本日現在:1249 転職体験記
No.723

原子力発電所のエンジニア、造船重機械メーカーの設計で復活。

前職
電力会社 原子力発電所   保全企画業務
外資系 損害保険会社 リスク・アセスメント業務
現職
東証1部上場 大手造船重機械メーカー 火力発電装置の設計
稲尾 康夫 氏 / 29歳
九州大学 工学部 エネルギー科学科 卒
九州大学大学院 工学府 エネルギー量子工学専攻 修了
TOEIC 765点
第1種放射線取扱主任者

トップからゼロへ、そして海の向こうへ

大学院を卒業後、電力会社への推薦状を得て、原子力発電所のエンジニアとしての職を得、何の不安もない人生を送る………はずでした。震災とそれに続く原発事故により、原子力業界の環境は一変。想定を遥かに超えて最悪の事態が起きたあの時から、仕事や雑事で身を忙しくしても、友人と会っても、何をしても、
「人生をやり直したい」
と、そればかり考えている自分に気が付きました。

藁をも掴む思いで、人の迷惑を顧みず、あらゆる方々に相談して回りました。母校の恩師、父親のつて、友人の知人………そして結論はいつも出なかった。つまり、「自分で道を探し、決めて、進むしかない」 ということ。誰も判断してくれないし、誘導してくれないし、保証してはくれない。考えてみれば、自明の理でした。

毎日、人生を左右する決断を自分に迫っている。そういう状況が1年以上続きました。一生分悩んだかもしれない。毎日のように頭を抱えながら歩いたあの道の四季折々の変化を、今も克明に覚えています。初夏の木漏れ日、盛夏の蝉の声、秋口の落ち葉、しんしんと降る雪。具体的な結論は一向に出ないまま。永遠に続くかと思われた、終わりの見えない日々に変化が訪れたのは、二度目の蝉の声を聞いた頃でした。

友人の勧めで某外資系企業のコンサルタント職の採用試験を受験し、無事採用の通知を受け、数ヶ月間海外で研修を受けることになりました。自分の力で人生を切り開いた瞬間でした。敷かれたレールを踏み外さないように歩いてきた人生でしたが、レールが途中で途切れてしまった。それから先の道を自分で探して、見つけて、決めて、踏み出した。以前はまったく想像しなかった新しいビジョンを見て進んでいる。この経験は大きな自信となりました。

二度目のゼロからのスタート

そんなある日、外国人の上司から、ひとり会議室へ呼び出されました。
「現在の業務内容と本人の適性及び希望にミスマッチがあり、将来的に転職する可能性が高いとみられるため、現職に留まるか、退職し転職活動に移行するか、今すぐ判断して欲しい」
という通告が、その場で、突然ありました。その翌日から、実質上失業中の身分での就職活動が始まりました。

今でも、その時の光景ははっきりと覚えています。転職したばかりの頃、日本のオフィスでも海外のオフィスでも、スタッフ全員が温かく迎えてくれました。あの上司も、いつも少し離れた所から微笑んで見守ってくれていました。それが一変した。目の前の光景を信じたくなかった。
憎しみとも悲しみともつかない、驚愕と呆然しかありませんでした。暗闇の中で、命綱だと信じて固く握りしめていたロープをたぐり寄せたら、先が切れていた。そんな感覚でした。

どうやって帰国して、自宅まで辿り着いたのか、よく覚えていません。
茫然自失のまま国際線に乗り込み、帰路に就き、帰宅して最初にとった行動は、職業安定所を含む、知る限りの人材紹介会社に相談・登録することでした。なりふり構わず、がむしゃらだった。とにかく何らかの行動に出ることが、不安に対抗するほとんど唯一の方法でした。
今度は、以前のように電力会社に勤務しながら優雅に悩んでいるような状況じゃなかった。

職安通い、エージェント巡り

複数のエージェント各社に登録し、連絡を待ちつつ、毎朝9時前には最寄りの職業安定所に相談に通うようにしていました。職安で適職を自分で探し出すことができるかどうか、まったく不明でしたが、時間を決めて何らかの行動をして、ぼーっとする時間を作らないようにして、後ろ向きな余計なことを考えないように努めました。

職安では、コンサルタントの方が親身になって相談に乗って下さり、冷静に状況を把握して次の行動の計画を立てるのに役立ちました。帰り道、2月の高く澄んだ空に現実感がなかった。

ほどなく、エージェント各社から求人案内メールが届くようになりました。また、コンサルタントの方々からも直接ご連絡を頂くようになり、少しずつ状況が前進し始めたのを感じるようになりました。

面接ラッシュ

とにかく面接の場数を踏むことで、次のより良い面接対応ができるはずだと考え、どんな企業との面接も受けようと決め、選り好みせず積極的に受けました。1週間に4つの面接 (うち1件は新幹線で遠出) といった忙しいスケジュールになる時もありました。

色いろな会社、ビジネスモデル、社風、面接官の方々とお会いできました。ひとつひとつの面接で何度も自信を激しく揺さぶられ、時には打ちのめされ、何度も自分を見つめ直し、その度に必ず立ち直りました。本当に成長できました。今の私があるためには、どの面接も欠かすことができなかったと正直に思えます。

