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No.504

米国公認会計士、大手監査法人から総合商社への転職

前職
4大監査法人 金融インダストリー部門 米国公認会計士
現職
一部上場 大手総合商社 電力・インフラ部門 経理担当
小林 慎二 氏 / 29歳
米国の州立大学 会計学修士課程 修了
米国公認会計士(USCPA)
TOEIC985点

私が、初めて就職したのは大手監査法人だった。当時、私が憧れていたインド人の会計士のようになりたくて、監査法人に入った。

高校卒業後、スポーツトレーナーを志す事を決めていた私は、当時スポーツ科学が最先端のアメリカへと留学する事を決めた。ところが、留学して感じた事は、今まで自分が過ごしてきた世界が如何に狭かったか、という現実であった。アメリカは多様な考え方をする人が多い。学生時代一番仲良くなったインド人は勿論、フィンランド、メキシコ、モロッコ、韓国、ドイツ等、到る所から学生は来ており、その価値観は皆違う。留学して、暫くしてから発生した、911の事件では、特に顕著に思った。アメリカの南部の人間の考え方、北部の人の考え方、また、アメリカ人にしても、ヒスパニック系と、ブラックアメリカンのモノに対する考え方はまるで違う。

新しい環境で、新しい考え方に触れて、さて、今まで中学、高校と部活にただ打ち込んできていた自分が決めた、将来やりたいスポーツトレーナーは、果たして、自分が今後一生を賭けてやっていくに値するものなのか?と疑問を持った。もっと違った環境で色々な体験を積んだ上で判断をしたくなった。

そこで、大学を1年間休学して何かできないか、と思った。今考えると短絡的だが、よく漫画や本で出てくるような、海外を放浪しようと思った。でも、ただ、放浪するだけではつまらない。地元の人達と密着した生活をしないと、異文化の体験はなかなかできない。その時、ボランティアをしながら、その国の地域の人達と一緒に暮らす事ができるプログラムがある事を知った。これは、刺激的だ、と思い、早速1年間休学して、色々な国に出かけて行ってみようと思った。

しかし、父は反対した。留学して、1年も経たないうちに休学したいと言い出す始末。それはそうだろう。学費は休学中は無料である事、休学期間の生活費は自分で稼ぐ事、これを条件として、1年間の休学は認められた。

海外での1年間の生活費を稼ぐ事になり、充分な生活費が賄えるか心配になり、1年のうちの半分をお金を稼ぐ事に充てる事にした。テレアポ、営業、運送業のバイトなど、そこでも色々な出会いや貴重な経験をした。契約社員として働き、夢を追いかける同僚に出会った。自分も好きな事を仕事として続けたいな、と心より感じた。と、同時に残りの半年間で自分の将来やりたい事をしっかり決めようと思った。

半年間のボランティアは、航空運賃が安い、また、生活費が安い、アジアのインド、ネパール、タイに決まった。各3カ国で、NPOの職員スタッフとして働いたり、公立学校や孤児院で英語の先生をした。数え切れないたくさんの素晴らしい経験をした。

ムーミンはネパールの漫画家が書いたものだと、頑なに信じている子供に会ったり、
ビン・ラディンのポスターを部屋中に貼って崇拝していた老人に出会ったり
生徒と一緒に授業中に学校の裏手にある木の実を食べたり、
祭りの前日まで飼っていた、ヤギを殺して、皆で感謝してから食べたり、
うちの娘と結婚してくれ、と知らない人達からたくさん申し込まれたり、
稲刈りの手伝いをしたり、
ヒマラヤの頂きを見て、感動したり、
日本に居ただけでは、体験、経験できない事をたくさんする事ができた。

そして、この3つの国の中でも、インドでのボランティアは自分の人生を変える転機となった。

インドで与えられた仕事は、洪水がひどい地域の現地NPOにて、アメリカやイギリスの有名なNPOから受ける助成金に対する英文レポートの補助作成業務である。英語を満足に喋れる人がいない環境で、被災地域に出掛けたり、被災地域に届ける植林の農作業をしたり、マイクロクレジットの現場に立ち会ったりし、それらをレポートするのを手伝った。

