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35歳、信託銀行からM&Aアドバイザリーへの転職

35歳、信託銀行からM&Aアドバイザリーへの転職

No.457
  • 現職

    一部上場 M&Aアドバイザリー  M&Aアドバイザー

  • 前職

    日系大手信託銀行  法人営業

白木 豊 氏 35歳 / 男性

学歴:立命館大学 法学部 法律学科 卒
体育会ラクロス部 主将(全日本選手権出場)

1.はじめに

私は現在35歳です。あと数カ月で36歳になります。数年前住宅ローンを借りてマイホームを買いました。そろそろ1歳になる子供がいますし、平凡ですが幸せな毎日です。しかし、日曜日の夕方には“サザエさん”を観ながら憂鬱な気分になり、毎週月曜日のミーティングで内容もない発言を繰り返す部長や課長に詰められる・・・・・・・。今(転職前)の勤務先は国内の大手信託銀行ですが社内で特にやりたい業務もなく、会社の名前と看板を借りた営業一本でやってきたので、取り立ててアピールできるスキル(語学力や会計力など)もありません。少なくとも私の周囲に居る社内のほとんどの方が 「つまらんけど、今更他の会社に行ってもな」 ということで 「まぁ、仕方ないから頑張るか」 と死んだ魚のような目で毎日働いておられます。35歳にもなれば色々守るものが増え、その分、新しいことにチャレンジする気持ちが薄れ、「転職したくても出来ない」 「するのも面倒」 となりがちです。おそらく星の数ほどの多くの方々が、そんな気持ちで毎日満員電車に揺られながら、悶々と働いておられることでしょう。
私のこの体験記が、そんな同じ境遇で悩まれている皆様のご判断の一助になれば幸いです。

2.転職活動を思い立った経緯

正直、今の会社は 「今すぐに辞めたい」 というほど悪くありません。むしろ世間一般から見れば恵まれているし、上流とまではいかないまでも、中流程度の生活はできるし、周囲からもそう見られています。「●●信託銀行に勤めているんですか〜、すごいですね〜」 と言われれば気持ちもいいし、優越感にも浸れます。「この会社を辞めるなんてバカ」 「勿体無い」 という意見も分かるし、皆そういう気持ちで必死に会社にしがみついているのが現状です。でも、残りのサラリーマン人生をこのまま過ごすことでいいのかしら? 10年後、この銀行で働いている自分がイメージ出来るのか?「俺はもういいよ」 とか 「俺は同期の中で●年も遅れちゃってるからね〜」 などと自虐的なネタを肴に酒を飲んでいるイメージしか湧いてきませんでした。

この銀行の外には自分が知らない色々な世界があるのは間違いないことです。収入は減るかもしれないし、安定した生活が送れなくなるかもしれない。何かをしても何も起きないかもしれない。でも、これだけは間違いないこと、「何もしなければ何も起こらない」。そう考えると、何もしないで 「ひたすら耐える」 だけのサラリーマン人生は私の中ではあり得ませんでした。
既に転職してはいますが銀行時代に仲の良かった同期を飲みに誘い、転職しようかどうか迷っている旨を打ち明けました。すると、開口一番 「てっきり転職した報告かと思ってここに来たのに」 「そんなことで迷ってるなんてがっかりだ」 「昔のお前なら即アクションに移していたはずなのに」 「しがない銀行員になり下がりやがってお前らしくもない」 など・・・・・罵声の嵐。許せませんでした。そこまで私をコケにしたその友人ではなく、そこまで言われて全く反論できない自分が許せませんでした。その言葉をそのまま受け入れざるを得ない自分が。学生時代の私ならその場で殴りかかっていたかもしれない。しかし、11年間、言いたいことも言えず周囲から怒られ、叩かれ、小突かれ続けた結果、かつての荒ぶる魂の自分は死にかけていたようです。
その友人から 「お前が本気ならここに登録してみろ」 と教えてもらったのが(株)エリートネットワークでした。 「ここは真剣じゃないと相手にしてくれないから気をつけろよ」 との忠告もあり、さっそく家に帰ってHPをチェックしたのが転職活動のスタートです。

3.転職を決意してからの絶望

よく 「銀行員はつぶしが利かない」 と言います。確かにきれいな言葉を使えばその通りですが、平たく言えばただ単に 「使えない」 の一言に尽きます。銀行内の稟議書は完全に銀行独自の言い回しとその繰り返しで上司の趣味と気分でいくらでも修正が入ります。顧客からもらう何枚もの帳票は銀行のリスクヘッジのためだけの代物で、顧客のことなど一切考えていません。次々と取らされる資格試験や銀行業務検定などは、そのほとんどが何の役にも立たない形だけの資格・検定です。多少の違いはあるにせよ、日本国内の金融機関などどこも似たような感じではないでしょうか?そんなことが他の会社や社会で何の役に立つでしょうか?

