【東証プライム上場 グローバル展開する政府系 原油・ガス等のエネルギー開発会社】
財務ユニット 財務戦略グループ 企業価値向上施策の立案・提言
【東証プライム上場 総合家電メーカー】
自動車部品部門・経理部 北陸地方の工場経理担当 決算業務、予算・実績管理、固定資産管理
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【Big4 税理士法人】
国際事業アドバイザリー部門 移転価格税制・国際税務のコンサルティング、税務当局との折衝
森高 伸行 氏 29歳 / 男性
学歴:都内私立高校 卒
京都大学 経済学部 経済経営学科 卒
※在学中に1年間の交換留学
TOEIC 890点
TOEFL iBT 89点
米国公認会計士(USCPA)
日商簿記検定2級
日本証券アナリスト登録
HSK 4級
もともと私は気象学を学びたいという想いがあり、将来は理系職種に進みたいと考えていました。しかし理系科目が得意になれず現役時には大学受験に失敗。将来の夢を諦めて良いのかと非常に悩みましたが、好きだけど苦手なことに執着するよりも、得意なことを伸ばしていった先に好きなことを見つけていきたいと思うようになり、浪人を機に思い切って文転しました。
もともと文系分野にはあまり興味がなかったため、「なんとなく面白そうだったから」という程度の理由で経済学部を選択。地政学的なトピックや景気動向などのマクロ経済の動きや各企業の経営状況によって市場で株価が上下する様子が、天気予報のそれと似ているように感じ、株式投資に興味を持つようになりました。その興味が昂じて在学中から証券アナリストの資格勉強をしたり、企業価値評価のゼミに入ったり、アルバイトで稼いだお金を元手に株式投資を始めてみる中で次第に会計系のキャリアを志向するようになりました。
また、大学時代には英語力を磨くために1年間シンガポールで交換留学をしていました。東南アジアを中心に多様な国籍の学生と交流する中で、将来的には会計の専門性だけでなく「グローバル」に活躍できるキャリアを目指したいと考えるようになりました。
交換留学からの帰国時点で卒業単位要件は充足していたのですが、シンガポールから帰国したのが4年生の5月だったため、正規ルートでの採用活動はほぼ終了している状況で、海外留学生向けに行われる東京キャリアフォーラムがほぼ唯一の就活チャンスでした。漠然と「海外」や「会計」に携われる職種を志してはいたものの、軸は明確に定めておらず(というより自己分析をする時間もなく)、出展している企業のうち金融・コンサル・FAS・メーカーと幅広く受けていました。あまり軸の定まらない就職活動だったため苦戦しましたが、ある総合家電メーカーに内定をいただくことができました(総合家電メーカーからはこの時、総合職としての採用であるものの経理部門を考えていると口頭で伝えられていました)。
私は当時会計系のキャリアを志向していたものの、「経理」を志望していたわけではなかったため、どんな職務内容なのか具体的なイメージをつけてから内定受諾したいと考えており、人事の方に相談して経理部門の社員の方を訪問しました。訪問させていただいたのは本社直轄部門の方で、事業投資やM&Aの判断を行う業務をしており、「〇〇を将来こういう企業にしていきたいんだ」という信念を持って仕事に取り組んでいる姿勢が非常に印象的だったことを覚えています。
当時は金融機関やFASの方が華やかでバリバリ働いているイメージがあり、内定を辞退してもう1年就職活動をしようと思っていました。しかし、会計の専門性を武器にすれば、全社の経営戦略やM&A等の事業投資決定、タックスプラニングの策定など、会社の価値を高めるための仕事に関われるという点で、事業会社の経理に魅力を感じました。しかも、その専門性を自分たちの関わる製品や事業を伸ばすことに使うという点で、金融機関やFASよりも面白いのではないかと考えるようになり、留年せずに内定受諾することを決意しました。
1社目の総合家電メーカーでは私は自動車部品部門への配属となり、北陸地方で自動車の運転席周りの部品を製造する工場の工場経理になりました。具体的な職務内容としては、BU単位での財務諸表の作成に関する決算業務、予実管理、原価計算など基礎的な業務を中心に行っていました。
