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生命保険会社から、商社の海外営業職へ

生命保険会社から、商社の海外営業職へ

No.279
  • 現職

    専門商社  海外営業

  • 前職

    日系大手生命保険会社  企画職

田村 幸仁 氏 29歳 / 男性

学歴:東京大学 法学部 卒
(TOEIC 760点)

【転職を決断するまで】

前職では生命保険会社で企画を担当しておりました。人間関係は極めて良好で、重要な仕事を任され、かなり恵まれた環境だったと思います。ですが、心の中では十分には満たされない思いが常に燻ぶっておりました。3年後、5年後に自分はどうしているのか、どうなりたいのか。明確なライフプランを描けないまま悶々と過ごしておりました。私は大学卒業後、数年間司法試験に専念していたので、同世代の人よりも社会人経験が短く、キャリアパスをどうしようかという焦りもありました。たまたま社内研修に参加した際に、生命保険の意義について学ぶために自分の将来の生活設計をする機会を得ました。生活設計をするためには、自分の価値観、人生の目的、仕事の目標などを考え直す必要があります。その研修を通じて、①海外を舞台に活躍し、②国籍、文化等問わず様々な人々と触れ合える仕事がしたいとの願いが固まりました。前職の会社は実績、社風等とても良い会社でしたが、現時点ではどうしても国内中心の活動に限定されている点は否めません。一度きりの人生だから悔いのないように生きたい。当時私は29歳で、20代と30代とでは転職のチャンスが大きく異なるという事情もあり、思い切って転職に踏み切ることにしました。

【カウンセリングを通じて】

転職活動をするにあたって、個人で情報を収集するのにはやはり限界があるので、人材紹介会社を活用することにしました。(株)エリートネットワークさんは日本経済新聞の広告欄でよく目にしており、何となく馴染みがあったので、コンサルティングサービスを受けることにしました。カウンセリングの中で、「なぜ転職したいのか」「どういう会社に就職したいのか」を明確にするようにとのアドバイスを頂き、自分の中で今一度転職の目的、目標を明確にすることが出来ました。「海外と接点のある会社で働きたい」「自分の意欲・能力を最大限発揮できる仕事をしたい」と、考えを整理し直しました。

【退社の決断】

一般的には、転職先が決まってから退社するのが賢明だと言われます。私も確かにそうだと思いますが、私が所属していた部署は会社の重要戦略の推進を担当しており、とても片手間でこなせるような業務ではなく、上司や先輩に多大な迷惑を掛けてしまうのが目に見えて分かっていました。そこで、ハイリスクではありますが、一旦退社して転職活動に専念することにしました。上司や先輩には早い段階から転職の意思をお伝えして何とかご理解頂き、円満退社致しました。

【転職活動への専念にあたって】

退社すると自由な時間が取れる、面接の日時を自由に設定できるといったメリットはありますが、その反面社会的身分の保証がない、生活の規律が乱れるといったデメリットも当然あります。そこで、英語の学習書やMBA関係のテキスト等を計30冊ほど買い揃えて、転職活動と並行して学習することにし、出来るだけ規則正しい生活をするように心掛けました。

【応募・面接の状況】

複数の人材紹介会社を通じて出来るだけ多くの会社に応募しましたが、私の場合は年齢に比べて社会人経験が少ないため、書類選考の段階で数多く不可となりました。他方で内定を頂けそうな会社は3~4社ありましたが、ここで妥協したら転職活動に踏み切った意味がないと思い、辞退致しました。あまり高望みするのも現実的ではありませんが、転職先はやはりよく考えて決めるべきでしょう。また、選考の結果に一喜一憂せずに常に平常心で面接に臨むことが大事かと思います。

