鉄鋼メーカーの管理部門一筋の48歳男性。プライム上場 130年の歴史を有する総合物流会社へ初めての転職に成功。

No.1656
  • 現職

    【東証プライム上場 130年の歴史を持つ総合物流会社】
    コンプライアンス部 本社・国内外グループ会社へのJ-SOX活動の推進

  • 前職

    【東証プライム上場グループの鉄鋼メーカー】
    東日本拠点での勤務、ホールディングスや経済団体への出向を経験しながら、管理部門業務を担当
    →直近はサイバーセキュリティを手掛ける新会社へ出向 経営管理部 事業運営の基盤整備

田島 和己 氏 48歳 / 男性

学歴:兵庫県立 姫路東高等学校 卒
北海道大学 経済学部 経営学科 卒
姫路東高校バドミントン部 OB
北海道大学サイクリングクラブ OB

掲載日:2025年7月25日
目次
  1. 新卒での就職活動
  2. 入社した鉄鋼メーカーでの担当業務、体得したスキル
  3. 転職を決意したきっかけ
  4. 譲れないと考えた点
  5. こだわりを捨てた点
  6. 良いエージェントとの出会いが第一歩
  7. 過去の自分と向き合う、職務経歴書の作成
  8. 一期一会の選考面接
  9. 次の職場へ向けての決意

① 新卒での就職活動

2000年代初頭、就職氷河期・ITバブルの頃。企業へのエントリー方法が、ハガキからオンラインへの移行期で、一度に多くの応募が出来るようになってきました。
始めは自分に合う仕事が分からず、各業界1社ずつと様々な会社に応募し、業界研究、自分のやりたいことを探しました。当時流行りのIT企業に魅かれつつも、仕事としてはメーカーなどの形あるビジネス、とりわけスケールの大きな重厚長大産業で、幅広く社会に貢献したいと思うようになりました。
景気はどこも厳しい状況でしたが、長期的にはグローバルでの需要・成長は期待されており、日本の製造業はまだまだ戦えるとその時は信じていました(中国の急拡大はまだそこまで至っていなかった)。

面接は得意な方だったのか、選考は比較的順調に進みました。しかし、当時は相当未熟で「なぜこの会社で働きたいのか?」という意志がなかなか定められず、最終面接で何度も不合格になった苦い思い出があります。
色々な挫折を経て、リクルーターの方々がありのままの自分と真摯に向き合ってくれた前職、大手鉄鋼メーカーにご縁を頂くことになりました。

② 入社した鉄鋼メーカーでの担当業務、体得したスキル

入社後は、工場の労務管理・外注管理、上場持株会社の株主総会・取締役会担当、本社総務部門での経費管理や全社情報管理推進プロジェクトのプロマネ、経済団体出向での経営者とのレポート作成、事業企画部門での販売管理システム導入プロマネ、工場の総務・人事・調達マネージャー、新規設立会社の総務・人事・経理の基盤構築など、3~5年の周期で数多くの業務を経験しました。
鉄鋼業は自社の中にあらゆる産業が包含されているような業界で、仕事の規模・裁量・責任が大きく、大変な部分もありましたが、常にやりがいを持って取り組んできました。

その結果、総務・人事を軸に、経営・事業・現場を支えるバックオフィスのオールラウンダーとしてのスキル・実務経験を得られたと実感しています。また、経営者と近い距離での経験が多かったことから、長期視点・全体最適・イノベーション・志など、高い視座でのマインドを学び、バックオフィスという守りの業務でありながらも、常に新たな挑戦・攻めが出来るポジションを求めていきました。

③ 転職を決意したきっかけ

業界としては、国内製造業の先行きが不透明で、少子高齢化・国際競争の厳しさも増しています。
これまでは出世よりも今そこにある課題に挑戦するポジションを求めてきたのですが、年齢が上がるにつれ、マネジメントポジションに就かない限り、グループ会社への出向か、社内のスタッフ業務しか選択肢が無くなってきました。
業務の負荷や難易度は上がる一方、スケール・インパクトのある仕事が出来るチャンスが限られていき、物足り無さ・将来の不安を感じるようになりました。

外部では人材不足からミドルの転職も活発になってきており、知人から一緒に働かないかという誘いがありました。せっかくの機会なので視野を広げてみて、自らの実務経験・スキルをより活かすことが出来る業界・会社があるのでは無いか、新たな挑戦をすることでまだまだ社会に貢献したいと考えるようになり、転職を決意しました。

④    譲れないと考えた点

・裁量と成長
事業に愛着を感じ、自ら裁量と責任を持って、経営層や事業部門の皆さんと共に成長できるかを重視しました。管理部門はバックオフィスと言われるように後方支援の役割を果たしていますが、私は経営や現場の第一線で働く皆さんを支えることにやりがいを感じています。そのため、社内外の関係者と広く関わり、互いに尊重し合いながら、共に成長できる職場で働きたいと思いました。

