本日現在1543
/ バックナンバーも全て読めます

社内SE、地方(福島県)に拘った転職

社内SE、地方(福島県)に拘った転職

No.1163
  • 現職

    株式上場 アミューズメント企業 社内SE

  • 前職

    東北本社の電子部品メーカー 社内SE

井口 一博 氏 49歳 / 男性

学歴:福島県立 安積高等学校 卒
埼玉大学 工学部 電気工学科 卒
基本情報技術者
小型船舶操縦免許(二級)

 拙稿に目を留めて頂きありがとうございます。エリートネットワークさんのお世話になり、50歳を目前にして人生4回目の転職を果たした地方在住のおじさんです。

 転職を検討・活動しておられる方々の参考になればという思いで筆を執ってみました。ご笑覧頂ければ幸いです。

1. プロフィールと転職に至った背景・理由

 当方、地方在住のエンジニアで、年の少し離れた嫁さんと小学生になったばかりの子供が一人の3人家族です。製造業を営む会社を何社か経て、出身地でもある自分と家内の両親のそばで暮らすため、10年ほど前に最後のつもりの転職をしました。

 しかし、勤めていた会社が悪い意味で予想外の展開を見せ、勤務していた工場が閉鎖される事に。勤め続けるためには、単身赴任で東京へ行かなければならない事態となり、即断即決、再度の転職を決意した次第です。

2. これまでの職歴と前職での業務内容

 新卒で就職した会社は東証一部上場 有名な大手電機メーカーで、神奈川県での勤務でした。バブル崩壊直後、まだ新入社員を大勢採用していた時代で、具体的な目的もなくなんとなく選んでしまったのがそもそも良くなかったのかも知れません。しかし、社会人としての基本や、仕事のイロハを教わりながら生産技術者として勤め、それなりに面白くやりがいもありました。ただ、ある事をきっかけに将来を考え始め、里心がついて地元志向が芽生えたのです。

 20代後半で1社目の会社を辞し、地元に近い地域にあった社員数名のベンチャー企業へ。半導体製造装置の開発を主とした生産技術者として勤務するも、半導体不況期の業績悪化であえなく生活困難に。自ら望んで入社した会社であり、大企業ではなかなか出来ない実務経験も得られた代わりに、小さな会社のリスクも実体験しました。

 次は、同じく地元に拠点を構えるシステムインテグレーターへの転職です。ヒマな時に独学で勉強していたソフトウェア開発スキルを伸ばし、生産技術に加えて自分のもう一本の柱となるスキルにしようという考えでした。スキルアップ自体は目論見通り叶い、業務系アプリの開発から組込系ソフトの開発、役割もプロジェクトリーダーやマネジャーと幅広く経験できたものの、やはり「地方」が障害となり(大型案件が無い)、出稼ぎが多く地元で暮らす事がなかなか出来ずに悩んでいました。そこで、40歳を節目に、地元で暮らせる職場を求めてもう一度転職します。

 これが前職で、実家からほど近い工業団地にある携帯端末の部品メーカーでした。生産技術・ソフトウェア開発エンジニア両方のスキル・経験がニーズにマッチして入社の運びとなりました。工場ではあるものの、実質的に本社機能も兼ねているような状態だったため、これなら自分の職務経験も活かせるし、定年まで勤められるだろうと考えての決断でした。

 途中で設立された情報システム部門に異動になってからは、メーカーの社内SEとして様々な業務を行っていました。例えば、基幹系システムの導入や社内ネットワークの整備、情報セキュリティ、IT統制の対応など、従来とは毛色の違う立場でモノづくりに携わるようになりました。モノづくりに直接携わる事はなくなったものの、開発の渦中にいては出来ないような業務システムの改善などもできますし、会社を強くする、社員を働きやすくするという点にやりがいを感じ、自社システムの将来像を思い描いて仕事に勤しんでいたところ、冒頭の勤務先閉鎖の憂き目を見ます。

3. 転職にあたってのこだわりと取捨選択

 とりあえず、まず考えた転職要件は次のようなものです。
  ・自宅から通勤可能(都市部への単身赴任回避が動機なので外せません)
  ・製造業を営む会社(ずっとモノづくりに携わって来たので出来れば製造業が良い)
  ・同様の職務(社内SE、情報システム部門で自社のIT基盤構築・発展に打ち込みたい)
  ・それまでと同等以上の収入(また退職金がリセットされるし、あわよくばアップしたい)

 当然、そのような自分にとって都合の良い求人がすぐに見つかるわけもなく、様々な転職情報サイトや転職支援サイトに登録し、求人案内を探しまくる日々を送ります。ひと月ほど活動した結論としては、自分の望む求人は「ない」でした。地方なので、製造メーカーの工場は結構ありますが、転勤の可能性が示唆されていたり、年齢制限があったり(連動して年収も落ちる)で、これまでと同じ就業は望めそうもありません。首都圏まで出ていくのであれば、年収アップも果たした上で希望の仕事に就けそうな求人がたくさんありますが、地元に拘る限り他の希望は叶いそうにありません。「地元」に拘るのか、都市部へ出るのか、まずはこの決断に迫られました。

