勉強を始めることにしました。業界で通用する資格としては税理士と公認会計士の二つの資格があるのですが、当時は公認会計士試験のほうが税理士試験に比べて合格率が高かったため、公認会計士試験の勉強を始めました。

1-1 就職活動を始めるまで

当時は朝9時から夕方5時まで働き、その後予備校に行き、帰宅後は復習をするという毎日でした。努力の甲斐あって無事に公認会計士試験に合格することができました。ただし、公認会計士に登録するためには、試験に合格するだけではなく2年以上の実務経験を積むことが必要なので、父の事務所を退職し、中小監査法人に転職しました。
学生時代にアルバイトをした経験はあるものの、他人のもとで働くのは初めての経験で不安もありましたが、監査法人での仕事はそれほど難しいものではありませんでした。それなりの給料はもらっていたと思いますし、残業もそれほどありませんでした。
ただし、職場の先輩たちの姿を見て不安になることがありました。入社して2〜3年のうちはともかく、何年勤めていてもそれほど給料は上がらず、残業は増えていく。つまり、いずれ割に合わなくなってくるが、そうと気付いた時には既にある程度の年齢になっているため転職は難しい。また、仕事はこれといってやり甲斐のあるものではなく、単調な作業の繰り返し。果してこのまま今の職場で働き続けていいのだろうかという思いが湧いてきました。

そうこうしているうちに、公認会計士の修了考査の時期がやってきました。修了考査とは、公認会計士試験に合格し、2年間実務を経験した者が、最後に受ける試験です。職場には自分と同じような境遇の人がたくさんいるため、会社もある程度配慮して試験前はスケジュールを調整してくれます。しかしながら、1年目から2年目になるにつれて徐々に仕事が忙しくなってきたこと、更には、そもそも会計士として生きるという人生に疑問を持っていたこともあって勉強にはあまり身が入らず、結局修了考査には合格できませんでした。
公認会計士の方ならご存知かと思いますが、実は、公認会計士試験に合格したものの、修了考査には合格せず、結局公認会計士になれない、という方が結構いらっしゃいます。そういう方は勉強しなければならないというハンデがあるため転職もままならず、監査法人内での立場も低いままです。自分もこうなってしまうのではないかと思い、環境を変えて心機一転頑張るために、また、自分を追い込むという意味もあって、当時の職場を退職し、勉強に専念することにしました。

1-2 就職活動を始めるまで

その後は実家に戻り、アルバイトをしながら勉強を続けました。当時は週に5日ほど、夜10時から朝6時まで夜勤の仕事をし、昼間に勉強するという生活でした。このまま合格できなかったらどうしようという焦りはかなりありました。監査法人に所属していれば、試験に合格していてもしていなくても、なぜかお客様からは 「先生」 と呼ばれ、一人前の給料ももらえます。しかし組織から出てしまえば、いくら勉強しようが、合格できなければ単なるフリーターです。当時は毎日不安を抱えて生活していました。
そして今年の1月、修了考査の試験を受けました。結果が出るまで4か月ぐらいあるので、まずは大手の就職情報サイトなどに登録してみました。しかしながら、あまりいい反応は返ってきませんでした。その時並行して公認会計士の求人も見てみたのですが、そちらのほうが勿論待遇が良かったので、就職活動は合格発表の後に始めることにしました。

さて、試験が終わったので今まで勉強していた時間が余りました。この時間を遊んで無為に過ごすのはもったいないです。かといって、不合格の時に備えて来年度の試験の勉強をする、というのもあまり気が乗りません。そこで、英語の勉強を始めることにしました。就職情報サイトなどで出てくる求人には、TOEICを募集要件としているものが結構ありました。また、個人的な理由ですが、今まで一度も海外に行ったことがないので、一度ぐらい行ってみたい、その時のために英語を勉強しようと考えました。

英語の勉強を進めていくうちに、色いろなものに興味が湧くようになってきました。その中で、海外で働くという選択肢が実は自分の身近なところにある、ということが分かり、一度でいいから海外で働きたいと思うようになりました。そこで次の就職活動に向けて、漠然とした計画を立てました。公認会計士の修了考査に不合格の場合はもう1年勉強を続けるのは当然として、試験に合格し、尚且つ英語力が一定以上ある場合は海外勤務の可能性がある職場を国内で探す。英語力がそれほどでもなければ、一旦国内の企業に就職し、数年後に転職で海外を目指す。もしどこにも採用してもらえなければ、引き続きアルバイトをしながら英語の勉強をし、海外現地採用、もしくは留学を目指す。そういった計画を立てました。

その後、英語の勉強は順調に進み、TOEICで800点を超えるようになりました。中学・高校で勉強したことが活きたのか、それとも時間がたくさんあったからなのか、もしくは目標を持って勉強すれば伸びるということなのか、あるいはそもそもTOEICで800点というのはそれほど凄いことではないのか、理由はよく分かりませんが、英語が全くできない訳ではない、ということが分かり、安堵しました。

就職活動スタート

5月、修了考査の合格発表があり、無事に合格となりました。早速、就活開始です。
以前の経験から、大手のサイトに登録するよりも会計士専門の求人を探したほうがいい案件があるということが分かっていたので、とりあえず 「会計士 求人」 でGoogle検索しました。そして、一番目に出てきた会社(仮にA社としておきます)と二番目に出てきた(株)エリートネットワーク様に登録しました。
A社のほうは大阪に支店があったので、まずは面談ということになりました。面談で今までの経歴を説明したところ、20代で2回目の転職であること、フリーターをしていたため1年間の空白期間があること、父が税理士事務所をしているためいずれそちらに戻るのではと思われることなどを考え、かなり厳しい戦いになりそうですという判断でした。
つづいて、(株)エリートネットワーク様とSkypeで面談することになりました。担当は杉本様でした。転職カウンセラーの杉本様には親身に相談に乗って頂きましたが、やはり厳しいだろうという判断は変わらなかったので、職種・業界を問わず幅広く求人案件に応募することになりました。

