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国家公務員(旧・Ⅰ種)、霞ヶ関の中央官庁から、日本のシンクタンクへ

国家公務員(旧・Ⅰ種)、霞ヶ関の中央官庁から、日本のシンクタンクへ

No.1146
  • 現職

    日系 大手シンクタンク 研究員

  • 前職

    中央官庁 国家公務員 総合職(旧Ⅰ種)

花沢 昇平 氏 30歳 / 男性

学歴:附属高等学校 卒
歴史ある私立大学  文系学部 卒
TOEIC895点

<転職という決断>

私が本当の意味で転職に踏み切ったのは、霞が関で働き始めてから7年ほどが経過したときです。それは、もっともっと小さな子どもと共有する時間を確保したい、という想いに基づく決断でした。
これまでも、霞が関の労働環境や労働条件を直視する度に、何気なく転職したいと思うことはありましたが、子どもが少しずつ大きくなり、私の目からも子どもの根本的な性格や感受性、ものの考え方の萌芽が見え始めたころ、その成長過程に自分がほとんど存在していないことに気づきました。ここで初めて、自らの人生における大事なものの比重が大きく変わったことを再認識した気がします。とりあえずの改善案として数年間はゆとりのある部署に配置していただくということも考えられましたが、それはあくまで刹那的な対応でしかなく、当面この組織にいる以上は、自分と子どもとのつながりは今後もずっと希薄なものになってしまうだろう、と考えました。

誤解のないように記しておきますが、霞が関でも、業務への取組のあり方から人材活用そのもののあり方まで、「働く」ことをめぐる環境は大いに変わってきていると思いますし、実際に熱意のある職員の間では、諸課題に立ち向かう気運は醸成されています。一方で、私が今大事にしているものは、その職場環境の変化により、これからも大事にしていけるようになるのか。また、その変化は早期に訪れて、私が最も重要と考えている “時機を逸しない” と確信できるか。答えはノーでした。そこで、人生は一度きりですし、自分の人生を少しでも「良くする」ということの実現可能性が高い働き方をすべき、という思いに至りました。

<転職先の検討>

では、転職先はどうするか。もともと私は「人のためになりたい」という漠然とした志望動機で霞が関の一省庁に就職しましたが、その基本的な考え方は今でも変わっておらず、引き続き国民の安全・安心な暮らしや自己実現可能な社会のシステムづくりに携わりたいという意志がありました。

こうしたことを踏まえ、今回の転職に当たり私が必須条件として掲げたのは、①労働条件として余暇時間が確保できる環境、②仕事の内容やキャリアパスとして公的分野へのアプローチが可能である環境、です。今回の転職は、主要因こそ現在の職場の労働環境の劣悪さですが、全体として後ろ向きな転職にするつもりは全くなく、仕事の内容をみても転職して良かったと思えるよう、これだけは自分自身納得できるまで妥協しないことにしていました。

最終的にこれらすべてを満たすことができる一部の日系シンクタンクに絞ってエントリーすることにしましたが、このプロセスではエリートネットワーク様から、上記のような諸条件をはじめ、私の個人的な性格に至る細かい部分まで踏まえて懇切丁寧にカウンセリングいただきました。この段階でエントリーする業界や企業の内容がかなりクリアになり、ある程度自分の働くイメージができましたので、迷いなく面接や筆記試験に移行することができました。振り返ってみても、「後悔しない転職活動」をするためには、このファーストステップを丁寧に行うことは非常に重要なポイントだと思います。

なお、志望先の業界は、①については原則として裁量労働制であり、②については発生する案件は中央官庁や地方自治体からの依頼によるものも多いということで、いずれも概ねクリアしていました。しかし最終的には、より自律的にワークライフバランスを決定でき、そしてキャリアアップの先には、民間の専門家というこれまでとは全く違う立場で国の政策そのものにコミットできる可能性もある、といった私自身魅力を感じていた企業 (シンクタンク) から良縁をいただくこととなりました。こうした各企業の特性は面接の中で理解を深めた部分もありますが、エリートネットワーク様からも、企業ごとの違いについて(特に企業側に直接聞きづらい内容について)、豊富な知識に基づき随時の相談に的確に対応いただきました。こうした点からもしっかりサポートいただけたことは、非常に心強かったです。