業務を通じて決算の一連の流れ、会計システム間の流れがわかるようになりました。また、工場配属だったため製造、購買、営業、生産管理などの他部署の方と対面で課題解決を進める機会も多くありました。仕事の流れとモノ・お金の流れがイメージできるようになったことは非常に大きな収穫でした。
しかし、1社目は会社規模が非常に大きかったため、一括りに経理といえども多数の部署が存在し、業務内容も縦割りの格好になっていました。特に、私は将来的に自分が経理職能に興味を持つようになった事業投資判断や経営戦略の策定、M&Aといった専門性の高い業務に就きたいと考えていましたが、このような専門性の高い業務は外部コンサルへの委託ないしは金融機関やファームを経験した中途採用者を中心に行われており、事業部付ではない本社直轄の部署がまとめて対応していました。そのため、初期配属で事業部付となった私が事業部の壁を越えて当該部署に異動できる可能性は相当低く、仮に異動できるとしても相当な期間を待たないとチャンスがないような状況でした。
一方で、私の希望する業務に関する求人は「金融機関やファームの実務経験〇年以上」「会計士等の有資格者」という用件で求人サイトに多数掲載されており、私が希望していた自社の本社直轄部署の求人ですら同様の要件で募集している状況でした。同じ社内であっても組織の壁は想像以上に分厚く、異動チャンスが限定される一方で、必要な専門性や実力さえ持っていればいくらでも採用される機会があることを知り、そうであれば社外にも目を向けてみようか…と考えるようになりました。
上記の状況を踏まえ、必要な専門性を身につけられる転職先として会計系ファームを中心に検討しました。その中でも、20代のうちにハードワークを積めること、会計の専門性を高めつつグローバルな視点で業務に関われる環境があること、の2点を中心に検討し、Big4の税理士法人(アドバイザリー部門)、FAS、国際税務(移転価格)の3つを転職先の候補としました。
その中でも、Big4税理士法人の移転価格コンサルタントに対し、①クロスボーダー取引を取り扱う以上必ず海外と関われるフィールドがあり、②会計的な視点とビジネス的な視点を同時に磨くことができ、③希少性が高く、転職市場でも高く評価される職種である、という点に魅力を感じました。
1回目の転職活動では経験年数の少なさがネックになりましたが、USCPAや証券アナリストの勉強をしていたことなど資格面も評価され、無事に内定を得ることができました。
2社目のBig4税理士法人では、移転価格税制を専門とするコンサルタントとして3年半勤務しました。具体的には日系グローバル企業や外資系企業の日本法人に対して、BEPS移転価格文書化、事前確認(APA)の締結、移転価格ポリシー策定、税務調査時のディフェンス対応サポートなどの移転価格税制に関わる業務支援を行っていました。
最近は本邦移転価格税制の移転価格算定方法にDCF法が認められたことを受けた事業価値評価(バリュエーション)に関する案件、金融に関する移転価格税制の改訂を受けた金融ポリシー策定の案件が増えているため、金融系の知識も求められました。
業務環境としては一人一人が担当する案件数も多く、クオリティ、スピードも高い水準のものが要求されます。コンサルタントとしての業務はルーティン的に回せるものではないため、毎回情報をインプットして自分の頭で考え、アウトプットを創り出す必要がありますし、経理とは違ってクライアントワークになるためプレゼンテーションも一人前にできなければなりません。業務環境は事業会社とは全く異なりましたが、中途採用である以上入社、初月からある程度 “できる” ことを求められていたため、慣れるまでは非常に苦労しました。
しかし、業務を通じて移転価格コンサルタントとしての専門性の強化ができただけでなく、一般的なビジネススキルやメンタリティの面で大きく成長できたと感じています。特に、プレッシャーのかかる状況を乗り越えてプロジェクトをリードする経験ができたのは、自分の中で大きな自信になりました。
