本日現在:1223 転職体験記
No.540

34才女性、MBA取得後の転職

前職
出版・映画の企画制作会社 経営企画室
現職
上場エンタメコンテンツ企画・配給会社 経営企画
吉原 美奈 氏 / 34歳
日本女子大学 人間社会学部 現代社会学科 卒
一橋大学 大学院 商学研究科 経営学修士コース(MBA) 卒

1. はじめに

これから転職活動を始めようとしている方、また、転職活動を始めたもののご自身のキャリアに関して多くの不安や悩みをお持ちの方に向けて、私がお伝えしたいことは、以下の二つです。

第一に、「他人と比較して自分を早計に評価しないこと」 です。これまで培ってきた学歴や職歴、年齢、性別、性格などというものは、どんなに似通った環境で生きてきた人がいたとしても、自分自身とは異なるということを冷静に理解するべきだと思います。何事も、過去の事例や他人の経験に学ぼうとするのが自然な行いである一方で、自分固有の体験や感性によって獲得してきたことを決して忘れてはならないと感じるからです。その意味で、じっくりと自分自身と向き合い、これまで行ってきた学業や仕事、プライベートな時間を通じて自分が見出した価値観と、それを基礎に将来の自分がどう在ることが最も幸せだと感じるのか、ということについて掘り起こす充分な時間を作ることが重要であると考えます。

第二に、「自分では気づくことができない自分を、客観的に評価してもらうこと」 です。他人のことはよく分かるのに、自分のことはよく分からないということは、誰しも経験があることでしょう。自分では認めたくない、あるいは認識していない自分の短所や癖、逆に、自分では思いもよらなかった長所や特技、可能性に気づくことができれば、社会での自分の役割をより明確にイメージすることができ、組織においてどのような貢献ができるのかを正確に伝えることができるようになると考えます。また、自分では過去の経験と将来の夢とを語ることはできても、両者を結ぶために現実にどのようなキャリアパスがあり得るのか、その中で現在の自分にとって有利な環境はどこか、など長期的視点でこれを描くことは困難な場合が多いでしょう。客観的視点でアドバイスを得ることにより、自らの目標設定が明確になると共に、必然的に自分に合致する環境を判断することも容易になると言えます。

以上の二つは、換言すれば 「自分を知ること」 に他なりません。簡単で当たり前のことと思われるかも知れませんが、これが案外難しく時間のかかる作業なのです。更に言えば、私の知る限り、この作業が不十分な人が極めて多いことも事実です。したがって、これを愚直に行うことが、転職及びその先の人生を悔いのない価値あるものにする唯一の方法であると言っても過言ではないと考えています。

2. 私の転職体験記

私は、前職を辞めてから2年間、大学院(国内MBA)に入学し経営学を学んでいました。よって、今回の転職は、大学院を卒業し社会に戻るタイミングでの就職に当たります。修士論文がいよいよ佳境に差しかかる頃、同級生の間で転職(就職)活動に関する情報が飛び交うようになり、会話の中で挙がる複数のエージェントの一つが「エリートネットワーク」さんでした。私にとっては今回が三回目の転職であり、これまで関わった数社のエージェントの間に特段の差異を感じたことがなかったため、いわば 「どこでもいいから2〜3社に登録し、案件をもらおう」 という感覚で、複数のエージェント及びヘッドハンターに会うため面談に足を運びました。

私が(株)エリートネットワークに初めてお邪魔したのは10月下旬で、ほぼ同時期に設定した他社の面談を既に2社受けた後でした。後述するように、他社の面談で同じようなことを言われていたため、きっとまた同じことを言われるだけだろうと完全にネガティブな気持ちで臨んだことを記憶しています。
前職での、出版及び映画製作を行う会社で経営企画職に就いていた経験から、エンターテインメント業界における経営意識の欠如に深刻な問題意識を持ってMBAに入学した私にとって、エンターテインメントに関わらない仕事に就くという選択肢は、全く考えられませんでした。しかし、この業界全体が慢性的に不振な状況にあるため求人が極めて少ないという厳然たる事実が横たわり、他のエージェントは口を揃えて「戦略的に業種を広げましょう」と提案してきました。求人がないのならば当然の提案であるし、また、仕事に就けなければ本末転倒なのだから妥協するべきかも知れないと考え始め、気がつけば、私は徐々に私自身のコアな価値観を置き去りにした偽りのモノサシで重要な判断をしようとしていました。そのことに気づかされたのが、(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの杉本さんとの面談でした。

