国家公務員技術系総合職38歳男性。家庭との両立・一次産業の振興にこだわり、業界トップクラスの建設コンサルティング会社へ転職成功

No.1683
  • 現職

    【業界トップクラスの売上を誇る建設コンサルティング会社】
    社会インフラ分野のDX推進部門 自然資本分析評価・生物多様性保全計画系の技術者

  • 前職

    【国家公務員】
    霞が関 中央省庁 技術系総合職(民間企業への出向経験あり)

岡部 悠 氏 38歳 / 男性

学歴:地方県立高校 卒
東京農工大学 農学部 卒
技術士

掲載日:2025年12月09日
目次
  1. 新卒で国家公務員を決意した経緯
  2. 入省後の担当業務
  3. 転職活動に至ったきっかけ
  4. 転職において譲れなかった条件
  5. 転職活動を通じて気づいた点、反省点
  6. エリートネットワーク様を利用して感じたこと
  7. 転職先へ賭ける思い

① 新卒で国家公務員を決意した経緯

私は地方の田舎町出身で、幼い頃から周囲には農業や林業、漁業に携わる人々が多く、自然と一次産業と地域社会の結びつきの中で暮らしてきました。そのような環境に身を置くうちに、地域の基盤である一次産業の発展と、そこに根差した地域活性化に貢献したいという思いが芽生えていきました。

進学した国立大学では農学部に所属し、農林水産業の発展と自然環境保全とのバランス、さらには地域社会における役割について学びました。学びを深める中で、将来的にはこの分野に関連する職業に就きたいと強く決意しました。
その過程で、周囲の先輩や卒業生の中に国家公務員になった人や志す人が多くおり、彼らの話を聞く機会を得ました。国家公務員は国全体の政策に関わるスケールの大きな仕事であり、また地方機関や海外勤務、さらには官民交流などを通じて多様な実務経験を積むことができる点に大きな魅力を感じました。自分の成長の場としてこれ以上に適した環境はないと考え、国家公務員を第一志望とするようになりました。

当初は民間企業への就職も検討しましたが、卒業論文と公務員試験対策を進めながら就職活動を並行するのは中途半端になると判断しました。最終的に公務員試験に専念し、国家公務員の技術系総合職試験に合格。希望していた中央省庁での採用が決まりました。

② 入省後の担当業務

入省後は、中央省庁での国会対応業務に携わりました。議員からの質問取りや答弁作成のため、時には深夜まで残業を重ねることもありました。短時間で膨大な資料を読み込み、的確に要点をまとめ、論理的に整理して文章化する能力が鍛えられました。また、質問の背景にある政策課題を的確に把握し、わかりやすい表現で説明することの重要性を学びました。

次に予算要求業務を担当し、政策を実現するための財源確保のプロセスを経験しました。単なる数字の積み上げではなく、全体のストーリーを意識して「なぜその予算が必要なのか」を関係者に理解してもらえるよう工夫する力を培いました。

地方機関に異動し、公共事業の現場監督も担当しました。机上の政策立案から現場実務に立ち戻る経験を通じて、現場で働く人々の知恵や実態に即した対応の重要性を強く感じました。現場を知ることで、机上の計画と実際の運用とのギャップを埋めることの難しさとやりがいを実感しました。

さらに官民交流制度により民間企業へ出向する機会も得ました。そこでの実務経験は、公務員とは異なるスピード感や効率性、成果へのこだわりを体感する貴重なものでした。社会的課題に対して公的立場からだけでなく、民間の立場からも多様なアプローチがあることを学び、自分の視野を大きく広げることができました。

③ 転職活動に至ったきっかけ

国家公務員として15年ほど勤務し、配属先では、希望通りの実務経験を積むことができ、また上司や同僚にも恵まれ、幸運なことに自身の成長につながる順調なキャリアを歩んできたと思います。

しかし、結婚して子供を持ち、妻も正社員の総合職として働く中で、徐々に今後のキャリアと家庭の両立に不安を感じるようになりました。家事や育児は妻と分担して進めていましたが、国会対応や予算要求の時期、また災害発生などにより、突発的に深夜残業が必要になることが多く、家庭での負担が妻に偏る状況が続きました。このままでは家庭が危機的状況に陥ると感じ、より計画的に働ける職場に転職する決意を固めました。
また、官民交流で民間企業に出向した際に、公務員とは異なる形で社会課題に貢献できるやりがいを実感していたことも頭をよぎりました。公務員としての実務経験を活かしながら、現場により近い立場で課題解決に携わることで、新たな形で社会に貢献できるのではないかという思いが湧いてきました。

