メガバンク勤務 36歳男性。海外赴任やストラクチャードファイナンスを経験をフルに生かし、財閥系海運会社の総合職に転身

No.1670
  • 現職

    【東証プライム上場の財閥系海運会社】
    事務系総合職採用

  • 前職

    【東証プライム上場 グローバル展開するメガバンク】
    中京地区 法人営業
    →本部財務企画系 銀行のB/S管理等各種企画
    →インドネシアの関連会社出向 海外進出する日系企業の資金調達支援、市場調査
    →プロジェクトファイナンス営業部 PF組成に向けたアドバイザリー、ローン組成

笠原 明男 氏 36歳 / 男性

学歴:東京大学 工学部 卒
TOEIC 945点
証券アナリスト
2級FP技能士

掲載日:2025年9月16日
目次
  1. 転職を検討するに至った経緯
  2. 転職先の選定で重視したこと
  3. 転職活動で大事にしたこと
  4. 企業との面接・面談で大事にしたこと
  5. 新卒時の就活と転職活動の違い
  6. 実際の活動を振り返って
  7. 最後に

① 転職を検討するに至った経緯

本体験記は、これから転職を考える方々のためになる情報を提供するというよりも、転職マーケットにこういう人間がいるという観点で参考になれば幸いです。

本項においては、よく質問されるであろう事項に対し、回答する形をとらせて頂きます。なお、当方の属性は以下の通りです。
大学は理系 / 新卒で大手金融機関に就職 / 英語は、日常生活及びビジネスで使用できる(流暢ではありません)/ 30代半ば / 転職経験なし

(1)転職活動を行うきっかけは?
自身のキャリアの分水嶺となる年齢、職責となり、前職におけるキャリアアップの道筋が明確に描けないことを自覚したからです。
もっと具体的に言えば、これまで経験したキャリア(国内・海外営業・ストラクチャードファイナンス・本部企画)を複合的(且つ同時)に活かすことの可能な業務、職責が前職の組織内に存在しないと判断したことが大きかったです(それぞれ個別の経験が活かせる業務・部署は当然ありますが、複数の実務経験を同時に活かせる業務・部署は存在しないと判断)。
・長時間勤務が常態化していたので、その点も一つのきっかけでした。

(2)職場に不満はあったのか?
嘘や衒いはなく、所属部署、業務、人間関係に不満はありませんでした。ただ、所属部署、業務が今後もずっと続けていくわけではなく(組織からもそれを期待されていたわけでもない)、(1)に記載の通り、次の業務、キャリアが見当たらないことが自身にとって心理的に負担でした。
上記(1)の長時間勤務は、不満に該当しないかでいえば、Yes寄りのNoです。業務の特性上、勤務時間が長時間になることは理解しておりましたので。ただ、後段で言及しますが残業時間を減らせることは期待項目の一つでした。

(3) まず最初に行ったことは?
まずは大手転職支援サイトに登録しました。これまでの業務上の接点やリファラル採用のようなルートは模索しておりません。

(4)転職エージェントや求人情報の選別はどのように?
非常にありがたいことに転職エージェントから多くのメッセージをもらいました。最初は時間をかけて全部読みました。その中で、重視したのは、幅広い求人情報を有している/エージェントとしての強みが見えること/オンライン含め話を聞くこと、です。
結果的に(株)エリートネットワーク様とご縁をつなげたことは非常に幸運だったと思っております。
特定業界に強い、特定企業への転職実績をアピールするエージェントは結果的に選びませんでしたが、この点は転職活動される方の価値観、狙いにもよるところと理解しております。

(5)正直なところ、年収アップを必須にしたか?
必須にはしませんでした。これは前職で相応の長時間労働をしており、残業代を含むことで、額面年収、手取りが嵩増しされていたことを認識、理解していたためです。
残業時間が減る見込みが高ければ、ある程度の手取り年収ダウンは仕方ないと考えていました。
なお、残業代を除く額面給与についてはできれば同等維持、または上げたいと思っていました。

② 転職先の選定で重視したこと

(1)これまでのキャリアを複合的に活かせる業務があるという点
(2)企業としての成長領域または重点事業で、自身の実務能力を活かせるビジョンが描けること
(3) 給与・福利厚生・勤務地等が前職に比べ、大幅に劣後しないこと
(4)転職時期(入社予定日)が10月以降であること

