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第二新卒、人事の転職

第二新卒、人事の転職

No.362
  • 現職

    上場インターネットサービス会社  人事部

  • 前職

    東証一部上場 不動産デベロッパー  人事部

田中 雄三 氏 26歳 / 男性

学歴:慶応義塾大学 経済学部 卒
TOEIC825点

■ 転職活動開始の経緯

私は新卒で東証1部上場の不動産企業に入社し、約半年間営業を経験した後、人事部に異動となりました。人事部では、新卒採用や給与計算、福利厚生制度の導入、評価制度の改定など、2年弱の間に幅広く人事業務を経験することができ、自分としては仕事にやり甲斐を感じていました。そんな矢先、転職のきっかけは突然訪れました。サブプライム問題等の影響を受け、会社が民事再生法の申請を行ったのです。青天の霹靂とはまさにこのこと。まったく何の準備もできていないままに、私の転職活動は始まりました。

■ (株)エリートネットワークさんとの出会い

一般的に転職活動は上司には秘密裏に行うものかもしれませんが、私の場合は状況が状況だけに、今後のキャリアについてなど色々と上司に相談をしていました。そんな中上司から紹介されたのが(株)エリートネットワークの転職カウンセラー、高橋さんでした。


高橋さんとの最初の面談は今でも鮮明に記憶に残っています。会話の中から私が人事の仕事に対して一部分のイメージしか持っていないことを汲み取り、案件紹介はほとんどせずに、面談時間の大半を使って、メーカーでの工場労務の話や労使交渉など、「実際の人事の仕事」とはなんたるかを事細かに教えて下さったからです。この最初の面談により、私は仕事のイメージが掴め、業界選びや、人事としてどういった仕事に関わっていきたいかをより深く考えることができました。そして2回目の面談の際に「若うちから任される風土のある会社」、「人事の業務を幅広く経験でき、ゆくゆくは経営に携われる会社」など自分の意向を伝え、それを基に案件を紹介して頂きました。

■ いざ面接開始、現実を知る

ご紹介頂いた企業の中から、興味のあった企業十数社にエントリーし、実際に3社の面接に進むことができました。有名ゲーム会社、東証一部上場IT企業、有名携帯サービス会社と、どの会社も私の選社軸に合致しており、非常に魅力的な会社でした。さらに面接はトントン拍子に進み、2社で最終面接を終え、1社が次回最終という状況でした。その時私は「この3社のどこかに決まるだろう」と思っていました。しかし、結果は最終面接を終えた2社ともに不合格、もう1社は管理部門の採用がストップしてしまったとのこと。「世の中そんなに甘いもんじゃないよ」言わんがばかりの結果に、会社破綻の時と同等、いや、それ以上のショックを受けました。そして再度仕切り直しで数社エントリーし、面接に進みましたが、その中の企業でも、また最終面接前で管理部門の採用がストップされてしまったのです。最初に転職活動を開始した10月から2か月が経ち、市況は確実に厳しいものになっていました。応募先は、決して業績が悪化していた企業ではなかっただけに、私も焦りや不安から、「もしかしたらこのままどこからも内定はもらえないんじゃないだろうか」とさえ思うようになりました。


そんな時、転職カウンセラーの高橋さんから重要なアドバイスを頂きました。正確な言い回しかは定かではありませんが、「このような経済状況だからこそ、企業は採用に消極的になっていて、少しでも迷うと不合格にしてしまうのは事実です。ただ迷わせたのはあなたが熱意を伝え切れなかったからではないですか?」というような内容でした。確かに私は初めての転職活動で面接も難なく最終まで進み、気付かないうちに謙虚さに欠けていたのかもしれません。そして、それが知らず知らずのうちに言動に出て不合格という結果に至ったとも考えられます。


このアドバイスを頂いた以降の面接からは「人事としてこの会社をどうしていきたいか」など「想い」の部分を熱く語るように気をつけるようにしました。すると、IT系ベンチャー企業と企業向けソフトウェアメーカーの2社から内定を頂くことができました。

■ 内定承諾の決め手

内定を頂いた会社は、どちらも人事スタッフのポジションでしたが、ソフトウェアメーカーの方が社員数、設立年数、売上高など、いずれをとっても規模が大きく、処遇面でも提示年収が30%程高く、非常に好条件で魅力的でした。人事部のメンバーも経験豊富な方が多く、一緒に働くことで成長につながると思いましたし、非常に悩んだのですが、私はIT系ベンチャー企業を選びました。


その決め手となったのは、「給与より誰と何がやれるかどうか」です。具体的に言うと、「選考ステップで会った社員と役員が魅力的で、一緒に働きたいと思えたかどうか」、「今まで経験してきたことを活かせる会社だと思えたかどうか」、「経営に近い立場で仕事ができるかどうか」といったことを比較しました。もちろんベンチャー企業ゆえの不安な部分は当然ありますし、経営破綻は二度と御免だとも思っています。しかし、ベンチャー企業故に経営者との距離の近さや仕事の裁量の大きさなど、魅力も多いですし、最終的にはそこに惹かれました。

■ 最後に

このような厳しい市況の中で、経験が浅いにも拘らず希望どおり人事の仕事に就くことができ、とても嬉しく思っています。転職先ではこの転職活動を通じて学んだ「謙虚さ」と「熱意」を忘れずに頑張って参ります。


転職カウンセラーの高橋さんには、約半年という長い間ご協力頂きまして、本当にありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。

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