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未上場モビリティデータスタートアップの事業推進から、財閥系総合商社のDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略室プロジェクトマネジャーへ

未上場モビリティデータスタートアップの事業推進から、財閥系総合商社のDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略室プロジェクトマネジャーへ

No.1240
  • 現職

    財閥系 総合商社 デジタル戦略部 デジタルインフラジェネラリスト

  • 前職

    一部上場 大手SIer AI&IoT事業部 法人営業職
    未上場モビリティデータスタートアップ 事業推進

山地 裕一郎 氏 33歳 / 男性

学歴:愛知県立 岡崎高等学校 卒
慶應義塾大学 商学部 商学科 卒
基本情報技術者
応用情報技術者
TOEIC 890点
TSST レベル5
商用簿記3級
一般社団法人日本ディープラーニング協会 G検定

1    新卒での就職の時の志や志向

学生時代は商学部で経営学を専攻していました。2010年に卒業したのですが、就職活動時はリーマンショックの発生により、前年までの売り手市場に対してちょうど就職氷河期に入ったタイミングでした。そのため、先輩たちの就職活動の話はあまり役には立たず、「自分は社会に出て何がしたいのか?」を改めて真摯に見つめ直す時間を多く取り、本当に行きたい業界や企業をできるだけ絞って狭く深く企業研究をしました。

私は「社会に何かインパクトを与えることができるようなものづくりに携わりたい」という想いが強かったのですが、文系であったためメーカーなどに就職しても自身が直接ものづくりに携わることは難しかったので、IT会社にてシステムエンジニアとなる道を目指しました。そのため、できるだけ大手のシステムインテグレーター(SIer)に絞って選考を受けていました。ただ、学生時代に何かプログラミングの経験があったわけではなく、新しいIT製品や技術には興味を持っているという程度でした。

2    今までの担当業務や実務経験、体得したスキル

希望が叶ってSIerに入社はできましたが、実際は1年目から営業部門に配属となり、その後は営業を中心としたキャリアを歩んできました。
1社目には約10年間在籍し、データセンター/クラウド、AI/IoTの営業、及び営業企画を中心に担当してきました。その間に海外での新規サービス立ち上げメンバーとして海外駐在の機会もいただくことができました。営業とは言いつつも所掌範囲は非常に幅広く、提案にあたり開発メンバーを巻き込んで提案内容の企画や体制の構築をしたり、サービスの契約書を作成、受注後のプロジェクトにも同席をしていました。この経験を通じてコミュニケーション力や人を巻き込む力、ITサービスのプロセスやグローバルビジネスのナレッジについて得ることができました。

2社目はITのスタートアップ企業に転職をし、初となる海外拠点の立ち上げ、及び、日本で提供しているサービスをベースに現地で事業開発をする、というポジションに就きました。日本では既にサービス提供体制が整っていましたが、海外では0からスタートだったため、現地での認証資格を取ったり、現地の弁護士事務所に相談して利用規約を作成したり、現地のニーズに合わせたサービスのローカライゼーションなど、必要となるあらゆることを自分で調べたり考えたりしながら実施をしました。

結果的にSEにならなかったので、プログラミングの深い知識が身についたわけではありませんが、営業職として幅広い業務に携わることでビジネスを俯瞰的に、広い視野で見られるようになったと思います。また、お客様と会話するためには営業職でも幅広いITの知識が必要となるので、概念的な部分を理解して話ができるようなレベルにはなったかと思います。

本当にプログラミングの知識を身につけたければ、独学でも勉強できますし(実際、前職の業務に関する部分は独学でプログラミングの練習などもしていました)、結果的には営業職メインで幅広い視点を持つことができたことはよかったと思っています。

3    転職するに至った背景やきっかけ

今回の転職はコロナウィルスが大きく影響しました。

前職のITのスタートアップ企業では、海外拠点の立ち上げメンバーとして2020年3月から現地に赴任する予定でしたが、ちょうどコロナウィルスが全世界で広がり始めるタイミングと被ってしまいました。3月に引越しのために現地へ入り、ホテルで2週間のセルフ隔離が終わってコンドミニアムに入居することができる、というタイミングで「その翌々日からロックダウンを開始する」と急遽政府よりアナウンスがありました。VISAを取得前で、引っ越し業者も利用せず、最低限の衣服を持ってスーツケース一つで移って来たため、最低限の食料だけは買い出しに行ったのですが、今後どのようになるのか不安でしょうがなかったです。

結局本社から、今後どのようになるかわからないため帰国するよう指示が出たため、ようやく引っ越せた自宅へ衣類だけ置き、家はそのままにロックダウン発令後2日程度で日本に帰国しました。帰りに現地の空港へ向かうにあたり、タクシーなども走っているかわからなかったので、予定よりもかなり早めに出発しました。空港内はレストランなどのショップは既にほぼ営業をしておらず、閑散とした異様な雰囲気の中で長い時間待機した上で帰国をしました。日本国内は今ほど規制も厳しくなかったため、サーモグラフィーによる検査のみでそのまま帰宅をすることができました。