他社との決定的な違いは、「いま何ができるのか」よりも「(経験の延長線として)今後何をしたいのか」を会話から丁寧に拾い上げると同時に、私の考える人生のプライオリティを理解しようとして下さっているのが分かる、ということです。ビジネスモデル上、転職エージェントにとって転職者は商品であることに違いないのですが、他社が言う「戦略的に業種を広げる」という意味は、エージェントが転職者という商品を売るための戦略であって、それが私自身の人生戦略において有効な提案であるとは限らないのです。(株)エリートネットワークの杉本さんとの面談を通じ、私は何のためにこれまで仕事をしてきて、何のためにMBAに行って寝ずに勉強し、そして残りの人生を何のために費やしたかったのかということを改めて潜在意識の中から取り戻すことができたように思います。

結果として、3社のエージェントから20社程度の案件を頂きましたが、面談の中でそれぞれの企業とその職種について一つ一つコメントを下さったのは、(株)エリートネットワークだけであったと記憶しています。組織の特徴や風土、当該求人の職種においてどのようなスキルが求められているのかなど、やや突っ込んだ企業内部の情報も即時且つ的確に答えて下さり、自分が当該企業に入ったとしたらどのような役割を担えるのか、具体的なイメージを持つことができました。

このことは、企業へ面接に行く際の安心感につながり、余計な緊張をせずに自信を持って臨むための大きな助けになりました。また、企業の面接を終了した直後にすぐに面接の内容をお伝えすることによって、タイムラグなく企業側へフォローを入れて下さるため、現在の転職先の場合には、一次から三次面接を経て内定を頂くまで、約3週間という早いスピードで結果を出すことができました。これも全て、私という人間を深く理解し、本当にフィットする求人案件を丁寧に選定して必要なサポートを適時に行って下さったからこその結果であろうと思います。

しかしその後も、翌年4月の入社まで十分な時間があり、選択肢を増やしたいとの思いから転職活動を継続していました。必ずしもエージェントからの案件だけでなく、仕事から離れていた2年間のリハビリも兼ね、友人や知人を介して多くの方とお話しする機会を持ちました。そんな中、ある友人からベンチャーへのお誘いを頂き、職務内容も私にとって魅力的なものであったことから具体的な話を伺ったところ、前職の年収を大幅に越える金額の提示がありました。正直、大きく心が揺れ、その状況を(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの杉本さんにお伝えしました。杉本さんがベンチャーへの転職を止めるであろうことは当然に分かっていたのですが、少なくとも仕事面に関する私の経験や価値観を理解して下さっていることへの信頼があったため、自分が後悔しない決断をするために、杉本さんのアドバイスを聞きたいと考えたのです。

この時に、杉本さんからいくつかの問い掛けがあり、モヤモヤと霧がかかった頭の中が、一つ一つの問いに応える過程で徐々に整理されていくのを感じました。例えば、「年収が同じだったとしたらどちらに行きたいか」 といった、“迷いの本当の原因は何か”を明らかにするための質問だったと記憶しています。そして最後に、「吉原さんのキャリアにとって、もし次の転職があるとしたら、いまここで上場企業の経営企画をやることが将来の選択肢を増やすことになると思う。」 「ベンチャーの提示する金額は、いくつもの見えないリスクを買うということになるかも知れない。」 「MBAでの2年間、仕事から遠ざかっていたことを考えれば、仕事の感覚を取り戻しつつ、徐々に成果を出して行くことが、最も理想的なのではないか。その意味で、内定企業の提示金額は前職と同等であり、同時にそれは入口の金額に過ぎない。」 という趣旨のアドバイスを頂きました。

私の過去から現在、近い将来、そしてその先の未来を線で繋ぎ、想定される状況を加味した極めて的確なアドバイスだったと思います。私のことを客観的な視点で深く理解し、判断に重要なエッセンスを加えて下さったことに、心から感謝しています。この電話を切った時には、全ての迷いが説明可能なまでに腑に落ちていました。結果として私は、現在の転職先に一点の迷いも持ち込まずに入社することができました。

3. おわりに

個人差があるとはいえ、転職活動中の不安定な精神状態を長引かせることは、仕事への自信や意欲を奪っていくものです。自分でできる努力は当然やるべきことですが、今回の転職活動を通じて、自分が最もよく理解しているはずの自分について語るために、公平で強力なサポーターの存在がこれほどまでに重要であるということに初めて気がつきました。
冒頭に述べた 「自分を知ること」 を効率的且つ的確に行うためには、自分を鏡に映すが如く、他人に映る自分の姿をも受け入れ、知る必要があるのだと思います。私とって(株)エリートネットワークの杉本さんは、大変素晴らしいプロの “鏡” でした。この場をお借りして、改めて御礼を申し上げます。

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