そんな毎日を過ごしていた所、ある日、インドの会計士が監査をしにきた。彼らの目的は、現地NPOが受け取った助成金を適切に使用しているかを監査しに来ていた。その時が、監査人との初めての出会いだった。

まずもって、”Audit=監査”という単語の意味する所を知らなかったのだが、仲良くなったその会計士は、監査とは何か、その社会的な役割は何か?を細かく教えてくれた。また、彼らは、監査し、その過程で知り得た情報をもとに、経営者に対するアドバイスや、改善すべき事項を話していて、ビジネスの高いスキルを持って、社会的に意義ある活動をしている団体をサポートする姿は、自分にとっては衝撃的だった。正直、格好良かった。高いプロフェッショナルとしての知識を持ちながら、社会的に意義ある活動をしている団体を支える仕事。その仕事を知った事が、自分が会計士を志すきっかけとなった。

アメリカに戻った私は、スポーツトレーナーの専攻から、会計学科へと専攻を変えた。そこからはひたすら勉強をしていたように思う。いや、お金もあまりない私としては、アメリカのど田舎で、勉強以外する事は特になかった。無事に大学を卒業するのが近くなってきた頃、将来どこの企業に就職しようかと考えた。その時に真っ先に思い浮かんだのは、例のインドの会計士が勤めていた監査法人であり、冒頭の箇所に戻る事になる。

まさに、念願叶って働きたい所で、働けるようになったのだが、少しづつ、自分の仕事の方向性に対して疑問を持つようになった。入所後、金融系の会社を監査する部門へと配属された。外資系の金融会社を監査しながら、最初は必死に働いた。チームの仲間や、お客さん、皆いい人達ばかりで自分はかなり恵まれていた環境に居たと思う。仕事自体も楽しかった。ただ、どこかで、これが自分がやりたい仕事なのか?という疑問が常にあった。自分は、専門的なスキルを持って、社会的に意義ある活動をしている企業・団体を支えたいと思っていた。監査法人はその業務自体、社会的に意義ある活動である。資本主義を支える裏方的存在として、その重要性は今でも非常に高いと思う。但し、自分はどこかで、第三者としてではなく、当事者として、社会的に意義ある活動をしている団体や企業を支えたいのでは、と考えるようになっていた。

また、日本の企業は内部統制や会計という数字に対しては、非常に真摯に取り組んでいる。インドのように、数値の改ざんや、横領が頻繁に行われるような国ではない。つまり、会計士として求められている姿が発展途上国と日本とでは違ったのだ。

その為、多くの仲間や上司を裏切る形となってしまうが、転職の決断をした。

転職の際の軸は、下記3つである。
社会的に意義ある活動をしている企業・団体に入る事
日本人として、日本の会社にて貢献したいので、日本の会社である事
会計の知識をそれら事業に役立てる事ができるポジションである事

活動を続けていくうちに、戦前から国策的な活動を多くしてきた総合商社は日本になくてはならない経済活動をしている企業であると感じていた。また、商社の中でも、発電事業や水事業に力を入れている大手の総合商社の部門が募集していた経理のポジションは非常に魅力的に感じた。

発電事業や水事業は、自分がアジアでボランティアをしていた際に、経済を発展する上では欠かせない、まさに生命線のようなものだと感じていた分野である。インドでは一日に何度も停電する状況が普通であり、また、その電力量も大したものではない。電柱は木でできており、風が強かったりすると、倒れたりして、よく停電になった。こんな状況では勿論経済が発展する訳もなく、地元住民の経済活動は、ジュートと呼ばれる麻の栽培がメインで、過去数百年に渡って続けられている伝統的な産業のみだ。また、彼らは井戸水や川の水を飲んで生活していた。

