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2.3億円の税金費用を削減し、表彰されても評価の低い小売業の管理部門。財務・適時開示担当者、プライム上場 総合電機メーカーへ

2.3億円の税金費用を削減し、表彰されても評価の低い小売業の管理部門。財務・適時開示担当者、プライム上場 総合電機メーカーへ

No.1541
  • 現職

    【東証プライム上場 官公庁・企業向けIT総合サービス、通信インフラ首位企業】
    経理財務部門 FP&Aグループ 管理会計担当

  • 前職

    【東証プライム上場 総合インテリア小売企業】
    物流センター(物流機能を担うグループ会社へ出向) 現場管理、検品差異率の改善(業務プロセス改善提案で銀賞受賞、QC活動コンテスト優勝)
    →店舗運営部 フロアマネジャー(合計3店舗)
    →経営計画推進室(ホールディングスへ出向) 利益計画担当
    →財務経理部(ホールディングスへ出向) 四半期・年次決算開示業務担当(税金費用抑制プロジェクトにて全社四半期表彰金賞受賞)

中村 清勝 氏 38歳 / 男性

学歴:北海道札幌北高等学校 卒
北海道大学 工学部 機械知能工学科 卒
北海道大学大学院 工学研究科 修了
TOEIC630点
日本商工会議所主催 簿記検定試験2級
品質管理(QC)検定3級
基本情報技術者試験合格
ITパスポート試験合格
フォークリフト運転技能講習修了

① 新卒での就職活動

企業の持ち手が無くなった2010年4月のタイミングで、たまたまエントリーしていた当時東証一部上場の小売業から、北大生限定の説明会への案内をもらい、選考に進むこととなりました。
エントリーしていたにも関わらず選考に進んでいなかったのは、創業社長の講演会がとんでもなくつまらないもので、会社組織にどこか違和感を持ったためです(入社後にその違和感は確信へと変わる)。

その講演会は、非常に破天荒で魅力的な経営者として知られる創業社長が、わざわざ大学構内に出向いてまで講演をしてくれるというものでしたが、実際にその会場で行われたのは、アントレプレナーシップ論や創業時からの想いを語るといったものではなく、ただただ業績等の数字を読み上げるだけのものであり、創業社長の魅力が微塵も伝わらない内容でした。

最終的には、北大生限定の説明会や選考の過程で、川上から川下までの全ての機能をコントロールするビジネスモデルや、それを出来る限り自前で持とうとする姿勢、その中で得られるであろう知見に共感したため、入社を決意しました。

② 入社した会社・部門での担当業務

入社して最初の配属となったのは、グループ内で一番古い物流センターでした。
始めの1か月ほどは、繁忙期の4月ということもあり、日雇いの方々と同じ肉体労働からスタートしました。

成長過程の企業とはいえ、東証一部上場のそれなりにきちんとした企業に入社したと思っていました。
しかし、そのイメージとは真逆で、「走れ!」「運べ!」といった怒鳴り声しか聞こえないような物流の現場、「ベテラン日雇い」のような方が新入社員に荷物の持ち方を教育するような何も整っていない体制、「一番重いものを担げる奴が一番エライ」という価値観に驚愕しました。

入社から数か月もしないうちに、怒鳴り声をあげていた方々との立場は逆転し、倉庫内の数十名の人・在庫のマネジメントを行うようになりました。
肉体労働の期間から徐々に信頼を勝ち取り、現場の改善活動をいくつも重ね、異動となる1年半後には、改善活動の社内大会で優勝するまでの成果を上げることが出来ました。
後に、そのような泥臭い経験は、会社の帳票類に現れる数値と密接にリンクしており、解像度高く事実と向き合うことに繋がると理解出来るようになっただけでなく、年を取ってからは中々出来ない貴重な経験であると肯定的に思えるようになりました。