移転価格コンサルタントとしての仕事は、得られる専門性やスキルの点でも、業務の面白さややりがいの点でも満足していましたが、私は「移転価格税制の専門家」になることはあまり考えていませんでした。しかし、シニア昇格を機に後輩スタッフへの指導やクライアントへの提案書・見積の作成などの業務も増え、求められる役割が徐々に変容していることを実感。また、あと数年経てばマネージャーへの昇格機会が得られますが、マネージャーになれば「移転価格税制の専門家」以外のキャリアに進むことは難しくなってきます。
在籍した3年間の業務で一連のプロジェクトを主担当としてある程度回す実力・自信はついており、事業会社に戻って会社の価値を高めていくような仕事がしたいと感じるようになりました。29歳という年齢的にも、新しいチャレンジをするなら早い方が良いと感じたこと、結婚を機にこれまでのようなハードワークな働き方を見直したいと思ったのもきっかけの一つでした。
転職活動については、「ファームで培った移転価格コンサルタントとしてのスキルを生かしつつも、税務専門家に特化せず、会計・税務周りの知識を駆使して事業に貢献できる仕事がしたい」というのを絶対に譲れない軸としました。また、他に何となく意識していた軸としては次のようなものがありました。
・ 給与水準が大きく落ちないこと(ワークライフバランス⦅=WLB⦆を確保するため、給与水準を落としたとしても、部署や上司によってはWLBが想定より悪くなる可能性もあると思いました。給与が落ちてWLBが悪化すると転職を後悔しそうだったため、給与は現状維持以上にすることをある程度高い優先順位にしました)
・ WLBがある程度取れること
・ 日系メーカー(特に理由はありませんでしたが、1社目が日系メーカーだったため、何となくメーカーに思考が偏っていました)
(株)エリートネットワーク様に登録する前にも他の求人紹介サイトへの登録だけはしていたのですが、他社では散発的に求人が送られてくる形式や、Web上で検索をかけて合致しそうな求人に自分から応募する形式になっていました。前者の求人紹介形式は、私の意向からかけ離れた求人が紹介されることが多い状況でした。また、後者は自分の望む条件をすべてインプットしても、自分の意識していない条件を漏らしているのか、あまりピンとくるような求人がヒットしませんでした。
エリートネットワーク様は、1回目から対面での面談をセッティングしていただき、求人紹介前に丁寧に意向のヒアリングをしてくれたのが印象的でした。そもそもなぜ転職を検討しているのか、緊張感のある対面の場でお話すると自分の気付かなかった希望や、整理できていない転職検討理由が出てくることに気付いたので、この点はとても良かったと感じています。
面談後、転職カウンセラーの前田様には希望条件に合いそうな求人案件を業種や問わず幅広く紹介していただきました。職種についても、会計や税務系のキーワードがあれば、経理から経営企画、コンサルまで幅広くご紹介していただきました。その上で、以下のような点を伝えられました。
・ 私が “なんとなく” 希望していた日系メーカーでは給与水準を維持するのが難しいこと
・ WLBについては日系の上場企業であれば、最近はある程度ガバナンスが効いており、外資系ファームよりは改善される見込みが高いこと
・ 中途転職では新卒就活と異なり、これまでのキャリアや経験が重視され、「志望理由」の深堀りはそこまでされる可能性が高くないこと
・社風についてはあまり先入観にとらわれず、とりあえず受けてみればよいのではないかということ
このうち3点目については転職市場に詳しいエリートネットワーク様に入念にお話を聞いていただいたからこそ気付くことのできた点だと思っています。私は新卒就活のイメージから転職活動をするのであれば業種を絞り込んで、志望理由を固めてから応募をする必要があると思い込んでおり、経験のあるメーカーに不必要に軸を絞り込んでいたようでした。
