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31歳、家電量販店、外資生命保険会社を経て、貿易商社へ

31歳、家電量販店、外資生命保険会社を経て、貿易商社へ

No.494
  • 現職

    老舗貿易商社  法人営業職

  • 前職

    大手外資系保険会社  個人営業職

永井 良治 氏 31歳 / 男性

学歴:専修大学 経営学部 経営学科 卒
体育会・バスケットボール部

スカウトを受け、外資系保険会社へ入社

私は小学生の時から続けてきたバスケットボールを関東の大学で続けたいと考え、上京してきました。当時は田舎から早く自立したいという気持ちも強く、東京への強い憧れもありました。3年次を迎え、同期生が次々と就職活動に精を出し、内定を勝ち取っていく中で、当時アルバイトをしていた販売業に興味を持ち、新卒として家電量販店に入社しました。当初は仕事に対してこれといった目的意識もなく、販売という仕事で今後の社会人としての基礎を作れればいいなといった安易なものだったと思います。

4年ほど勤め、26歳の時に当時担当していた音楽や映画のソフトを創ることに携わりたいという思いもあり、仕事を続けながら人生で初めての転職活動を始めました。当時は特に販売という仕事には不満はありませんでしたが、立ち仕事でもあり、一生続けられる仕事ではないなという気持ちだけは持っていました。自らインターネットで探した、音楽ソフトのジャケットを制作している印刷会社の営業職に応募。転職活動1社目にして運良く入社することができ、私の人生初めての転職活動は特に何の障害もなく、あっさり終了したことを覚えています。

転職後2年間は非常に業績も好調で、自分の転職が成功だと感じていました。しかしその後、レコード不況が業界を席巻し、多くのレコード会社が経営不振のためにリリースするタイトルを軒並み減らしていくと、印刷会社としての仕事自体も激減し、転職後3年目からはボーナスもなくなり、収入も激減。30歳を迎え、長年付き合ってきた彼女もおり、将来のことを考えると、非常に不安な気持ちが生まれていました。勿論結婚もしたいですし、ゆくゆくは子供も欲しい。人並みに家も購入したいですし、車だって欲しい。そんな思いの中でふと隣で働いている先輩を見ると、激減した給料の中で、お子さんもいて奥様も共働きで働き、金銭的にもメンタル的にも部下と満足に飲みに行く余裕もない。このままこの会社に居ても、自分のキャリアアップは望めないし、収入の増加も見込めない。であればもっと良い条件で一生働き甲斐を感じられる会社に移ったほうがいいのではないだろうか。その頃から2回目の転職を考え始めていました。

そういった中で、私は新入社員で入社した家電量販店も4年弱勤め、2社目の印刷会社でも約4年勤めてきたということもあり、自分の営業職としての能力に関しては人並み以上であるだろうと勝手に決め付けている節もあったので、いざ転職活動を始めればこの不況の世の中ではあるけれども、今よりも仕事面でも給与面でも良い条件の企業にどこかしら採用してもらえるだろうと考えていました。2011年になり、3月に東北で大震災が起きると、ますます印刷会社の業績は厳しくなっていきました。震災で東北沿岸部にある製紙工場やインキメーカーの工場が被害を受け、印刷会社の命とも言えるインキや紙が入手困難になり、ただでさえもともと少ない仕事で打撃を受けていた会社に追い討ちをかけるように悪い状況が降りかかってきました。

そんな時、外資系保険会社からスカウトのお話を頂き、転職を考えていた自分としては非常に悩みました。採用担当の方のお話では、その保険会社では営業部員はフルコミッション制であり、1人1人が個人事業主として自らを管理していくというもので、給与面に関しては固定給ではなく、保険の契約に応じて報酬という形でコミッションを頂けるとのことでした。うまくいけば、年収○千万も夢ではないと。勿論、私は「保険」というものに対して全く意識をしたこともありませんでしたし、特に「保険」の営業に関して興味を持っていたということでもありません。うまくいかなかった時のリスクに関しても説明され、理解はしていましたが、当時の私にとっては、非常に魅力的な話に聞こえました。

