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宣伝広告のプロの転職

宣伝広告のプロの転職

No.490
  • 現職

    大手医療法人  広報部 部長

  • 前職

    大手情報出版サービス会社  宣伝部 宣伝企画担当

平澤 章江 氏 41歳 / 女性

学歴:明治学院大学 法学部 法学科 卒

転職を決めて、周りに言われること、それは「40歳過ぎて転職?行動力にびっくりした!勇気出た」「なんで今の恵まれた環境を捨てるの?」色いろです。仕事は生活の糧です。でも仕事は自分の人生のアイデンティティでもあります。大半の女性は、子育てと家庭生活を維持することに邁進しています。それはそれでステキなことだと心から思います。でもそうじゃない人生を送る女性も今後増えてくると思います。私の体験が少しでもお役に立てればと思い、パソコンに向かっています。

当初自分が漠然と考え、悩んでいたこと

大学を卒業し、新卒で大手の情報出版サービスの会社に入り20年。人間関係にも仕事内容にもそしてお給料にも恵まれ、幸せな毎日を送っていました。正直、まったく転職するということは考えておりませんでした。ただ漠然と「このまま、ここに一生居るのか?」「自分が幸せであればそれでいいのか?」「私のお給料は、自分の実力以上ではないか?」という不安はいつも心の中にあったのは事実です。でも、この環境を捨てる勇気もなく、ただ漫然と仕事中心の生活を送っていました。

会社を辞めるきっかけ

理由は大きく3つあります。
まず、会社の人事制度が変わり、3年毎に退職金が上乗せになる。ちょうど自分の年齢が2011年に対象になります。正直、会社を辞めるいいチャンスだと思いました。

2つ目の理由は、自分のやっている広告宣伝という仕事への失望感です。
きっかけは、3.11東日本大震災です。未曾有の事態が起こった時、私が徹夜でやったことは、
●テレビCMを止める調整
●新聞&交通広告を外す調整
●翌日予定されていたCM撮影をリセット
し、夜中、津波の映像がテレビから流れている中、空しい気持ちで淡々と処理していました。それが仕事で、業務命令であるといえば否定はできません。自粛といえば大義名分が立ちますが、要は顰蹙を買わないために、逃げている姿勢の自分の仕事が許せなかったのです。
私が20年間培ってきたことは、こんなことだったのか? 社会的存在意義がまったく見出せず、
宣伝という仕事に失望してしまいました。

3つ目の理由は、会社の理念&事業の方向性が、納得いかなくなったことです。
今後、日本の経済は回復することはなく、益々高齢化社会が進んでいく。
私が20年在籍した会社は新しい価値観を世の中に提供し続けた会社です。
なのに、未だに、若年層を狙い、単年で黒字になるビジネスを追い求め、黒字にならないビジネスは育てることなく、切り捨てる。そのやり方に翻弄され、疲弊し、世の中の課題との乖離を感じ、自分の本来持っているホスピタリティや良心が失われていく不安。
初めて転職を真剣に考えるきっかけになりました。

自問自答の毎日

転職活動をするにあたり、まずリクルートエージェントに相談しましたが 「女性で40歳以上の方は、求人がありません」 と全く相手にされず、転職サイトを見てもまったくイメージが湧かず、ただ、やりたいことは社会貢献に繋がる仕事。なんとなく高齢化社会に向けて何か自分ができる仕事はないか?漠然と考えていました。でも、熟考しても今まで何ら問題意識を持たず、生きてきた私に答えがある筈がなく、自分の限界を感じました。視野を広げるため、積極的に社外の人に会って話を聞く機会を設けよう。自分の凝り固まった価値観を変えよう。1ヶ月で10人に会うという、定量目標を自ら設け、躊躇せずに、まずは行動しようと、動き始めました。

