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診療情報管理士、大手監査法人の医療法人向け監査担当へ

診療情報管理士、大手監査法人の医療法人向け監査担当へ

No.1025
  • 現職

    大手監査法人  医療法人向け監査担当

  • 前職

    共済組合直営 総合病院 診療情報管理室

田沢 知恵美 氏 31歳 / 女性

学歴:国際医療福祉大学大学院 診療情報アナリスト養成分野 診療情報管理コース 修了
一般社団法人 日本病院会 診療情報管理士認定試験 合格
中央職業能力開発協会主催 コンピュータサービス技能評価試験 ワープロ部門 3級
日商簿記検定 3級
中央職業能力開発協会主催 コンピュータサービス技能評価試験 表計算部門 3級
日本医療事務検定協会主催 医科医療事務検定試験 合格
公益財団法人 日本医療保険協会主催 診療報酬請求事務能力認定試験 合格
公益財団法人 実務技能検定協会主催 ビジネス電話検定試験 知識B級
公益財団法人 実務技能検定協会主催 ビジネス文書検定試験 2級
日本医療事務協会主催 医事コンピュータ能力技能検定試験 1級
公益財団法人 実務技能検定協会主催 秘書技能検定試験 2級
医師事務作業補助者 32時間研修 修了
国立研究開発法人 国立がん研究センター主催 がん登録実務 初級者認定試験 合格

はじめに

私は、診療情報管理士です。とはいっても、医療機関で働いていても聞いたことのない方がいるような職種ですから、医療とは関係のない仕事をされている方でこの職業の名前を知っている方はほぼいないのではないかと思います。
診療情報管理士とは、文言そのままですが、診療情報を管理する職種です。
診療記録は遅滞なく記載されなくてはなりません。また、入院の際には多くの書類が必要となります。それらの記載を促したり、内容や書類について過不足なく揃えたり、記録を標準化し、整頓して、保存に耐えうる状態にした後、適切に管理したりすること、それがこれまでの診療情報管理士の仕事でした。

ただのカルテ室の人だった診療情報管理士が、最近注目されるようになってきた理由のひとつは、DPC/PDPSの導入です。DPC/PDPSとは診療報酬の包括支払い制度のことであり、導入病院に入院すると、主となる病名で入院期間の会計が決まります。この会計を決める病名をカテゴライズしているのが、診療情報管理士が専門的に学ぶ国際疾病分類(ICD10)です。
DPC/PDPSは従来の出来高払いとは違って、一日当たりに得られる収入が決まっていますから、病院にとって重要となるのはコスト改善です。そしてコスト改善のためには他院とのベンチマークが有用です。ベンチマークを行うには、いくつかの企業から専用のシステムが販売されているため、利用している病院のデータを見ながら自院の経営分析を行うことができます。

転職の経緯

病院で勤務する中で、大多数の病院事務職員が経営に対して無関心であることに疑問を持っており、次第に、いつかは経営に関われる仕事がしたいと考えるようになりました。
そこで大学院へ進学して診療情報管理について学び直すことにしました。大学院ではDPC/PDPSの支払いデータの分析をテーマに論文を書き、その分析の楽しさに魅了されました。そして、どんなに頑張ってもいつまでも下働きで、評価されることはない世界にいるよりも、自分が出した成果を正当に評価される場所で、何より一人の人間としてきちんと話を聞いてもらえる立場で仕事がしたいと考え、ベンチマークを扱うようなコンサルティング会社で働きたいと考えるようになったのです。

そのためにまずは自分がDPC/PDPSについてもっと詳しくならなくてはならないと、大学院修了後はDPCを扱える病院へ就職しました。そしてある程度の経験を積み、年齢的にもそろそろと感じ、今回の転職活動を始めるに至りました。

はじめはコンサルタント専門の転職エージェントに登録し、いくつかのコンサルティング会社を受けました。書類はそれほど苦労なく通り、面接の機会をいただきましたが、社風が合わなかったり、どう考えてもいわゆるブラック企業であったり、なかなか内定には至りませんでした。転職エージェントとの面談後のやり取りはすべてメールで、書類通過の連絡と面接の日程調整はしてくださるものの、面接で聞かれる質問内容や注意することへのアドバイスなどはありませんでした。

