本日現在1549
/ バックナンバーも全て読めます

会計士、監査法人から、証券会社の公開引受審査職へ

会計士、監査法人から、証券会社の公開引受審査職へ

No.276
  • 現職

    日系大手証券会社  公開引受審査部門

  • 前職

    大手監査法人  法定監査業務

沢田 武士 氏 33歳 / 男性

学歴:慶應義塾大学 商学部 卒

1. 転職を決意した理由

公認会計士試験の勉強をしている頃より、コンサルティング業務や経理業務にも興味がありましたが、合格後は3次試験もあるため、とりあえずといった感覚で、監査法人へ就職し、今日まで勤務して参りました。監査法人では監査業務に従事しておりましたが、常々、次のような長所、短所を感じておりました。


(長所)
・ 複数のクライアントを担当することから、多くの会計事象を目の当たりにすることが出来る。
・ 作成された財務諸表等を検証する作業のため、作成サイドに比べ作業時間が短いことから、多くの項目を経験することが出来る。


(短所)
・ 作成された財務諸表等を検証する作業のため、知識や経験が浅いものとなる。
・ 業務のメインである監査調書の作成は、クライアントに対する直接的なサービス提供ではないため、クライアントから直接的に感謝されるケースは少ない。
・ 業務を通して、達成感、満足感を得ることが難しい。


試験勉強や仕事を通して、会計に対してより興味を持つようになったことから、会計事象に係わる会計処理を検討する作業に魅力を感じていました。監査業務は、その点においては上記の(長所)の通り、非常に有意義な業務でした。その反面、上記の(短所)の感覚があり、監査業務を続けることに迷いがありました。


その様な心境で監査を続けてきたところに、昨今の監査の厳格化や、勤務している監査法人の方針で採算管理の厳格化が求められるようになりました。急激な変化にクライアントも現場スタッフもついて行けず、結果、形式面を整えることばかりに注力することとなりました。監査業務を行う上で、監査調書(形式面)を整えることは当然のことながら、一番重要なのは中身が伴うことであると常々考えておりましたので、実質の伴わない作業に空しさを覚えました。


元々、監査業務以外にも興味があり、先々監査を続けることについて迷いがあった状況下で、このような環境の変化に直面したことにより、転職に踏み切ることを決断しました。現状は過渡期であるとの認識もありましたが、監査の厳格化が業務内における監査調書作成の比重を高め、上記の(短所)が大きくなったことも決断の要因のひとつでした。

2. 転職先の検討

元々、監査業務以外にも興味はあったものの、漠然としたものであったことから、自分自身が何に興味があり、何が出来るのかから考え始めました。


ベンチャー企業の成長に管理面からサポートすることで寄与し、クライアントと共に喜びを分かち合えるような業務に携わりたいと考えていたことから、監査法人では公開準備支援業務も担当しておりました。また、試験勉強や仕事を通して、会計についてより興味深く感じるようになりました。これらを勘案し、今後の方向性として、会計を軸に公開準備に関連する業務においてキャリアアップしていくことに決めました。


この方向性に該当する就職先として、公開準備会社 、IPO関連のコンサルティング会社 や証券会社等 が考えられました。これらの中で最終的に証券会社の公開引受審査業務を選択しました。


理由は
・ これまでのキャリアを最も生かすことが出来る業務であるため
・ 証券会社の立場における公開準備業務の知識、経験を積むことが出来るため
の2点です。


引受審査業務でキャリアを積み、将来的には証券会社の公開引受業務にも携わることができればと考えております。

3. 転職活動を終えて

(1) 転職活動の時期について
仕事が忙しかったことなどから、先に退職することを決め、業務の引継ぎを終えた後から就職活動を始めました。これにはメリット、デメリットがあると思います。


(メリット)
・ 転職先を決めるための情報をより多く入手出来る
・ 数多くの会社に同時並行的にエントリー出来る
・ 現職の業務に集中出来る


(デメリット)
・ 転職活動を始めた後に、現職の良いところを再認識しても引き返すことは出来ない
・ 結果的に現職よりも条件が悪くなるリスクがある
・ 仕事が得られないのではないかとの不安感から転職先を妥協する


私の場合、結果的にはメリットの方が多かった様に思います。ただ、就職活動前にある程度の情報を集め、自分自身のことについても整理していたつもりでいましたが、実際に就職活動をして分かったこともかなりあったため、もう少し転職のための準備をしておいた方が良かったと感じました。


(2) 転職活動を通して感じたこと
転職活動は、次の就職先を探すために行いましたが、結果的に自分自身を見つめ直す良いきっかけとなりました。自分自身の考えを整理、再認識すると同時に、現在の自分が客観的にどの様に映っているか面接などを通して認識することが出来ました。また、面接などを通して色々な方と話をすることができ、貴重な経験であったと思います。


(3) (株)エリートネットワークの良い点
人材紹介会社は多数あり、どこが一番自分に向いているか分かりませんでした。そのため、先んじて転職された方から紹介して頂いた紹介会社に何社か登録しました。その中でも、(株)エリートネットワークは次の点において優れていると思います。


・ カウンセリングが充実しており、その結果にマッチした会社のみを紹介してくれる
・ 面接のアレンジをしてくれるだけではなく、フォローが丁寧
・ その結果、色々な相談をしやすいため、有意義な情報を入手出来る


最後に、転職にあたりアドバイスして頂きました、(株)エリートネットワークの転職カウンセラー杉本様、知人、友人に心の底より感謝致します。新天地で精一杯頑張ってみたいと思います。

この転職者を担当したカウンセラーに
転職相談したい

この記事をご覧になったあなたに

関連する転職体験記

転職体験記を絞り込み検索 全ての記事一覧は
こちら