企業インタビュー

株式会社I H I  (旧:石川島播磨重工業株式会社) 企業インタビュー

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今回は、株式会社IHIの人事部 採用グループ 部長 水本 伸子氏にお話を伺いました。総合重工業としてものづくりに邁進する同社。同社初の女性部長である水本氏自身のエピソードなども含めて、個性を重んじる自由闊達な社風に迫ります。

まず、御社の成り立ちと事業領域についてお聞かせ下さい。

当社の起源は、嘉永6年(1853年)に水戸藩の命で作られた造船所です。船造りからはじまり、そこで培われた機械・動力・流体などの多様な技術が、産業機械・建設機械・プラント・航空にまで派生し、現在の姿となりました。


日本初の量産(実用化)エンジンである”J3ターボジェットエンジン”

工業炉のように素材づくりの企業に納める大規模な特注品から、車のターボチャージャーのような量産品、直近で話題になった小惑星探査機”はやぶさ”のカプセルまで手掛けています。M&Aや分社化を繰り返して効率を上げながら、グループとして広範囲な事業領域に取り組んでいます。

現在、私達の事業領域は大きく分けて5つ(※1)あり、それぞれの特徴を活かした総合的な展開を目指しています。例えば、航空分野で開発された最新技術を他分野に応用するといったようなことですね。目先の利益を求めるばかりではなく、長期的・大局的な視点で5つの分野のバランスを図っています。現在、これらの事業が全体売上に占める割合は15%~23%ずつとなっており、全社収益の安定にも繋がっています。


小惑星探査機”はやぶさ”の実物大模型

総合重工業メーカーとして我々のような業態をとっている企業は、世界でも少数です。多くは、橋梁なり船舶なり産業機械なり、それぞれある特定分野に大きな比重を置いています。ですから、採用活動で一番苦労している点は、まず事業内容全体を分かって頂くことなのです。

※1:船舶・社会基盤・セキュリティ、回転・量産機械、産業機械・システム、資源・エネルギー、航空・宇宙

重工業という業態ですね。その特徴について、もう少し教えて下さい。

先ほど事業領域が広いと申し上げたばかりですが、世の中にある数多の仕事を思えば『非常に大規模な』 『機械や設備を』 『法人向けに』 『製造する』という重工業は、大変ニッチな分野です。しかし、そこに取り組める企業の数は世界でもほんの一握りであり、競争の舞台はグローバル、日本の国策においても無くてはならない企業です。

一般的なメーカーとの違いはどこにありますか。


人事部 採用グループ 部長 水本 伸子 氏

同じ製造業でもテレビやカメラなどの消費財メーカーと大きく異なるのは、完成品を売る訳ではないというところです。最初の商談の取っ掛かりの時点では物は存在しません。お客様の実現したいことを伺い、私達の技術でどんな形に仕上げられるかを提案し、一品物の特注品が完成するまでお客様と一緒に走ります。そして、完成後も引き続きメンテナンスをお受けしていくのが私達の仕事です。
1つの仕事が完結するまでには長い期間が必要です。新しく入ってくる方には、短期間で居なくならないで下さいねとよく言っています(笑) 極端なものでは、寿命が50年以上の製品もあります。生涯かけて担当するような期間ですよね。
また、当社に見学にいらした方は、製品の大きさにも驚かれますね。製品が大きいという理由と、製造が難しいという理由から、基本的に内製しているという点も一般のメーカーとの違いです。

海外展開の状況についてお聞かせ下さい。

現在の海外売上比は43%程度で、マーケットもヨーロッパ・アメリカ・中南米・アジアと多岐に渡っています。海外の関係会社は90社余り。日本から物を運ぶこともあれば、現地で作ることもありますね。グローバル企業になるため、拠点の整備も順次進めています。

水本様のご経歴についてお聞かせ下さい。

理学部修士課程を修了して当社に入社後、研究員、研究所の管理部門担当、本社移転のプロジェクトマネジャー、経営企画部の新規事業企画担当などを経て、現在の人事部に至ります。

