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司法試験合格後、未就労で民間企業の法務職へ

司法試験合格後、未就労で民間企業の法務職へ

No.332
  • 現職

    東証一部上場 エネルギー企業  法務職

  • 前職

    有名私立大学 法科大学院 卒  未就労
    ※ 2008年 新司法試験合格

真野 正春 氏 26歳 / 男性

学歴:一橋大学 法学部 卒

1. はじめに

私は、法学部卒業と同時に法科大学院へ進学、そして法科大学院を修了し、新司法試験を受験しました。その直後から就職活動を行い、幸いにも(株)エリートネットワークさんに紹介して頂いた民間企業から内定を受けました。上記の通り、私は、新卒で法科大学院に進学したため、職務経験がありません。そのため、転職活動ということにはなりませんが、同じ様な状況の方々に、少しでも参考にして頂ければと思い、内定までの経緯を記載させて頂きます。

2. 民間企業への就職活動のきっかけ

民間企業への就職活動を考え始めた時期は、新司法試験受験後の5月末だったと思います。このような選択を考えた理由は、第一には、新司法試験の受験は合否に関わらず1回だけと決めていたため、仮に不合格の場合は、再受験をせずに就職しようと決めていたということ、第二には、合格した場合であっても、民間企業等で働く方が、やり甲斐があるのではと感じていたということです(なぜそう感じたかについては、省略させて頂きます)。試験の出来も主観的には芳しくないように思えたこともあって、早々に動き出しました。


しかし、これまで就職活動というものを行ったことがありませんから、何から手をつけていいのか全く分からないという状況でした。とりあえず、インターネットで「第二新卒」や「既卒」といったキーワードを用いて、手当たり次第に就職情報を検索していました。そのような中で、(株)エリートネットワークさんのホームページを見つけました。掲載されている転職体験記を拝見したところ、司法浪人生から就職活動された方のお話が複数目に留まりました。転職エージェントは数多くありますが、既卒、職歴無し、司法関係、といった特異な状況からの就職活動をサポートされた経験があること、また、丁寧にカウンセリングして頂けそうなエージェントであると感じたことから、(株)エリートネットワークさんに相談させて頂くことを決めました。

3. 就職活動初期

さっそく連絡を取り、カウンセリングの機会を設けて頂きました。そこでは、まず、私の話をじっくりと引き出し、その上で、既卒者の就職状況、法務の仕事の有無、20代後半のうちに民間企業で経験を積む意義等について詳しく説明して下さいました。転職市場に精通されている方に丁寧にカウンセリングして頂いたお陰で、前向きに活動していこうという気力が沸いてきました。また、私としては、職務経歴無しでは応募できる会社は無いのではと思っていたところ、実際に募集されている企業を示して頂いたことだけでも、少しほっとしたことを覚えています。その後、法務部門で募集がある企業2社に推薦をして頂きましたが、残念ながら書類選考で見送りとなってしまいました。いずれも、やはり職務経験が無いことがネックになったようでした。予想はしていましたが、世間で言われている通り、もしくはそれ以上に、未就労の既卒者の就職活動は厳しいということを肌で感じました。

4. 就職活動中期

2社の書類落ち後も幾つかの企業を提示して頂いたのですが、推薦して頂くのをストップしていました。その理由は、9月まで司法試験の結果が分からない不確定な状況の中で、自分の進みたい業界・業種がいまひとつ定まらなかったことから、このままでは、ひとまず応募してみるということの繰り返しになりそうな懸念があったためです。中途半端な受け身の状況のままで(株)エリートネットワークさんのお世話になることはできないと思い、少し自分で整理する時間を設けることにしました。


ここからは、新卒向けの就職活動本、ネットの情報等で一から勉強し直しました。
また、他の複数のエージェントから話を聞く機会も設けました。頭で考えるだけでは先に進まないという思いもあったので、ホームページ等で人材を募集している企業を自分で検索し、かなりの数応募しました。この時期は、視野を広げる意味で有意義であったと感じています。様々な業界・職種について触れる中で、魅力的な仕事が数多く存在することを知り、法律を扱う仕事だけに固執する必要が無いということを実感できたからです。これらを踏まえて、いわゆる自己分析をしっかりやりました。

5. 就職活動後期

自力で検索し、エントリーした企業は30社程度になり、その中で、4社は書類選考が通過しました。様々な仕事に興味を持ったとはいえ、既卒者はキャリア採用での募集がほとんどですので、必然的に法科大学院の経験を生かせる法務職でのエントリーになっていました。これらの選考の結果は、1社は1次面接落ち、1社は内定、残る2社は途中で面接辞退というものでした。
その後、(株)エリートネットワークさんから、ある上場企業の求人の紹介を受けました。当該企業の事業内容が魅力的であり自分の志向に合っていること、法務業務としての求人であり少しでも自分の経験を生かせることから、応募させて頂くことになりました。選考のハードルが非常に高い企業であるということを事前に聞いていたので、おそらく無理だろうという気持ちで選考に臨んだというのが実際のところです。しかし、そのような予想には反して、書類選考、複数回の面接と進み、内定を頂くことができました。変に力を入れず、素直に自分の正直な気持ちをお伝えしたところ、それがたまたま企業の求めている要件と合致したようです。また、普段から企業とお付き合いのある(株)エリートネットワークさんのご担当の方が、事前または選考中に、私の人となり等を伝えておいて下さったことがプラスに働いたのだろうと思います。


なお、新司法試験には合格しましたが、このことが就職においてどの程度評価されるのかはよく分かりません。合格発表前にほぼ内定という状況になった企業もありますし、全ての企業の面接で共通することですが、法務職での募集であっても、法律的な話しや、何ができるかといった質問はほとんどありませんでした。それよりも、私自身がどういう性格で、どういう価値観を持って、どういう仕事をしていきたいのかといった人間性、周りとの協調性といった、組織人としての適性などの質問がほとんどでした。職歴が無いことも影響しているのかもしれませんが、新卒採用面接とあまり違いは無かったのではないかと思います。

6. 最後に

実際に活動してみて、既卒者の就職活動は、以下の二点から、非常に厳しい面があると感じました。一点目は、選考においては経験豊富な職歴のある方々と競合してしまうということ。二点目は、職歴無しの就職活動の情報が極端に少ないということです。このような特異な状況で活動せざるを得ない場合には、転職・就職についてのプロの助言は非常に有難いものです。どのように就職活動するかは自分で決断することですが、独りよがりなものとならないように、適切な視点を与えてくれる人物がいれば安心して活動できると思います。


私の場合、担当して下さった(株)エリートネットワークさんの転職カウンセラーの廣重さんは、転職事情の専門家として客観的に分析し、ご自身の見解等を説明されますが、決して意見を押し付けたりすることがありません。私自身がどうしたいかが決まるまでは、悩み・迷い等を聴くことに徹してくれました。また、安易に大丈夫などと言わずに、難しい選考の場合にはその見通しをはっきりと示して下さいました。これらのことから、信頼してサポートを受けることができました。長期間に渡って様々なサポートをして頂き、本当に有難うございました。

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