企業内弁護士、JQ上場建築業から映像&エンタメ小売・流通業への転職

企業内弁護士、JQ上場建築業から映像&エンタメ小売・流通業への転職

No.626
  • 現職

    映像&エンタメ小売・流通業 法務部 企業内弁護士

  • 前職

    ジャスダック上場 建築業 法務部 企業内弁護士

今川 由里 氏 29歳 / 女性

学歴:横浜国立大学 経済学部 経済法学科 卒
静岡大学大学院 法務研究科 修了
第65期弁護士

転職に至る経緯

私は、大学、法科大学院と進んだ後、司法試験に合格し、1年間司法修習生となりました。司法修習中に企業内弁護士として企業の中で働くことに興味を持ち、修習終了後、企業内弁護士として現職の企業の法務部に就職しました。法律事務所での勤務経験も、社会人としての実務経験もありませんでした。
入社後、法務部での仕事はこれまで実務経験のなかった私にとっては、とても新鮮で予想していたよりも面白く、仕事内容も企業で働くことも自分には合っていると感じたので、少なくとも数年間はそのまま企業内弁護士として勤務を続けるつもりでした。

しかし、経営方針の変更により、なんと入社後約1か月の時点で、法務部が廃止されることが決まったことを知らされました。しばらく様子を見ていたものの、2か月目からは業務内容も徐々に総務的なものに移ってしまいました。この頃から、このままでは法律に関わる仕事から完全に離れてしまうと危機感を感じ、法務に携わるためには転職を検討するしかない状況となりました。
ただ、入社後3か月程度での転職であること、弁護士としての実務経験も同程度であり、ないに等しいこと、入社後少しずつ英語の勉強を再開していたものの有効なTOEIC等のスコアがないこと、等の事情から、このタイミングで転職すべきなのか、そもそも可能なのかが分からず、転職活動を始めるかどうかも迷っていました。

転職活動の開始

(1)まずは、このような状態で他の事業会社の法務部への転職が可能かどうか、転職サイト等を通じて求人情報を調査することから始めました。覚悟はしていたものの、やはり 「企業法務の実務経験○年以上」 が応募資格とされているところがほとんどであり、転職の厳しさを感じました。そんな中、インターネットで偶然見つけた法務部の求人が(株)エリートネットワークさんの紹介案件だったため、それに応募するため、登録することとなりました。

(2)私は転職カウンセラーの山崎さんに担当して頂き、そもそもこのタイミングで転職をすること自体について相談させて頂きました。山崎さんからは、弁護士としての今後のキャリアを考えると、むしろ完全に総務屋さんになってしまう前で、20代の今のうちに転職した方が良いとのアドバイスを頂き、自分でも納得できたため、本格的に転職活動を始める気持ちになりました。また、確かに短期間での転職ではあるものの、事情を理解してもらえる企業はあるとも言って頂き、勇気づけられました。そして、お会いしたその日のうちに、私のような状態でも応募できそうな求人案件をいくつか紹介して頂きました。

私の場合は、上記のような状態であったことから、応募先については、とにかく法務職ができれば業種や企業規模にはあまりこだわらないというスタンスで、カウンセリングの場でもそう伝えていました。ただ、面談中のちょっとした雑談だったと思うのですが、私がゲーム等のエンタメ好きであるという話をしたところ、それに関連するような企業もいくつか紹介して頂くことになりました。
やはり自分が好きなものに関する事業を行っている企業だと、面接時の雑談も盛り上がり、志望動機も話し易くなりますので、その辺りまで配慮して頂けたのはとても有り難かったと今になって思います。

内定を頂くまで

(1)面接
正確な数はカウントしていませんが、自分で見つけたもの、他から紹介して頂いたものも含めると、おそらく全部で20社近く応募し、会って頂けたのは5社でした。やはり書類通過できなかったところは実務経験不足が主な原因だと思います。

面接に関しては、比較的和やかでざっくばらんな雰囲気の面接が多く、中には私の転職の経緯に同情して下さる面接官もいらっしゃいました。通常は、おそらく転職の理由や職務経歴も詳しく聞かれる部分ではあると思いますが、私の場合は転職理由がはっきりしていたこと、職務経歴はほとんどないことから、少し触れられる程度でした。それよりは、志望動機や法務職に関する意識、今後のキャリアプランに関する話題に重点が置かれていたように思います。
面接の前には山崎さんから連絡を頂き、注意点等を教えて頂くことができたのは、とても助かりました。特に今回内定を頂いた企業の初回面接前、企業側が抱いている一般的な弁護士に対する印象や採用にあたっての懸念点を聞くことができたのは、とても大きかったと思います。面接の際にはその点を意識して話すことができ、面接官にも納得してもらえたように感じました。