エンジニアのご出身なのですね。


人事部 採用グループ 部長 水本 伸子 氏
「学生時代は30センチ×30センチだった実験装置が、3メートル×6メートルなって驚いたこともありました

はい。私は理学部の物理学の修士を修了しています。専攻は大気物理で、自動車や飛行機が風の中で作る空気の流れを再現・観測する風洞実験を行っていました。ちょうど当社が大規模風洞実験装置を作る時期と重なり、そのオペレーション要員として採用されました。学生時代の経験がそのまま活かせるということで、それまで女性採用の実績がないということも知らずに入ってしまいました(笑)
新入社員、しかも女性ではありましたが新しい装置を任され、専門家として言いたい放題させて頂きました。私がこの会社で生き残れているということが、当社の社風をよく表していると言えるかもしれませんね。
研究所なので時間のコントロールがしやすかったのも幸いし、昼夜を徹するような激務にはなりませんでしたね。周囲の方も気を使ってくれました。子育てもしていましたよ。職場の近くに住んでいましたから、昼休みに冷蔵庫に食料品を補充しに帰ったり、夜に研究所の様子を見に行ったりと、ちょっとした行き来はしましたが。

その後は、研究所内の管理部門的な立ち位置で、国内外の大学との産学連携の企画や、技術者の教育企画、研究計画の管理などを行いました。そこでは、研究計画・予算・必要な設備・世界へのインパクトなどが詳細に書かれた計画書が何百とあがってきます。研究者それぞれの命運がかかっているので、皆真剣です。こういった仕事を経験したことで、自分の専門分野だけでなく、最先端技術や、弊社のポジションについての知識が深まりました。

本社移転のプロジェクトマネジャーとは……?


豊洲の自社ビルでは
関係会社を含めた約4000名が働く

当時大手町にあった本社機能を、この豊洲のビルに移すという一大プロジェクトです。全体のコンセプト作りから始まって、実際に引っ越しが完了するまで、1年半ほどかかりました。
円滑なコミュニケーションと迅速な意思決定を可能にするレイアウトもゼロから考えました。全フロア同じ仕様の大部屋方式にして、社長と副社長以外の役職者は各部門のフロアに座ることに決定しました。
特徴的なのは、偉い人の席が廊下側だということです。動線的にも、部下が通る際に報告しやすいですからね。さすがにこれには抵抗の声もありましたが、ねばり強く話続けていたら、徐々に同意してくれる方が出てきまして。事あるごとに「この役、いつでも代わってあげるわよ(笑)」なんて言いながらやり切りました。

他にも、A4用紙に換算して1人当たり12メートル分も保有していた書類を2メートルにする文書削減の取り組みや、職場環境向上のための全什器備品の新調交渉、4000名が3回転で食べられるような社員食堂の企画、トイレやエレベーターの適正数の想定なども行いました。結果的にこのシミュレーションは大きく外れることもなかったですね。

この仕事の結果、会社として日経ニューオフィス賞という栄誉を頂くことができました。

人事となってから取り組んだ新しいことがあればお聞かせ下さい。

グローバル採用ですね。現地要員ではなく、全世界を活躍の場とする外国籍の人材を、当社本体が採用します。これまで、欧米や中国だけでなく、様々な国籍のメンバーを迎えました。異文化を身近に感じることができる環境を整えることで、どんな国に行っても活躍できる人材が育つことを期待しています。 日本の大学を卒業した外国籍の方を採るだけでなく、他国の大学を卒業したその国の方を採用する取り組みも行っています。4年前には韓国、昨年はベトナムやロンドンにも出向きました。
このあたりの実情は、採用ページなどに載っている通りです。部長や課長になっている者もおりますよ。そういった意味では、開かれた文化の会社なのだと思います。

心境の変化や思うところはありましたか。


人事部 採用グループ 部長 水本 伸子 氏

人の大切さをしみじみ感じるようになりました。それまでのキャリアでは、研究所にいた時はもちろん、経営企画部でM&Aを行っていた時でも『この技術を買ってきたらこの技術が活きるはず…』というように、技術主体のものの見方をしていました。
それが、人事となってからは、『どんなに優れた技術を買ってきても、人がその気にならなければうまくいかない』と思うようになりました。どんな技術も人についてくるものですからね。また、人を育てて技術を伝えていくことや、きちんと働いてくれる人を採るという自覚も芽生えました。

