海外営業担当、法科大学院修了後、メーカーの法務部へ

No.769
  • 現職

    一部上場 精密機械・医療機器メーカー  法務部 法務担当

  • 前職

    非鉄・金属専門商社  海外営業職

林 博文 氏 30歳 / 男性

学歴:慶應義塾大学 法学部 卒
早稲田大学大学院 法務研究科 修了
英語・中国語ビジネスレベル
稲門法曹奨学金 受給生

目次
  1. はじめに
  2. 不合格を受けて
  3. 就職活動 (前編)
  4. 就職活動 (後編)
  5. おわりに

はじめに

私は、大学卒業後、専門商社において3年間、海外営業職に従事してきました。そこでの業務自体は、グローバルビジネスに関われるという点で非常に魅力的でしたが、より専門性を身に付けたいと思い、法科大学院に入学することを決意しました。法科大学院入学当初は、企業法務部に入るか、弁護士になるかで悩んでおりましたが、司法試験は受けておきたかったので、法科大学院卒業後も受験準備をした上で、司法試験を受験しました。司法試験受験後は、企業法務の道に進むため、法務部を中心とした就職活動を行い、この度内定に至りました。

上記の通り、私は、社会人経験を経た法科大学院卒業生として就職活動を経験したため、やや特殊なケースと言えますが、このような 『転職体験記』 でも皆様の就職活動のご参考になればと思い、筆を執らせて頂きました。

不合格を受けて

9月に司法試験の合否発表が行われましたが、残念ながら不合格という結果に終わりました。もっとも、私は、悲観することなく直ちに就職活動を開始しました。私が、直ちに就職活動に着手できた理由は、積極的に企業法務の道へ進むことを志望していたからです。企業法務における法務部員は、外部の弁護士とは大きく立場が異なります。法務部員はまさに当事者として案件に関わることができますが、外部の弁護士は代理人としてしか案件に関わることができません。また、法務部員は社内の全ての情報にアクセスできますが、外部の弁護士は依頼者から全ての情報の開示を受けられるとは限りません。法科大学院では、進路先として法曹三者がピックアップされがちですが、企業法務には企業法務の魅力があることにも目を向けて欲しいと思っております。

就職活動 (前編)

私は、就職活動を始めるために、まずインターネットで就職市場の状況や転職エージェント等に関する情報を収集しました。そこで偶然辿り着いたのが、(株)エリートネットワークの 『転職体験記』 でした。そこには、法科大学院卒業生による 『転職体験記』 も含まれており、私も大いに勇気付けられました。結局、私は、(株)エリートネットワーク及び大手転職エージェントの転職支援サービスに登録しました。

私は、(株)エリートネットワークと大手転職エージェントを比較しながら使い分けようと思っておりましたが、両者には歴然の差があることが分かり、就職活動後半では、(株)エリートネットワークをメインで利用させて頂きました。(株)エリートネットワークでは、転職カウンセラーの廣重さんにお世話になりましたが、最初の面談から 「上手くいきそうだ」 というインプレッションを受けました。私は、自らリスクを負ってキャリアチェンジしたのだから、是が非でも 法務部 に就職したいという希望を告げ、廣重さんもこの希望に沿うような提案を最大限提供してくれました。

また、廣重さんは、法務部の求人案件自体がそれほど多くないこと、法科大学院卒業生による就職活動が活発化していること、弁護士有資格者による法務部への就活ですら簡単ではないこと等の厳しいお話もして下さいました。今にして思えば、このような厳しいお話を頂いたからこそ、就職活動に打ち込むことができたのだなと思っており、大変感謝しております。
希望する企業へのエントリーが済んだ後は、矢のように時間が過ぎていきました。企業研究や適性試験の対策、面接の対策等に没頭する毎日で、気が付いたら複数の応募先で最終面接まで進んでおりました。

就職活動 (後編)

複数の応募先で最終面接まで辿り着いた場合、求職者が最も心配するのは応募先の優先順位付けではないでしょうか。私も、いずれの応募先も魅力的に感じていたため思い悩んでおりましたが、ここでも廣重さんから数々の有益なアドバイスを頂きました。また、最終面接に臨む前後でも、廣重さんから先方の意向や感触等についてご助言頂きました。
その甲斐あって、私は、結果的に複数の応募先から内定を頂くことができました。内定を頂いた後は、内定先から提示して頂いた待遇や自身のキャリアプランについて、より深く検討を行いました。

そこで、私が重視した点は以下の二つでした。すなわち、[1] 国際的な法律実務に携わることができるか、[2] 長期的なキャリア形成を図る上で理想的な職場環境であるか、です。最後の最後まで、いずれの内定先へ入社するのか迷いに迷いましたが、私は上記二点に最も合致した内定先企業に入社することに決めました。尚、私がいずれの内定先に入社するか悩んでいた時にも、廣重さんは適切且つ有益なアドバイスを提供してくれました。これらのアドバイスは、非常に客観的で偏りのないものであったため、私も後悔することなく最終的な決断を下すことができました。最終的な入社先を求職者の自由な選択権に委ねるというのは、もっとも基本的でありながら、もっとも重要な配慮であると考えていたので、このようなご配慮を頂いた廣重さんには大変感謝しております。

おわりに

当初は悲観視していた就職活動も、終わってみれば複数の法務職の内定を頂くことができました。そして、自らが納得できる一部上場企業に入社することができ、大変満足しております。法科大学院卒から企業法務部への就職は簡単なものではありませんが、自己分析や企業研究、適性試験対策、面接対策を十分に行えば、必ず活路は開けてくると思います。私は、社会人経験を有していますが、法務職としての執務経験はありません。それでも、何とか複数の上場企業から内定を頂くことができましたので、職務経歴のない法科大学院卒業生でも内定を勝ち取ることができると思います。

最後に、心強い支援を頂きました廣重さん並びに (株)エリートネットワークの皆様にこの場をお借りして御礼を申し上げます。 どうもありがとうございました。

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