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国家公務員、ライフイベントを機に、就活時にも接点があったシンクタンクへ

国家公務員、ライフイベントを機に、就活時にも接点があったシンクタンクへ

No.1233
  • 現職

    国内 シンクタンク 公共経営・地域政策部 コンサルタント(PPP、PFI等)

  • 前職

    国家公務員 霞が関勤務 総合職 大臣官房 人事課

宮田 蒼 氏 27歳 / 男性

学歴:神奈川県立 横浜翠嵐高等学校 卒
筑波大学 社会・国際学群 社会学類 卒
東京大学大学院 公共政策学教育部 公共政策学専攻 修了
TOEIC 895点
TOEFL iBT 81点

はじめに

当初は、公務員の民間企業への転職は、未経験業界への転職になる上に、即戦力となるスキルに乏しいために厳しいということをインターネットで目にし、なかなか転職への踏ん切りがつきませんでした。そんな時に、エリートネットワーク様の『転職体験記』で同じキャリア官僚の体験記をいくつも見かけたことが、一歩を踏み出すきっかけになりました。

現状を変えたいけれども、勇気が出ないという方のお力になれればと思い、筆を執らせていただきました。転職を考えているけれども、具体的な活動を始めることを迷っている方々のお役に立てればと思います。

新卒時の就活について

新卒時の就活では、私は、大学・大学院で法学や公共政策学を学んでいたこともあり、ルールメイキングに携わることで社会に貢献したいという思いを持っていました。

政策に携われることや社会貢献度の高さに重きを置いて就活をしており、国家公務員とシンクタンク業界を志していました。幸いにも、いずれの道に進むか選べる機会を得ることができ、キャリアの途中から参画する道が狭いために官庁で働く選択は今しかできないこと、国が動いていく様を理解するには内部に入るのが一番だろうと考えたことから、国家公務員としてのキャリアをスタートする選択をしました。

霞が関の役所での経験

役所では、国会担当や部局のとりまとめ担当等を担うことが多く、関係者の調整や資料作成等を通じて、基礎的なスキルを身に着けてきました。また、政府の重要政策に携わることが多く、ホットな時期にも重なったため、政策決定のダイナミクスを間近で体感する機会に恵まれました。

この文章をご覧になると、順調に役人生活をスタートさせたと思われるかもしれません。そんな私が転職を決断した理由を次に書きたいと思います。

転職のきっかけ

霞が関の官僚は激務と言われますが、私も例に漏れず、激務をこなす日々を送っていました。朝起きて仕事に行って、(昼食・夕食をコンビニで済まし)夜中に帰ってきて寝るだけ、という生活を続けていく中で、ある思いが膨らんでいくのを感じていました。それは、中央官庁での仕事をする中で、(所属省庁の所掌の故にということでもありますが)現場がとても見えづらい悔しさと、現場が見えないが故に自分の仕事が国民の真のニーズに沿っているのか分からないもどかしさです。

次第に、霞が関のオフィスに籠って仕事をするより、自ら現場に足を運び様々な関係者と話をしながら仕事をしたいという思いが強くなっていきました。また、前述のとおり、高度な判断が行われる重要政策に携わっていたため、ボトムアップで政策を作る経験を得られず、また、世間の耳目や批判を一身に集めるような案件の対応をすることもあったため、(他では得難い経験ではあったものの)払う犠牲の割に得られるやりがいやスキルが乏しい状況でした。こうした環境で日々を過ごしていく中で、いつしかこのまま国家公務員として働いていってよいのかと疑問を感じるようになっていました。

加えてプライベートでライフイベントが起きたこともあり、家庭を円滑に運営しながら、国会開会期間中はその日何時に帰れるかが当日の夕方にならないと分からない霞が関に勤務する国家公務員の労働環境に適応して第一線で働き続けることが難しいのではないかとの不安も膨らんできました。

私の転職活動

前述のような思いから、転職を考え始め、インターネットで情報収集を始めました。大手の就活サイトに登録して求人情報を見てみたり、インターネット上に数多ある体験記を読んでみたりしていたものの、実際の応募やエージェントサービスへの登録には、なかなか踏み出せませんでした。

そんな時一歩踏み出すきっかけになったのが、エリートネットワーク様のHPに掲載されている若手官僚の『転職体験記』でした。自分と同じような境遇の方々への転職支援の実績が豊富ならば、私の状況や不安を理解いただいた上での支援をしていただけるだろうと思い、登録をしてみました。

最初の面談は、2時間にも及び、私の人となりや職業観、意向を丁寧にヒアリングしていただきました。コロナ禍のため、転職活動全てについて電話で支援していただくこととなりましたが、手厚くサポートしていただけたと感じています。カウンセリングを踏まえて、どのような企業・職種がフィットしそうか、転職支援の先例や当該企業の情報も教えていただきつつ、ご提案いただけました。

エージェントによっては、応募先企業を押し付けられるということも聞いていたところ、エリートネットワーク様では、薦めていただいた企業が希望と異なることを伝えたら、以後、類似の企業も含めて推薦されることは一切ありませんでした。私の状況や心境をよく理解していただけていると感じられたため、私も素直に腹を割って相談することができました。

応募企業を選ぶ上では、転職後も政策に関わっていきたいという思いを持ちつつ、現場に自ら足を運ぶ機会があること、自ら何かを作り上げていけることを希望していました。また、仕事と家庭の両立のため、ある程度自律的に業務や就労時間をコントロールできる職業であることを意識していました。一方で、上記の条件を満たせるのであれば、分野や業種について強いこだわりはありませんでした。
こうした希望を伝えたところ、日本のシンクタンク業界をお勧めいただき、応募することとしました。

選考を進めていく中で、転職活動は孤独な闘いだということを感じました。今の職場のメンバーに相談できず、周りに転職活動中の知り合いがいないという状況の中、選考を進めていかなければなりません。また、転職活動中も働き続けているため、転職活動にかけられるリソースに限りがあります。これらの不安や制約は、エージェントから支援をいただくことで取り除くことができました。エリートネットワーク様からのサポートの中でも私にとって有益だったのは、毎回の選考面接の後の松井様との面談でした。毎面接後に、松井様に面接での応答内容や感触を伝え、アドバイスをいただくことは、頭の整理になりましたし、モチベーションの維持にもつながりました。

中途採用の面接は、採用人数の目安があって、他の応募者と競争するという新卒就活と異なり、水準をクリアーする良い応募者がいれば採用するという色合いが強いように感じました。企業は応募者との相性を重視しているように感じられ、面接での応答が噛み合った感触があり、とんとん拍子で選考が進んでいった企業と、全く噛み合わず、思ったとおり1次面接で落選した企業とに明確に分かれました。私も、入社後に担当することになる業務内容だけでなく、どのような方が上司や同僚になるのかという点を面接の際に確認するようにしていました。

幸い内定をいただけたシンクタンク業界の企業は、これらの点に対する満足度が高く、新卒の就活時にも関わりのあった会社だったので、安心して入社の決断をすることができました。

終わりに

この原稿を書いている今は、新天地に移る前に休養を取っている時期です。今回の転職が成功だったのか否かは、次の職場に移ってしばらく働いてみて初めて分かるものとは思いますが、現時点で私は今回の転職にとても満足しています。

短期間ではあるものの、中央省庁での勤務経験を積むことができたので、転職先でもこれを無駄にすることなく、中央省庁と地方自治体それぞれの考え方や事情を理解した上で、地に足のついた調査業務やアドバイザリー業務を行っていきたいと思っています。

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