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40歳公認会計士、監査法人から一部上場企業の経理財務本部への転職。

40歳公認会計士、監査法人から一部上場企業の経理財務本部への転職。

No.623
  • 現職

    一部上場 大手総合物流企業 経理財務本部 課長

  • 前職

    大手4大監査法人 公認会計士

小沢 正造 氏 40歳 / 男性

学歴:同志社大学 経済学部 卒
SAP Certified Application Associate

はじめに

私は、公認会計士試験合格後、監査法人 (監査部門・アドバイザリー部門)、コンサルティング会社 (会計系) において、会計監査や様々な会計に関連するプロジェクトと経歴を重ねてきましたが、今回、事業会社への転職を決意し、無事転職を実現することができました。私のように40代であっても会計士から事業会社への転職を検討されている方は多いのではないでしょうか。ご検討中の皆様に参考にして頂ければ幸いです。

転職のきっかけ

監査法人、コンサルティング会社と十数年間に渡りそれなりにやり甲斐を持って業務を行っていました。ただ、一方で、将来は事業会社のマネジメントクラスとして会社経営に参画し、力を試したいとの思いも常々持ってきました。具体的には、上場予備軍や新興市場等で今後の成長を予感できる会社でのCFO・経理部長等のクラスへのキャリアアップを想定していました。
前職のコンサルティング会社では、プロジェクトのマネジメントをしつつ、立場上、新規案件の獲得活動も必須でありノルマもありました。将来のキャリアプラン実現を考えた場合、当該業務とは乖離があるため、そのギャップを埋めるのであれば早い方が良いと考え転職する決意に至りました。

(1)転職活動

アラフォー世代 (家族あり)、転職回数2回と世間的には厳しい状況の中、私は元来楽観的な性格ゆえ、事業会社に於ける会計士経験の採用ニーズはどこかにあるだろうと踏んでいました。そこで、前職のコンサルティング会社での業務と転職活動の両立は共に中途半端となる可能性が高いと考え、有休消化期間を活用すべく退職日を決め転職活動を開始しました。

●レジュメについて
事業会社のCFO・経理部長クラスのポジションを希望していましたが、企業規模にはこだわっていませんでした。にも拘わらず、若手の会計士ならいざ知らず、私の世代にとって異業種への転職は案件数も少なく厳しい状況でした。
特に事業会社での実務経験がないことが一番のネックでした。ただ、私の中では、いずれも会計という土台は共通しており、会計監査だけではなく、コンサルティングを通じて顧客と協力し作業を実施してきた経験も多数あることから実務への対応も可能だという自負がありました。当初は当該事項についてレジュメへの反映を行っていなかったため、書類審査段階で苦戦しましたが、反映後は比較的書類審査が通るようになりました。
レジュメには、今回の異業種への転職であれば、応募先の会社が懸念する事項を想定し、その懸念を払拭する具体的記述が重要であることを痛感しました。

●エージェントについて
当初はどうせやるなら求人の選択肢は多いほうが良いと考え、下記の要領でエージェントに登録・応募していきました。
(1)定期的にメールで送られてくる求人案件から興味がある案件をピックアップし、扱っているエージェントへ登録・応募
(2)大手エージェントに登録し、紹介された求人案件の中から興味がある案件をピックアップし応募
ただ、数社のエージェントとの面談や応募を通じて、上記(1)も(2)も比較的多数の求人者の目に触れることになり、特に私の世代の競争倍率は高くなる傾向がある、(1)では登録や実際に応募してもその後の連絡がないことが時々あり判断に困った、また(2)ではレジュメを右から左へ流しているかの如く私の職歴にマッチしていない求人案件の紹介があり、大量の求人案件を多くの求職者に事務的に配信しているように見え正直あまり期待はしていませんでした。

(2)転職活動

上記やり取りを地道に続けた結果、転職活動中の時の経過は非常に早いもので、あっという間に2ヶ月弱が経過しましたが、幸いにも2社から内定を頂きました。内定先については、応募から内定までの期間が比較的短く、順調に収束できるものと思っていたのですが、2社共条件面が折り合いませんでした。エージェントの求人票の条件と会社の条件に相違があったこと等が一因でした。最終的に、エージェントから調整は困難とのお詫びがありましたが、2社共同じようなケースできつねにつままれたようで、残念でやるせなさを感じました。退職日も目前に差し迫っていましたが、やはり納得して転職することについては譲れず、2社の内定は辞退し、転職活動を継続せざるを得ない状況でした。