前田様からのアドバイスを受け、先入観にとらわれず全く検討していなかった会社も「とりあえず受けてみよう」という姿勢に切り替えてからは、社風やWLBの優先度を下げ、給与の優先順位を上げました。当初希望していたメーカーは給与の軸でほとんど削られてしまった一方で、総合商社、金融機関、海運、エネルギー系企業など、これまで検討していなかった業種である程度の数の企業が選択肢に残りました。イメージ程度しか持っていない業界でしたが、志望理由の深堀りがないのであればまず受けてみようと思い、応募を始めました。
その中でも一番早く書類選考に通過したのが、内定受諾を決めた資源開発系のエネルギー企業でした。前田様からお伺いしていた通り、面接ではこれまでの経歴や経験、スキルなど「何ができるのか?」という点を重点的にヒアリングされました。
一方で、「なぜエネルギー系企業の中で上流側の “資源開発” を志望するのか」という質問は一次面接の段階から問われました。面接中は「業界は問わずに職種の軸で見ており志望動機は準備できていなかったため、次回の面接までにもっと御社の理解を深めるようにする」という回答をしましたが、正直落ちたのではないかと思いました。面接後、前田様からメールでの連絡が届き、「必要な援護射撃をするので面接終了後に連絡してほしい」とのことだったので、面接の様子を正直にお話ししました。フォローを頂いたお陰もあってなのか、一次面接は無事に通過することができました。
上記の経験と、業界のことを知らないまま転職するわけにはいかないので、二次面接の準備に向けて有価証券報告書やIR情報、関連する日経新聞の記事を徹底的に読み込むようにしました。すると調べれば調べるほど、資源開発業界が安全保障や脱炭素のトピックで非常にホットな業界であること、私が大学受験時に失敗して断念した気象学の道と大きく関連しそうな業界であることに気づきました。理系技術者の立場から関与することは叶わなかったものの、私がこれまで学んできた会計系のフィールドで貢献していきたいという想いが強くなり、二次面接以降は入社したいという想いを積極的に伝え、ご縁があり内定をいただくことができました。
その時点で転職活動はまだ始めたばかりでしたが、求人に記載されている仕事内容が「ファームで培った移転価格コンサルタントとしてのスキルを生かしつつも、税務専門家に特化せず、会計・税務周りの知識を駆使して事業に貢献できる仕事がしたい」という軸を満たすものであったこと、給与やWLBの面でも問題なさそうだったこと、業界そのものを魅力的だと感じるようになったこと、の3点の理由から、あえて内定を蹴ってまで他社の選考を受ける必要もないと感じ、転職活動はここで終了としました。
もし私が他社の求人サイトを眺めているだけであれば、資源開発系の業界はおそらく目に留まらず、スルーしてしまった求人だったと思います。しかし、エリートネットワーク様に私の希望を丁寧にヒアリングいただいたことで、自分の先入観を見直したからこそ、私にとって有力な選択肢となり、非常に魅力的な会社だと気づくことができました。
また社会人7年目で2回目の転職活動であること、1社目が工場経理、2社目が移転価格コンサルタントと経理系のキャリアの中ではあまり一貫性がない経歴であることは大きなコンプレックスになっていましたが、ご縁をいただいた会社の面接官からは年数は長くないものの経理、税務の両方の実務経験があることがむしろ評価ポイントと捉えられ、弱みと感じていたことをむしろ「強み」として生かすことができました。
自分が他者に対して思っていることや、他者が自分をこう思っているだろうという事柄は、案外自分がそう思い込んでいるだけで、蓋を開けてみたら違うということは往々にしてあり、思いもよらないところから新しい道が開けてくるのかもしれません。私は今回の転職活動で内定先企業との新しく素敵なご縁をいただいた中で、そのことに気づくことができました。
エリートネットワーク様は、個別求人を勧めてくるのではなく、意向のヒアリングから丁寧に行ってくれたエージェント様です。転職検討中の方、あるいは転職を決意はしていないもののキャリアについて思うことがある方は、ぜひエリートネットワーク様にご相談いただき、チャンスがあれば挑戦してみてはどうかと思います。
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