転職活動にあたり、自分の知識やスキルを客観的に証明する必要があると考え、技術士の資格を取得しました。仕事と家庭の両立を図りながらの資格取得は大きなハードルでしたが、これまでの実務経験を体系化する良い機会にもなり、自信を持って民間企業への転職活動に臨むことができました。

④    転職において譲れなかった条件

譲れない条件として重視したのは、これまで一貫して携わってきた一次産業の振興に関われることです。自分のキャリアの軸であり、地域や社会とのつながりを実感できる分野に携わり続けたいという思いがありました。
また、家庭生活との両立を実現するために、テレワークやフレックスタイム制度が整っており、計画的に仕事を進められる環境であることも重要な条件としました。

一方で、いざ転職活動を始めてみると、書類審査が通過できないケースも多く、現実も見えてきました。このため、従来優先度の高かった条件の一部を柔軟に考えることにしました。収入については前職と同程度か多少下がることも覚悟し、生活を維持できる範囲であればよしとしました。また、当初は大企業への転職を想定していましたが、活動を進めるうちに中小企業やスタートアップでも自分の実務経験を活かせる場があると思い、視野を広げました。

結果的には、前職から収入は下がることなく、会社規模も大きい企業に転職することができましたが、こだわりを取捨選択し、エントリーする企業の幅を広げたことが良い結果に結びついたと考えています。

⑤    転職活動を通じて気づいた点、反省点

転職活動を通じて、いくつか大きな気づきを得ました。
まず、自分のこれまでのキャリアを俯瞰的に整理し、強みや弱みを分析したことで、それまで以上に自分に自信を持てるようになりました。国会対応で培った短時間での要点整理力や、政策をわかりやすく伝える力、短期間で異動を繰り返すたびに新しいジャンルの仕事を速やかにキャッチアップしていく力、現場経験に基づく現実的な調整力などは、改めて棚卸しすることで汎用的なスキルとして評価できるものだと再認識しました。
また、これまでは日常的に漠然と考えていた「理想の働き方」についても、転職活動を通じて優先順位を明確化できた点が大きな成果でした。家庭との両立、計画的な働き方、そして一次産業に関わり続けるキャリアの継続という条件を整理したことで、転職活動における軸がはっきりし、やるべきことが明確化されました。

一方で、新卒の際には公務員試験に専念したため、一般的な就職活動を経験していませんでした。そのため、業界や企業の分析に慣れておらず、今回お世話になった(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの久井様からのアドバイスが無ければ、情報収集や各企業の比較に相当な時間を要していたと思います。

反省点としては、どうしても業界や名前を聞いたことのある企業に対して先入観を持ってしまい、選択肢を狭めがちだったことです。転職活動を進める中で、知名度にとらわれずに幅広くエントリーし、自分の可能性を柔軟に探る姿勢の大切さを実感しました。

⑥    エリートネットワーク様を利用して感じたこと

エリートネットワークを利用して特に良かったと感じたのは、単なる求人案件紹介にとどまらず、私自身の状況や考えを丁寧に汲み取った上でサポートしていただけた点です。
最初の打ち合わせでは、前職での働き方や家庭の事情、そして今後のキャリアに対する想いまでじっくりと聞いていただきました。そのため、転職活動の途中で迷いや不安を感じたときも気軽に相談でき、安心して進めることができました。

また、職務経歴書の添削や面接対策についても、こちらの都合に合わせて柔軟にご対応いただけました。特に、子どもを寝かしつけた後の夜の時間帯など、私が無理なく対応できるタイミングに合わせてweb面談などをセットし、丁寧にサポートしていただけた点は非常に助かりました。

さらに、前職や家庭での繁忙状況に配慮し、無理のない選考スケジュールを一緒に組んでいただけたことも良かった点でした。実は、最初に久井様と面談をしてから、転職が決まるまで1年以上を要しました。思うようにいかず、途中で諦めそうになったこともありました。また、前職の業務が緊急事態で多忙を極めたことにより半年近く転職活動を中断していたこともありました。それでも、決して急かすことなく、しかし諦めることもなく、粘り強く相談に応じ伴走していただけたことで、最後まで前向きに転職活動を続けることができました。

⑦ 転職先へ賭ける思い

次の職場では、国家公務員時代に培った実務経験やスキルを最大限に活かしつつ、新しい環境で柔軟に学び続けたいと考えています。特に、スピード感と成果へのこだわり、自分ならではの発想を意識し、社会に貢献できる仕事をしていきたいです。
また、家庭との両立を大切にしつつ、資格を取得するなどスキルアップを図り、この分野で自身の専門性を活かして長期的に働けるキャリアを築くことも目指しています。これまでの道のりを無駄にするのではなく、次のステージにおける新たな挑戦の基盤とし、一次産業と地域社会の発展に貢献していきたいと強く願っています。

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