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欧州拠点駐在のIT責任者、単身赴任より家族との暮らしを求めて大手商社へ

欧州拠点駐在のIT責任者、単身赴任より家族との暮らしを求めて大手商社へ

No.1205
  • 現職

    大手商社 グローバルシステム部門 IT マネージャー

  • 前職

    監査法人系 大手コンサルティング会社 ERP導入コンサルタント
    一部上場 大手完成車メーカー IT マネージャー
    一部上場 大手農機・建機メーカー 欧州駐在IT責任者

平塚 仁明 氏 43歳 / 男性

学歴:私立 滝川高等学校 卒
北海道大学 工学部 応用化学科 卒
北海道大学大学院 工学研究科 分子化学専攻 修了
基本情報技術者
日商簿記検定2級
TOEIC 925点

①新卒就職活動時の志向

2001年3月に大学院を卒業後、2001年11月から監査法人系コンサルティング会社に入社しました。
もともとは漠然とメーカーでの開発、研究職に就きたいと考え、工学部へ進学、大学院まで進みましたが、研究を進めるうちに「より幅広く世界と接したい」と思うようになり、「専門知識を活用し、様々な業界、企業を支援する事ができる」コンサルティング業界に興味を持ったのがきっかけです。

②今日までの担当業務、実務経験、体得したスキル

コンサルティング会社では、製薬、自動車等、国内メーカー向けのERP導入プロジェクトに参画し、要件定義、設計、開発業務に従事していました。
入社直後から成長を実感する充実した毎日でしたが、次第に「より上流の企画段階からプロジェクトに携わりたい」、「コンサルという第3者の立場ではなく、自分自身でプロジェクトを最初から最後までドライブしたい」、「グローバルプロジェクトの経験を積みたい」という思いが強くなり、2005年2月に自動車メーカーのグローバル情報システム本部へ転職しました。

自動車メーカーでは、主に生産管理/SCM領域のプロジェクトマネージャーを担当、最終的には次世代生産管理システムを企画する多国籍チームのマネージャーをしていました。インド、ブラジル新工場への生産管理/SCMシステム導入、欧州高級自動車メーカーとのメキシコJV新工場プロジェクトでのIS/IT全体統括、フランス自動車メーカーへの出向、アライアンス推進等、様々なグローバルプロジェクトを経験し、異なる大陸、国、会社をまたがり、多様な文化を持つメンバーと協業しながら、目標達成に向けてプロジェクト、チーム全体をリードする、非常に得難く充実した日々を過ごしていました。

しかし一方で、転職当初に希望していた事は全て達成したとも感じており、新しい環境、更に上位の役職にチャレンジしたいとも考えるようになっていました。
そんな中、国内農機/建機メーカーより、欧州統括会社を立ち上げるにあたってのCIO候補として、欧州統括会社立上の支援、欧州IT組織の強化/構築を担当してほしい、とのオファーを頂き、2017年4月から2度目の転職、欧州赴任をする事となりました。

欧州赴任後は、欧州7子会社のIT部隊と共に、システム/インフラ/組織観点から現状調査を行い、中長期計画を策定、以降、既存IT組織の体制強化、品質改善、欧州IT管理・運営標準の策定、インフラ標準化等、欧州統括観点でのシステム、インフラ、体制強化を推進していました。転職時の希望通り、欧州ITの統括責任者として、欧州IT組織全体の将来像を描き、経営層の協力を仰ぎつつ、組織全体をドライブする新しい経験で、自分自身の成長を実感しながら、日々を過ごしていました。

③今回転職に至った背景、理由、きっかけ

率直に言うと、家庭の事情です。

頂いた欧州統括CIO候補のオファーは、これまでのマネージャーレベルではなく、更に上位の役割を担う事になり、また、仕事内容としても、一から海外で統括会社を立ち上げるという事で、キャリア的には非常に魅力的な内容でした。しかし実は、妻の仕事を続けたいという意向もあり、家族の反対を押し切る形で、単身赴任前提での転職となってしまいました。