物流センター勤務の後は、現場を3店舗経験しました。
接客・販売から、クレーム対応、売り場作成など店舗業務を一通り経験した後、フロアマネジャーとして最大50名程度、売上規模で年間10億円超のマネジメントを行うまでになりました。
ここでも、物流現場の時と同じく、現場で発生する問題点を吸い上げて本部に提起する取り組みが、社内の問題提起数第1位を維持するペースで、現場からの改善提案で表彰を受けるまでになりました。

計5年間の現場経験の後、本部(ホールディングス)の経理部門では管理会計に関わる仕事を5年間、財務会計に関わる仕事を3年間経験しました。
管理会計の仕事では、年次予算編成や月次の予実管理、期末の着地見込み作成と計画修正、データの持ち方を検討するマスタ管理や管理会計上の論点整理、子会社の管理会計のサポートなどを行いました。
本部着任当初は簿記の資格も心得も全くなかったため、簿記2級までの資格取得を目指しながら、会社全体のことを理解するために社内に溢れている情報やデータを貪欲に吸収したり、出来る限り多くの部門の方々とのコミュニケーション機会を作っていったりしました。

財務会計の仕事では、月次・四半期・年次決算や、開示に関わる業務にメインで携わりました。
着任当初4名いた公認会計士が全員退職してしまうという梯子を外されるような困難を乗り越えて、適時適切な開示業務を遂行出来るようにまでなりました。
開示を担当していた期間に、並行して複数のプロジェクトにも取り組みました。
2月20日決算だった決算期を3月31日に変更するという決算期変更プロジェクトでは、プロジェクトリーダーとして200人超を巻き込み、多数の論点に自身も入り込む形で無事に変更を完了することができました。
また、子会社の税金費用抑制プロジェクトでもプロジェクトリーダーを務め、法務、税務、会計等の専門家を巻き込み、彼らの専門的な論点を組み合わせて整理していくことで、税金費用を年間2.3億円減らす大きな成果に繫げることが出来ました。

③ 転職に至ったきっかけ

色々とありますが、最後の引き金となったのは、税金費用抑制プロジェクトで全社四半期表彰金賞を受賞した時の、社長による表彰式での総評スピーチでした。

社長の口から「管理系の部門なのに」「管理系なのだけれど」という言葉が幾度となく繰り返し使われ、管理系の部門がいかに価値を生み出さないポジションなのかが強調されていたのは非常に印象的でした。

商品開発系の部門や店舗運営・営業企画に関わる部門が花形とされるこの企業において、社内の取締役の構成員は例外なく商品開発や営業系で実績を上げてきた人物であり、管理系部門が極端に軽視されているということを頭ではわかっているつもりでした。
しかし、ボードメンバーの中では多少理解のある方だと思っていた社長の口からそのような発言が出てきたことで、この会社に留まり続けても、この先管理系の職種でキャリアを積み上げていくことには無理があると改めて認識しました。

その数年前に、社内のキャリアカウンセラー(でありカウンセラーチームのマネジャーでもある方)から、かなり遠回しな表現ではあったものの、「あなたはこの会社のメインストリームからは外れている」という内容を伝えられたことも、外の世界に目を向けなければならないと感じさせられた出来事の一つです。

創業トップが多くの株式を保有するオーナー企業では、経営陣の交代によって人事慣習が大きく変わるとはどうしても考えにくいと思います。
オーナーの意向で誤ったことでも何でも意思決定がなされてしまうような企業ではなく、きちんとガバナンスが効いている企業に身を置きたいとも思いました。

④ 転職活動でこだわった事柄

前職では商品開発系の部門や店舗運営や営業企画に関わる部門が花形として重視され、逆に管理系部門は大幅に軽視されていましたので、管理系の職種でキャリアを積み上げていくには限界があると感じていました。
給与面で言っても、管理系部門は花形部門と比べ何段階も低い給与テーブルの上で決定されており、不満がありました。
また、共働きで2児の父でもあるため、リモートワークが完全禁止の働き方を続けるのは後悔が残ると感じていました。

