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特殊法人から、医療法人への転職

特殊法人から、医療法人への転職

No.472
  • 現職

    大手医療法人  経理・財務部

  • 前職

    インフラ系特殊法人  経営企画部

外山 伸介 氏 38歳 / 男性

学歴:早稲田大学 政治経済学部 政治学科 卒
一橋大学大学院 商学研究科 修士課程 経営学修士コース 修了
中小企業診断士

内定まで約5カ月を要した38歳で初めての転職活動は、試行錯誤の繰り返しでした。しかしながら、(株)エリートネットワーク様からの定期的なアドバイスによって、大きな方向性の変更や安直な転職に至ることなく、非常に充実したものになったと実感しています。以下、時系列で転職活動の経緯を記載致します。

転職に至った経緯

私が初めての転職することとなった理由は、14年間勤めていた会社を退職し進学した、経営関係の大学院を修了したためです。
大学院入学前に勤めていた会社は、インフラ系の特殊法人でした。大学卒業時、公共性の高い仕事に携わりたいと考えていた私は、採用人数が少なく様々な仕事に携わることができる、という点にも魅力を感じ、同社への入社を決めました。入社後は、管理部門のみではありましたが、私が想像していた以上に、多様な業務を経験することができました。まずは、経理・財務部門からスタートし、人事部門を経て、後半の7年間は経営企画部門の業務に従事しました。
また、私の経営企画部門在籍期間は、ちょうど同社が株式会社化を進めた時期と重なったため、新しい業務にも数多く挑戦させて頂くこととなりました。ただしそうした経験は、自分の仕事観を形成する良い機会であった反面、経営管理業務に関する能力や知識不足や、自社を取り巻く環境に対する無知を、痛感させられるものでもありました。そうした思いを解消するために選んだ手段が、企業経営に関連する何らかの公的資格を取得することと、大学院に進学し自らの経験を理論的に裏付けること、の二つでした。
もちろん、大学院の修了に併せて到来する転職活動が厳しいものとなることは、退職時点でも十分に想像できました。そう考えた理由としては、次の三点が挙げられます。
(1)大学院修了時には38歳となり、転職は相当厳しい年齢となっていること
(2)特殊法人という、まさに特殊な環境での就業経験しかないこと
(3)周囲に転職経験者がほとんどおらず、転職に関するノウハウがないこと
振り返れば、私が危惧していたこれらの課題を、(株)エリートネットワーク様に解決して頂いた転職活動だったと言えます。

転職活動の流れ

本格的な就職活動を開始したのは、大学院の修了を控えた2月上旬となりました。当時は、取得していた資格を活用して業務を受託していたこともあり、そうした仕事をしながら数か月で決まれば良いか、というくらいの気持ちでおりました。なお私は、転職活動を通じて、何らかの理由でこちらからアクセスさせて頂いた会社4社に加えて、スカウトして頂いた会社10社、大手人材紹介会社3社、計17社の皆様にお世話になりました。
これらの会社様のうち、転職活動を始めるにあたり最初にお世話になったのが、(株)エリートネットワーク様を含む1番目のグループでした。(株)エリートネットワーク様を含む2社は大学院の同期生の推薦、その他の二社は、経営企画関連業務に関する紹介会社を検索し、登録致しました。(株)エリートネットワーク様への登録後、すぐに転職カウンセラーの高橋様よりご連絡があり、カウンセリングをして頂きました。

ところで、私が転職に際して重視したポイントは、主にニ点ありました。
一点目は、前職や大学院での経験を通して培った知識やスキルを、十分に発揮すると共に、長期的に高めることができる仕事に従事することでした。つまり、それまでに取り組んできた経営企画等管理部門の領域で仕事をすることはもちろんのこと、単純にそれまでの仕事の焼き直しではなく、派生的な分野にも挑戦できるような仕事を探したい、と考えておりました。
二点目は、もちろん主観的な判断にはなりますが、事業そのものに、ビジネスマンとして残りの人生を費やすに相応しい魅力が備わっていることでした。また可能であれば、前職との一貫性がとれるような領域、例えば公共性の高い事業やインフラに関する分野などで、力を発揮することができれば、と考えておりました。

