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経理の転職。幸運を呼び込んだ原因とは?

経理の転職。幸運を呼び込んだ原因とは?

No.194
  • 現職

    一部上場 製造業 管理会計担当

  • 前職

    一部上場 大手製造業 経理職を経て
    外資系ソフトウェア企業 経理職・経理部門課長

大口 平蔵 氏 40歳 / 男性

学歴:国立大学 経済学部 経済学科卒

2度目の転職

私の職歴ですが、大学卒業後、上場IT系製造企業の経理部門で10年ほど勤務した後、外資系のソフトウェア会社に転職しました。最初の会社では、会社の業績がぱっとせず、その会社での経理部門の仕事を一通り理解できたと思えたこともあり、社外への興味を押さえ切れず、また独身の身軽さも手伝って、思い切っての転職でした。実は、転職の動機としてもうひとつ、当時の所属部門の責任者の組織運営や人事処遇の考え方に大きな疑問を抱いていたという点もありました。
最初の転職後6年余り経過した頃、同社でも様々な業務を経験し、経理の管理職をしばらく務めた後のことですが、再度転職を意識するようになりました。

今回の転職理由は初回のそれとは違いました。会社の業績が良くない点は似ていましたが、それに加え、自分の仕事や努力が上司・部下に十分に評価されないと感じた点と、社内に流れる「程々にやればよい」という雰囲気が強まっていたことに失望した点が大きな要因でした。では、次にどういう会社を選ぶのか?

転職先の条件として念頭に置いたのは下記の点です:
・経理・財務部門の仕事である(当然ながら)
・安定した組織で仕事に集中できる
・直接の仕事以外のポリティカルな立ち回りなどにあまり気を取られず、仕事に集中できる
・上記を満たせば、給与水準の上昇にはこだわらない
これに基づくと、日本企業をメインターゲットにして、適当な外資企業も含めて検討するのが現実的だろうと考えました。

この体験記にはふさわしくない内容かもしれませんが、転職活動期間中にお付き合いさせて頂いた紹介会社は(株)エリートネットワークさん(以下EN)だけではありませんでした。しかし、情報ソースを広く持とうと軽い気持ちで訪れたENさんでのカウンセリングは、他とは違いました。私の人となりにまで踏み込んだ上で提案して頂いた会社選びの考え方は、非常に納得できるものでした。上述した転職先の条件も、カウンセリングで状況を整理して頂いたお蔭で明確にできたことのひとつです。訪問後は、基本的に、ENさんを頼りに活動を進め、他の会社は情報を頂くだけというスタンスに変えました。

紆余曲折

ただし、ここからの道は決して平坦ではありませんでした。方針は決まったものの、候補企業はそう多くはなかったのです。ENの担当のカウンセラーの高橋さんは、フィットしないと思われる会社は決して推しては来ないため、最初はまったく面接にすら進めませんでした。ENさんに春にお邪魔した後、最初の面接は、実は自分で求人広告を見て募集した製薬会社でした。書類審査を通過し、梅雨明け頃に2次面接に至るも、不合格。年齢で落とされたような印象でした。
秋に差し掛かった頃、ENさんにはやや間口を広げてでも早く決めたいと多少の方針転換をお願いし、外資系企業に積極的に応募しました。その一方で、情報提供だけを受けていた別の紹介会社からのある求人に興味を覚え、応募をしたところ、あっさりと面接が成立。その会社は、外資の金融系の会社でしたが、3回の面接がトントンと進み、すんなり内定が出ました。しかし!当初の自分の希望とはずれた業界であり、やはり迷いました。
一方、ENさんからの紹介案件での面接も同時期で進行していたため、ENの担当の方に状況を打ち明けました。当然ながら、私の身勝手な振る舞いに担当のカウンセラーの高橋さんは落胆。しかし、同時に、詳細な理由と共に、初志を貫くべきであると説明(説教?)して頂きました。
最終的には、感じていた迷いも消えず、またご担当のカウンセラーの高橋さんのご意見も響くものがあり、その内定は断わりました。が、並行して進行していた面接も不合格になり、また振り出しに戻ってしまいました。
ただ同時に、この一連のゴタゴタで、「退職のための転職」は失敗した時に取り返しがつかないのだと悟り、転職活動が長期化してもやむを得ない、と覚悟ができました。

偶然の産物

最初にENさんにお邪魔してから1年が過ぎようとしていた頃、同社のホームページの条件検索で、とある案件を発見し、ご担当のカウンセラーの高橋さんに相談しました。ある一部上場メーカーの経理部門でのポジションでした。職務内容は私の経歴とはあまり合っていなかったのですが、興味があった分野だったので、応募をお願いしました。結果的に、これが功を奏しました。私の経歴が募集した会社の人事の目に留まり、募集があった職種ではなく、予定には無かったが人物が良ければ採用するという形の面接につながったのです。2度の面接を経て、合格を頂き、しかもオファーされた職種は私の希望に沿ったものでした。
偶然が生んだ幸運でした。

勝因分析

きっかけは偶然が生んだものですが、採用が決まった理由は、自分が持っているスキルを評価してくれる会社があったという点に尽きます。40歳前後での転職になると、どこの会社でも管理職に差し掛かる年齢であり、かつ採用後に育てることが難しくなるため、完全な専門職でない限りは、一般に求人と募集がマッチする確率は高くありません。そのため、長期化は覚悟の上で臨むことが必要ですし、数多く不合格を食らう心構えも重要なことだと思います。自分のスキルを欲している会社がどこかにあるはずだと自負した上の転職活動なら、あせらずじっくり構えることが得策です。一方、長期戦になると、緊張感や意気込みを高いまま持続するのは大変ですし、自分を追い込み過ぎても良くありません。悩む時間を極力短くして身軽に行動したり、会社見学のつもりで面接をこなしたり、求人のチェックを習慣化するなど、割り切りも必要です。

転職と現職

自分自身で良かったと思うことに、転職活動を始めた後でも、手を抜かず仕事に打ち込んだことがあります。次が決まるまでに半年以上かかるとなると、その期間を無駄には出来ません。その期間に身に着けたスキルを売りにすることもできます。私は幸運にも、転職活動を始めた後も、自分の様々なスキルが向上してゆくのを感じながら仕事を続けることが出来ました。

2度目の転職をすることになりましたが、私は、1回目の転職については成功だったと思っています。職場環境・企業文化が全く異なる会社で、担当した業務に全力投球し、会社に貸しを作るつもりで働き、多くのスキルを取得できました。
今回の転職が本当に成功だったかどうかは、これから決まると肝に銘じ、今後もベストを尽くして行きたいと思います。本当に、お世話になりました。

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