本日現在1556
/ バックナンバーも全て読めます

元国家公務員31歳。コンサル会社4年で、生命保険会社の本社総合職に

元国家公務員31歳。コンサル会社4年で、生命保険会社の本社総合職に

No.1523
  • 現職

    【日系 大手生命保険会社】
    本社総合職 企画部 新規ビジネス開発

  • 前職

    【国家公務員】
    霞が関勤務 総合職

    【大手コンサルティングファーム】
    コンサルティング部門 スマートシティ推進コンサルタント

市川 彰洋 氏 31歳 / 男性

学歴:早稲田大学 創造理工学部 経営システム工学科 卒
TOEIC L&R 815点
HSK漢語水平考試筆記 2級

【新卒での就職の志向】

ちょうどNHKで放送されていた「坂の上の雲」のドラマに影響を受け、お国のため、人々の平穏無事な生活の維持に貢献できる仕事、加えてその仕事をしっかりとこなすほどに特に注目されることない仕事が格好良いとの考えで、国家公務員を志望しました。
●●といった分野の勉強をしていたから、▲▲といった原体験があったからというところから出発したのではなく、ただ単純にそうしたことをやっている自分になれたら自分自身が格好良いと思えるから、というロマンチスト的な感性からそちらの方向を当時選びました。

しかし、学卒時には公務員試験に失敗し、ちょっとした挫折を味わいました。
民間企業の内定も頂戴していたものの、あと一歩で合格できたのではないかという思いもあったので辞退し、親の脛をぶっ叩いて大学院に入学しました。
大学院生活の間に公務員試験に合格できなければ公務員は諦めると決めて、引き続き試験勉強を続けました。

幸い、大学院1年の時に公務員試験に合格し、同年の官庁訪問で内定を頂くことができたので、わずか6ヶ月で大学院を中退し、第一志望の省庁に奉職するに至りました。
両親ともに大変喜んでもらえたし、そこに至るまでどれだけ親の脛をぶっ叩きしゃぶり尽くしてきたかと思うと両親に対する感謝の念もひとしおでした(この時、両親の老後の面倒は全部自分が見切るという気持ちを持つに至りました←ここ重要)。
自分のため、国のため、そして両親のため仕事を頑張るぞ!との意気込みで入省式に臨んだことが思い出されます。

つまりは振り返ってみると、自分の仕事に関する志向(美学)は以下3点になろうかと思います。
・その仕事に従事している自分が格好良いと思えること。
・仕事を通じて、社会とそこに暮らす人々に貢献できること。社会や人のために働くけれども、わかりやすい感謝や見返り・表彰を得るようなものでもないこと。(シティハンターの各話の終わりで、主題歌が流れる中でクライアントに背を向け主人公がそっとクールに去る……というようなイメージです。(同世代には伝わらない))
・両親の恩に報いること。

【入省した省庁での担当業務・1度目の転職理由】

中央省庁では主に企画部門に配属され、所属省庁内外様々なカウンターパートとの協議・調整業務に従事しました。
その中で昨今の諸々の社会課題に対しては、中央省庁、実際の現場を持つ自治体、及びその現場に具体のサービス・ソリューションを提供することのできる事業会社の3者が協業しなければ何も始まらないとの考えに至りました。
そのため3者の間に入り、事業推進を支援する業務を志向し、社会人3年目に官公庁案件を取り扱うシンクタンクへ転職をしました。

ただこれは綺麗な転職理由です。オフィシャルには言えないその時の青二才が感じた転職理由(不満)としては、
① 社会に、人に対して働きたいという気持ちだったのにアリバイ作りみたいに感じられる仕事ばかりしている気がしてしまった
② 垣間見える出世のための政治に嫌気が差した
③ 両親の介護をしなくてはいけなくなるであろう年代に差し掛かった時に、十分な蓄えができるとも思えない、かつ介護のために仕事を休むことができそうにもないと感じた(加えてこの先自分が家族を、子どもを持ったとしたらなおのこと)
④ ③にかかる相談をそれなりの歳の職員にしても、「心配しすぎ」とのことで何の解決にもならなかった(狭い世界の自分だけの了見ですが、官僚には一人っ子長男が少ないし、実家がそこそこ裕福な方が多いなと……そりゃ心配ないでしょうよと思うことが多くありました)

今となってはそこまで思い込まなくても、というような不満もあったと感じるのですが、当時は本当に不満に思ってしまったから仕方がありません。
ポジティブな理由もネガティブな理由も比較衡量して、1回目の転職をしました。

2社目のシンクタンクでは狙いの通り、いくつかの自治体でのスマートシティ施策やスタートアップ企業誘致施策、実証実験事業の支援などに携わることができ、産官学民協業の現場を体験することができました。
中央省庁の時よりかは肌身に感じられる近い距離感で、「市井の人のために」の仕事ができていたかなとは思います。