何よりも「スカウト」という名目のもと、自分という人間を評価して頂き、自分を必要としてくれており、熱心に誘って頂けたことに喜びを感じていました。うまくいけば、収入面でも今までの比にはならない報酬を掴むことができ、営業職としてもスキルアップできるのではないか。確かにフルコミッションという報酬制度に関しては多少引っかかるところもありましたが、研修期間に関しては初期補給金も出るし、若い自分であればどうにかなるであろうと。気が付くと、チャレンジするのであれば今しかないという気持ちになっていました。そして全く誰にも相談することもなく、転職を決めていました。

外資系保険会社での仕事

保険会社での仕事は、様々なことが今までとは比べ物にならないほど斬新なものでした。
本社を、見たこともない大きなビルを都内に持つ保険会社で、入社式が催され、そんな大きな会社の一員となれた自分に対して誇らしい気持ちを持ちました。配属された支社でも、これまでの会社では行ったことがないようなミーティングや、メンタル面をグッとあげるために行われる講習やロールプレイも、さすが外資系の会社だと感じていました。これから迎えるであろう明るい未来にむけて、気持ちも高まっており、入社1ヶ月目に行われた新入社員研修や募集人登録試験に向けての勉強にも力が入り、早く外へ営業に出たいという気持ちでいっぱいでした。

しかし、実際営業に出てみると、自分の思っていたものと現実は大きく乖離していました。前職での同僚や、大学時代の知人を中心に営業活動をスタートし、熱い想いを持って商談に臨みましたが、全く契約が取れません。自分にはあると思っていた営業力が全く通用しませんでした。こんなに相手のためになるものを提供しようと思っているのにどうして判ってもらえないのだろうと思い、上司や先輩に相談すると、そういったお客様の反応は、自分がこれまでに生きてきた通信簿だと言われ、保険という商品を売るという仕事には心の底からの情熱と営業マンとしての人間性が必要なのだと感じました。そして自分に問題があるのだから、自分という人間を根本から変えていかなければならないと感じました。そのために様々なことを試しました。そしてどんどん自分という人間を否定していきました。

しかし、一向に売れるようにはなりません。その間にも営業経費としてどんどんお金は出ていき、元々少なかった貯金も底をつき始めていました。これまで付き合いのあった多くの友人ともどんどん関係を断ち切られていきました。商談が失敗に終わるたびに近くの路地に入って涙していたのを覚えています。そして3ヶ月目を迎え、知人を廻り尽くした頃には、自分がこの先どうしていったらいいのかすら見えなくなっていました。

そこで初めて自分の下した外資系保険会社への転職という決断への後悔と、仕事というものに対しての認識・意識の甘さを痛感しました。自分という人間はある程度仕事もできて、周りの人間の評価もそれなりのものだろと思っていた自分、そして働く側が働く会社を選ぶものだと思っていた自分を愚かだと感じました。これまで何かを始めてすぐに辞めてしまう人間に対して理解ができないと感じていた私にとって、まさか自分がその立場になろうとは想像もしていませんでしたが、もう一度リセットしてやり直したいという気持ちが強くなり、わずか3ヶ月ですが保険会社を退職しました。そして本当に自分に合った会社を見つけるためには、プロの力を借りた方が良いと感じ、転職エージェントに登録しました。

転職エージェントとの面談と(株)エリートネットワークさんとのご縁

初めての転職エージェントとの面談は、(株)エリートネットワークさん以外の会社でした。1時間ほどの面談時間でしたが、自分がこういったことをやりたいという意向を伝え、先方から出てきた言葉に愕然としたのを覚えています。「あなたのキャリアでは、おそらくご希望の企業への転職は厳しいでしょう。」初対面なのになんて事を言うのだと思いましたが、転職に失敗していた自分としては返す言葉もありませんでした。そのエージェント会社では、私のこれまでの販売業や印刷会社での営業に関連する企業を紹介されました。そしてその殆どが書類選考も通過できないという状態でした。転職に際しては厳しいとも言われていましたし、こんなものなのだろうと思いました。

