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弁護士からのキャリアチェンジ。

弁護士からのキャリアチェンジ。

No.122
  • 現職

    キャラクター事業会社 宣伝部

  • 前職

    総合人材サービス会社 会長室

大辻 久男 氏 32歳 / 男性

学歴:慶應義塾大学 法学部卒(LLM・MBA)

 この度の転職は、業種のみならず職種の変更を伴うキャリアチェンジでした。業種と職種の両方を変えるキャリアチェンジは容易ではなく、特に20代を過ぎてしまうと尚更であると聞いています。ところが、私の場合には、約2ヶ月の転職活動を経て転職先から内定をいただくことができました。思いのほか順調に進んだ転職活動でしたが、そこには転職先のご理解はもちろん、転職先をご紹介いただくとともに私の話を親身に聞いて下さった(株)エリートネットワーク松井社長のご助力がありました。

 大学時代、将来は投資会社で企業買収をしたいという希望を持っていました。当時、日本では企業買収は馴染まないと言われていましたが、米国映画を通じてカッコイイという漠然とした憧れを抱いていたのです。そのような映画では、投資家の横で必ず弁護士がアドバイスをしていました。それならば、将来の希望を実現するためにも、まずは弁護士資格を取ってやろう。そんなことが司法試験受験のきっかけとなりました。
 弁護士になって3年間、キャピタル・マーケッツの分野に強い法律事務所で執務し、M&A、IPO、ベンチャー投資ファンド創設、株式・社債の発行などに携わることで最先端の法律実務に触れる事ができました。しかし、法律事務所はクライアントにとって外部専門家です。多くの場合、最終決定に直接的にかつ深く関与する機会はありません。他人事ではなく自分事として仕事をしたい。そして、法務だけではなく、広く事業や経営について総合的に判断できるようになりたい。大学時代に抱いた将来への希望を思い出しつつ、そのような想いが強くなってきた私は、弁護士という資格を武器にキャリアチェンジすることを決心しました。
 キャリアチェンジの準備段階として2年間ビジネススクール(国内)に通った後、私は前職に就きました。経営に携わりたいと希望していた私にとって、会長室という会社の中枢に近い職場はとても魅力的でした。また、M&A案件などを取り扱うこの部署であれば、法務経験を生かしながらもビジネススクールで学んだ経営・事業運営の知識を実践で生かし、いわゆる企業内弁護士とは異なる仕事ができるのではないかとも思っていました。現実、確かに経営TOPに近い仕事は大企業のグループ経営を体感できる点で非常に貴重でした。しかし、実際の業務で私に最も期待されたことは、やはり法律的観点からの意見や成果でした。適材適所ということを考えれば仕方がないのかもしれません。しかし、法務だけではなく事業や経営についても経験を積みたいと考えていた私にとって、社内で法律事務所を開業しているような執務環境には幾分かの物足りなさを感じざるをえませんでした。このままでいいのだろうか。大胆なキャリアチェンジをするのには決して容易とはいえない自らの年齢に鑑みれば、むしろ焦りさえ感じました。決断するならば早い方がいい。そう考えた私は、短期間の在籍ではありましたが、再度転職を試みることにしたのです。
 再度の転職活動にあたって、前回の転職では「GIVE&TAKE」ということにこだわり過ぎていたのではないかと振り返りました。弁護士経験を生かしながらのキャリアチェンジという「GIVE&TAKE」のバランスを気にするあまり、結局、専門性を極めることを捨てながらも未知の分野に触れる機会も少ないという中途半端な転職になってしまったように思いました。「TAKE」が極端に下がってしまう恐れがあっても、弁護士経験に基づく「GIVE」を完全に捨てた転職をしよう、それによって将来大きな「TAKE」を得られるならば。私はそんな転職活動方針を定めました。すなわち、法律業務を全く行わないことを明確に示して、事業部門に就ける職を探すことにしたのです。
 そんなとき、友人から紹介していただいたのが(株)エリートネットワーク松井社長でした。この方に転職先紹介を全面的にお願いしようと感じたのは、最初に交わした会話のときです。私は、自らのキャリア目標と転職活動の方針をお話しした後、松井社長が私の考えと覚悟について十分に理解していただいたことを感じました。それは私にとって非常に意外でした。なぜなら、私が弁護士資格を取った動機や、弁護士が法律業務を捨てて事業部門の職を探そうとしていること、そして短期的に「TAKE」を捨てるということに理解を示してくれる人はほとんどいなかったからです。松井社長は私にその覚悟を再確認した後、私の依頼を受けて下さいました。そして、その松井社長から紹介していただいたのが現在勤務している会社になります。もちろん法律業務を行う部署でも役職でもありませんでした。それはまさしく、私の希望条件を満たしていました。

 勤務し始めてまだほとんど経過していませんので、最終的なことはなんとも言えません。しかし、現時点において勤務先については大変満足しています。振り返ってみて、もし今回の転職が成功だとすれば、それはキャリア目標や転職活動に対する確固とした考え方を自分が持っていたこととともに、それを理解してくれる松井社長のような良きアドバイザーが存在していたことが大きな要因であったように思います。松井社長には、私のキャリアや考え方などに適した会社としていくつかの転職先を紹介して下さいましたが、それに留まらず、転職活動において貴重なアドバイスもいただきました。
 私は自分のことについて大体のことは自分で考え決めてしまうタイプですが、それでも自分の考えが正しいかどうか第三者をして確認したいと思うことが度々あります。今回の転職では、私の考えを理解し、率直にアドバイスをしていただける存在として松井社長がいて下さったことで、自分が何の為に転職しようとしているのか、何を目指そうとしているのかを常に再確認することができました。その結果として、短期間で、ブレのない、満足のいく転職活動を終えることができたのだと思います。転職活動の成功の秘訣が何かは人それぞれ異なるかもしれません。しかし、少なくとも私の経験からは、自分の考えを十分に理解してくれる存在が重要である、と言う事が分かりました。特に、業種と職種の2つの変更を伴う大きなキャリアチェンジを行う場合には、いわゆる周りの「常識」によって、堅固であったはずの自らの意志が常に揺さぶられる恐れがあることから、それは不可欠であるとさえ今は思います。
 本稿は、私の経験を基に思うところを書かせていただきましたが、多少なりでもこれをご覧になられた方の参考になれば幸いに思います。最後になりましたが、松井社長にはこの場を借りまして、この度の転職につき心より御礼を申し上げます。
                                               

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