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海外出向中の転職活動

海外出向中の転職活動

No.267
  • 現職

    一部上場 大手半導体・光学部品メーカー 
    海外現地法人 統括管理責任者

  • 前職

    一部上場 大手電気メーカー 
    香港法人 事業管理責任者

篠塚 巧 氏 38歳 / 男性

学歴:専修大学 経済学部 卒

私は某電気メーカーに14年間勤務しておりました。2003年10月に発生した新潟地震が発端とは思いませんが、それ以降会社の業績は著しく悪化していきました。その中で当然のごとく「リストラ」という業績回復を目的とした大量解雇を目の当たりにしてきました。その中には労使双方の合意とは思えないような手法で退職に追い込まれた身近な先輩の姿がありました。
地震後の業績悪化は販売不振が大きな要因と思われますが、当時は何とか復活できる日が来るまで、全員で頑張っていこうと考えておりました。V字回復をするためには、経営トップ、それを支える組織上層部の方々が現在の制度を壊し、今までとは違うビジネスモデルの構想を持ち、我々に今後向かうべき方向性を明確にしたうえで、徐々に制度を変えていって欲しいと願っていましたが、残念ながらそれを感じることができなかったのです。地震後、私は(私のみではなく他の従業員も)、会社が今後どこに向かうべきなのか判らないままで不安な時間を過ごすことに嫌気がさしたのです。
効果を生むとは思えない無駄な資料作成による長時間労働、プレッシャー、過去のリストラで見せた会社の人を大切にしない姿勢、更に大幅な給料カット。私だけではなく家族も将来に不安を抱き始めたことが転職の動機でした。

今回の転職活動で通常のケースと若干異なる点があるとすれば、日本にいなかったこと。東南アジアの関係会社での勤務のため、独自で細やかな転職活動がしにくい状況でした。何度かインターネット等を利用し活動を試みましたが、試験日が連絡されると現実的にその試験のために帰国できない現実に直面しました。もし帰国すれば自費で多額の費用がかかるために、よほど効率の良い転職活動をしていかなければならないということに気づきました。検討の結果、人材紹介会社を介して活動を進めることに決めました。特に?エリートネットワークに決めた理由は、同じ会社で勤務していた同期の友人が1年前にここを通じて転職しており、その際非常に細やかな対応をして頂いたことで、現在、とても環境の良い職場に勤務できたということを私に話してくれたことがあったので、友人を通じ担当の転職カウンセラーの杉本さんを紹介して頂いたのです。
私が面談を通して一番相談したかったことは、海外で勤務していて一体いつ退職・転職するのが一番適切なのか?ということでした。4月帰国見込という中途半端な状態で転職活動をしてもうまくいくのか?帰国見込の状態で面接をして、転職先への勤務開始時期をどうやって決めるのか?面接から転職までの期間を長くすれば、もし面接に合格しても不採用になるのではないか?今の会社を本当に円満退社できるのか・・・・・等、多くの悩みを抱えていました。
こんなに沢山の障害があるなら、帰国してから転職活動をした方が楽じゃないの?ということについていつも葛藤しており、なかなか答えを出すことができなかったのです。沢山の転職ケースを知り尽くしているプロに相談するのが一番ベストであると考えました。
担当の転職カウンセラーの杉本さんは私の考えを聞いてくれた上で、今転職活動をしても現在の置かれた状況、時期等を含めて難しい点もあるので、帰国がはっきりした頃に具体的に活動を進めて行きましょうというアドバイスをしてくれました。そして紹介先企業の情報や詳細な情報等はメールでやり取りをすることを提案してくれました。
面接後、今まで気になっていたことが一部解消され、少しすっきりとした気持ちになりました。ここから私の転職活動は始まりました。自分自身の中で帰国予定日を4月と定め、帰国までの残りの約9ヶ月で、私が帰国しても現地社員のみで業務が遂行できるように準備を進めることをこの時決意したのです。

