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ママさん弁護士、地方法律事務所から、東京でインハウスローヤーに

ママさん弁護士、地方法律事務所から、東京でインハウスローヤーに

No.1063
  • 現職

    東証マザーズ上場 発電事業者 法務部門 インハウスローヤー

  • 前職

    一般民事事件を主に扱う 地方法律事務所 弁護士

平井 真美 氏 40歳 / 女性

学歴:早稲田大学 法学部 卒
弁護士 (第56期 司法修習)
TOEIC 805点

1 これまでの職務内容と転職の経緯

私はこれまで,主に一般民事事件を扱う地方都市の法律事務所で,約15年間弁護士として働いてきました。今回,家庭の事情で東京に戻ることとなり,必然的に転職活動を余儀なくされることとなりました。

私は,大学在学中から司法試験合格を目指して勉強しておりました。そして合格後の法律事務所への就職活動は今ほど厳しくなく,一緒に食事をすればほぼ合格というものであったため,いわゆる就職活動自体が初めてであり,不安だらけの気持ちで転職活動を開始しました。

2 企業内弁護士への転職を目指す

どんなに一般民事弁護士としての経験があろうとも,今から東京で稼ぐのに十分な営業力はないので独立するわけにはいかず,とはいえ,中堅弁護士を給与制で雇ってくれる法律事務所はないだろうと思いました。また,転職を機に,今までのように,打ち合わせを顧客に合わせて夜や土日に行わざるを得ない勤務スタイルも改めたいと考えました。

そこで,転職先を法律事務所ではなく,企業に絞ることにしました。
しかし,企業法務の経験はあまりありません。所属していた事務所は,特定の企業からの顧問料と,そこから定期的に持ち込まれる事件を固定収入として当てにしながら経営する,というよりは,これまでの依頼者からの紹介で経営をつなぐ,という状況であったので,一般的な民事系事務所と比べても,特に企業法務の事件数は少なかったと思います。しかし,どんな内容の相談が来ても,幅広く,柔軟に対応してきた自負は有していました。

3 転職先探しと行き詰まり

まずは大手のエージェントに登録しましたが,そもそも,「企業法務経験●年以上」,「グローバル法務経験のある方」,「ビジネスレベルの英語力」など,私を採用してくれる可能性のなさそうな求人案件ばかりであり,こういった企業に応募しても無駄であろうと,エントリーすらできない状況でした。

「顧問弁護士との円滑な打合せ」,「顧客との対応」なども業務内容にしているところであれば,これまでの一般民事弁護士としての経験から採用の可能性が高いだろうと思い,幾つか応募はしてみたのですが,それでも,書類で落とされることがほとんどでした。落選理由は,他の候補者との比較,ということが多く,企業法務経験のなさが響いているのであろうと思われました。

確かに,私は企業法務の実務経験こそ乏しいものの,これまで弁護士として活動してきた経験は,必ずや企業法務においても通ずるものがあるはずであり,逆に,一般民事の経験が豊富だからこそ,企業法務経験しかない方々にはない知見があるはず,と思っていたのですが,そのような意気込みだけでは,企業法務経験のある応募者に,書類選考で勝るはずはありませんでした。

4 エリートネットワークさんでの転職活動

やはり若くもない一般民事弁護士が企業内弁護士として働くのは難しいのか,弁護士登録を抹消して,一般社員として事務職などを目指すしかないのか,と自信を失いながらインターネットを見ていると,比較的私と年齢が近い方の,一般民事事務所から企業内弁護士への『転職体験記』が載っていたエリートネットワーク社に行き着き,連絡をしてみることにしました。
私の住居がまだ地方ということもあり,まずは担当の転職カウンセラー高橋さんと電話でお話をさせて頂くこととなりました。

高橋さんからは,興味を持てるところに数多くエントリーをした方が良い,とのアドバイスを受けました。求人内容が私のこれまでの経験と合致していないところに応募しても意味がないのではないか,と疑問をぶつけたところ,高橋さんからは,「企業には懐がある。必ずしも即戦力を求めているわけではない」といった説明をされました。
このご指摘は目から鱗であり,企業法務経験のなさで自信をなくしていた私には大変力になる言葉でした。