活動当初は、退職日までの活動期間を考えると、退職後の活動も1か月程度は必要になるかもと想定していましたが、退職後の活動が現実的となり、2社に絞った時点から活動は行っていなかったことから、一から活動をすること自体に正直脱力感を感じずにはいられませんでした。この点、家族との小旅行による気分転換や友人からの励まし、また先輩からは、長い人生2〜3か月程度はサボっても影響なし、との謎のアドバイスを頂き気持ちを持ち直し、かろうじてですが意欲を失わず再び転職活動に挑むことができました。

転職活動再開にあたり、以前と同じやり方では時間がかかると思い、少しでも効率的に活動を進めるため、会計士の強みを生かせるエージェントに頼ることにしました。当初この発想が出てこなかった自分が不思議ですが、「会計士」 をキーワードとしてネット検索したところ数社のエージェントにヒット、驚くことにこれまでやり取りしたエージェントは一切含まれていませんでした。我ながらこれまでの転職活動は果たして正しかったのか?と疑問に思いましたが、その中の1社が(株)エリートネットワークさんでした。

早速連絡し、すぐに転職カウンセラーの高橋さんから返信を頂き面談することになりました。高橋さんとのカウンセリングでは、レジュメ内容の確認等他エージェントとも行うような一般的なやり取りだけではなく、レジュメへの記載事項に関する背景、家族構成、抱えている債務、もはやこれ以上は思い出せませんが他にも根ほり葉ほり聴かれファイナンシャルプランナーと話しているようでした。また、自分が希望している上場予備群や新興市場等は年齢的にリスクがあり得る事とその根拠、会計士が監査法人から事業会社へ転職する一般的な思考パターンといったお話等、これまでとは異質の面談で印象深く、少し違和感を覚えたことも確かです。ただ本気で人を紹介するのであれば、これくらいのインパクトと真剣さは必要だろうとも思いました。一方、雑談も多少あり、予定時間を大幅にオーバーしていましたが、退職直後で少し参っていた私にとっては気分転換となる一時でした。

面談後、当日の晩あるいはその数日後に10社程度への推薦を行う旨の連絡を頂いたのですが、そのスピード感や案件数に驚き、大変頼もしく感じました。転職活動を開始して、初めて自分が望んでいたエージェントに巡り合ったと感じた瞬間でもありました。

その後、高橋さんから紹介された会社のとある1社との面接がとんとん拍子に進み内定に至りました。過去に高橋さんから同社への紹介者の実績が積み上がり信頼という太いパイプとなり、このパイプの御蔭も多分にあったと感じています。最終的には既に内定が出ていた他エージェントから紹介された会社との選択になりましたが、高橋さんからは選択の判断材料となる客観的資料まで頂き、納得する判断ができたと思っています (最後は高橋さんからの紹介企業を選択)。

最後に

この転職活動を通じて思ったことを改めて列挙したいと思います (あくまで私見です)。
・転職は縁だが、エージェントこそ 「 縁 」 である。求人案件よりも良いエージェントを見つけることが先決 (私の場合は(株)エリーネットワーク高橋さんでした)。
・一般的にメール等で送られてくる求人情報は案件数も多いが、ライバルも多くなる (特に40代以上)。
・経歴は上には上がいる。
・退職後の転職活動は避ける。タイミングや縁等自分ではどうにもならない不確定要素が多く、転職の目標がぶれる虞がある (私自身、退職日を決めた後に会ったエージェントから就職先が決まる前の退職だけは絶対やめて下さい! と言われた時には正直焦った)。
・ただ退職してしまったら、逆に私の世代でこれだけ自由な期間があることをポジティブに捉え開き直る ( 私は、家族との時間、普段会えない友人との飲み、昼間の価格が安い時間帯のゴルフの打ちっ放し、英語の勉強、体を鍛えるといった離職期間の有意義な過ごし方を追求した )。
・転職活動を仕事と捉え、オン・オフのメリハリをつける ( オフには必ずストレス発散を )

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