その後、A社から、そして、(株)エリートネットワーク様から案件を紹介してもらいました。A社は会計士等の専門家に特化しており、ここにしかない案件が多数あると広告では謳っていましたが、実際に紹介された案件の多くは中小の会計事務所でした。また、紹介された数も、関東・関西合わせて15件ほどでした。正直、この程度の案件ならフリーペーパーやハローワークでも見つかるのでは、といったものもありました。しかし贅沢なことは言えないので、何社か応募しました。
一方、(株)エリートネットワーク様の紹介案件は質が違いました。東京の案件がほとんどを占めていましたが、一部上場の老舗企業から新進気鋭のベンチャー企業まで、良質な求人案件を30件ほど紹介してもらいました。勿論、案件があるからといってその企業に就職できるとは限らないのですが、ダメでもともとと思い、ほぼすべての案件に応募しました。

地方からの就活がこれほど大変とは・・・・・

私は大学を卒業していないので、いわゆる 「就活」 というものをしたことがありません。地方に住みながらの就活がこれほど大変なものとは思いもしませんでした。
A社の案件と(株)エリートネットワーク様の案件、合わせて10回ほど一次面接に行きました。東京本社でも関西で面接してくれる会社がある一方、東京にしか拠点がないのでどうしても東京に行かなければならないという会社もありました。そんな時、(株)エリートネットワークの杉本様が段取り良く日程を組んで下さったので、東京と実家との往復は少なくて済みました。この点は非常に感謝しています。おそらく自分一人で就活していれば、面接案内の電話を取ることもできず、日程調整に非常に手間取ったと思います。
ちなみに、東京で同じ日に3件面接することになると、朝6時に起きて10時に一件目の面接、13時に二件目、16時に3件目、帰宅は22時といった感じになります。体力的には非常にハードです。ただし、新幹線で一回往復すると25,000円ぐらいかかることを考えると、金銭面では非常にお得です。
また、こういったスケジュールでは前日に企業研究して翌日に面接、といったことはできないので、あらかじめ企業研究・履歴書作成等をしておく必要があります。この点をおざなりにしておくと面接の時に困ることになるのでしっかり事前準備をしておきましょう。

面接を受けることで、進む道が見えてくる

職種・業界を問わず幅広く応募したお蔭で、様々な業界の方とお話しすることができました。面接で聞かれることは概ね一緒ですが、会社によって社風や経営者の姿勢、採用時に重視するポイントがずいぶん違うということが分かってきました。また、面接官の方からも入社後何がしたいのかということをよく質問され、必然的に自分のキャリアプランについて深く考えることになりました。
その中で、自分の将来のキャリアの軸が徐々に見えてきました。まずは今までの知識と経験を活かせること。そして、より経営に近い立場になること。更に、将来的には海外勤務、もしくは海外と関係する部署で働けること。こうしたことを考えると、税理士や会計士の専門家集団より一般事業会社で働きたいと思い、具体的には、海外に展開している一般事業会社の経理担当として働く、というところに目標を定めました。結局、就活を始める前に漠然と考えていたことが、より具体化されたことになります。

二次面接に進んだのは3社でした。1社目は地方の製造業の会社で海外展開しており、海外勤務の可能性もあるとのことでした。2社目は東京にある国内の不動産を取り扱う会社でしたが、シンガポールに上場しており、いずれは海外展開も考えているとのことでした。3社目は国内だけの物流の会社でしたが、こちらはお断りしました。既に自分の中に軸ができていたため、断ることに躊躇はありませんでした。結果として、自分のキャリアプランに沿った企業が二次面接に残ったことになります。
そして、二次面接の結果、1社目の製造業の会社に就職することとなりました。自分の中では東京で働くということに憧れのようなものがあったため、どちらの会社にするか決めかねていましたが、最終的には地方の製造業の会社になりました。初任の勤務地という点では妥協したことになります。一方、キャリアプランという点では、将来海外勤務の可能性が十分あるということで、まったく妥協することなく素晴らしい結果となりました。

最後に

就職活動を通じて将来のキャリアプランの概要が見えてきたので、以前のように人生設計について悩むようなことはなく、次の職場では素直に全力で仕事に打ち込めると思います。今までやったことがない新しい業務にも前向きな気持ちでどんどん挑戦できるでしょう。
このような素晴らしい結果となったのは、(株)エリートネットワーク様、そして転職カウンセラーの杉本様のお蔭であり、本当に感謝しております。特に杉本様は夜中であっても相談に乗って頂き、また色いろと貴重なアドバイスを頂きました。(株)エリートネットワーク様に登録して本当に良かったです。もしまた転職するようなことがあれば、その時も(株)エリートネットワーク様、そして杉本様にお願いしようと思います。

最後にここまで読んで頂いた方に僭越ながらアドバイスを。大学中退でも、履歴書に空白期間が1年あっても、探せば就職先はあります。だから諦めずに頑張りましょう。ただし、地方からの就活はお金・時間・体力といった点がとても厳しいです。ある程度の貯金がないと難しいです。まずは(株)エリートネットワーク様に相談して下さい。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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