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CROの薬剤師、「データで医療に貢献したい」とヘルステック企業へ

CROの薬剤師、「データで医療に貢献したい」とヘルステック企業へ

No.1246
  • 現職

    上場 ヘルステック企業 製薬企業向けコンテンツプロデューサー

  • 前職

    ヘルスケア領域のマーケティングリサーチ・医薬品開発支援企業 データマネジメント担当→マーケティングリサーチ担当

安西 瑠衣 氏 29歳 / 女性

学歴:私立大学 薬学部 薬学科 卒
薬剤師
レギュラトリーサイエンス エキスパート認定 安全管理・調査(PV)エキスパート

【学生時代の “就活” の時の志や、会社訪問】

大学の研究室では、侵襲的な検査が必要なある難病について、非侵襲的な検体で病態進行の検知が出来ないか、というテーマの一端について、他大の医師と共同研究をさせて頂いておりました。
具体的には、実際の患者さんや健康成人の検体を分けて頂き、病態や薬剤の投与状況との相関性についてデータを作成、比較を行っていました。

この経験から、データを使って医療に貢献することや薬剤の安全性に興味を持ち、新卒ではデータマネージメントに携われる企業に絞り就職活動を行っていました。
今でも、「データを使って医療に貢献する力が得られること」という仕事への軸は変わっていません。
また、「何のために仕事がしたいか」もひとつの軸としてありましたので、その中で自分の雰囲気と合う会社を探していました。

【入社した会社・部門での担当業務や実務経験、体得したスキル】

入社した会社は内資系の中小企業で、創業20年程でしたが、前身の会社から在籍されている方が経営陣を占める落ち着いた雰囲気の会社でした。
社運をかけた新製品の販売が始まった後は、入社2年目に新製品を導入したプロジェクトの主担当者を務め、同年のうちに責任者も任せて頂けるようになりました。
他にも、部内トップの売り上げを見込むプロジェクトの主担当者も任せて頂き、スタッフ含め30人近いチームの運営を経験しました。

同業界では、基本的にベテラン責任者と新人担当者という組み合わせでプロジェクトを進めることが多い中、前職では若いうちから責任者を任せて頂くことで、より早い段階でマネージメントへの意識を向けることが出来たことは良かったと思っています。
また、実態は下請け企業ですが、法律上に規定された業種ですので、薬事への高い倫理観が求められ続ける環境で仕事が出来たことも良い経験となりました。

もし、未経験でCROを志す方がいらっしゃるようでしたら、ちょっとした事務職よりもよっぽどOfficeのスキルが要求されますので、Word、Excel、PowerPointは勿論のこと、Accessにも触れておくとよいと思います。SASの知識があることが一番重宝されるとは思いますが。

【前回と今回転職するに至った背景や理由・きっかけ】

実は、この1年半で、2回転職活動を行っています。
きっかけはそれぞれ以下の通りです。

■1回目の転職活動(CROからの転職)
評価されればされるほど、雪だるま式に業務量が増やされ、常に疲弊している状態が続いていました。
ある時身内に不幸があり、それでも続く業務状況の厳しさを上司に相談したところ、あまりご理解頂けず、やむを得ず転職を検討することとしました。
ただ最終的に、転職で社外の別の企業に入社するのでなく、社内の全く異なる事業部門(マーケティングリサーチ)への異動という形で収まりました。

■2回目(今回)の転職活動(マーケティングリサーチからの転職)
ちょうどコロナの影響で原則在宅勤務となった頃、市販後調査からマーケティングリサーチへ、同じ医療業界ではありますが全く異なる分野の部署へ転属となりました。
異動を検討するにあたり、社長からの殺し文句が「これからの医療を作る」仕事であるということでした。
実際に配属になってみると、確かに今後発売される薬剤の営業戦略等に大きく関与し、特にオンコロジー領域に関しては莫大な医療費を左右する非常に重要な仕事であると感じました。

一方で、「市場調査」の名前の通り、「医療現場」というよりは「医療経済」へのフォーカスが強いと感じました。
社内の体制も、薬事関連法規や製薬メーカーの独自コンプライアンスへの教育・理解は薄く、疑問を感じることが多くありました。
勿論、先立つものがあっての「医療」であることは理解していますが、患者さんや医療現場の皆さんにもっと直接的に役立てる仕事をしたいという気持ちが根底にあることを改めて認識し、今度は外への転職活動を行うこととしました。

