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不動産鑑定士、鑑定事務所から4大 監査法人へ飛躍

不動産鑑定士、鑑定事務所から4大 監査法人へ飛躍

No.847
  • 現職

    4大監査法人 不動産鑑定士

  • 前職

    中堅不動産会社  不動産 (中古マンション) の仲介営業
    不動産鑑定事務所 不動産鑑定補助

阪崎 昌紀 氏 35歳 / 男性

学歴:早稲田大学 教育学部 教育学科 卒
不動産鑑定士
宅地建物取引主任者

不動産鑑定士について

不動産鑑定業界は今後、大きく変わっていく業界だと思います。日本不動産鑑定士協会のホームページに不動産鑑定士の紹介VTRがありましたが、そこで言われているように、公的評価などよりも、証券化関連・会計関連業務等の方面で、不動産の経済価値に特化した企業内不動産鑑定士の重要性が高まっていくと思います。
私も転職活動を通じて、想像以上に不動産鑑定士の需要は大きいなと感じました。特に今後は英語を含めたグローバルな知識・能力が求められていくものと思われますし、金融資本主義である現代においては、さまざま企業で不動産関連の専門家として、企業内不動産鑑定士に求められる能力は今後ますます高まっていくと思います。

不動産鑑定士試験は難関国家試験と言われており、合格率も約3%と高くありません。しかし、一度その試験に合格すれば、厳しい受験勉強を通してメンタル面・知識面でも非常に高い経験・能力を磨くことができます。また、合格者の平均年齢も35歳くらいと比較的高く、モチベーションを維持して勉強に励めば、合格することができる試験だと思います。
不動産鑑定士として仕事をするフィールド・選択肢は非常に多いです。人脈を作って独立したり、企業内鑑定士としてより専門分野に特化したり、他にも様々な活躍場所があります。また、仕事内容についても、現地を見に行ったり、鑑定評価書を作ったりすることなど、自分の裁量でコントロールできる部分が多く、ワークライフバランスも比較的保ち易いと思います。

求められる能力としては勿論不動産にまつわる専門的知識が中心ですので、多少の話し下手・人見知り (私もそうでしたが……) でも十分な能力を発揮できる資格です。むしろ、求められるのは雄弁なトーク力よりも、クライアントが期待するレベルを一回り、二回り上回る豊富な知識と、コンパクトな説明力だと思います。
今後は、IT技術や金融技術等の進歩により、よりグローバルな不動産鑑定士が求められますし、投資家保護や金融安定化などのために、不動産鑑定士という資格者は必要不可欠な存在であり、その責任と需要が益々高まっていくものと思われます。

私もそうだったのですが、不動産鑑定士は高収入が期待できるということで資格取得を考えている人もいるかと思います。それが本当かどうか疑わしいと思っている方には、実力次第ですが本当です、とお伝えしたいです。中には若い方でも独立してウン千万稼いでいる方もいますが、相当な努力をされていらっしゃるそうです。
何でもそうだと思いますが、試験勉強で学んだことは (特に鑑定評価理論) はその後の実務にダイレクトに活かせますし、実務修習を通じて得られる人脈や社会一般からの評価など、資格取得を通じて得られるメリットは非常に多いと思います。

これから資格取得を考えている方、また現在勉強中の方に対しては、試験勉強は全く無駄にはなりませんし、努力に見合った報酬は必ずついてきますので、合格を目指して諦めず頑張って下さい、とお伝えしたいです。また、実務修習費用がやや高額と思われる方もいらっしゃると思いますが、そんなことはありません。適切な実務修習機関を選択して、勉強を継続して頑張れば、その費用以上の成果を得ることができるはずです。

(株)エリートネットワークの横関さんにお願いした理由

・専門特化したアドバイス
私は過去に、別の大手転職エージェントで転職活動をしたことがあります。その際、面接対策やフォローについては、多少のもの足りなさを感じていました。その点、(株)エリートネットワークの横関さんは、不動産鑑定士の転職支援経験が豊富であり、不動産鑑定士としての企業研究・面接対策等の実例を交えて具体的にお話しして頂き、シンプル且つ非常に分かり易い説明をして頂きました。また、明確な達成目標を含めた面接対策のアドバイスを頂き、効率的且つ効果的な面接対策をすることができました。そのため、面接がある度に様々な知識等を学ぶことができました。元もと面接はあまり得意なタイプではありませんでしたが、今後の仕事に生かせる良い経験を積むことができました。