<実際の転職活動>

事務系の国家公務員は、いざ転職をしようという段階になったとき、業務経験から身についた特段の専門性がないために不安を抱えるケースが多いと思います。私もその一人でしたが、エントリー前にエリートネットワーク様からいただいたアドバイスと実体験を基に言えば、半分は当たっているものの、半分は杞憂だった、といったところが転職活動全体を通じた所感です。
一般的に中途採用における重要な選考指標は、年齢、職歴、パーソナリティですが、シンクタンク・コンサル業界においては、「職歴」とはどういう場所でどういう経験を積んできたか、それにより調査研究・コンサルティング業務に役立つような思考回路や対外説明能力、組織マネジメント能力の基礎が形成されているといえるか、についての評価であり、「専門性」はここの一部に含まれます。

書類選考や面接試験を通じて感じたのは、あくまで現下の経済社会情勢ではという前提なのでしょうが、「専門性」そのものを必要条件としている企業は想像していたほど多くはないということです。むしろ重視されていたのは、過去の自分の自己評価と今後の自分の展望をしっかり語れるかどうかという点だったと思います。私のように事務系国家公務員→シンクタンク・コンサル業界という経路を歩もうとしている場合、誇れる専門性はなくとも、今後具体的に何をやりたいかという意思はあるはずで、それは通常、前職での経験等に関連するものであると思います。

実際の面接の場面では、こうした今後やりたいこと及びその理由を説得的に表現できるか、すなわち、これまでの経験等を自ら客観的に評価し、これに基づき今後の自分の主戦場あるいはキャリアパスを一貫したストーリーで説明できるかどうかを見られていた気がします。(ちなみに私自身、面接全般を通じた反省点を挙げるとすれば、この部分の詰めが甘かったという点であり、何度か出た所勝負の気合でうやむやにしてしまった場面がありました。幸いにして面接で落とされた企業はありませんでしたが、何故もっと詰めておかなかったのかと、深く反省したことを今でも覚えています。)

もちろん景気動向等次第で各企業が、即戦力としての 「専門性」を求めるか「ポテンシャル」を求めるかの比重は変わってくるものの、少なくともこうした業界では専門性のみを評価しているわけではありませんし、専門性がないからという理由だけで転職自体諦めることは非常に勿体ないと思います。これはエリートネットワーク様からもいただいたコメントですが、より重要なのは年齢と景気等の社会状況です。転職の意向が強いにもかかわらず、専門性の欠如という部分で躊躇っている場合には、一刻も早く第一歩を踏み出す勇気が大事だと思います。

<最後に>

転職活動全体を通じて、複数の企業との交渉や採用状況等の情報収集、そして各企業の感触を踏まえた戦略づくり、そして面接前のイメトレに至るまで、エリートネットワーク様には大変お世話になりました。転職活動は、ある程度画一的なノウハウがある新卒の就職活動と異なり、当人の来歴や業界等によって、その対応は多岐に及ぶため、ある種専門的な知識が必要となります。

加えて、中央官庁からの転職は他業界と比べるとまだまだ進んでいない状況です。こうした中、エリートネットワーク様の当該業界及び転職先となり得る業界に関する膨大な知見や優れた土地勘、そして企業との交渉術等は脱帽に値するものでした。その意味では、これから国家公務員で転職を考えられている方は特段の事情がなければエージェントに依頼して転職活動すべきだと思いますし、また、その際には自信を持ってエリートネットワーク様をおすすめします。皆様のご健闘、お祈りいたします。

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