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株式アナリスト&ファンドマネージャー、軸が定まらない状況からの転職

株式アナリスト&ファンドマネージャー、軸が定まらない状況からの転職

No.650
  • 現職

    米系 大手保険会社  クレジットアナリスト

  • 前職

    日系 投信・投資会社  株式アナリスト・ファンドマネージャー

花山 順二 氏 32歳 / 男性

学歴:国内私立大学 商学部 卒
海外大学院 修士課程 修了
CFA協会認定アナリスト
TOEIC 910点

転職活動に至るまでの経緯

前職は株式で、グローバル・ファイナンシャル・クライシス (いわゆるリーマンショック) の前の良い時期、それ以降の大きなダウンサイジングの時期と双方を投信・投資顧問会社で過ごしました。そういった時期を過ごして、自分なりに 「いくら景気が良くなっても、日本で株式の投信・投資顧問ビジネスの拡大機会はないのでは? (会社の形態にもよるとは思います。例えばフランスで顧客の資金を集め、日本株、あるいはアジア株等に投資する需要は短期的には案外あると思います。 ) 」という印象を持ちました。理由は、「日本人は大事な事を人任せに出来ない体質」 だと考えたからです。

勿論、アベノミクスが仮に大失敗 (ハイパーインフレになって株式・不動産が大暴騰、日本円の価値が大幅下落) などの事態に遭遇すれば、短期的に大きく需要は拡大すると思いますが、その確率は個人的には非常に低いと感じています。また、その際も 「日本の個人投資家はインターネット証券を通じて個人で売買するのでは? 投信や年金を通じて日本人の金融資産が大規模に株式に流入する可能性は相当に低いのでは?」 と思っています。

そういった経緯から、「海外であれば、案外需要があるんじゃないか?特に今後グローバル経済の成長を牽引するアジア出身といったプロファイルもレバレッジになるのでは?」 と考え、海外の大学院に留学する事にしました。

現地では、1)短期的に日本株やアジア株 (今で言えば、東南アジア株など) の運用者に関する需要は相対的に高い、2)一方で、長期的には大きな枠組みで見た株式の運用者に対する需要は縮小傾向、といった二点を強く感じました。先進国の某国においても高齢化は進んでおり (例えば年金ビジネスで言えば、金融資産の運用上、つまりALMの観点から、債券投資にシフトせざるをえない)、また、いわゆるヘッジファンドも株式のロングオンリー (買い建てのみで、TOPIXやS&P500などのベンチマークを上回るパフォーマンスを目標とするファンドの種類) に参入しており、競争は激化しています (これは日本には見られない現象です)。

そういった事や生活面の都合(他にも色々理由はありますが)もあり、僕の場合は現地での内定(アジア株投資系のファンド)をお断りし、日本でグローバルなエクスポージャーを取れ、且つ、少し違った分野(出来れば拡大が見込まれる分野)にトライしてみようと考えました(今となって考えれば、この思考はかなりいい加減で具体性がなく、転職カウンセラーの横関さんも取り扱いに困ったのかなと思います。すみませんでした。)。よって、留学前に想定していた当初の方向性から急激な方向転換です。当初、具体的にアプライしたい企業もなければ、軸となる思想も何もないところからのスタートでした。

同業種・同職種に絞るのであれば、専門のエージェントさんのほうが話はずっと早いと思いますが (そういったエージェントさんは、自分達からコンタクトをとってきます。それで、過去の経験に完全にマッチした案件を中心に話を進めます。)、異業種転職となるとかなり難しいと思います。そのような理由で、インターネットでそれらしきエージェントさんを検索して、比較的、良い印象を受けた(株)エリートネットワークさんにお世話になる事にしました。

(株)エリートネットワークさんとの面談

横関さんとお話するのは電話がはじめてだったと記憶しています。お話させて頂いた内容は、良くも悪くも普通のエージェントさんと話す内容とはかけ離れていたと思います。スタートは 「そもそも何がやりたいか?」 。本当に色々な企業にアプライさせて頂きました。それこそ、前職や過去の経験からは考えられないような業種まで、本当に色々です。