【転職活動で特に辛かった時】

退社してから1ヶ月、2ヶ月と過ぎると社会的な身分がないまま貯金だけが減っていき、さすがに焦燥感が募りました。意中の企業も何社かありましたが、2次面接、3次面接で次々に落とされ、少なからず落胆しました。その際にはコンサルタントや友人に相談してアドバイスを頂き、自分の問題点を再認識して改善に努めました。面接は他人の評価で決まり、相手に与える印象等も重要ですから、一人で考え込まずに第三者の意見をよく聴くことが重要です。また、転職活動全体を通じて痛感したことですが、ポジティブシンキングを常に維持できるようでないと、転職活動の成功はなかなか覚束ないでしょう。

【入社を決断するまで】

書類選考に進む前に会社説明会に参加する機会を得、現職の方から直接お話を伺って業種、職種についてのイメージを掴みました。①グローバル企業で海外との接点が多く、②会社の規模が大きいのに進取の精神が感じられ、③仕事にやり甲斐がありそうなところに特に魅力を感じました。海外営業のポジションに応募し、運良く書類選考を通過して面接を重ねるにつれ、会社の魅力をより一層理解できるようになりました。他の会社では、面接を受けるたびに「イメージとは違う」「自分の希望する仕事ではない」といったフラストレーションを募らせることが多々ありましたが、今の会社は面接を受ける度に不思議と志望意欲、関心が高まっていきました。結果的に内定を頂けたので、お世話になることに決めました。仕事、条件面も含めこれまでに応募した全ての求人の中でベストの選択が出来たと実感しております。

【全体的なアドバイスとして】

・自分が何をしたいのか、何が強みかを十分に把握した上で会社選びのポイントを定めないと、目移りや迷いが生じてしまい選ぶのが難しくなりがちです。コンサルタント、家族や友人と定期的によく話し合うようにして下さい。
・会社のHPや資料を参照しただけでは会社の社風や雰囲気、業務内容はよく分かりません。迷ったらとりあえず面接を実際に受けて面接担当者からよく話を聴いて下さい。
・面接の度毎に成功した点、失敗した点をすぐに振り返って次の面接に活かすようにして下さい。同じ失敗を犯すのは勿体ないですし、成功した部分は改良を加えるとより強力になります。
・面接で話す内容は予め決めておくべきですが、面接担当者のその場の反応に応じて話の内容や表現方法を臨機応変に変更できるように、色々なパターンを用意しておくのが良いでしょう。
・人材紹介会社、企業合同説明会、HP、就職情報誌・・・・・。情報は多ければ多いに越したことはないので、色々な媒体を利用して、幅広く情報を収集するのが良いでしょう。もちろん情報の質の見極めも同様に重要ですが。
・求人募集の内容によっては求められているスキル、経験が自分に不足している場合も少なくありません(例:語学力、経験年数、業務知識)。その場合に、既存のどのスキル、経験を応用すれば補えるのかを予め考えて面接でアピールできるようにしておくべきです。
・面接も広い意味では営業活動、プレゼンテーションの一種ですので、“見せ方”を工夫する必要があります。自分が相手に与える印象、イメージを分かりやすく矛盾が生じないように一本化する必要があります(例:実直そう、快活そう)が、それと同時に相手の予想を良い意味で裏切るトークやパフォーマンス(例:実直そうだが意外と大胆で戦略家)を用意したり、話のストーリー性を高めるなどの工夫をしたりして、“自分”を相手に売り込んで強く印象づけられるようにするのも得策かと思います。

【最後に】

転職活動中サポートして下さったコンサルタント、家族、友人、知人には非常に感謝しております。自分自身のことながら、転職活動は独力で進めていくのがなかなか難しいので、どれだけ周囲の理解・協力を得られるのかが大事ではないでしょうか。転職にはリスクが伴い、局面毎に決断を迫られ、精神的にも(場合によっては経済的にも)大変ですが、転職活動でしか経験できないこと、学べないことも少なくありません。是非とも最後まで諦めずに頑張って下さい。皆様のご成功・ご活躍を心からお祈り申し上げます。
以上

この転職者を担当したカウンセラーに
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