結局その後は再度入国する目処が立つこともなく、日本から現地のメンバーの支援や、日本側の業務の支援を行ないました。ただ、元々は現地で生活をしながら現地のニーズに沿ったサービスを開発し、現地の利便性向上に貢献をしたいと考えていたため、このままでは当初の想いを実現することが難しいと感じ、再度転職を決意しました。また、今回は自社のサービスや業界に強い思い入れがあったわけではなく「海外駐在でサービスの開発をできるポジション」に大きな魅力を感じたことも転職を決意する大きな理由となりました。結果的には、会社に短期間で退職をして迷惑をかけることになってしまい、大変申し訳なく思っております。 

4    転職にあたり譲れなかった点、従来のこだわりを捨てた点

2社目でスタートアップを経験したことで、転職活動中に「志望するスタートアップが、今後本当に大きくなる見込みがあるか?」を見極めるのが如何に難しいかということは痛感しました。面接の最中は良い部分しか見えないですし、財務情報なども公開されていないので事前に詳細な情報を把握することは難しいです。私自身は将来的なIPOを目論んでスタートアップに入社したわけではなく、海外での事業開発経験を積みたくて入社したので「もしダメだったらまた転職すればいいや」ぐらいの軽い気持ちで転職を決めました。ですが、やはり自分のイメージと会社の実態が大きく異なる部分もあったので、場合によってはモチベーションを維持するのが難しいケースも出てくるだろうと感じました。そのため、今回は既に上場をしている会社に絞って転職活動を実施しました。

実は、当初は大企業ではなくよりスピーディーに裁量を持って働けるスタートアップで、と考えていましたが、それはスタートアップだからそのように働けるのではなく、組織や部署の文化、さらには自分の心掛け次第だということにも気づくことができました。スタートアップでも、部署やチームによっては縦割りの組織はありますし、何か物事を進めていくにあたっては多かれ少なかれある壁を乗り越え、如何に自分がやりたいことに他の人を巻き込みながら実現していくか、が重要だと感じました。そのため、今回の転職活動では大手企業も含めて積極的に選考を受けていました。

加えて、一度駐在をした経験を活かして再度海外での業務を経験したいと考えていましたが、コロナ禍ではあらゆるビジネスで実際に現地へ赴く機会も減ると考え、勤務地は日本としつつ、グローバルのビジネスにも関わるチャンスがあり、私の今まで経験してきた営業力や企画力が活かせる「デジタルを活用したビジネス」という軸で求人を探していました。

5    転職活動を通じての気づきや学び

最初は何社かの転職サイトに登録をして、エージェントの方たちに転職市場の状況や今後のキャリアについて相談をしました。タイミング的には各企業の採用活動も再開されてきたということだったので、気になった企業については応募の上、選考に進んでいました。ただ、どのエージェントも同じような企業を提案してきて、しかもあまりピンとくる企業はなく「本気で行きたい」というよりは、面接の練習や各企業の状況のヒアリングも兼ねて、という意味合いが強かったです。

そのような活動中に、エリートネットワークの転職カウンセラーの篠原さんからもご連絡をいただきました。最初の面談で、他のエージェントが電話のみで顔が見えないままお話しすることが多かった中、Zoomでの面談を設定いただき、きちんと顔を見た上でお話することができました。こちらの現状や経緯、希望などをお伝えした上で求人案件をご紹介いただいたのですが、ご提案の数が非常に多く、他のエージェントからは1度も紹介されたことのない企業が多数含まれておりました。それでも、どの求人も私の希望をきちんと把握して提示をいただいたものばかりで非常に魅力的に感じました。

実際にその中から何社か面接を受け、最終的にその中の1社から内定をいただいたのですが、篠原さんは選考中も調整状況を細かくタイムリーに共有してくださり、面接や試験の前には当日にどのような方が面接官となるか、どのような試験なのかといった情報を提供してくださったりと、選考を非常にスムーズに進めることができ大変感謝しております。

転職活動をする上で、まずは選考に進む前に複数のエージェントから話を聞き、一番自分に合ってそうなエージェントを見極めたらその方に絞って転職活動を進めた方がいいと感じました。というのも、実際に今回篠原さんからご紹介いただいた案件で非常に興味のある企業を紹介いただいても、その前に別のエージェント経由で応募していたものがありました。そちらは選考があまりスムーズに進んでおらず、こちらもできれば篠原さんにお願いをすればよかったと感じました。

最終的にトータル9社程度応募をして、3社からオファーをいただくことができました。エリートネットワークさん経由では並行して選考が続いている会社もありましたが、一番早く内定をいただくことができた今回の総合商社に決定しました。

6    次の職場に賭ける意気込みや覚悟等

最終的に総合商社のデジタル戦略部で、社内外のデジタルインフラのサービス企画やプロジェクトマネジメントを実施するポジションに転職をすることになりました。法人営業職としてのキャリアを中心としてきた私にとっては、今までお客さんであった事業会社のIT部門に転職をすることになりました。

自分で何かを開発することはないものの、今後はより技術的な部分も理解をした上でプロジェクト管理や、パートナーを巻き込んで推進をする必要が出てくると考えております。そのため、今まで以上に詳細な技術要素についてもきちんと勉強をして身につけていきたいと思っております。

また、スタートアップで経験したスピード感を活かしつつ、どんどん能動的に新しい提案をしていきたいと考えております。
今までとはまた違った業種・役割となるので1日も早く戦力となれるように邁進していきたいと思います。

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