エージェントさんの立場から見れば、僕を前職と全く同じ職種で転職させるのが一番合理的です。その場合、一番、年収は高いですし、エージェントさんにも一番収益が入ります。

そういった事を度外視して、本人の希望 (職種、職場環境その他諸々) を真摯に (というよりも丸ごと) 考慮して頂いたことに本当に良い印象を持ちました。エージェントさんは我々のような転職者だけではなく、企業さんも相手にしたビジネスですので、本人の希望と企業側からの需要の非対称性を最小限にする事が仕事です。個人的にはこの方針は長期的にワークするのかなと思います (企業側からの需要と比較して、転職者の希望はかなり不確実性が高く、実際に掘り下げる必要がある為です。)。

転職活動期間

転職活動期間は、海外からの電話、あるいはスカイプでの面接、日本への帰国期間数週間と短期間でしたが、それなりに葛藤はありました。結果的に、当時の第一志望の会社からオファー頂き、非常に運に恵まれました。おそらく、金融専門のエージェントさんであれば、僕にこの案件を紹介しないと思います (拡大基調にある投信・投資顧問のマーケティングの職種であれば、それほどスペシフィックな知識は求められないので、債券へのチェンジも十分ありえますが、運用となると、そのものずばりの経歴を持った方が大勢いますので、おそらく提示してこないと思います。)。

ここから、かなり現実的な話になりますが、あまりに前職やこれまでの方向性とかけ離れた仕事は、スペック的に問題がなさそうでもかなり難しいということです (社会人経験2、3年のいわゆる第二新卒の方であれば話は違ってきますが。)。それは、1)端的に、そこで仕事をしている姿が全く想像出来ない、よって自分自身かなり活動が苦痛になってくる、2)そもそも、面接に呼ばれない企業もある(呼ばれても、「なんでうち受けたの?」という質問からスタートし、そこからなかなか話が進みません……)、という2点に凝縮されます。しかし、一方で、「何かを変えたい」 といった願望(年収、職種、キャリアの方向性、業種など)に基づいて転職をするわけですから、自分なりの落としどころをどこかで見つける必要があります (ここは妥協出来て、ここを変えるのは譲れない等)。実際にビジネススクールでも、「業界、ポジション、ロケーション、の3つのうち2つを変えるのが限界。基本1つまでにしよう。」 と教わります。おそらく、日本においてもこの法則はあてはまるのかなと思います (ロケーションは同じですが、業界かポジションのどちらかのチェンジに絞ることにするなどにしたほうが合理的)。

また、敢えてトライ (僕自身は横関さんのエージェントとしての付加価値はここにあると思います。これはギリギリでは?と思える分野までトライさせて頂きました。) させて頂く中で、徐々に自分自身の中で分かってくることもあります。そういった企業にアプライする際は、職務経歴書とCVの作成に非常に時間がかかります。また、作成時に 「そもそも、なんでこの企業にアプライしているのか?」 という根本的な疑問に直面します。それと、実際に面接をさせて頂く中で、「短期的にはここの会社でも良いが……果たして長期的にはどうか?」 といった疑問も少なからず沸いてきます。そういった議論 (エリートネットワークさんはミドルサイズで、多業種カバーの業態ですので、よりマクロな実際のトレンドなどを教えて頂くことなども) をエージェントさんとするのは非常に新鮮でした。

日本においても、欧米においてもジョブホッパーは嫌われます。個人的には色々な会社を経験することは良い事だと思いますが、(株)エリートネットワークさんと組んで転職活動をする際には、少なくとも5年から10年以上長期的にコミット出来るという会社に絞った方が良いかと思います(割とそういう採用趣向を持つ企業が多かったです。それが故に準備など大変でした。)。僕自身は次は一つの組織で腰を落ち着けて長くやっていきたい (だから、長期的に拡大が見込まれ、且つフィーリングが合う企業に絞りました。よくよく冷静になって考えると、長期的には難しいかな? と思う企業さんにもアプライはしていましたが。) ので、(株)エリートネットワークさんに申し込んで本当に良かったと思っています。横関さん有難うございました。

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