(2)内定
最終的には面接に進めた5社のうち、山崎さんから紹介して頂いた2社から内定を頂くことができました。他に選考途中の企業が3社ありましたが、内定を頂いた2社目に是非行きたいと思ったので、他社の選考は辞退しました。
決め手となったのは、もちろん業務内容もありますが、面接時に受けた印象から、雰囲気が自分に合っていると感じた点です。幸いなことに企業様の方も私に対しても同じように感じて頂けたようで、初回面接、最終面接を経て内定を頂くまでとてもスムーズに進みました。特に転職カウンセラーの山崎さんに内定の連絡が来たのが最終面接の当日中だったということで、その早さには驚きましたが、それだけ私に対する採用を希望して頂いているという誠意が感じられて嬉しかったです。

結果的に、転職活動を開始してから約1か月半、(株)エリートネットワークさんに登録してからは約1か月で内定を頂くことができました。もっと長期間になることも覚悟はしていましたが、転職活動が 「縁」 と言われるのはこういうことなのかなと感じています。
内定を頂いた後、上司に退職の意思を伝えましたが、転職先が決まっていることも伝え、こじれることなく納得して頂くことができました。何もかも初めての経験で不安でしたが、山崎さんに手厚くサポートして頂きました。

気づいた点

私のように職務経験が浅い場合の転職では、即戦力にならないことは企業側も承知していて、それよりも上手く企業に馴染み、組織の一員として企業にとって役に立つ人材に成長していけるかどうかという点が重視されるように思います。やはり面接でも、現在の能力よりは、人柄や熱意、将来のキャリアプラン等に関連する質問が多くなります。そのため、職歴が浅い場合には、あまり業務内容に強いこだわりを出し過ぎず、何にでも挑戦してみたいという意欲や柔軟さをアピールすることが有効であるように感じました。

特に弁護士の場合は、こだわりや ”我” が強く組織人として使いにくいのではないか、例えば、小さな契約に関するものや事務的な仕事を嫌うのではないか、という印象を持っている企業が少なくないように感じました。実際面接でそういった質問をされることも何度かありました。その辺りを面接の場で払拭することも大事だと思います。

今後について

転職先での勤務はまだこれからですが、またようやく法務部で就労することができるだけでなく、私が希望していた通り、幅広く新しい分野の法務業務に携わることができそうなので、今からとても楽しみにしています。結局現職では法務部が復活することもなく、今では業務内容もすっかり総務になってしまったので、あの時転職カウンセラーの山崎さんに背中を押して頂き、早めに転職活動を始めていて良かったと思います。一度は中断してしまいましたが、またゼロからスタートするつもりで、企業内弁護士として成長していきたいと思います。
今回は幸いなことに思いの外高く評価して頂き、全く期待していなかった待遇面についても大変配慮して頂いたので、期待に応えられるよう、気を引き締めて努力しなければと思っています。

転職活動を終えて

今回、長い受験生活を経てようやく弁護士になり、同時にやっと社会人になることができたと思った矢先に法務部が廃止される事態となったことは、まさに青天の霹靂であり、一時期はとても落ち込み、悩みました。
また、活動をしていた約1か月間は、弁護士会の関係で国選事件を受任しなければならず、会社の業務時間とは別に接見等の予定が入ることもたびたびある一方、会社ではほとんど法務に携わることもなく弁護士としての存在意義を見出すことができずにいました。

そのような時間的にも精神的にも余裕がない状況に面接が加わり、入社したばかりで有休休暇もなかったため、一番大変だったのは時間の調整と面接に臨む際の気持ちの切り替えだったかもしれません。すぐに電話に出られないことも多く、山崎さんには日程調整や連絡面でも多大なご尽力を頂きました。自分だけで活動していたら、日程調整だけでも苦労したと思います。

大変な1か月ではありましたが、一方で転職活動を通して様々な企業に触れることができ、今まで知らなかった多種多様な事業を知ることは楽しくもありましたし、法務部に求められる人材がどのような人物像かを学ぶ機会にもなりました。また、転職カウンセラーの山崎さんをはじめ、転職活動をきっかけに様々な方に出会い、助けて頂いたことには心から感謝しています。そして、この体験記を読まれた方にとって、私の体験が活動の一助になれば幸いです。

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