・丁寧なフォロー
(株)エリートネットワークの横関さんにお願いして良かったと思う点は、面接対策や企業情報等のほかに、転職活動全般に対するフォローを丁寧にして頂いたところです。
最近流行りのライザップ (RIZAP株式会社) なんかも、ダイエットのためには辛い時を乗り越える心強いパートナーが必要だという切り口ですが、転職活動も正に同じことが言えると思います。
基本的に、面接結果や企業選びなどの判断事項に関しては自己責任です。これは当たり前のことです。ただ、スケジュール管理や面接結果待ちの期間の対応、退職手続き等、相談に乗って下さる頼もしい相手がいるのといないのとでは、効率的にも精神的にも天と地の差があると感じました。
また、希望年収も途中諦めかけていたのですが、最終的には希望年収以上の成果を達成することができました。それは横関さんが最後まで諦めずに、求人情報を分析、提供して下さったお蔭かと思います。もし横関さんのサポート・分析等がなければ、安い給料での就業になってしまっていた可能性があると思います。その点で、自分一人の転職活動には限界があるなと思いました。

・貴重な情報源
(株)エリートネットワークの横関さんにお願いして良かったと思う点はほかに、個人的な特性を考慮して、様々な角度から求人情報をご紹介して頂ける点でした。
極端に言えば、(株)エリートネットワークの横関さん以外であった場合、今回の転職先には決まらなかったと思います。また、これほど転職に対する達成感、満足感というのも生まれなかったと思います。
転職活動にエージェントを使わない場合、企業探しから面接対策、スケジュール管理等、全て一人で行う必要があります。そうした場合に、自分の実務経験、ポテンシャルを十分に活かし切る転職を実現させるためには、会社を辞め、転職活動に専念できる環境を整えた上で、朝から晩まで企業・業界研究と自己分析を繰り返し行う必要があると思います。

私の場合は、在職中及び実務修習1年コース期間中の転職活動でしたが、仕事も辞めず、実務修習もこなしながら、自分の経験・ポテンシャルを活かした転職を実現できました。
その理由としては、第三者的な冷静な観点から、自分の適性やポテンシャル等を分析してもらえるパートナーがいたからだと思います。実際に、(株)エリートネットワークの横関さんから紹介を受けた求人案件の中には、「え!こんな業界やこんな職種もあるのか!」 と驚いたものもあります。また、自分一人の狭い見識では、見つけることもできなかった案件もありました。今回の転職先は正にそれに当たります。転職先の人事責任者の方も、長年の実績があるエージェントは痒い所に手が届く、との評価をしていらっしゃるようでした。ですから、企業にとっても、転職活動を考えている候補者にとっても、専門性の高いエージェントが必要なのではないかと思います。

結果として、良いご縁にならなかった企業様もありましたが、企業研究や面接を通じて、今後のキャリアに活かすことができる良い経験をさせて頂いたと思っています。
この点に関しては、転職カウンセラーの方が直接各企業への訪問を行っている(株)エリートネットワークさんならではのメリットだと思います。特に現場の雰囲気や企業風土、求めている人材像などなど、文字だけでは伝わらないアナログの情報を提供して頂けたことは、企業選びや面接対策の上でも、貴重な情報となりました。

これから不動産鑑定士を目指す方へ

これから不動産鑑定士を目指す方は、今後大変な勉強が始まると思います。また、不合格の時の絶望感と挫折感を何度か経験されることと思います。そんな方へお伝えしたいことは、合格した瞬間から人生がガラッと変わりますので、是非とも目の前の勉強に集中して諦めずに合格を勝ち取って下さい、ということです。
「不動産鑑定業界は落ち目」 だとか、「資格を取っても安月給」 とか、将来のことを調べたり聞いたりした時、そんなマイナスイメージが耳に入ってくるかもしれません。私もそういった風評や間違ったイメージに苦しめられた一人ですが、実際はそんなことはないと思います。
私が経験したのは、合格後と前とでは周囲の反応が全く違う、ということです。
合格した後にあったのは、難関国家試験を突破したことに対する周囲からの大きな評価と、先に広がる多くの選択肢でした。

私が合格後に勉強時代を振り返って一番反省したことは、将来のことを考え過ぎてモチベーションの管理に失敗したことです。合格後に感じたことですが、不動産鑑定士試験は合格率約3%の狭き門ではありますが、モチベーションを維持して勉強を継続すれば合格することができる試験だということです。実際、私が実務修習の時に聞いた話だと、受験回数は3〜4回の人が多かったです。また、実力に見合う収入が得られるチャンスは多いですし、努力はしっかり報われる試験です。やはり、試験勉強をしっかりしている人は実務修習でも優秀な成績ですし、逆に旧制度の2次試験で合格している人などは実務修習の内容が難しいらしく、苦労している人をよく見かけました。

私は約6年間勉強を続け合格しました。不動産鑑定士を志した当時は3回で合格しなかったら諦める、というつもりで不動産鑑定事務所へ転職をして、勉強を始めました。しかし、時代はリーマンショックの影響で世界的な不景気の真っ只中でした。勉強を諦めたところで行く会社もなし、3回目の受験に失敗しても、以前の鑑定事務所の安月給でやっていくしかありませんでした。
一部の先輩鑑定士などからは、「一生受からない」 とか、「不動産鑑定士をはじめ、“士業” はもう終わり。目指すなら違う道の方がいい。」 といったアドバイスというよりも嫌味に近い言われ方をしたこともありました。