ただし当初は、前述のように転職活動は厳しいものと考えていたこともあり、自分がこれらのポイントを重視していたとしても、市場にそれに適う案件がなければ意味がないとも考えておりました。そのため、最初のカウンセリングでは、この二点を意識しながらも、「希望の業界については幅広く考えています」などと抽象的な希望を述べることとなりました。こうした発言に対して、カウンセリングをして頂いた高橋様から、自らの個性やキャリアプランを踏まえてきちんと絞り込まなければならないことを、諭して頂いたのが印象的でした。また、そうした個性や、企業との相性を考慮して、適切な案件を紹介できるのが(株)エリートネットワーク様の強みであるというご説明を頂き、力強く感じたことを記憶しております。
しかしながら、その他の会社様も含めて、しばらくの間はあまり案件のご紹介を頂くこともできず、改めて自分の市場価値の低さを実感することとなりました。更に、当初登録した他の会社様では一様に、「最近は経営企画関連の求人はあまり無い」といった主旨のご説明を頂き、認識の甘さを痛感しました。

そうした状況に対する打開策として私は、3月中盤より、大手の人材紹介会社様やスカウトへの登録を試みました。その結果、4月から5月の上旬にかけて、かなりの数の案件を紹介して頂き、多少安堵することができました。
紹介して頂いた案件は、いずれも経営企画関連の職種を中心に、メーカーや商社から、サービス業、IT関係まで様々な業種に渡っておりました。当時は、知らないところに自分に合った業界があるのではないかという考えや、早く就職先を確保したいとの思いから、対象の業種が必ずしも希望に沿ったものではなくても、幅広く応募することを第一に考えました。そうした方針に基づいて、ご紹介頂いた案件には極力応募致しましたが、当然のことながら、書類の通過率は低迷を続けました。また、書類を通して頂いたケースでも、その後の面接はなかなか順調には進みませんでした。

もちろん面接に際しては、企業研究にも力を入れ、実際に働くことを想定して準備もしました。また、他社主催のセミナー等にもいくつか参加するなど、それなりの努力を払ったつもりです。その結果、面接の回数を経るに従って、自分の経験やスキル等をアピールすることは、次第に上手くなっていったと考えています。しかし、それぞれの会社への就業に対する熱意を、なかなか適切に伝えることができなかったことが、失敗の大きな要因であったと考えています。対象の業種を絞り込めず、幅を広げ過ぎたことが、そうした結果を招いたものと反省しています。
しかしながらこれらの経験は、初めての転職活動を行う私にとって、決して無駄なものではなかったとも感じてもおります。なぜならば、多様な業界を対象に、自身がその場で働くことを真剣に考えることができたからです。それぞれの業界で長期的に働いた場合、どのようなことが起こるのか。そうしたことを想像して見ることは、大学院でのケーススタディなどとは異なる面白さもあり、短期間で色々と勉強することができたと考えております。

ただし、そのように呑気に活動の幅を広げられたのは、キャリアプランに十分に配慮された案件を、高橋様より定期的にご紹介頂いていたからでもあります。結果的に当時ご紹介頂いた企業様とは御縁がありませんでしたが、私の適性を踏まえた案件を継続的にご紹介して頂いたことが、転職活動の安心感を高めることに繋がっておりました。

こうした大変ながらも楽しい転職活動は、5月後半に入る頃になると転機を迎えることとなりました。
そのきっかけの一つは、志望度合いのかなり高かった企業の最終面接に失敗したことです。この会社は、他の紹介会社様よりご紹介頂いたものでしたが、自分の希望する業務内容に極めて近かったことに加えて、企業規模が比較的小さいことや若い会社であったことから、幅広く活躍することができるのではないかと考えておりました。また、転職活動も3カ月を迎えておりましたので、十分活動したしそろそろ終わりにしても良いのでは、などという安直な考えも持っていました。しかし、かなり入念な準備をして行ったにも拘らず、同社の社長様には私の熱意を伝えることはできず、残念な結果となりました。

ここにきて、既に数多くの案件に応募させて頂いていたこともあり、もはや市場には採用して頂ける案件はないのではないか、という危機感がようやく生じて参りました。他方、その頃までに、最大4つの紹介会社様からご紹介を受けた案件があり、企業側も相当入念に採用を行っているという、当然のことに気付くこととなります。
これらの経験から、多少興味がある程度で応募して採用されるほど、転職活動は甘いものではないということを再認識致しました。その反面、自分のキャリアによりフィットした企業に出会うことができれば、その時こそ採用して頂けるだろう、という当たり前のことを実感致しました。このことは、転職カウンセラーの高橋様が当初より強調されていたことであり、その点を擦り合わせることなくして就職は不可能であるということを、時間を要して学んだこととなります。