また,電話から数日後に東京に行く用事があるとお伝えしたところ,高橋さんに「それではその際に会って話をしましょう。時間があまりないのならば,羽田空港に出向いても構いません」とまでおっしゃって頂きました。私のためにそこまで時間を割いてくださることを,とても心強く思いました。


アドバイスを受け,求人票に記載されている業務内容にかかわらず,複数社にエントリーをしたところ,これまで以上の確率で1次面接に進むことができました。面接を実施してくださった企業からは,私の企業法務としての経験不足は承知の上で,それでもこれまでの弁護士経験からポテンシャルを感じた,などのお言葉を頂けました。私の経験を積極的に評価してくれるところもあることを大変嬉しく思い,自信につながりました。

ところで,他のエージェントでは,おすすめ求人を提示し,私が希望したところには取り次いではくれますが,あくまで内定を勝ち取るのは私自身の役目でした。それはある意味当然なのですが,高橋さんは,さらに私の実務経験を踏まえた詳細な推薦文を付けた上,面接の後には採用担当者にプッシュもしていてくれたようで,一人で転職活動をしているわけではないという安心につながりました。

また,地方から上京して面接を受けねばならないため,できれば効率良く面接日程を組んでいきたいと思っておりました。この点も,他社エージェント経由では,企業の日程候補日に私が合わせるという形だったのですが,高橋さんは,私の上京日に合わせて企業に面接をしてもらえるよう,うまく交渉してくださいました。結果として,2日間で6社の面接に臨むというハードな日程になったこともありましたが,上京の手間と費用を抑えたい私としては,むしろありがたかったです。


面接においては,ありのままをお話しすることに努めました。企業法務の経験はそれほどない,ということも正直にお伝えしました。ただ,興味・関心があること,これまでの弁護士としての経験から企業法務にも対応できる地力はあるはずであること,習得するための努力も惜しまないこと,なども精一杯お伝えしました。そのために,経験不足と評価されて面接で落ちてしまったこともありましたが,内定を頂けた企業からは,成長・吸収する意欲を感じた,これまでの成功体験にとらわれず素直に業務に取り組んでくれると思った,などを採用理由に挙げて頂けました。

弱点を敢えては言わない,ポジティブな表現に言い換えて説明する,などのテクニックが必要ではないかと,転職サイトや転職本の研究から考えていたのですが,それで採用されても過大評価の結果ではないか,働いてから困らないか,心配でもありました。

この点,高橋さんからは,「ありのままをお伝えしたらよろしいんじゃないですか」と後押ししてもらえたので,それで採用してもらえなければそれまでだ,と割り切って面接に臨むことができました。
このような面接を経ての採用であるので,あくまで私を真正面から等身大で評価して頂けてのことだと,安心して働き始められます。

5 転職活動を振り返って

転職活動を通じて,必然的に多くの企業を研究することになり,視野が大変広がったと思います。弁護士として,多くの業界を見て,多くの人と接してきたつもりですが,私の見てきた世界はあくまでごく一部であったなと考えを改めるに至り,これまで以上に社会全体の動きに関心を抱くようになりました。

また,どの企業も大変魅力的に映り,自分が就職したらどんな仕事ができるのか,どういう人たちと仕事をするのか,将来を想像すると楽しくてたまりませんでした。これまで,仕事に疲弊し,仕事を生活の糧を得る手段としか見られなくなっていた私がそのような思いを抱くようになるとは,この点も発見・収穫でした。

結果的に転職が決まった上場企業は,企業理念に大変共感しており,同社で働けることを光栄に思っております。業務内容は未経験の分野ですが,だからこそ勉強のしがいがあり,新たな知識・経験は私の成長につながることと思います。採用にあたり対応してくださった社員の方々も魅力的な人ばかりで,一緒に働けることが大変有り難いです。入社に向けて緊張感は高まってはいますが,楽しみも大いに感じているところです。転職自体は望んで始めたわけではありませんでしたが,これが人生の好機になるとは,人生の趣深さをしみじみと感じています。

転職が決まった企業の求人内容には,私が未経験の法分野についての経験や,英文契約書の審査経験がある人を歓迎,などと記載されていたため,エリートネットワークさんを利用せず,他社エージェント経由で求人票を見ていたら,私はエントリーすらしなかったと思います。
内定先に転職する機会を与えてくださった高橋さんを始め,エリートネットワーク社の皆さんには,心から感謝しております。

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