小学校前後の子供が二人いるため、私の赴任後は、妻がいわゆるワンオペ育児を担う事になりました。妻、子供達にかける負担も大きく、家族のために働いているはずなのに、家族に大きな負担をかけ、家族と共に暮らす事ができない……というジレンマを私自身も強く感じるようになりました。
家庭内での話し合いの結果、最終的に、私が日本に戻る事が、家庭として最善の選択だろうという事で、決断しました。

④今回転職時に譲れないと考えた点、逆に譲っても良いと考えた点

これまでの転職ではどちらかというと、自分の成長、キャリアアップにつながる事を最優先に考え、選択してきました。しかし、今回は私自身というよりは、家族にとって最善の転職先を探すというスタンスでした。

具体的に言うと、「共働きしやすい職場環境である事」、「現状以上の待遇である事」、「長期的に安定して働ける事」を譲れない点として、逆に、「企業の規模、知名度、役職名」、「グローバルに活動できる事」は譲っても良い点と考え、転職活動を進めました。

……といっても、実際には、始めから上記のように軸が定まっていたわけではなく、色々な選択肢がある中で迷いながら、(株)エリートネットワークの転職カウンセラーである高橋さんに何度となく相談させて頂き、自分自身を振り返りながら整理してきたのが実情で、高橋さんの支援なしでは、今回のような納得感のある転職活動にはなりえませんでした。

本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ご支援頂き、誠にありがとうございました。

⑤転職活動を通じて気づいた点、学んだ点、反省点等

これまでの3回の転職経験を踏まえて学んだのは、よく考えると当たり前の事なのですが、「年齢、家庭の状況に伴い、自分自身の人生で大事にする事、仕事に対する志向、求める事も変わってくる」という事です。

2回目の転職を決める際、あまりにもキャリアの観点が強過ぎて、「このチャンスを逃すなんて、あり得ない!」という勢いで、家族の意見に耳を貸さずに転職してしまいましたが、振り返ってみると、20代、30代の独身時代であれば問題ありませんが、アラフォーで家族がある立場からすると、やはり自分勝手な決定だったと反省しており、そのような決断は長続きがしないものだな……と、実感しているところです。

なので、もし読者の方でも、キャリアアップと家庭の事情で悩まれている方がいるとしたら、ぜひ1度立ち止まって頂き、冷静に家族の方の意見にも耳を傾け、ご自身が納得される進路を決定して頂ければと思います。

余計なお世話かと思いますが、自分自身、「欧州統括CIO候補」、「2度目の欧州赴任」という見栄的なタイトルに惹かれ、20代、30代のノリのままに転職してしまいましたが、やはり、40代の自分は以前とは違うのだという事を痛感しましたので……。

単身赴任がこんなにも自分、家族にとって負担となり、「家族と一緒に普通に暮らせる事」を望んでいる自分に気づけたのも、大きな発見でした。

⑥次の職場にかける意気込み、覚悟等

依頼されていたこの『転職体験記』の提出が、すっかり遅くなってしまったせいで、2019年4月に今の職場に転職してから、すでに1年を過ぎてしまいました……。

入社した当初は役職なしでしたが、あっという間に溶け込み、譲れない点も全て満足している状態です。更に2020年4月からはマネージャーのポジションを拝命し、更に待遇も上がり、「こんなに良い会社があるものだろうか……?」と半信半疑になる時もありますが、採用頂いた縁を大切に、また、ご紹介頂いたエリートネットワークさんの名前を汚さないためにも、これまでの経験を最大限活用し、会社に貢献していく所存です。

⑦最後に

最後に、繰り返しになりますが、いくつかの他のルートからの誘いにもフラフラしたりと、軸が据わっていなかった私に対して、適宜お声掛けを頂き、相談に乗って下さったエリートネットワークの高橋さんに、心から感謝申し上げます。

他の転職エージェントさんとは異なり、より転職者の観点に寄り添い、最初から最後まで一貫してご支援頂けるところが、エリートネットワークさんの最大の魅力と感じました。

私自身、次の機会があるかは不明ですが、今後は採用する立場として、引き続き、ご支援頂ければと存じます!

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