他にも不満に思う点は幾つかありましたが、管理系部門の仕事を適正に評価してくれるところ、給与面でも適正な水準を用意してくれるところ、多様な働き方への理解が進んでいるところ、については譲れないと考えた条件でした。

⑤ 転職活動を通じて学んだ点

転職活動を始めた当初は、「流通」×「会計」で自分の力を発揮していくことが唯一の道であると考えていました。
12年超流通業界に身を置いていたため、他の業界で活躍出来る自信が無かったことが正直なところです。
そのため当初は、同じ大手流通企業×管理会計の条件にマッチするスカウトや求人を中心にチェックしていましたが、様々なスカウトを見ていく度に、流通企業では給与水準に限界があると再認識していきました。
職種を変えなくても、業界を変えるだけで給与水準がぐっと上がることがわかったため、より広く業界・企業を見ていくように変わりました。

転職活動を始めるまでは、自身のことを過小評価する前職の会社が全てだと思っていましたが、自身のことを高く評価してくれる業界や企業が世の中には沢山あると知りました。
また、それまでは社内の異動を受けることでキャリアを積み上げていくようなどちらかと言うと受動的なものでしたが、転職活動を通じて、キャリアは自身で能動的に描いていくことが出来るものであると認識出来るようになりました。

過去に、ある店舗で人格否定などのパワハラを受けていた時期があり、心身を健康に保つためにすぐにでも辞めたかったことがありました。
その時は、ただの物流や店舗の現場の経験だけではどんな企業も高く評価してくれることはないと感じて2年間耐え抜きました。
その後本部に異動となり、会計周りの経験を積むことが出来、社内表彰を受けるなどの実績を複数回あげることも出来たため、今回の転職活動に上手く活かせるだろうと感じました。

いくつもの企業の面接を受けましたが、物流や店舗での現場経験について興味を持ってもらえることはほとんどありませんでした。
一方、直近の財務会計や管理会計の経験、社内表彰を受けた取り組みなどについては「どうやってその成果を上げたのか」と驚かれたり、具体的なスキームについて知りたいと深堀されたりと、大いに興味を持ってもらうことが出来たと感じます。

⑥ 転職活動の反省点

反省点としては、転職活動に時間が掛かったことです。
最初の転職サービスへの登録から内定受諾まで約半年掛かりました。

新卒で働き始めてから13年目にして初めての転職ということもあり、勝手がわからず色んな迷いや葛藤があったのは事実でしたが、自分はこうしたいorこうありたいといった自己分析をもっと早い段階から具体的な言葉としてきちんと整理出来ていれば、もう少し短い期間で終結させることも出来たのかもしれないと思います。

ただ、転職エージェント、スカウトメッセージを下さる企業、面接や面談をした企業、先に転職をしていった元同僚、家族……など色んな人と話していく中で考えが深まったり具体的な言葉にまとまっていったりしたことも事実ですので、この半年間は、今後の更なるキャリアを考える上でも必要な過程だったとも考えています。

⑦ 最後に

多くの企業に自身の実務経験や取り組みについて非常に興味を持って頂いたとは思いますが、最終的に内定を受諾した企業からは、他のどの企業よりも高い期待を持って頂いていると感じることが出来ました。
提示頂いた労働条件、ポジション、年収、そこに至る選考プロセスなど、どこを切り取っても、想像を超える期待を持って迎えて頂いたと感じており、着任から出来る限り短い期間で、その期待を越えていかなければならないと感じます。

全く違う業界から飛び込んだ身として、現状出来ることと出来ないことがはっきりと分かれるはずなので、例えば人を巻き込む力や会計周りの論点など、業界が違えど変わらず出来ることやわかることについては最大限活かして取り組んでいきたいです。
逆に、業界特有の論点や企業独自の論点など出来ないことやわからないことについては素直に受け入れ、周りの方々に教えを乞いながら速やかにキャッチアップしていきたいと考えています。

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