・挑戦と変革の風土
挑戦や変革を推奨する風土があるか、それを経営や上司がコミットしてくれるかも重視しました。キャリア入社の場合、社内の人間関係はゼロスタートです。困難な経験は多くしましたが、何事も一人では成し遂げられないため、挑戦を後押ししてくれる環境があるか、自分がそういった会社のカルチャーにフィットしているかをよく見極めるようにしました。

⑤    こだわりを捨てた点

・事業規模と年収
ミドルの転職は増えていると言うものの、年齢条件は厳しい現実がありました。書類通過も難しくとにかく100社に応募しなさいと言うエージェントさんもいました。そのため、事業規模の大小には拘らず、全く合わないと思った会社以外はまずは応募しようと決めました。結果、今まで自分が知らなかった企業の魅力も発見することが出来ました。
また、バックオフィスは特殊な専門職ではないため、各求人案件を見ても高い年収が保証されるわけでは無く、現年収からの減額もやむを得ないと覚悟しました。現年収より高いものも低いものもありましたが、減額の場合はその後のキャリアアップで、現年収以上の評価を得られるのかをよく確認しました。こだわりを捨てたと思っていながらも、最終選択の時はやはり年収も大きな条件の一つとなり、相当悩むことになりました。

⑥ 良いエージェントとの出会いが第一歩

世の中には求人案件情報や転職エージェントが溢れており、いざ転職しようと決意したもののどこから始めて良いか分からず、当初は道に迷いました。名のある人材紹介会社にいくつか登録してみると、毎日山のようにメールが入るようになります。気になる求人案件について問い合わせをして、エージェントの方と何人か面談をしました。しかし、表面的なやり取りが多く、なかなか自分の思いに寄り添い一緒に人生を考えてくれるパートナーには出会えませんでした。
結果、大学の先輩で長く付き合いのあった、(株)エリートネットワークの転職カウンセラー・高橋さんに相談に乗って頂くことになりました。

⑦ 過去の自分と向き合う、職務経歴書の作成

高橋さんとは銀座オフィスで面談をすることになりました。2時間はお話したかと思います。自分の今の気持ちをじっくり聞いて頂き、転職市場の状況、自分のような人材を求めている企業は必ずあると教えて頂きました。
そして、職務経歴書を1週間で作成することになります。転職経験の無い自分にとって24年間のキャリアを全て書き出すのは大仕事でした。書いては直しを何度も繰り返しましたが、その中で自分が何に拘って今まで仕事に取り組んできたか、深く考える気づきの機会にもなりました。
自分の経歴を赤裸々に見せることはなかなか恥ずかしいものでしたが、「素晴らしいキャリアです」と一定のご評価を頂けたことは、先の見えない道を進む自分に勇気を与えて頂きました。

⑧ 一期一会の選考面接

十数社書類を応募したと思いますが、面接選考に至ったのは1/3でした。
高橋さんのアドバイスを頂きながら、20年振りの面接のため周到に準備しました。企業研究を会社HP・WEB検索等で1週間かけて徹底して行い、自己紹介・転職理由・志望動機等の想定QAを作成し、AIとやり取りしながら何度も音読して自分の言葉として馴染ませていきました。
実際の面接では緊張でハイになるのか、話過ぎて上手くいかないこともありました。自分は一問一答の面接よりもフリーディスカッションの方が合っているとも改めて認識しました。面接終了時の企業への逆質問が最も大事だと教わり、事業成長・業務課題・求める人材像等についてメモに整理し、各企業の方々と活発的な意見交換をさせて頂きました。

終了後は高橋さんに即日報告し、適宜適切なフィードバックを頂きました。
一戦一戦が真剣勝負で、何が正しいかよく分からず進めておりましたが、今まで精一杯やってきた自分を信じ、ありのままのスタイルで臨みました。先の見えない不安はありましたが、家族・友人にも相談しながら、様々な企業の皆様と真摯に対話出来たことは、貴重な経験になりました。

⑨ 次の職場へ向けての決意

大変光栄なことに、様々な業界から複数の内定を頂くことが出来ました。どの会社も魅力的な事業を展開しており、お会いした方々の熱意に触れ、会うたびに第一志望が変わるという、簡単には入社企業を決めることが出来ない状況になりました。高橋さんにもどこがいいですか?と相談しましたが、最後に決めるのは自分しかいません。
悩みに悩んだ末、自身の実務経験と事業展開・カルチャーが最も合うと感じた、物流会社の管理部門の仕事を選ぶことにしました。入社時の年収は一旦下がります。焦らず3年以内に必ず結果を出そうと決意しました。

今まで前職の会社のみでの業務経験しか無かったのですが、転職活動を通じて自分の実務経験・キャリアには一定の価値があると自信を持つことが出来ました。この新しいチャレンジが本当に正しいかどうか現時点では分かりません。一度しか無い人生、悔いが無いよう、迷ったら挑戦するという前のめりのスタンスを貫き、世のため人のため自分のために努めて参りたいと思っています。

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