面接では毎回、本当に当日行っても大丈夫なのか?、アポイントがきちんと取れているのか?、不安に思いながら企業へ足を運んでいました。そしてある時不安は的中し、指定された日時に伺ったにもかかわらず、面接前に企業側が面接官を探して長時間待たされてしまいました。企業の面接官の方はエージェントの会社名や担当者名を何度も間違える始末で、これは企業側担当者と転職者側担当者が違うことの弊害であると今ならわかりますが、本当に不安な面接ばかりでした。

(株)エリートネットワークとの出会い

そこで、その転職エージェント1社だけに依存していては駄目だと考え、また、コンサルティング会社だけでなくもう少し視野を広げて考えようと、大手転職サイトに登録し、そちらで(株)エリートネットワークの転職カウンセラーである廣重さんにお声をかけていただいたことが、今回の転職成功のきっかけです。
はじめにご紹介をいただいたのが、今回内定をいただいた監査法人です。お話をいただいた時、希望していたコンサルティング会社とは異なる監査法人での仕事に、自分に務まるのだろうかと戸惑いを感じました。しかし、よくお話を聞いて自分でも調べると、会計の面から経営を正しい方向へ導くという意味では、病院の経営改善に十分役立てるのではないかという結論に至りました。

エリートネットワークさんに登録して驚いたことは、そのサポートの手厚さと情報の速さです。
私が今回内定をいただいた監査法人の選考を受け始めた時、実は自分で直接受けた別の企業からほぼ内定をいただいている状態でした。ただ、規模としても、職務内容としても、今回の内定先監査法人への興味の方が強かったため、できるならせめて書類選考の結果だけでも知りたいと廣重さんにご相談しました。すると迅速に人事の方に連絡を取ってくださり、すぐに書類選考の結果をいただき、驚くようなスピードで1次面接が決まりました。

そこから先は本当にスムーズで、自分でもびっくりするような大手監査法人に内定をいただくことになりました。
面接では、とにかく落ち着いて、自分がこれまでやってきたことを話すことができれば大丈夫だと言い聞かせて、ひとつひとつ考えながらゆっくり話すよう心掛けました。また、廣重さんが面接前に電話で面接官から質問されそうなことなどの具体的なアドバイスをくださったことも心強かったです。

途中、最終面接のお返事がなかなかもらえず、不安になることもありました。しかし廣重さんは、相手先企業が今どんな状況で、いつごろまでには結果が出るだろうという見通しを逐一連絡してくださり、安心してお返事を待つことができました。
やはりこれも、企業側と転職者側、両方を同じひとりの方が担当しているからこその風通しの良さであり、廣重さんが企業の人事の方と信頼関係を築いていらっしゃるからこそだと思っています。他にいくつかのエージェントに登録しましたが、基本的にはメールでのやりとりのみでした。廣重さんは面接前や面接後のフォロー、他の大切な連絡などは基本的には電話でご連絡をくださり、私にはそれも合っていました。

次の職場に賭ける意気込み

内定先では、これまでのカルテ監査や診療報酬請求関連の実務経験を生かして、病院監査の仕事を担当させていただくことになっています。
今回転職するにあたり、学生時代の恩師に病院を辞める旨の報告をした際、「診療情報管理士が外の世界に出て存在を世間に周知してゆくことは、今後の診療情報管理士のためにも意義があることだ」と言っていただき、本当にその通りだと思っています。

あまり世間に認知されている職業ではありませんが、病院の外に出て働くことで、経営改善に関わりたいという私自身の目標だけでなく、診療情報管理士の認知にも一役買うことができるのなら、これほどうれしいことはありません。
おそらく病院関連の業務だけというわけにはいかないとは思いますし、できることは何にでも挑戦したいと思っていますが、診療情報管理士として、監査法人を通して病院経営の改善のお役に立てるようになれればと願っています。

これまでの経験があったからこその内定ではあるものの、まったくの異分野の仕事です。必要になるであろう資格の勉強をするなどして入社に向けた準備をしながら、新しい世界にわくわくしています。
ご紹介いただいた廣重さんの顔をつぶさぬよう、エリートネットワークさんから紹介いただいて良かったと企業から言ってもらえるように、新しい場所で頑張っていきたいと思っています。それが、今回大変お世話になった恩返しだと思っています。

転職活動を始めた際はまさかこのような結果になるとは思っていませんでした。最後にはなりましたが、本当に、想像もしていなかった新しいキャリアの選択肢をくださった廣重さんに、感謝申し上げます。

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