企業インタビュー

株式会社ドリームインキュベータ 企業インタビュー

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今回は、株式会社ドリームインキュベータの代表取締役社長 山川 隆義氏にお話を伺いました。同社は、「未来のホンダやソニーを100社創る」という理念の下、戦略コンサルティングやインキュベーションを軸に、ベンチャーから大企業に至るまで、独自の経営支援サービスを提供しています。

DIと言えば、ベンチャー企業に対する投資育成というイメージがありますが、近年、事業領域を拡大なさっていると伺いました。


株式会社ドリームインキュベータ
代表取締役社長 山川 隆義氏

3年ほど前から、産業そのものを育成する試み(産業プロデュース事業)に取り組んでいます。国内外で、政府や自治体とも連携し、大小多数の企業を呼び込んだ様々なプロジェクトを進めています。もちろん、従来からのサービスも引き続き提供していますが、現状、当社のコンサルタントの半数以上がこの産業プロデュース事業に携わっています。

産業プロデュース事業を手がけることとなった背景をお聞かせください。

ベンチャー企業に対する投資を10年以上行ってきて、身に染みて感じたのは、「産業が育つところにベンチャーも育つ」ということです。IT産業とITベンチャーの関係がその典型と言えるでしょう。「未来のホンダやソニーを100社作る」という我々の理念を実現するためにも、まずその土壌となる産業自体を育てる必要があると考えるようになりました。しかし、産業自体を創るには、個々の企業の力では限界があり、国や自治体、様々な企業と協働しなくてはなりません。そこで、全体をまとめてリーダーシップをとる役割を、我々が引き受けようということになったのです。

また、ベンチャー企業への投資から得られるキャピタルゲインは金融マーケットの影響を多分に受けるため、そこに依存しないような形にシフトしたいという社内的な背景もありました。単なる公的機関へのコンサルティングという形ではなく、経産省や国交省等と多数の企業とを合わせた、官民合同のプロジェクトとして扱うことで、我々としても事業の大きな柱として成立させることができました。

産業プロデュース事業の醍醐味とは何でしょうか?


やはり、色々なプレーヤーを巻き込んでいけるということではないでしょうか。一つの企業だけでは打つ手も限られますが、政策まで含めて様々な手が考えられるという自由度が、この事業の魅力だと思います。プレスリリースにも出ている豊田市のプロジェクトも、豊田市とトヨタ自動車(株)だけではなく、かなりの数の企業や政府関係者と共に進めてきました。その他にも、エネルギー分野に限らず、幅広い領域でプロジェクトを進めています。もちろん、政策も関係しますし、複数の企業との調整、海外の企業との提携もあります。どれも大変規模の大きなプロジェクトですから、調整は非常に難しいですが、その分やり甲斐も大きいですね。

産業プロデュース以外の事業の現状はいかがですか?

我々のもう一つの柱である実事業運営(※1)は継続して行っています。ただ、この事業運営も以前のようにベンチャー企業に数%だけ投資をして上場を待つのではなく、2割3割と出資比率を大きくして、場合によっては完全子会社にして運営・運営サポートをしていくというスタイルに変わってきました。今までのやり方でも上場した会社はいくつもありましたが、更に確度を高め、腰を据え、我々自身もP/Lの責任を負っていこうと考えました。

必ずしも上場がゴールではないという状態でビジネスのバランスをとっていこうと思っています。ベンチャー支援ではありますが、実際経営していると言ってもいい子会社もあります。お金だけのサポートではなく、事業を自分達の手でやっていこうと思っています。そもそも”インキュベータ”ですから、何かを自分たちで作り上げたいという志向の人が多いんです。この実事業運営を手掛けていることによって、それなりの規模のキャッシュとバランスシートを持っているという点が、一般的なコンサルティング会社と違うところですね。

(※1)・・・同社は、コンサルティングサービスだけではなく、返品物流を有効活用して流通の活性化を図る(株)ReVALUEや、動物保険を手掛ける(株)アイペットなどの事業会社を運営/運営サポートしています。

現在、採用活動にも注力していらっしゃいますが、山川社長が考える産業プロデューサーに相応しい人物とは?