私の本格的な転職活動は2007年1月にスタートしました。(海外の)現地では2月に長期の休暇があったのでこの期間を利用して転職活動を進めることにしました。そのために事前に飛行機のチケットを予約するためにも、何社かの面接予約を入れるために担当カウンセラーの杉本さんへメールで連絡しました。私は個人的に転職したいと思う企業が1社あり、その企業の紹介と他の製造業で将来有望な企業を紹介して頂けるようにお願い致しました。
6〜7社の紹介企業のリストが数日後にはメールで送られてきました。その中から私の志望する企業と他2社、計3社を選択し、2月の帰国中に面接を受けることが可能か否かの確認をお願い致しました。その内2社の面接が可能であるとの連絡が早々にきました。私はこの時点で頭の中ではぼんやりと転職の動機や志望動機、自分のやってきた成果等を考えていたのですが、十分な準備をしていなかったために、面接用の履歴書、職務履歴書の提出を依頼された時、初めて今までの自分のやってきたことや何故自分が転職しようと考えたのか等を今まで以上に真剣に考え、自分の考えを改めて整理しました。

「就職面接」という言葉は久しく聞いてなかったので、自分の中では久し振りにドキドキしたものでした。1週間程度の日本滞在期間中に1日1社ずつの面接でしたので決して無理のない日程ではありましたが、自分の中では予想以上に辛く感じる日程でもありました。今回の面接で失敗したら、帰国後に改めて転職活動しなければならないというプレッシャーや不安があったためにこのように感じたのかも知れません。
面接では思った以上に緊張していました。面接に必要な内容を頭の中に詰め込んでいるので余計、緊張した面持ちになっていたのでしょう。それを知ってか面接官の方は世間話的な内容から会話を始め、私を少しリラックスさせてくれました。その後は通常どおりにいずれの会社からも転職の動機、志望動機、今までの業務内容・成果、会社に入ってからやりたいこと等を1時間程度かけて質問されました。できるだけ自分らしさを大切にしながら相手に判り易く伝わるように誠意をもって回答しました。
しかし、必ず面接官の方からは海外勤務していることから「本当に4月に帰国できるのか」ということを聞かれました。実は2月の時点でもまだ4月の帰国ということが確定していなかったので、面接ではっきりと「はい。大丈夫です。」とは言い切れない状況でした。そのため面接では「大丈夫だと思います。」と答えるのが精一杯でした。また、同時に転職の時期について質問されてもできるだけ先延ばしできるように「5月末から6月頃で考えています」という曖昧な回答しかできないので、面接官の印象は決して良くなかったと自分の中では考えておりました。
面接の結果があまり良くないことを気にしながら、筆記試験・適正試験を終え全ての面接を終了した時には決してすっきりとしたものではありませんでした。面接の内容もそうですが、通常1次面接の後合格であれば、2次面接に進みます。もし、1次で合格した場合は再び日本に来ることを考えると少し気が重くなりました。
第一志望企業の面接終了後の翌日には人事担当者の方から連絡を頂き、日本を離れる前に何とか2次面接をしたいという連絡を頂いた時は、正直嬉しく思いました。しかし、もう日程はなく面接はフライト前の限られた時間の中で行って頂きました。2次面接では1次面接よりもリラックスすることができました。もう、開き直っていたという感じでした。1次面接での筆記試験の結果や適正試験の結果による性格分析を踏まえ、何点か質問され、その後は、過去の成果を中心とした質問に回答し、面接は無事終了しました。このような感じで第1回転職活動を終了し、その午後、日本を離れました。
2次試験の結果は面接の2週間後くらいにメールで頂きました。第一志望の会社から、内内定を頂くことができました。この連絡は私にとって非常に嬉しくもありましたが、どうやって日本へ帰国するか、いつ帰国できるか等、問題もこの時点では山のようにありました。

そして今、お陰で新しい会社で新たな気持ちで働いております。当然、海外から日本に帰国し、前の会社とも円満な状態で退職することができました。今回海外出向中の状態での転職活動でしたので、転職に至るまで沢山の問題がありました。でも、自分を信じて着実に前に進むことでこれらの問題は一つずつクリアされるということが判りましたし、悩んでいる時には、家族や友人の支えが一番心強く感じました。
転職した結果が必ず良いものになるとは限りません。自分自身が後悔するのであれば、最初から転職はしない方が良いかも知れません。後悔しないためにも自分が何故この会社を選んだのか、この会社でどんなことをやりたいのかをもう一度良く考えて、整理してみて下さい。
今回の転職で色々なアドバイスをしてくれた?エリートネットワークの担当の転職カウンセラーの杉本さんには本当に感謝しています。本当にありがとうございました。

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