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PR・広報管理職、事業構造の転換に遅れたメーカーからの脱出

PR・広報管理職、事業構造の転換に遅れたメーカーからの脱出

No.1244
  • 現職

    一部上場 電子部品メーカー 広報宣伝担当マネージャー

  • 前職

    一部上場 計測機器メーカー コーポレートコミュニケーション室 マネージャー

日下 栄太郎 氏 50歳 / 男性

学歴:近畿大学附属和歌山高等学校 卒
近畿大学 理工学部 金属工学科 卒
フォトマスター検定 2級
ビジネス会計検定 3級

私は大学卒業後、地元のメーカーに就職しました。バブル期の頃であり、企業からのアプローチが頻繁に来る時代でした。こういった時代背景から新卒時は特に苦労もせず職に就くことができました。
理工学部の出身であることから製品の開発職を希望していましたが、意に添えず配属された部署はフィールドエンジニアの部署でした。入社直後、同期とのお花見の席で愚痴を散々言ったのを覚えています。

しかし、心を入れ替え石の上にも三年、まずは与えられた仕事をこなそうと、全国、時には海外を飛び回り技術者の立場からお客様をサポートする日々を過ごしました。初めはストレスに感じていた業務でしたが、お客様と直接触れ合えること、自社の製品がどのように市場で活躍しているのかを肌感覚で知ることに面白みを感じ始めました。クレームを聞くことも沢山ありましたが、お客様から感謝の言葉を聞くことや笑顔に触れることで、やりがいを感じる充実した日々を過ごしました。

振り返れば、この経験が現職のPR・広報の業務に大きく役立っています。常に現場視点で物事を考える習慣が自分の中で定着していました。

PR・広報の仕事には、40歳で初めて就くことになりました。多角的な事業展開を始めるために新しく設置された広報・IR部門を一から立ち上げる業務を管理職として任されました。
フィールドエンジニアからまったく異なる仕事内容であり、右往左往しながらトライ・アンド・エラーを繰り返し進めていく毎日でした。この1社目で白紙の状態から広報・IR部門を立ち上げた経験が、今となっては大きなスキルと自信として蓄積されています。

問題も不満もなく過ごした1社目では当初、転職することは一切考えていませんでした。業界自体も気に入っていたこと、また地元であったことから、おそらく定年まで働くだろうと40歳頃まで考えていました。
ところが、2000年ごろからデジタル化・ITの進化により、主としていたビジネスモデルが崩壊し始め、46歳で転職を決意しました。

大学卒業後、容易に職に就いた記憶があったため、転職も安易に考えていた節があり、書類の作成、面接の対策などには大変苦労しました。しかし振り返れば、一旦立ち止まり、自分を客観的に見つめ直す良い機会でした。

2社目はPR・広報職の経験を活かし、地元から離れ関西のメーカーに就職しました。2社目でも一から広報を立ち上げる職に就き、社内でのPR・広報における下地を2年で構築しました。
1社目より会社の規模も10倍ほどあるグローバル企業でしたので、大変良い経験となりました。

そして現在、1社目で経験したテクノロジーの革新による「産業の突然死」を2社目でも感じ始めることになりました。世の中の時流には逆らうことができず、これもBtoB企業の宿命だと思い、かなり勇気がいる決断でしたが50歳にして再度転職活動を始めました。

その時に出会ったのがエリートネットワーク様でした。転職カウンセラーの方はよくあるネット上でのマッチングだけでなく、企業の人事部と密なコミュニケーションを大切にされており、頂く情報には有益なものが多く、面接の対策や交渉など、とてもスムーズに行うことができました。転職すること自体に背中を押してくれた大きな出会いだったと感じています。

転職は自身の過去を見つめ直し、得てきたスキルは市場にどのような価値を提供できるのか、またこの先も何を活かし、何を捨てるのかを考える人生の大きなイベントだと思います。
何を優先させるかは人それぞれだと思います。業界、職種、会社規模、年収、勤務地、役割、組織構成……。すべての希望が揃うことはなかなか難しいですが、これだけは外せないことは明確にする必要があるように思います。私の場合は、いかに次の会社で貢献できるか、それはイメージとして映像にまで思い浮かべられるまで考えました。会社の規模や知名度だけでなく、自分の価値が認められ市場に貢献できるかを念頭において考えました。
何かを選択すれば、何かを捨てることになり、後悔はするかもしれませんが、選んだことが正解となるよう前進していくことだと思います。

4月より新たな地で出発に臨みます。50歳という年齢での転職は悩みましたが、今後のキャリア、働きがいを考え、エリートネットワーク様の強力な支えもあり納得のいく企業で勤めることができました。
世界のテクノロジーはますます加速し、産業自体も変化していくことになると思いますが、私自身も変化を恐れず、挑戦していきたいと思います。

最後に今回大変お世話になった(株)エリートネットワークの担当カウンセラーである黒澤様には大変感謝しています。
面接時の対策は相手企業の特色なども教えて頂き、関東と関西でのリモートによる対話でしたが大変スムーズに転職することができました。
転職だけに関わらず、今後も常に自分の市場価値はどの程度なのかを把握していきたいと思いますので、アドバイスを頂くことがあるかと思いますがよろしくお願いいたします。

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