 もう一度自分の気持ちを確かめ、家族とも話してみましたが、やはり「地元」に拘る事に。自分のこれまでの転職歴は、「帰郷」というのが大きな目的でしたので、地元を諦めてしまったらこれまでの決断が何だったのかわからなくなってしまいます。なので、最後まで地元志向を貫くことにしました。すると、あとは業種・職種・収入の3つの要素です。これまでずっと製造業でやってきましたが、過去の転職でこれが第一要件だった訳ではありません。転職のたびに考え、悩みました。自分が仕事をしていくにあたり、やりがいを持って続けて行けると思う仕事は何か、という事を改めて考え選択してきた結果です。

 今回の転職で優先度が高いのは「職種」でした。不本意な転職なので、前職の時のやり残し感や将来的な目標の喪失感が大きかったのだと思います。となれば、要件の優先順位は決まります。自宅から通勤可能で、これまで同様の職務で、これまでと同程度の収入(多少のダウンは許容)で、業種は拘らない、です。

 この条件で探し始めた時に、一つの求人案件に目が留まりました。

4. エリートネットワークさんとの出会い

 それは、ある転職・求人サービスサイトに掲載されていました。地方勤務で、情報システム部門のスタッフと責任者を募集しています。勤務地として掲載されているのは都道府県までなので、自分が通勤可能な場所なのかは聞いてみないと分かりません。そして、業種は「アミューズメント」となっています。

 しかし、自分の棚卸しは済んでいましたので、迷わず掲載元であるエリートネットワークさんの転職カウンセラーにコンタクトしてみました。非常に興味のある案件なのですが、勤務地はどちらなのか教えて頂けますでしょうか?......翌日すぐに回答を頂戴して通勤可能な勤務地である事が分かり、担当の廣重さんとのやり取りが始まりました。

 まずは電話でのカウンセリングです。
 先方の社名や、求人案件へ私を紹介可能かどうか、などは電話カウンセリングの後で判断しますと言われ、きちんとした方だなという印象を受けました。前職の勤務を続けながらだったので、平日夜の時間帯しか希望できませんでしたが、いやな顔一つせず調整・セッティングして下さいました。そして、カウンセリングを経て先方に紹介して頂ける事になり、書類選考の結果はOK、1次面接へと進行します。

 先方への紹介にあたっては、履歴書や職務経歴書の細かな点まで目を通してアドバイスを頂いたり、先方の求人の背景や目的などをしっかり教えて頂けたりと、求人側と求職側の両方をきちんと見て下さる方で、かなり心強かったです。

5. いざ面接へ

 面接が決まってからは、いわゆる「企業研究」に時間を費やしました。特に今回は業種が変わりますので、右も左も分かりません。自分独自のやり方ではありますが、応募先企業のホームページや、業界の情報サイトなどにつぶさに目を通し、公開されている経営データを分析してみたりして、相手の事を知る努力をしました。これは「自分は本当にその会社に入って良いのか?」と、自分の考えや気持ちを確かめる重要な作業にもなります。

 廣重さんからもしっかりと企業研究を、というアドバイスを頂き、面接の前には電話でのサポートも。面接に臨むにあたっての準備や考えを共有し、相談できる相手がいるのは非常に心強いものだと感じました。

 今回は2回の面接でしたが、やはり本番になるとうまく説明出来なかった点も出てきます。面接後には廣重さんに電話で一部始終報告、気になる点やうまく表現できなかった点などをお伝えすると、意を汲んだ上で先方へのフォローアップもしっかりして下さいました。おかげで2回目の面接から二日後、面接結果合格という嬉しい連絡を頂き、現在に至ります。

6. 新たな職場へ

 これを執筆している今、入社から約2週間経過しています。面接合格の知らせを受けてから、内定通知書(労働条件通知)を受け取り、書面で労働条件を確認出来てから前職の会社へ退職を申し出、といった手続きを経ていますので、最後の面接からは約2か月位でしょうか。ようやく新たな生活にも慣れて来ました。

 今回は、エリートネットワークさんとの密な会話の賜物か、入社前と入社後のギャップが少ない気がします。なるほど、面接の時に聞いたあの課題はこういう事なのね、といった感じでしょうか。正直にあまり飾らない会話ができたからかな、とも思っています。

 転職を諦めず、これまでの拘りを1つだけ捨てた事で巡り合い、望んで加わった新たな職場です。初心に帰って精進したいと思います。

 最後までお読み下さりありがとうございました。

この転職者を担当したカウンセラーに
転職相談したい

この記事をご覧になったあなたに

関連する転職体験記

転職体験記を絞り込み検索 全ての記事一覧は
こちら