ただ自分としては今までに経験したことのない業種の会社を幅広く見てみたいということもあり、保険会社の先輩から(株)エリートネットワークさんをご紹介頂き、再度面談に望みました。(株)エリートネットワークさんでは2時間半ほどカウンセリングをして頂きましたが、冒頭から全く関係のない話が延々と続き、いつ本題に入るのだろうと感じていました。しかし、今思うとそこで私の仕事や転職に対する甘い考えに関して警鐘を鳴らして頂いていたのだと思います。まず自分の保険会社への転職が「良い経験」だったのではなく、「失敗」だったと自分の中で認めること。それができないと転職活動のスタートラインにも立てないということ。当初はそれができませんでした。

転職活動について

(株)エリートネットワークさんではカウンセリング後すぐに1社目の面接を用意して頂きました。老舗の製菓メーカーの営業で、自分としても初めての面接なのでとても緊張したのを覚えています。そしていざ面接に臨んだのですが、始まって間も無く、やはり保険会社を3ヶ月で辞めた件について事細かく尋ねられました。私としても十分に準備していたつもりなのですが、全く役に立つことはなく、面接担当者の方からの厳しいお言葉を一方的に30分ほど浴びせられて、自分としての発言を許される間も無く面接時間は終了してしまいました。面接を終え、転職活動はこんなにも厳しいものなのかと絶望感に襲われました。同日の午後にもう1社面接をご用意頂いていたのですが、そこにも行きたくなくなるほど惨憺たる結果でした。面接担当の方には、私のこれまでの経歴や志望動機などではなく、人生の節目節目で非常に甘い考えを持って決断してきたということを指摘され、云わばうちの面接を受けるにも値しないと仰りたかったのでしょう。初回のこの面接を受けたことで、再度自分の意識の低さを感じました。

面接から内定に至るまで

初回のカウンセリングを受けてからは、(株)エリートネットワークさんのご指導の下、100%信じてお任せすることにしました。企業研究に関してもご指導頂いたとおり最低1社に対して10時間はかけました。面接に関してはさほど緊張することはなくなっていたのですが、一番苦労したのは本当にその会社に入りたいか、何故入りたいのか、それが自分のどういったところとリンクしているのか等、これまでの自分の人生の棚卸しをして深掘っていくという作業です。当初は前職を3ヶ月で辞めたということはデメリットであろうと感じ、自分の正直な気持ちを隠して、より聞こえのいい言葉を並べてばかりでしたが、結果的にはそうして受けた面接は全てうまくいかなかったと思います。

1次面接を通過でき始めると、自分が感じていることを素直にお話することが一番良い結果を生むのだと感じました。また、どの企業も一度実際に脚を運んで、その企業の方と直にお話をすることで印象が大きく変わるということを体験しました。結局私は自分の主観的に持った印象やその企業の大きさなどによって企業を判断し、面接に臨んでいたため、本当に自分に合う会社を探そうとしていなかったのだと思います。
面接に合格するために自分を大きく見せることが重要なのではない。それに気付くのには非常に時間がかかりましたが、何とか辿り着くことができたと思います。

最後に、今回(株)エリートネットワークさんにお世話になって新たな職場を見つけることができましたが、私にとっては会社を見つけるということ以上に「働く」ということに対しての考え方や意識の持ち方というものを教えて頂いた気がします。
正直言って転職は非常に厳しいものだと思います。まず動く前に一度自分という存在を正しく理解し、それができていないうちは動くべきではないと感じました。

(株)エリートネットワークさんに頂いた言葉で
・ 転職には「縁」と「綾」があるということ
・ その「縁」と「綾」を頂いた企業を信じて好きになること
・ 自分を過信しないこと
・ 従業員は雇用されて「生かされている」ということ
・ 常に感謝の念を持つこと

以上を肝に銘じて新たな職場で頑張っていきたいと思います。

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