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外資M&Aアドバイザリーから、外資大手金融機関人事へ

外資M&Aアドバイザリーから、外資大手金融機関人事へ

No.403
  • 現職

    外資系大手金融機関  人事部門管理職

  • 前職

    外資系大手M&Aコンサルティング会社  組織統合マネジャー

風間 研也 氏 43歳 / 男性

学歴:英国の大学院卒 博士号取得
TOEIC:965点

転職活動の経緯

●人事コンサルティング会社に7年間勤務した後、3年前に前職へ移りました。人事コンサル時代に被買収会社の案件を多数担当しましたが、仕事を依頼された時点で既に優秀な社員が辞めていたり、社内の雰囲気が険悪になっていたりするケースが少なくありませんでした。

●前職の組織統合コンサルには、M&Aプロセスの早い段階で組織統合戦略の立案から関与したくなって、転職を決意しました。「昇給は社内で評価されて勝ち取るもの」という信念を貫き、年収水準を変えずに、マネジャークラスでの採用となりました。

●ところが、前職勤務先ではパートナーとシニアマネジャーが営業活動を通じてスコープを決定しており、自ら関与できないだけでなく、人事分野以外のサービスを優先的にセールスしていました。人事分野の依頼があっても、定型的な人事デューデリジェンスや折衷的な人事制度統合、付加価値の乏しい人件費削減支援など、チャージレートに釣り合わない案件に仕立てられてしまい、物足りなさを感じていました。

●半年前に人事コンサル機能の陣容が縮小されたのを契機に、コンサルティング会社か事業会社かを問わず、プロジェクトの課題設定から解決策の導入・浸透まで一貫して携わり、企業価値の向上に貢献できる仕事を探すことにしました。

まずは、コンサルティングのステップアップを目指す

●その頃、現職の経験がそのままステップアップできるコンサルティング会社の新聞求人広告を見つけました。担当のエージェントには、前職での経験を踏まえ、自分でスコープの決定に関与する権限は絶対に譲れないと明確に伝えました。

●エージェントからは、「希望レベルの職責に対応する年収は前職より高くなってしまうので、賞与を会社業績の悪かった直近の数字ではなく、良かった時期も含め平均値で見せることはできないか。」という助言をもらいました。人事コンサル時代には普通に自分でスコープを設定していましたし、源泉徴収票を提出するのにそんなごまかしが通用するのかと不安になりました。

●また、面談に対応してもらったパートナーがやはりセールスに特化しており、前職と同じ「におい」がしました。結果的に採用通知は届きませんでしたが、面談が終了した時点で相手も私も冷めており、なんとなくダメだなという予感はありました。このようなことが何回かあって、事業会社に焦点を絞ることになりました。

事業会社への方向転換

●とは言うものの、転職先と同じ業種はおろか事業会社での勤務経験がまったく無いということは、大きなハンディキャップになることは容易に予想されました。また、海外の大学院で博士号まで取得していることも、時に生々しい人間関係を扱う人事部門でやっていけるのか、疑わしい目で見られることも覚悟していました。更に、43歳で転職も4回目と来ては、気軽に挑戦するのもためらわれました。

●このような状況で前職の上司と定期面談をしましたが、相変わらず部門の将来展望が見えませんでした。そこで、思い切って他の仕事を探そうと思うと正直に伝え、幸いにも現下の経済環境やこの年齢での転職の困難さについて理解して頂き、2か月の猶予を得て転職活動にもっと専念できる環境を整えました。大学と私立中学校に通う子供もおり、期限を区切っての就職活動はプレッシャーではありましたが、その分集中して真剣に取り組むことができました。

●その際、以前お願いしていたエージェントにも事業会社の可能性を打診しましたが、はっきりそれは難しいと言われ、いわば門前払いに近い対応でした。そこで、過去に登録した転職サイトを通じて面談を受けたことのある(株)エリートネットワークを思い出し、ウェブサイトをのぞいてみることにしました。

(株)エリートネットワークを通じた転職活動

●驚いたことに、(株)エリートネットワークの職業紹介には、コンサルタント経験者を優遇する人事職の募集がいくつか載っていました。当初は、それらのポストに限定して応募するつもりで面談をお願いしました。

●(株)エリートネットワークの面談では、転職カウンセラーの高橋さんに自分の経験や処遇など過去の評価材料だけでなく、キャリア上の希望などを丁寧に聞いて頂きました。気を良くした私は、ウェブ上の紹介案件以外にもまだ他に適職があるかもしれないと思い、事業会社の経験のなさをカバーするため、自分を必要としてくれる会社ならば処遇にそれほどこだわらず柔軟に対応する旨お伝えしました。

●面接の数日後、転職カウンセラーの高橋さんから多種多様な業種の20を超える会社に打診したという連絡を頂き、これには改めてびっくりしました。ほとんどの会社は「事業会社の経験が不可欠」との返答でしたが、幸い3社と面談が成立し、経営陣を含め何度も面談を重ねた結果、現職への採用に至りました。自分の経験や意欲、能力を評価してもらっただけでなく、ウィークポイントについてもキャリア上配慮して頂き、更に年収までアップするという非常に幸運な巡り合わせであったと思います。

転職成功のポイント

●コンサルタントという職業は、一生続けられるとは限りません。途中で独立したり、キャリアチェンジを検討されている方も多いのではないでしょうか。そういう方々のために、今回採用に至ったポイントを自分なりに整理してみましたので、ご参考になれば幸いです。

●第一に、転換期を乗り切るため、あるいは先進的な課題に対応するための人的基盤の整備など、社内生え抜きの人事担当者や事業会社出身の中途採用者に対し、コンサルティング業界の経験者が優位に立てる募集企業を辛抱強く探すことです。事業環境の変化に伴い、M&Aやカーブアウト、リーダー開発など人事の職務内容も絶えず新しくなっており、あなたの知識と経験を求めている会社はあるはずです。


●第二に、面接の機会をもらえたら、先様の抱えている事業課題や人材ニーズを的確に把握することです。時間が短いからと言って、自分のことを売り込むのに精一杯では「自己チュー」と見なされても仕方ありません。コンサルタント的、マーケティング的な発想で、何かのきっかけを捉えて事業課題や人材ニーズを把握し、それらを明確化した上で関連分野における自分の経験を具体的に語ることができれば、その場で採用担当者と意気投合できる可能性は高まるでしょう。

●第三に、自分の弱みを隠したり、取り繕おうとしたりしない方が良いのではないかと思います。上記第二のポイントをクリアした上での話ですが、弱点は素直に認め、譲るべきところは譲った方が採用につながる可能性は高まるような気がします。

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