株式会社ドリームインキュベータ
代表取締役社長 山川 隆義氏

「日本の産業に閉塞感が漂う現状を変えていきたい。どうにかして日本を元気にしたい。」という熱いエンジンを持っている人、ということが大前提です。人から言われてやるのと、自ら「そうしないとだめなんだ!」と思ってやるのでは大違いですからね。
その上で、高いコミュニケーション力やコンサルティング戦略に対する理解、地頭と呼ばれるような思考力などが必要だと思います。勿論、コンサルティングの基礎力は一通り必要ですが、その中でも一番重要だと考えているのは、色々なプレーヤーを巻き込んでいく力と、チャレンジングな気概ですね。過去に誰もやったことがない、大きな構造変化を伴うプロジェクトに挑戦するということは、「成功する見込みがあるのか?」という問いに常に晒され続けることですから。
また、実事業へ関与されている方は、何か自分でやってみたいという志向をお持ちで、日々の業務における創意工夫や、メンバーのチア・アップにも長けた方が多いです。

コンサルティングの基礎力とはどのようなことでしょうか?

私が大切だと思うのは、全くの更地から新しいモノを考えられるかどうかです。つまり、人に目標や前提条件を決められなくても、「何が目標なのか」「制約条件は何か」を自分で考えることのできる力ですね。そこには、質問する力やそれを整理する力も含まれます。それが備わった上で初めて、構想を練る力やテクニカルな能力が生きてくるのだと思います。
例えば、大学の研究などでも、研究テーマを指示されたり、先輩から引き継いだりした場合は、やるべきことがはっきりしているので粛々と取り組めば形になります。しかし、何でも好きなテーマでやって良いと言われると、一から全て自分で考えなければならないので大変ですよね。何が問題で、何を目的とするか。そこを整理するのは、日本人には苦手な人が多いかもしれませんが、コンサルタントとしては持っていて欲しい力です。

山川社長は、大学卒業後、横河ヒューレットパッカード(株)(YHP)を経て、(株)ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社されていますが、そこではどんな経験をされたのですか?

理系ということもあり、「良い製品を作るメーカーだ」と思ってYHPには深く考えず入社したんですが(笑)、その後転職したBCGは、YHPとは全く毛色の違う会社で、入ったものの、畑違いだし、果たして自分は高いコンサルティングfeeに見合う付加価値を提供することが出来るのか、分からなかった(笑)。


そんな中で、当時のマネジャーやケースリーダーから、「山川さん、こういう分析をしてみたら?」とか「こういうことを調べてみたら?」とか、色々なことを言われるんですよね。調べて持って行くと「これは良く出来ているね」なんて言われるのですが、それはただ単に、言われたことをやっただけですよね。当時のマネジャーたちは「言われたことも出来ないやつがほとんどだ」なんて言ってましたが、私が一番気になったのは、「どうしてこの人は、これをやったら?・・・と思いついたんだろうか」という点だったんです。なぜこれを調べろと言ったのか?なぜこれを分析しろと言ったのか?自分はそんなこと、思いつきもしないのに、と。それを繰り返していると、だんだん「どうしてこれについて調べるのか」と逆から考えるようになるじゃないですか。やれと命じられたことをやるだけではなく、相手の視点から考えると「こういう理由があるから、これをするんだ」ということが次第に分かってくるんですよね。そういった視点で物事を考えることが、BCGで学んだ一番大きなことでした。

社長として、5年後、10年後、DIをどんな会社にしていきたいと考えていらっしゃいますか?