この時期、ビジネスマナーや気遣い、気配りに関する書籍、名言集などを読み漁って自分を励まし続けました。収入はなくても週に一度はおいしいものを食べて、用がなくても市街地を出歩き、人と会い、何気ない世間話をしました。
少ないながら募金をしたり、空き缶などごみ拾いをしたり、ささやかな充実感や感謝の気持ちを失わないようにして、心身の平静を保とうとしていました。

部屋を隅ずみまで掃除し、身だしなみを完璧に整え、精一杯明るい表情と言葉を心掛けていました。身だしなみ、言葉遣い、心構えなどは、たとえ収入も肩書きもなくても、ゼロから搾り出せる、最後の武器でした。それしかなかったが、それで戦うしかない。それでまだ戦うことはできるし、何より、戦うチャンスを与えられている。あとは諦めないことだけ。だから明日も生きる気になれる、と毎朝感謝するようになりました。

面接の前には、受験企業のホームページを全ページ印刷し、赤ペンでマーキングして熟読して、志望動機を明確にし、自分の経歴がどのような分野で、具体的にどんな役に立つのか、一言でまとめておくようにしました。マーキングしたホームページは面接時に持ち込み、「この部分の記述によれば………」 といった流れで面接の中で資料として使い、熱意をアピールしました。この方法は採用担当や課長級の面接官にはある程度反応がありましたが、部長級や人事部の面接官に対しては何らかの理由でほとんど反応がありませんでした。

こちらの熱意を一方的にアピールするのはまったく効果的でなく (むしろ場合によっては逆効果で)、面接の冒頭で自己紹介と志望動機を説明したら、まず面接官に 「より具体的には、どのような人材をお求めでしょうか」 と勇気を持って質問し、面接官が挙げていく要望ひとつひとつに自分の経験を照らし合わせて実例を挙げ、役に立てることをひとつひとつアピールする、という方法が効果的だったと感じました。

また、採用されたら取り組むことになるであろう担当業務の業務フローを尋ね、「こういった業務フローの中で、この部分は経験が生かせるが、この部分は経験がなく新たに学ぶ必要がある」 と明確にすることも、特に部長級や人事部の面接官に対しては有効なようでした。

不採用だった面接では、エージェントにしつこくお願いして不採用の理由を聞き出し、次回の面接では確実に改善するようにしていました。自分の言った内容をできるだけ細部まで思い出して時系列で書き出し、決め手となったであろう発言の表現を変えるなどしました。

とはいえ、多数の面接をこなしていくうち、面接というものは結局は面接官の属人的なフィーリングで結論を出されてしまう、理不尽で非論理的な側面が拭えない、という印象を最終的に持つに至りました。

SPI対策について

言語分野は比較的、付け焼刃の勉強で得点を上げ易い分野だと思います。

非言語分野は短期間で得点を上げにくいと言われますが、問題集を一通りやってみて、苦手な分野を明確にし、その分野の問題ばかり毎日やっていれば、1週間もすれば平均並みに得点を上げることは可能だと思います。平均から突出して低い苦手分野を減らし、採否の判断材料として問題視されることを回避すること (つまり、地雷を踏まないこと) が重要だと思います。

むしろ注意するべきなのは性格判断で、うつ気質や、支離滅裂で気分屋であると判定されると、一発で不採用の根拠とされてしまう可能性があるという情報を耳にしました。
また、非言語分野で高得点を取る人は家庭教師のアルバイトをしていた大学生や、パズルやクイズが趣味の方などで、採用の判断材料とするにはややリスキーであるため、性格判断のほうが重視されるという話も耳にしました。
性格判断の対策は、「理想的な人格者になり切って回答すること」 でした。「この設問に対して、あの映画のあの俳優だったら、こう判断するだろう」 などと想像して回答することで、SPIの性格判断で不採用となる件数が減りました。

ゼロからの始まり

最終的に、想像以上の好条件でいくつかの企業から内定を得たのですが、「業務内容が希望に近いかどうか」 で、(株)エリートネットワーク様からご紹介頂いた企業を選択することを決断しました。
今振り返ると、この二度目の転職を成功裏に終えることが出来たのは、自分の努力の成果というより、幸運なご縁があったからだと正直思います。不採用で傷つくことを恐れず、とにかくできるだけたくさんの人と会い、話し、話した内容をよく思い出して、不採用理由という傷口をしっかり分析し、わが身を振り返り、心を入れ替えて、また新たに人と会う。それを繰り返していく中で、たまたま自分を受け入れてくれる採用官と出会えた。

2013年5月に着任し、あれから1年以上が経ちます。知識ゼロからのスタートとなる業務も少なくないのですが、「仕事がある」 という、神聖なまでにありがたい機会に感謝しながら、もっと自分にできることはないか、上司や同僚のために役立ちたいと考えながら、本当に充実した日々を過ごしています。
また、これからの人生で、更に業務や専門知識の幅を広げるため、色いろな資格を取得しようと燃えています。
これから転職活動される方々にも、恐れずに挑戦される中で、幸運な出会いが巡って来ることを祈っております。

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