また、それまでの経緯もとてもラッキーだったと感じました。私はもともと技術開発本部にいたので、様々な事業部門の方と既に知り合いでした。また、移転プロジェクトを手掛けたことで、管理部門や各部門のトップや経営幹部をはじめとした本社メンバーと接する機会にも恵まれました。ですから、当社の全体像を掴むための苦労というのは、あまりありませんでしたね。人事部に異動後は、毎年200名規模の新卒採用にも携わっていますし、顔はますます広くなっていっていますね。

これから取り組みたいことはありますか。

ダイバーシティの推進です。封建的なイメージを持たれがちな重工業という業種ですが、当社では女性も外国人も愉しげに働いています。これからも、更にマイノリティを活かせる企業になっていきたいですね。これは、私だからできることではないかと思っています。異動の仕組みや、ワークライフバランスのとりかたなど、まだまだ改善の余地がありますので、「ダイバーシティだ!」とマイノリティを採用するだけではなくて、きちんとフォローして、パフォーマンスを出してもらうまでの環境を整えていきたいと思います。

社風についてお聞かせください。


人事部 採用グループ 部長 水本 伸子 氏

当社への入社の決め手として「どうしても手掛けたい製品があった」という人もおりますが、「会った社員が良かった、愉しそうだった」という理由で入ってきた人も多いです。
財閥系でないということや、学閥が強くないという社風の影響もあるかもしれません。

『野武士』と称された昔から、組織ではなく、個人の力で突き進んでいくという気質はあるでしょうね。
また、厳格過ぎるヒエラルキーもありません。社長・副社長以外は、役員であっても、社員食堂で皆と並んで330円の定食を食べていますよ(笑)
労働環境についても、「昼夜徹するような働き方はしちゃいけません」と言いますし、お休みも年間カレンダーという形で前もってお渡ししています。その点はきちんと管理しています。

中途採用についてお聞かせ下さい。現在、注力している領域はありますか。

実は、いま一番求めているのは電気系の人材です。最近は、何にでも電気制御、つまりエレクトロニクスの技術が組み込まれています。組み込みソフトに関わった方、パワーエレクトロニクスに強い方、電池関連のエンジニア、機械が分かってソフトを書ける方も積極採用しています。当社は機械メーカーと認識されているので、電気系人材の採用には苦戦しがちなのです。

入社後のフォローについてお聞かせ下さい。


エントランスに鎮座する立派なロゴマークは、もともと移転セレモニーのために作ったもの。

昨年は34名の中途採用者が入社されましたが、座談会や合同研修を開催し、横の繋がりを作る機会を設けています。会社の仕組みが書かれた中途入社者用のガイドブックや、得意領域の説明書き付きのグループ全社員データベースなんてものもあります。「なるべく早く知り合いを作りなよ」と言っています。

弊社は新卒採用と中途採用の差別もありません。入ってからはご本人次第で、すぐに課長職になる人もおりますよ。

最後に、御社を志望する方にメッセージをお願いします。

私達は、技術と人材でものづくりをしていく会社です。何を作るか、どこで作るか、ということは変わっても、ものづくりという核はこの先も変わりません。
誰も作ったことのないものを手掛けるという挑戦を愉しんで頂ける方、相手の文化や宗教や国籍を問わず相手の気持ちになって共感できる方、難題にめげず粘り強くできるまで実践を繰り返すことのできる方に来て頂きたいと思っています。
そうしてできた製品は世の中に喜ばれるものですし、50年後も100年後も残っていきます。

日本の技術はまだまだ世界に誇れるものです。グローバルを舞台に『世界に貢献する』という心意気の方をお待ちしております。

本日はお忙しい中、長時間に亘りご協力頂き、ありがとうございました。

株式会社IHI
設立年月日
1889年1月17日  ※1853年創業
本社所在地
東京都江東区豊洲三丁目1-1 豊洲IHIビル
代表者
代表取締役社長  満岡 次郎
資本金
1,071億円
売上高
<連結> 14,863億円
<単体> 7,198億円
従業員数
単体8,630名、連結29,659名
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
職業紹介優良事業者認定マーク
当社は、全国に約20,000事業所ある人材紹介会社の中で、厚生労働省が審査し、 わずか43社しか選ばれない「職業紹介優良事業者」に認定されています。
※平成26年(第一回認定):全国で27社のみ、平成30年:全国で43社のみ
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