株式会社ドリームインキュベータ
代表取締役社長 山川 隆義氏

私たちは、コンサルティング会社として、日本の優れたところをどんどん世界に発信していきたいと考えています。グローバルネットワークを持つ外資系のコンサルティングファームとは違い、日本発のグローバルファームならではの視点で、他のファームとの差別化を図ります。

これまでは、アメリカでつくられた「グローバルな経営手法」が、コンサルティング会社を通じて、日本をはじめ世界の国々に広められました。会計監査のJ-SOX等もそうですよね。アメリカの手法に倣うのがグローバルカンパニーだということで、今まで“ROE”や”EVA”など”株主”のことなんて、大して考えもしなかった日本企業がみんな考え始めるようになって・・・それがこの10年だったと思うんです。でも、これからの10年もそのままで良いのか?
たしかに、金融の分野に関しては、アメリカの方が先進的かもしれません。しかし、製造業の分野では、日本企業もグローバルで戦っていますし、日本で生まれた考え方や手法をアジアに広めていって、「アジアとして一緒に成長していく」という考え方ができると思うんです。日本にも良いところはいっぱいあるから、それを世界に出していこう!と。

日本は、飢えで苦しんでいる人の数は他の国に比べて圧倒的に少ないし、貧富の差も小さい。経済的な中間層が多いため社会的な不安や不満が小さく安定していて、暴動なども起こりにくい。貿易収支だって大黒字だし、1ドルが360円から80円になっても日本の企業は持ちこたえている。そういった観点からすると、日本的な経営にも良いところはいっぱいあるんです。日本のメーカーもそんなに捨てたもんじゃないはずでしょう(笑)。

それは、今までの日本にはあまりない発想ですよね。

「日本のメーカーはダメだ」と言う人もいますが、それをどの視点から言っているのかが問題なんです。本来は、「株主にとって良いのか」「従業員にとって良いのか」「社会にとって良いのか」「消費者にとって良いのか」と様々な見方ができるはずなのに、昨今は”株主にとって”という見方ばかりが強調されているように感じます。ウォールストリートの人たちにとって良い話があったとしても、一般の消費者が同じ話を聞いて喜ぶかというと、それはまた別の話ですよね。
日本のメーカーの製品はどれも優れていますが、その株主たちに十分な利益が配分されているかというと、そうではないかもしれない。ですが、一般消費者としては、その利益は享受できているのではないかと私は思います。

確かに、日本のメーカーは消費者からの評価は高いですよね。


エントランスにて

「企業は元々何のために存在するのか」というと、社会の色々な課題を解決するため、つまり「社会の役に立つために存在している」のだと思います。ですが、この10年間でそのような考えは忘れ去られ、「企業は株主に利益を与えるために存在している」というような考え方ばかりが定着してしまった。しかし、本当にそれで良いのか?と。

今はまだ、中国や他のアジア諸国にも、社会的な課題や解決しなければならない問題がたくさんあります。それらに対して、日本企業は今後も色々なサービスが提供できるし、技術で解決できることもいっぱいある。貢献できることはまだまだあるんです。当然、株主のためという観点がゼロではいけませんが、そればかりになってもいけないんじゃないかと思います。企業はなぜ存在するのか、なにが企業の本来の目的なのかという問題に立ち返る時期が、来ているのではないでしょうか。

最後に、御社を志望する方にメッセージをお願いします。

今の日本は、政治家や企業のトップにリーダーシップがないとか、若者に元気がないとか、日本は世界からパススルーされるとか、色々と懸念されていますが、「じゃあ、どうすればいいのか?」。そういった、今の日本の閉塞感を打破していこうという強い意思を持った人材に来て頂きたいと思います。そのためにも、技術力をはじめとする日本の良いところをどんどんアピールして、世界への突破口にしていきましょう。

本日はお忙しい中、長時間に亘りご協力頂き、ありがとうございました。

株式会社ドリームインキュベータ
設立
2000年6月1日 ※活動開始
本社所在地
東京都千代田区霞が関3-2-6  東京倶楽部ビルディング4F
代表取締役会長
堀 紘一
代表取締役社長
山川 隆義
連結純資産
109億円
スタッフ数
493名(連結役職員数)
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
職業紹介優良事業者認定マーク
当社は、全国に約20,000事業所ある人材紹介会社の中で、厚生労働省が審査し、 わずか43社しか選ばれない「職業紹介優良事業者」に認定されています。
※平成26年(第一回認定):全国で27社のみ、平成30年:全国で43社のみ
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