私が一番辛かったのは、そういった一部の人が持つ将来のマイナスイメージをなかなか払拭することができず、勉強に対するモチベーションが下がり切ってしまったことです。
その分、目の前の仕事に対しては真剣に取り組み、残業と出張の繰り返しでした。そのため、なかなかまとまった勉強時間を取れませんでしたが、少人数の事務所でしたので、実務経験はより多く積むことができました。今思えば、仕事はほどほどにして勉強に集中していれば、もっと早く合格できたかもしれません。ただ、努力は無駄にならないということで、この仕事への頑張りは、後の転職活動と実務修習に大きく活かすことができました。
結果として、仕事に真剣に取り組むことは、トータルでプラスになったと思います。

小規模な鑑定事務所でのメリット・デメリット

結論から言えば、鑑定士試験合格後に大手鑑定会社へ転職して、そこで実務修習を行うのが費用面、キャリア形成面ではベストだと思います。大手鑑定事務所は会社にもよりますが、30代半ば〜後半でも採用される場合はあるようです。(私が聞いた話では37歳で大手鑑定会社に採用された方がいたそうです。)
試験合格前にも、小規模な鑑定事務所に入ることは可能です。ただ、私の場合は将来不安やマイナスイメージなどの余計なノイズが入り、試験のモチベーションを維持するのが難かったです。また、労働環境の良し悪しも幅がある印象があります。 (当然、しっかりされている優良な事務所も多いですし、実務経験を幅広く積むことができるという良い面もありますので、面接時に労働環境をしっかりと質問するべきだと思います。)
私が入った事務所は規模こそ小さいものの、当時主流の証券化対象不動産をやっていたため、入社を決めました。結果はこき使われて、仕事は数多くこなせたものの、成功した転職と言えるものではなかったと思います。

入社当日に鑑定部の部長と社長が大喧嘩していました。
私は入社初日でもあり、「専門家の世界は会議も本気でぶつかるんだな、勉強になるな」 と思っていましたが、後に単なる喧嘩だったことが判明しました。また、それがきっかけで主流の鑑定士が会社を辞め、代わりに抜擢されたのはろくに実務経験もない新米鑑定士でした。直接の先輩でしたが、取引先との待ち合わせ時間を守れず遅刻ばかり、締め切りすらも守れず会社の売上は衰退していくばかり、加えて仕事の要領が悪く、ほぼ毎日終電ぎりぎりの生活に付き合わされるという入社1年目でした。もし、世の中の景気が良ければ、入社1ヶ月程で見切りをつけ、転職していたかと思います。

その後も待遇は改善されず、繁忙期の年末年始に、通常の評価業務に加え、膨大なデューデリジェンスの業務が加わり、24時間・1週間ほぼ仕事漬けという生活が約半年間続いた時期もありました。もう労働基準法など存在しない世界でした。中でも特に驚いた一言が、合格後に会社の役員である鑑定士に言われた、「こき使われて良く合格できたね。」 という一言です。働く場所を間違えるということが、どれだけ辛いことかということを、身に染みて経験しました。
とにかく、小規模事務所に入る時には、細心の注意を払って労働条件等のチェックを行うことをお勧めします。 (しっかりしている所は規模に関係なく、とてもしっかりしています。)

最後に実務修習についてですが、色々な方からお話しを聞いて思ったのですが、力をつけたいのであれば、大学若しくは大島鑑定などの実務修習専門機関で学ばれるのが良いと思います。大手鑑定会社などは、費用面では優遇されると思いますが、設備や知識、サービス等の面で大学等が良いのではないか? と思います。 (あくまでも個人的な意見ですが。)
私は小規模事務所ならではですが、100%自分でやりました。 (実務修習の指導鑑定士料金は通常通り請求されましたが……)

私は実務経験があったので、実務修習は不要かな、と思っていましたがそんなことはありませんでした。むしろ、実務経験がなくても、実務修習をしっかり勉強して修了すれば、一人前の鑑定士としてデビューできる、そう思いました。指導鑑定士料金などは高額ですが、後々のことを考えれば、しっかりとした環境の下で、実務修習を行うべきではないかな、と思いました。
間違っても、私のいた事務所のように、何も教えず何もやらず、指導鑑定士料金だけはしっかり払わせるような所ではやらないように、細心の注意をもって、実務修習のことについても入社前・面接の段階でチェック・質問されるのが宜しいかと思います。



最後になりましたが、今回の転職を全力でサポートして頂き、様々な貴重な機会を提供して頂いた(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの横関さんに感謝すると共に、今後も一人でも多くの不動産鑑定士の方が納得する転職を実現できるように願っております。

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