こうして案件を拡大する路線を修正した私は、5月後半以降、他の紹介会社様からご紹介頂く新規案件に応募することを止め、高橋様よりご紹介頂いた案件のみ応募することと致しました。高橋様からは、その都度事業内容や企業風土等を丁寧にご説明頂いたため、納得感をもって応募することができました。面接に進ませて頂いても、そうした経緯を踏まえての応募であるため、徐々に自らの熱意や考えを、それぞれの企業に併せて適切に伝えることができるようになり、面接の手ごたえは確実に良くなってきたと感じられるようになりました。
しかしながら、そうした会社様からも結果的に良いお話は頂けず、先の見えない状態が継続します。また、多数の案件に応募してきたことが災いとなり、高橋様からご紹介頂いた案件に既に応募済み、という残念な状況も発生するようになりました。更に、転職活動そのものも、時々スカウトして頂いた紹介会社様を訪問する程度となり、密度が薄くなって参りました。その結果、離職期間が長くなってきたこともあり、常に焦りを感じる状態になっていました。
私の状況に対して、高橋様からは、そう簡単に転職活動は終わらないこと、ここまできたら開き直ること、安直な転職をしないこと、といった主旨の励ましのお言葉を頻繁に頂くようになりました。転職者のメンタル面にも配慮したそうしたお言葉の御陰で、最後まで、自分の希望を大切にした転職活動を続けることができたと感じています。

転職活動を始めて5カ月を経過した7月中旬、東海地区を本拠地とする医療法人様より、経理・財務職として採用して頂くこととなりました。
業務内容は、経理・財務の領域を基本とし、長期的には事業の拡大等に伴って発生する新たな業務にも挑戦できる、という理想的な内容でした。また、経営層の方々と近いところで働ける可能性も高く、その点にも大きな魅力を感じました。更に、医療という公共性の高い領域において、活躍の機会を与えて頂くこととなったことにも非常に満足しています。この仕事であれば、これまで形成したキャリアを活かすと共に、今後自分も成長していけるのではないか、と感じています。
当該業務に関するこうした特徴は、私が転職活動において重視していたポイントにまさしく合致するものでした。この案件でどうしても結果を出したかった私は、志望動機を再度整理し、高橋様にアドバイスをお願い致しました。休日にも拘らず、長時間アドバイスを頂いた御陰で、自信を持って面接に臨むことができ、結果を出すことができたと考えております。

一つだけ想定外だったことと言えば、東海地区で就職することとなった点です。出身地が関東である私にとっては、将来は色々と対処しなければならないことが生じる可能性もあります。また、この時迄には、他の紹介会社様のご紹介で東京でのお仕事の内定も頂いておりましたので、当初は多少悩むところもありました。そうした悩みはあったものの、東海地区の市場の特徴や、今後のキャリア形成を考えた上でのアドバイスを、懇切丁寧にご指導頂いた御陰で、最終的には、迷いなく決断することができました。

まとめ

冒頭、他の紹介会社様からは、「最近は経営企画関連の求人はあまり無い」といった主旨のご説明を頂いたことを記載しました。振り返れば、最初のカウンセリングの時に、当然高橋様もそうお考えになっていたことと思います。それにも拘らず、そうしたネガティブな情報を直接的に伝えることなく、必ずしも経営企画という名称の求人ではなくても、私のキャリア形成に配慮した案件を、提案し続けて下さいました。そうしたプロセスを経る中で、自分が本当に取り組みたい業務や、関わりたい事業を、次第に明確にさせて頂くことができたと考えています。

余談となりますが、当初私は、経営企画等管理部門の職種の他にコンサルティング職も志望しておりました。当該分野においても、それまでの経験を活かすことができるのではないか、と考えていたためです。ただし、私の年齢を考えれば、そうした分野への転職は困難であることも、それなりに認識はしておりました。多くの紹介会社様では、そうした私の懸念のとおり、コンサルティング職への転職は難しいということで終わってしまいましたが、高橋様からはその分野においても案件をご紹介頂き、面接をさせて頂くこともできました。そうした経験をさせて頂いたことも、管理部門の職種に対する志望度合いを、より高めることに繋がりました。

以上のように私は、初めての転職活動で試行錯誤を繰り返すこととなり、それなりに厳しい経験もして参りました。しかしながら、この過程の中で、自分が本当にやりたい仕事や、その仕事を通して長期的に実現したいことは何なのか、ということについて、深く考えることができました。結果的には、短期間で転職に成功するよりも、私にとっては、多くのことを学べる有意義な機会となりました。私のキャリアに十分配慮した案件を定期的にご紹介頂くのみならず、親身にアドバイスを続けて頂いた(株)エリートネットワーク様の存在があったからこそ、このように満足のいく転職活動ができたと考えております。

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