(株)エリートネットワークに登録するに当たり、自己分析したり、職務経歴書を作成しましたが、これまでの11年間で自分がやってきたことを振り返るにつれ、自分が何の取り柄も無い痛い社会人であることを痛感しました。「自分はいったい何をやってきたんだろう?」 「自分なんかを必要としてくれる会社が果たしてあるのだろうか?」 「やっぱり今の銀行に残って、我慢して働く方がいいのでは・・・・・?」 先の見えない暗闇を一人で手探りで歩くような孤独感を感じていました。

4.面接を受けるにあたって

松井社長様とカウンセリングをして頂いた上で、何点か指摘を受けました。(1)35歳という年齢は一般的な転職としてラストチャンスであること (2)今から全くの他業種は現実的に厳しいことの2点です。(1)については十二分に心得ていました。「今回転職活動をしてみてダメだったら、腹を決めて今の会社にしがみついていく」 という気持ちで臨むこと。逆にそのくらいの気持ちでないとどこにも相手にされないだろうことは容易に想像できました。また、(2)については、松井社長様との面談の段階での私の希望業界は 「金融以外」 という漠然とした希望しかなく、特定の業種には絞っていませんでしたが 「今からの全くのド素人状態で新規業界参入は厳し過ぎる」 という判断から 「銀行の業務知識や経験を活かせる業界に絞るべき」 という指摘を受けました。

また、面接を受けるにあたってのアドバイスも頂きました。(1)学生時代は体育会での活動に打ち込んだこと(2)銀行での業務にはとことん実績と数字に拘ったという点です。(1)については最も自信のある点ではありましたし、学生時代の就職活動ではそのネタだけで今の信託銀行に内定を頂いたようなものです。果たして、それが転職活動でも通用するのか自信がありませんでしたが、当時の関西ではそこそこ名前が売れていたことや、主将として100人近い部員を従えていたのも事実なので、妥協なく技術と肉体と精神を鍛え上げたことをアピールしました。(2)は、信託銀行の業務の特性上実績をストレートに伝えるのは難しいのですが、目標達成により社内表彰などを受けたこともありましたので、そのことは積極的にアピールしました。また、実際の面接では、自分の職歴の中で最大のビッグディールと最も心に残った案件のエピソードを、面接先の会社でやりたいこと・出来ることに繋げて話せるように準備していきました。

5.転職活動を終えて

転職活動中で私が最も心掛けてきたことは 「嘘をつかないこと」 です。私は11年間自分に嘘をついてきました。「この会社は自分に合っている」 「自分はこの会社が好きだ」 「この会社にいれば間違いない」 と。多少嫌なことがあっても喉元を過ぎるのを待って必死に耐えて、そこそこのお給料を貰っては自分を納得させてきました。しかし、面接では今の会社の性に合わない点や嫌なところをはっきり嫌だと言いました。本当に自分がやりたいことを言いました。それを大きな声で伝えることだけを心掛けたのです。用意した弾は少なかったけど、それが相手に伝わったのだと今は思っています。有難いことに面接を受けた2社両方から 「是非来て下さい」 というご連絡を頂くことができました。

(株)エリートネットワークの松井社長様との面談から転職活動を終えるまで、実質2週間と少し。嵐のような2週間強でしたが、本当の意味で真っ当に働いて、稼いで、生きていくことの大変さと大切さを痛感しました。家族の支えや友人の有難みなども身に沁みました。また、自分の無力さと弱さを痛いほどに感じたその一方で、まだ自分の中で死んでいない 「自分らしさ」 と、それを必要としてくれる会社があることを知りました。

11年間務めてきた会社では、「自分らしさ」は一切必要とされませんでした。とにかくマニュアル通りに、前例を踏襲し、他行の様子を伺いながら、自分のやっていることを上手く上司にアピールした者が評価されます。そのために、他人を蹴落としたり、梯子を外したりすることは日常茶飯事。そうやって評価された人たちが偉くなって支店長・部長になり、役員になり、やがて経営陣となるのです。日本の銀行がいつまでたっても旧態依然としているのは自明でしょう (これは銀行に限ったことではありませんが・・・・・)。
もう私は自分に嘘をつきません。長いようで短い人生、そして更に短いサラリーマン人生。「あの時の自分の判断は間違っていなかった」 と胸を張って言えるように、本当に自分のやりたいことで頑張って働いていきます。

6.最後に

アラフォーに片足を突っ込んでいる私の我が侭放題をいつも支えてくれる妻と、いつも満面の笑みで迎えてくれる1歳の長男、叱咤激励して奮い立たせてくれる友人達、そして素晴らしいチャンスと出会いを与えてくれた(株)エリートネットワークの松井社長様には感謝の気持ちでいっぱいです。 深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

本体験記を読まれた皆さまが、素敵な出会いとより良いサラリーマン人生を掴めることを心から願っております。

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