『転職体験記』とは外れますが、このニューノーマルの業務環境下でのコミュニケーションフローについて、ぜひ皆様の職場で改めて見直して頂きたいなと思います。
実質中途入社と同じように転属し、誰に助けを求めればいいかわからない環境で、Web会議でのハラスメントや、業務上の嫌がらせ等があり、とても困りました。
所属部門長の他にも、人事部長にまでも困っていることを相談しましたが、結局、実態を確認するスキームが無いせいか、状況は全く変わらずでした。
組織上の末端まで、風通しの良いコミュニケーションが行き届いているか、経路は複数あるか、改めて見直して頂ければ幸いです。
会社に所属する皆にとって働きやすい環境となることを、本当に望んでいます。

【こだわったり、譲れないと考えた軸、従来のこだわりを捨てた点】

学生時代に就活をした頃から、仕事に対する変わらないこだわりとして「データを使って医療に貢献する力が得られること」があります。
転職するにあたっても、引き続き医療業界でデータや情報を使って、医療を支える力になれる仕事を幅広く検討したいと考えていました。
前回転職活動を行った際には、GxP関連(特に調査)に絞って仕事を探していましたが、年齢的にも全くの未経験で飛び込める最後のチャンスかと思い、今回は未経験の業種をメインに探すことにしました。

何社かのエージェントを利用させて頂きましたが、他社のエージェント様は今回の転職の趣旨をお伝えしたものの、医療業界ではない職種や、CROの求人ばかりをご紹介頂き困惑しました。

そんな中で出会ったのが、エリートネットワークの転職カウンセラーである梨本様でした。
梨本様には、本当に幅広く医療に関わる企業様をご紹介頂きました。更に、定期的にコミュニケーションをとって頂く中で、医療業界の中でも特にITに関する分野がいいのではないかといくつかの案件をご提案頂き、結果まさに私がやりたいと思える求人に出会うことが出来ました。

【転職活動を通じて、気づいた点や学んだ点、反省点】

今回は、幅広い職種で転職活動を行っていたことから、新卒や前回の転職活動に比べるとかなり多くの企業様と面接頂く機会がありました。
他のエージェント様からご紹介頂いた企業様との面接で、開始後すぐに、「この人とは合わないかもしれないな」と思うことが何度かあり、かなり面接の時間がつらく感じたことがありました。
一方、エリートネットワークの梨本様から「この会社さんは、きっと合うと思うんですよ!」とご紹介頂いた企業の、実際に面接で登場された面接官の方々は、一緒に働きたいと思える方ばかりでした。
また、オープンになっていない案件についてもご提案頂くことがあり、本当に頼もしかったです。

前回転職活動をしたときにも同じように感じましたが、転職エージェントを選ぶ際は、企業担当と転職希望者の担当が分業されていない会社様の方が、コミュケーションにロスが無くお勧めです。

【次の職場に賭ける意気込みや覚悟】

今回、未経験ながら、ヘルステック(医療×IT)企業様のコンテンツ作成部門にてオファー頂くことが出来ました。
計4回の面接の機会がありましたが、お会いした全員から医療現場に対して誠実であることを感じることが出来ました。同じ志をもって働きたいと強く思いました。

このニューノーマルの時代に業績を伸ばした業界ですが、胡坐をかくことなく更なる成長に貢献出来るように、何より医療従事者の助けになり、より多くの患者さんにより良い医療が提供されるように努めていきたいと思います。

【結びに】

実のところを言うと、エリートネットワークは所謂「ハイクラス転職」をメインにご商売をされているのかと思い、大した学歴も経歴もない私には高嶺の花と、最初はあまり期待をしていませんでした。
ですが、実際ご担当頂いた梨本様は本当に親身に話を聞いてくださり、先述の通り「私に雰囲気の合う」企業様をご提案くださいました。
また、各企業様の選考の調整等フォローも丁寧にしてくださり、平行して行われる選考に安心して臨むことが出来ました。

仕事もうまくいかず、自信を喪失していたところに、本当に元気づけられ、自信をもって転職活動を進めることが出来たのは、偏に梨本様のサポートあってのものです。
末筆になりますが、改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

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