(株)エリートネットワーク高橋様との出会い

(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの高橋様との出会いは、会社の後輩からの紹介です。
元OBという親近感もあったのでしょうか? 昔、こんな素敵な先輩や上司が沢山いたなぁと思いながら、色いろとお話させて頂きました。
「今の会社は、世間的にはいい会社だよ。なんで辞めたいの?」 「会社に何か居づらい事情があるの?」 「今、貯金あるの?」 「住宅ローンはどれぐらい残っているの?」
歯に衣着せぬ質問の嵐にびっくりしましたが、それだけ私という人間、そして背景を理解しようとして下さっている姿勢に、私も正直に話をしていました。
「高齢化社会に向けて、介護業界で何か仕事がしたい・・・・・宣伝や広報の仕事は自分の中で意義が見つけられず嫌です。でも40歳過ぎている私は、転職なんて無理ですよね?」
そんな私を高橋様は引き受けて下さいました。その当時は引き受けて下さったことだけに感謝で、正直面接までセッティングして頂けるなんて思ってもいなかったのです。

自分自身との闘い

転職活動中、面接や事前の企業研究は全く辛くありませんでした。
自分が受ける会社の研究は当然のことですし、その上で、疑問に思ったことは高橋様に聞けば即答で返事が返ってきます。法人営業とカウンセラーをお1人で兼ねてらっしゃる強みで、社風を含め企業サイトを見るだけでは分からない事情も熟知していらっしゃいます。
メールで伝わりにくいニュアンスは、必ず電話でフォローして下さり、孤独な転職活動とはまったく無縁でした。大変恵まれていたと思います。

むしろ辛かったのは、自分の心を見つめること。自分自身の棚卸です。
私の希望通り、介護業界で広報&広告宣伝以外の職種の面接をセッティングして下さいました。
今まで経験したことのない異業種だったので、説明会も面接も新鮮で、興味深く楽しい時間だったのです。が、実際、自分がやるという想像ができず、希望通りの仕事なのに、自分が生き生きと働いているイメージが全く湧かない。興味があるのに、イメージが湧かない焦燥感。
やはり自分の言っていたことは、綺麗ごとだったのか?所詮、転職なんて私には無理で、20年間
1つの企業に居た自分には外に出る勇気も、いちから新しいことを始める腹決めもまったくないのか? 面接結果の合否も全く気にならなくなるほどです。私は何がしたいのだろう・・・・・・。

そのうち、明らかに求人票にない、介護の広告宣伝の仕事、老人医療もやっている大手の医療法人の広報の仕事の紹介を受けました。今思えば、面接後の私の反応、適性を考え、高橋様なりに考えて頂いていたのだと思います。あれだけ、広報&宣伝の仕事に意義を感じなかったのに、離れたかった筈だったのに、面接を受けてみることをすんなり受け入れる自分がいました。本当に自分の心が理解できなかったです。

自分の中での気づき

面接前に、もう一度今まで自分がやってきた過去の広報&広告宣伝のプランニング資料、企画書などすべて目を通してみました。本当に自分が寝る時間を削って作り上げた仕事の数々。
3.11大震災の時の対応はショックだったけど、私はこの仕事が好きだ。プライドを持って臨んでいたことに改めて気が付きました。
そして、自分が1番失望し、転職したい理由は、今居る会社の理念→日本の抱えるであろう課題に対して、目先の利益ばかりを追求し、時代の動きと乖離した利益目標、経営構造。それに会社の方向性。私はここには居られない。私は事業理念、想いや共感を大事にしたいタイプで、職種にこだわりたい訳ではないのだ。・・・・・・。すんでのところで、転職に大失敗するところでした。