③ 転職活動で大事にしたこと

(1)色んな情報ソースに触れること(エージェント、業界誌等)
(2)様々な業界の話を聞くこと、調べること
(3)企業に対する理解度、解像度を高めること
(4)本業を疎かにしないこと

(1)については、本業との兼ね合いもあり、もともと個人で契約していたダイヤモンド・オンラインプレミアムや東洋経済オンラインの記事が随所で役に立った記憶があります。シリーズものの特集記事(有料会員限定記事)については空気感含め業界、企業の理解に役立ちました(バックナンバーも見られるので、リアルタイムで特集されていなくても過去の特集で取り上げられていれば、参考になるかもしれません)。

(2)については折角の機会なので、今まで知らなかった業界も積極的に調べる、話を聞くようにしました。もし仮に前職に残る場合でも、様々に見聞きしたことが自分にとっての財産になればと思ってのことです。

(3)については、職業柄、ヒト・モノ・カネの把握、株式市場からの評価、財務体質、企業沿革等について、有価証券報告書等の公開情報をベースに徹底的に企業理解を深めるようにしました。

(4)については、当方としては転職することが確定していたわけではなく、もし良いご縁がどの企業ともなければ、前職で引き続き全力を尽くすつもりであったことから、本業のパフォーマンスを落とさないことを非常に重視していました。

④   企業との面接・面談で大事にしたこと

(1)質問に対し、簡潔に答えること(回答は構造化し、漏れなく、分かりやすく答えること)
(2)上記とやや相反しますが、伝えたいメッセージを必ず盛り込むこと
(3)双方向のコミュニケーション(一方的に話をする場ではない)を心掛けること
(4)分からないこと、知らないこと、答えが難しい質問には正直にそう答えること
(5)「転職先の選定で重視していること」を随所で確認するよう意識すること(例:典型的な質問である「なぜ、転職しようと思ったのか」、「これまでの仕事で大事にしてきたこと」等の質問に正直に答え、相手の反応をしっかりと確認すること、等)

(1)(2)(3)は当たり前の話ですが、緊張していたり、想定外のことが起きたりすると忘れがちなので、常に意識していました。事前にQ&Aを作成しておくと、ついそれに引っ張られて回答してしまいますが、実際の面接では相手の質問の趣旨に対し、十分答え切れているかは意識して回答するようにしていました。加えて自分の志向と面接先の企業文化がフィットするかの確認も兼ねて回答する(相手企業に無理やり気に入られようと回答を変にいじらない)ようにしていました。

人によって意見が異なるかもしれませんが、新卒の就活と違い、ある程度自分のキャリア、価値観が固まっているのであれば、採用されるために、自分の軸をあえて隠す、変えるようなことはしなくてよいのではないかと思います(この点は当方が転職を必須としていなかったというスタンスにも起因するため、転職することが事前に確定している方は、企業ごとにしっかりとアジャストしてもよいのではないでしょうか)。

(4)については、もっと抽象的に申し上げると、変な知ったかぶりやプライド、拘りは出さないよう意識するということでしょうか。転職先企業のカルチャーにフィットするか、は双方にとって重要ですので、将来のためミスコミュニケーションを起こさないよう意識していました。

⑤    新卒時の就活と転職活動の違い

転職体験記からやや話がずれるかもしれませんが、新卒時の就活と転職活動の違いは何かを転職活動中に考えることが多かったように思います。
考えた違いは
(1)社会人としての実務経験があること(30代であればそれなりの実績、経験があること)
(2)採用にかかるコスト
(3)後輩が存在することでした。

(1)については、プラス/マイナス両面あると思いますが、プラス面は、前職での実績やソフトスキル、転職先企業の求めるスキルを明確にアピール可能であること。マイナス面は、企業カルチャーへの適応リスク(自分のやり方が確立している場合、それがフィットしないときのパフォーマンス低下リスク)があることです。
企業カルチャーとの親和性については、(あまり多くはないかと思いますが、)部門を限定せずに総合職として採用する企業の場合に、特にこの点を気にするように感じました。

(2)の採用にかかるコストですが、当然新卒の場合はポテンシャルを信じての採用ですので、気にする必要はない一方、転職の場合は即戦力としての期待が必ずあるので、その点、自分はこういう風に役に立てる、と相手が納得できるようなストーリーを話すよう心掛けていました(応募時に求められるエピソードと自身のケイパビリティがリンクしていることなど)。

