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薬剤師、製薬会社から化学メーカーの新規ビジネスへの挑戦

薬剤師、製薬会社から化学メーカーの新規ビジネスへの挑戦

No.1174
  • 現職

    一部上場 化学メーカー 購買課長

  • 前職

    非上場 中堅医薬品メーカー 事業開発→経営企画→資材担当

田所 政義 氏 35歳 / 男性

学歴:芝学園高等学校 卒
北里大学 薬学部 卒
北里大学 薬学部 薬学研究科 薬理学専攻 修了
薬剤師
TOEIC 885点
英検準1級
HSK4級

新卒での就職の時の志や志向

前職では中規模の内資系製薬企業(新薬メーカー)において調達業務に携わっていました。製薬企業で働くことは、遡ること中学生の頃、当時病弱だった自分を見事救ってくれた薬に出会えたことにつながっています。この時の薬への想い・興味から、大学は迷うことなく薬学部、大学院は薬学研究科へ進み、薬作りの集団である製薬企業を目指し、運よく入社することができました。

入社後のキャリアとしては、事業開発部、経営企画部、資材部(原材料調達業務)と、どちらかというと事務的な仕事の多い職場でしたが、間接的であってもどこかで「薬作りに役立っている」という感覚が、時に単調な日々の仕事に納得感をもたらしてくれました。

どの業界に行っても、仕事としての本質、やる作業は大差ないのかもしれません。しかしながら、この仕事をしている今、自分は自分の好きなことに携わっているのだ、というこの感覚は大事だと思います。

前職での担当業務や実務経験について

入社後はまず、通常新人が配属されることがめずらしい事業開発部で経験を積むことができました。ここでは自社医薬品の導出活動、国内外製薬企業又はベンチャー企業からの導入活動を担当し、ビジネスとしての採算性に対する考え方を学びました。

異動した経営企画部の2年間では、市場調査、競合調査、財務分析などの業務を経て、多面的に数字を読むという技術を学ぶことができました。

その後、資材部では8年間業務を経験しました。元々人に興味があり、フットワークの軽い性分も手伝って、業務の中で国内外様々な取引先の方々と仲良くさせていただくことができました。医薬原料調達のスキルを身につけられたこともそうですが、積極的に足を運んで築き上げた取引先との人的ネットワークは自身の財産であり、このキャリアにおいて、最も大きな収穫であったと思っています。

資材部までの2部署は「現場」というよりは「中枢」というイメージの業務でしたが、資材部では国内はもちろん中国、インドや欧州の原料原薬工場を訪問したりと、現場を走り回っているという肌感覚があり、自分には合っていました。このような業務を経験していく中で、もっともっと海外でビジネスをしてみたい、という想いが芽生えてきました。

転職するに至った背景や理由・きっかけ

大学院を修了後、24歳で会社に入社した当初から「入社10年経ったら一度自分のキャリアを見つめ直そう」と、ぼんやりと、でも、ずっと考えていました。
つまり10年働いた後に「今の職場で仕事を続けるのか」それとも「他に活躍の場がないか転職活動をして考えてみようじゃないか」ということです。今回、入社10年が経過した35歳の1年間転職活動をし、考えを重ねた結果、新たな職場へ行くという決断をしました。

振り返ると、転職の決意を後押しした出来事はいくつかありました。30歳以上を対象とした早期退職の件や、出張などの活動予算の削減の件などもありましたが、最も大きい原動力だったのは「歴史ある製薬業界において新しい取り組みをしてみたい」という想いであったように思います。

10年超のキャリアの中で、国内の製薬企業を取り巻く状況は大きく変わりました。
この10年で国のジェネリック普及推進は本格化し、実際数量ベースで80%という目標をほぼ達成しています。新薬もこれまでの低分子医薬品から、開発の難しいバイオ医薬品への移行がどんどん進み、新薬が出にくくなる構造になりました。このような変化の中で、新薬メーカーが生き残るには、例えば新興国ビジネスを拡大するなど、これまで積極的に行われなかった新しい取り組みが必要なのは明らかでした。