川の水は汚い。人間の生活排泄物や、家畜等の糞尿、全て何もフィルターを通さない状態で流れている。自分も地元民と一緒に川でよく遊んでいたが、一度傷を負った状態で入った際、皮膚が異常に膿む、風土病にかかった。地元住民の方も、そのまま飲んでお腹を壊して、ひどい脱水状態になり、死んでしまう事も昔はあったようで、自分がお世話になったNPOのある一つの活動は、そういった彼らに対して、水を飲む時は浄水器を通して飲むように、と指導する事でもあった。そういった環境で数ヶ月暮らしていた私としては、それら発電や浄水事業を発展途上国で実施している総合商社で、自分の会計の知識を持って貢献できる事は、まさに自分が一生を通してやりたい事だった。その総合商社に入りたいと思った。

面接では、いつも自分が何故、その総合商社、また、その部門で働きたいか、という熱意を伝えていたと思う。また、今回大変お世話になった松井社長から、その企業が重視しているポイントを教えて頂いたので、そのポイントを満たすような自分の経験を切り口として話せるように準備をした。上記2点しか自分はできていなかったと思うが、逆にその2点を評価してくれた結果が、今回の内定に繋がったのでは、と思う。

今、こうして文章を書いていて思うのだが、転職活動を始めた際は、ここまで自分自身の事を深く掘り下げられていなかった。自分の内面に真正面から向かい合ったのは、始めて松井社長にカウンセリングして頂いた時だ。他のエージェントでは、自分が希望している会社を伝えて、相手がそれを探してくる、そのプロセスだけだった。ところが(株)エリートネットワークさんは、違った。企業での実務経験の無い会計士がいかにダメか、という所からスタートしたのは今でも非常に心に残っている。ただ、その衝撃的な入り口から、自分の考え方、内面を鋭く突っ込むような質問をして頂いて、話をしながら、自分が本当にしたい事は何か?という事を改めて考えるきっかけとなった。御陰で、お会いした後、自分の考えを改めて整理し、面接でしっかり考えを説明する事ができたように思う。また、特に、面接前にはお忙しい中必ずお電話を頂き、どういったポイントが重視されているのかを念入りに教えて頂いた。その的中率が恐ろしい程で、重視されるポイントを自分の経験で切った話をする事で、面接官との話が非常に弾む事が目に見えて分かった。

まだ、転職先で働いている訳ではないが、会計士が大量に転職市場に溢れている中、自分のように意中の仕事ができる総合商社に入れたのは本当に幸運であり、転職活動は大成功だったと思う。

ただ、転職活動を通して感じた事は、自分と同じように、志望動機がしっかりとしていて、その会社に行きたいという熱意があり、求めているスキルの最低ラインを超えていて、相手が一緒に働いてもいいかな、と思わせる人物像・キャラクターであれば、多少実務スキルが他の候補者よりも劣っていたりしても、満足がいく結果を残せるのではないかと思った。逆に、自分の志望動機と、行きたい会社の間にギャップがあれば、必ず落ちる、とも感じた。

これからは、転職先で働くまでは、今の仕事をしっかりと片付ける事に集中する事になると思う。やはり、チームから一人急に抜けるというのは、他のチームの皆に多大なる負担を強いる事になる。特に、ある程度責任ある仕事を任されていれば尚更だ。そういった迷惑を掛けてでも、転職する、というのが自分の意思であるならば、これは自分に向かって書いてもいるのだが、最後までしっかりと引き継ぎや、やり残しがないようにしたいと思う。それが、転職をする人間のけじめでもあるかな、と思う。また、こういった話をしてくれたのも松井社長だ。

最後に、今回の転職活動を通して、たくさんの気付きや発見があった。自分の人生観を改めて振り返れて、非常に有意義な時間だったと思う。また、ここまで転職活動をしっかりとサポートして頂いた松井社長を含め、(株)エリートネットワークさんには心より感謝しております。

本当にありがとうございました。

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