(3)については、新卒時は先輩しかおらず、一方的に教えを受ける立場かと思いますが、転職では上司、同年代、後輩に対し、これまでのキャリアに基づくバリューを出すことが求められると思います。ただ、時には年齢や立場にとらわれず、教えを請うような姿勢が必要ではないでしょうか。様々な人と適切なコミュニケーションが取れることも組織、企業へのフィットに重要な要素と思います。

⑥    実際の活動を振り返って

(1)応募先の選定まで
転職先の選定、応募に向けた活動について、全面的にエリートネットワーク様にお世話になろうと決めた点を改めて記載すると、転職支援プラットフォームでメッセージを頂戴した後の初回面談で、以下の点に魅力を感じたからになります。
・候補業界、候補企業について優良企業に幅広いネットワーク、転職支援実績をお持ちであったこと
・応募段階でのアドバイスが、転職支援実績に裏打ちされ、非常に有用であったこと

(2)実際の応募まで
自分の軸と求人状況を踏まえて、総合商社・海運・不動産デベを中心に受けることにしました。いずれの業界も非常に人気が高く、倍率も高いことが想定されるため、生半可な準備ではだめだと気を引き締めつつ、一方で転職活動に傾注しすぎて本業が疎かにならないようにするのは大変でした。
面接でよく聞かれそうな質問については事前に回答の骨格(パーツ)を整理しておきました。具体的には「転職を検討した理由」「志望動機」「自分の強み」「前職でのエピソード」です。この4つの質問がいずれも根底でつながっていることは非常に意識しました。「自分の強み」と「前職でのエピソード」をリンクさせるのは容易ですし、そこに「転職を検討した理由」を紐づけるのも難しくはないと思いますが、それらを踏まえなぜ「志望動機」につながったのか、は事前の準備段階からよく考える必要があると思います。

Webテスト対策ですが、これも疎かにしないよう、きちんと参考書を買い、10数年前の記憶も呼び起こしながら、対策しました。特におすすめはありませんが、当方は問題の演習量が多い参考書を重点的に選び、様々なパターンの問題を多く経験することを重視しました。(抽象的に書きましたが、書店で平積みになっている中からパラパラめくり、これかな! で選べばよいと思います)
それぞれの企業の決算、有価証券報告書、中期経営計画を読み込み、そもそも自分がやりたいことが本当にその企業でできるかも確認しながら、金融機関出身者として恥ずかしくない受け答えができるレベルまで沿革や数字、業務の理解をしました。

エリートネットワーク様から頂く案内に従い、応募に必要な書式を埋める作業を行いました(この際に事前に準備した内容を活用しつつ、多少の調整は企業別に行いました)。
家族には、「会社を辞めると決めたわけではない」と話しつつ、受ける業界、企業名は伝え、もし縁があったら転職したいと思っていることを共有し、平日の夜間、土日を中心に様々な準備に時間を費やすことに理解をしてもらえるよう話し合いました。

(3)面接プロセス
エリートネットワーク様から頂く情報をもとに、書類選考を通過した企業から順番に準備を行いました。このプロセスではスケジュールの管理から面接対策にかけてエリートネットワーク様の凄みを非常に実感しました。
細かい話ですが、ネクタイはコーポレートカラーを意識して選ぶなど、自分で気が付く範囲で、できることは全部行って、面接に臨むようにしました。

(4)内定受諾、退職交渉まで
本命だった海運会社から内定をもらったタイミングで、退職プロセスについてエリートネットワーク様から数多くのアドバイスをいただき、無事理想通りの退職プロセスになりました。

⑦ 最後に

まずは何より、今回の転職活動については、エリートネットワーク様のサポートがなければ得られなかった望外の結果かと思います。改めて感謝申し上げます。
これまで記載したことは、転職活動のモチベーションとして分かりやすい、年収をアップさせたい、WLBを追い求めたい、人間関係に疲れてしまった、今の会社に不満がある、といった内容ではないため、何をきれいごとばかり書いて、と思われるかもしれません。実際、当方は非常に運が良かったことは事実ですので、そういったご意見、ご感想もあろうかと思います。おそらく、もし役に立つとしたら、事前の準備や面接に臨む考え方といった方法論なのかもしれません。

転職は試験と違い、相手がいる(正解が決まっていない)、競争相手がいる(合格のボーダーラインが変わる)、どういう土俵で戦う必要があるか(そもそも合格基準が異なる)、を考える必要があると思いますので、何か唯一絶対の正しい方法論があるというよりも、こんな奴がいるんだ、くらいの感覚でお読みいただければと思います。

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