私含め、何人かの社員はこの取り組みを盛り上げようと努力しましたが、残念ながら上層部の意向と違うということがわかりました。それがわかった瞬間「もしかすると自分の活躍の場はここではなくて、外にあるかもしれない」と、自然に転職活動を開始したように思います。

転職活動でこだわった点、こだわりを捨てた点

転職活動当初は「海外ビジネスをしたい、新しい取り組みをしてみたい」という想いが積み重なり、海外をからめて自由にビジネスを発想できるであろう商社を目指しました。 しかしながら、書類選考から先、面接まで辿り着かない日々が続きました。やはり商社の中途採用枠というのは人気が大変高く、強力なライバルが大勢いることから、なかなか自身を差別化できなかったのかな、と反省し、転職活動後半には商社というこだわりは捨て、考えを改めました。そして、自身の経験・特性を最大限に活かすことができ、他の応募者と差別化できるポジションがないだろうか、という視点に切り替えました。

この時期に初めてエリートネットワークの転職カウンセラーの高橋さんとのコミュニケーションを開始し、今回内定が出たポジションを紹介していただきました。このポジションはエリートネットワーク様だけが唯一扱っていたポジションでした。

高橋様との会話の中で、「今日はこの会社に取材に行ってきた」、「この間はあの会社に行った」など、臨場感ある話を聞くことができ、他にないポジションを扱えるのはやはり足で稼いだ賜物なのだろうなぁ、と感心したことを覚えています。

転職活動を通じて気づいた点、学んだ点

自分の場合は、入社10年経過後の35歳の一年間、納得いくまで転職活動をしようと決めていました。前述の通り、自分の理想とするポジションは数も少なく、応募しても書類選考の段階で落ちる日々を過ごしました。きっと、企業と私のお互いのニーズがマッチしていなかったのだと思います。少々焦りを感じることもありましたが、36歳になる直前に、運良く自身の望むポジションに出会うことができ、更にとんとん拍子で今回の内定が決まりました。

これから転職をされる方に是非意識していただきたいのは、現職で積極的に経験を積みながらじっくり自身の望むポジションを待つ、という姿勢です。自身の望むポジションが空くタイミングが、自身の転職活動のタイミングと一致するとは限りません。転職活動がうまくいかない時は「このまま良いポジションが見つからず年齢を重ねてしまったら、転職に不利になるのでは」という焦りもあるかと思います。

私の場合も自身の設定した入社10年後は、ちょうど35歳という巷で言われる「転職限界説」とも重なり、転職活動終盤はそのような焦りがありました。ですが、じっくりと活動をし続けた結果、自身が望み、熱意を注ぎたいと思えるポジションと出会うことができました。この間においても、現在の職場で積極的に経験を積み、最大限自身の市場価値を高める努力をしつつ、良いポジションが空くのをじっと待つ、ということが大事なのかなと転職活動の中で感じました。

次の職場に賭ける意気込み・覚悟

これまでの職場は100年近くの歴史がある製薬企業であり、新しいビジネスをどんどん生み出していくというよりは、厳格化する薬事規制の下、既存のビジネスを着実に回していくというスタイルであると感じていました。どちらかというと守りのビジネスなのかな、というイメージです。

次の職場は同じく製薬企業ですが、長期収載品(発売後長期間が経過しつつもジェネリック医薬品の存在しない医薬品)の販売権をどんどん獲得していくという、伝統ある製薬業界において、新しい発想のビジネスをする会社です。面接の際には、海外にも積極的に出ていきたいという社長自らの意向を聞くこともできました。海外ビジネスをしたい、新しい取り組みをしてみたいという自身の希望と合致している、と感じており、新しい職場での仕事に期待感を持っています。

現在36歳、まだまだ元気が余っています。とことん自分の納得いくまで力を注ぎ、仕事をやり尽くしてみたいという心境です。

以上

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