一次面接&最終面接を受けて

自分が1番大切にしていることが分かった今、自分が面接で判断して頂くことと同じ比重で、その会社の理念、考え方を引き出すことも視野に入れ、面接の場に臨みました。
私の今までの実務は、職務経歴書に書かれています。プロの人事担当者であれば、ある程度はどんな仕事をしてきたかお分かりになります。過去手を抜いた職務経歴書を提出し、高橋様に叱られた意味が遅まきながら分かってきました。経歴書をもとに、そこでは分かり得ない事柄に関しての質問のみが飛びかいます。広告宣伝に関しての考え方、各論、手法などは軽く話をし、広告宣伝をする目的&意味、会社としての課題を忌憚なく質問させて頂き、自分なりの解決策ややり方、それは、広告宣伝という手法で解決できる問題なのか?見るべき数字のポイントは違うのではないか?という話まで踏み込んで話をさせて頂きました。随分生意気な女性に見えたと思います。

あと、「私という人間」をきちんと理解してもらうために、今までの周りとのコミュニケーションの取り方、人間として大事にしていること→ずるく手を抜いて成果をあげるよりも、玉砕しても自らが、一生懸命仕事をし、失敗を恐れないことを大事にしたい。高齢化社会に向けて、自分のできることはごくごく小さいし、私の人生が終わる頃にも、何も変わっていないかもしれない。でも私は動かないより、自らが動く人生を選びたい。
転職は今後の人生を左右します。身の丈以上の自分を見せて内定を貰うよりも、今の原寸大の自分を評価して下さるところで仕事をしたかったのです。

私が選択したこと

私が最終的に選択したのは、今まで住んでいた土地を離れてまったくの異業種の医療法人の業界です。不安がないと言えば嘘。さびしい気持ちが満載です。毎日FBで泣いています。情けないですが・・・・・・。
決めたポイントは 「東日本大震災で被災者のためにベッドを300床空けて待っていたけど、広報する手段がなかった」 という言葉です。Twitterでの拡散、FB活用、いち早く『河北新報』が民間に情報提供をしていたことを知っていたのは、私が宣伝の仕事をしていたから・・・・・。
今までの知識、スキルが生かせそう。何より自分が頑張って働けそう・・・・・。
そして何より、最後迷っていた私に、何時間も付き合い、自分のことのように一緒に悩んで下さった高橋様とじっくり話ができ、一緒に不安を整理できたからに他なりません。

最後に

転職を考えている、視野に入れている方へ自分なりのメッセージです。

1. 人材紹介会社は各種様々な特性を持っています。いくら求人数が多くてもマッチングが容易な環境でも、スペックだけでマッチングするところはよく考えて下さい。転職はシステムで解決できない問題だと思います。私は(株)エリートネットワーク社の転職カウンセラーの高橋様以外にはお願いしませんでした。他社は、登録すらしておりません。それは、高橋様が私という人間を見て下さる方で信頼できる方だったからです。私が信じないと、高橋様も私を信じて下さいません。人と人との信頼関係、ご縁なのです。

2. 年齢を重ねている方は、事情がおありだと思いますが、できれば在職している最中に転職活動をすることをお勧めします。私のように、活動中に試行錯誤できたのは離職していなかった安心感が大きいです。

3. 自分が転職する理由の優先順位をしっかり持つことが大事です。
とかく、職種、業種で選びがちですが、私の場合は会社の理念、想いが重要でした。
また、同時に自分が譲れない軸を明確に持つことをお勧めします。
今までやってきた仕事のどこが好きで、どこが嫌いも整理しながら・・・・・。
人間は沢山のものを同時に手に入れることはなかなか難しいものです

4. 頭で考える時間も必要ですが、行動行動、そして考え行動。その繰り返しです。
考える→それは人に会うことです。自分1人で考えることはたかがしれています。
ぜひ、動いて新しい価値観に出会って下さい。勝手に限界を作らないで下さい。

5. とにかく最後まで諦めないこと。道は続いていきます。

最後に、本当に(株)エリートネットワークの高橋様には本当にお世話になりました。
途中、厳しい事も沢山言われ、私も失礼なことを言ったかと思います。申し訳ございません。
転職希望者は私だけはなかった筈なのに、ずっと伴走して頂きました。
1人ではとてもここまでたどり着けなかったと思います。本当に感謝しております。
ありがとうございました。

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