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文系博士課程の国家公務員(旧・Ⅰ種)、シンクタンク研究員に

文系博士課程の国家公務員(旧・Ⅰ種)、シンクタンク研究員に

No.1009
  • 現職

    一部上場 日系シンクタンク 研究員

  • 前職

    霞が関 中央官庁 国家公務員

林 芳子 氏 32歳 / 女性

学歴:京都大学 文学部 卒
京都大学大学院 文学研究科 博士後期課程 満期退学
TOEIC 930点

●はじめに

私の転職活動はエリートネットワーク様、そして松井様のご尽力により幸い短期間で終了しましたが、転職しやすい人材とは到底言えない立場でした。こうした立場から、私と同じ境遇の方への参考となればと思い、体験記を書かせていただきます。

●理系科目が苦手な典型的文系院生

私は高校時代から物理や数学等の理系科目が苦手で、国語が少し好き、という理由で文系の進路を選択しました。大学は法学部や経済学部を選ばず文学部へ入学し、そのまま同じ文系の大学院へ進学、博士課程にまで行き、結局博士号を取得することなく満期退学をしました。

当時は、文系博士満期退学者に開かれた就職先はごくごく数少なく、一部公務員ですら、年齢制限にひっかかるような状態でした(民間は言わずもがな、です。新卒扱いですらないところもありました)。その中で、年齢制限範囲内の公務員試験の全てを受験し、最初に内定が出た今の中央官庁に滑り込みました。ただ、その採用面接(いわゆる官庁訪問)では一度は落ち、内定辞退者が出たことによる繰り上げ採用、というぎりぎりの内定が、私の社会人人生のスタートでした。

●国家公務員職への違和感

入省以来、私は同期職員の約2倍の速度で人事異動させられる人材となりました。同期が2年間じっくりと業務に取り組む中、よく言えばタフさを買われた、悪く言えばじっくり育てる人材ではないとレッテルを貼られたのでしょう、1年少々、時には半年ほどで異動させられました。異動した先で一生懸命業務は行いましたが、目まぐるしく変わる人間関係及び業務内容に苦労をし、体調を崩すことも多くなりました。また、出向時には他省庁職員の待遇と自らの省のそれとの大きな差を知ってしまい、それらが自分の省への、ひいては、国家公務員としての今後の人生への大きな疑問となっていきました。

●転職活動へ

ここではやっていけない、もっとジョブ・ローテーションの少ない仕事に、という逃げの気持ちから、私は転職活動を始めました。新卒の時でさえ、敗者復活でようやく就職できたような人間でしたから、年齢も30を過ぎ、これといったスキルも持っていない人間としては、やりたい仕事への転職、などというものは夢にすらみませんでした。その状態で、過去に役所の同期が数人お世話になったエリートネットワークさんに、お話だけでも聞いてみようとご連絡しました。

すぐに松井様から折り返しのお返事をいただき、程なくセッティングいただいた初回のカウンセリング。そこで、松井様から一喝されてしまいました。私が当初考え思い描いていた転職先は、私の経歴とはあまりにもミスマッチで、転職してもうまくいく確率は低いのでは、と。その上で、私の学歴と職歴をポータブルに活かせるのは、シンクタンクでの研究員職である、というお話をいただきました。公務員としての職歴はともかく、社会的には無価値(どころかマイナス)、と思っていた文系博士課程という学歴を活かしての転職、というお話は、それまで自分の学歴をほとんど評価されたことのない私には意外であり、また、とても嬉しいお話でした。こう言ってくださる松井様を信じよう、そう決めて、私は転職活動をスタートしました。

●転職活動の実際

32歳という年齢、特別な技術を身に着けているわけでもないただの国家公務員の転職は厳しい、というのが正直なところだったのでしょう。ほとんど書類選考で落ちてしまいました。最後に内定をくださることになる大手のシンクタンクが早めに面接に呼んでくださったので、連続落選もそれほど堪えませんでしたが、自分が今、なぜ転職するのか、というそもそも論に直面し、自問自答を繰り返したことはかなり辛かったです。公務員という安定職を捨てることへの不安は尽きることがありませんでしたが、自分とは合わない組織で心身共にすり減らすこの先30年間よりも、自分の知的好奇心を活かしながら新しいビジネスを生み出していけるかもしれない別の30年間を比較して、転職を決断しました。また、採用面接で、面接官の方々とは共感に満ちた前向きなコミュニケーションが成立し、この会社で働いたら楽しいだろうな、と感じることができたことも、私の背を後押ししてくれました。
 
 30歳を過ぎての転職、しかも、手に職を持っているわけでもない文系人間の転職は、やはり狭き門だったと思います。もし私と同じような経歴の方で転職を考えておられる方がおられましたら、とにかく早く、そしてひとりで転職サイトを眺めるだけでなく、転職エージェントの方と面談されることをおすすめいたします。私の場合は、松井様という、豊富なご経験と広い見識をお持ちのベテランエージェントの方と出会えなかったら、決して自分をこれほど活かせる転職先は見つけられなかったと思います。また、この短期間で負担なく転職活動を終えられたのは、松井様の適切な、わかりやすいアドバイスがあったお蔭です。自分ひとりで転職活動をしていたら、このようにとんとん拍子で進まなかったでしょう。

この転職体験記が、私と同じような境遇で苦しんでいる方にとって、少しでも参考となればこれほど嬉しいことはありません。

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