【2度目の転職に踏み切った理由】

しかし私はまた転職に踏み切ることとなりました。
確かに産官学民の現場に近い距離で携わることはできていましたが、巷でよく見聞きする、コンサルから転職する人あるあるのジレンマを抱くに至るのです。

産官学をお繋ぎし、具体の何かを動かすまではコンサルは関与しない……。
施策・事業のアイデアを一緒に考えるものの、最もらしい文書ときれいなスライド(ポンチ絵)に落とし込むまでで、実装まではご一緒することができない……。

片や産官学民協業の現場で、具体的なサービス・ソリューションを実装するぞ!とやる気に満ち満ちて継続して仕事に取り掛かる事業会社の皆さんが羨ましく見えてきました。

そのため、より手触り感のある形で地域社会と人に貢献できそうな事業会社に勤めることは出来ないものかと考えるに至り、(株)エリートネットワーク様にお世話になることにしました。
端的に言うならば、「新卒時から変わらないやりたいこと」への関わり方を自分の中でよりフィットするものに変えようとして、転職という手段を用いるのだと思います。

さて、ここまでは綺麗な理由。一方でネガティブ寄りな理由にも同様に触れておくべきでしょう。
コンサルの仕事は巷で言われているように、確かにハードなものでした。
夢中で仕事をしてそれなりに楽しかったのですが、今後も80%〜120%の力で走り続けるような仕事の仕方では、今後の自分と家族に係わる諸所のライフイベントが発生した時にやっぱり対応できない。
それに、仕事のやる気はもちろんあるけれども100%の力で走り続けられるほどワーカホリックでもない。
なんぼ高いお給金をもらうことができても、ライフイベント・ライフステージに合わせて緩急つけて働くことができて心身健やかに生きていける方が好ましい。コンサルの仕事は一応こなせている(いたはず。……多分)けど、同僚と自分を比べてみるとコンサル向きの性格じゃないなぁと。
あとは、コンサルの組織は、いわば個人商店の集まりでスタンドプレイの集合体が組織としての提供価値という感じ、故に気楽で自由にやれていましたが、自分はどちらかというと個人商店よりかはもう少し指揮命令系統がしっかりした組織の方が性に合っているなと。
そんなこんなでまた転職に至りました。

【2度目の転職でこだわったこと】

自分の中の理想と、社会人としての現実も照らし合わせ、かつ前回の転職も踏まえて次の4つの評価軸を持って臨みました。
①    日系企業であること
②    「事業を通じて公と人に資する」といった類いの目標・ビジョンを掲げていること
③    職務内容が過度に限定されないこと(ゼネラリスト的に働けること)
④    長い人生の中で緩急をつけて働くことができ、馬車馬のように働きたい時は働けるし、アクセルを緩めたい時は緩めることができる。プライベートを犠牲にすることがないこと

1つ目の「日系企業であること」については、単に自分の性格を鑑みて外資系が向いているわけがなかろうというのが理由で、それ以上でも以下でもありません。
義理人情というか、持ちつ持たれつというか、相互扶助というか、喜捨の精神というか、ギブアンドテイクの精神というか……
そういうものが少しは感じられて、それが仕事のモチベーションに繋がるような機会があるかもしれない環境の方が、気分は良かろうというところです。

2つ目については、新卒の時からの自分の根幹の仕事観とマッチするか否かを測る基準でした。
組織に対して好ましい帰属意識が持てることが、組織の中で自分が今後長く勤め上げるためには重要と考えたからです。
あとは、やはり自分の中で未だ抱える「仕事に対するロマン」は大事にしておきたいということ。
ガキンチョみたいなこと言ってますが、それがなくなったら無味乾燥な人生になってしまう気がしますので……。

3つ目、これも自身の性格によるところです。
アジャイルでその場その場で必要な知見を取得・活用していく方が飽きることはないだろうということと、専門性を極めていくことについての根気と情熱が自分にあるのか疑義があるためです。
退屈は人生の敵です。しかし、だからと言って破天荒は身を滅ぼしますから、ある程度の先の見通しとある程度のゆらぎが大事かと思います。

4つ目については、そのままの意味です。
子どもができて学費やらの工面が必要になった時は更にゴリゴリ仕事ができる、万一病気になったり、親の介護が必要になったりした時には仕事がセーブできる、そういったことが許されるといいなと(贅沢ですが)。
仕事が人生の目的ではないしなぁと思うし、こればっかりは格好つけても仕方ありません。

書いていて結構贅沢なことを言っていますね。
でも体面を気にかけるのも疲れます。なのであえて、徹底的に自己本位になろうと割り切りました。
格好つけることで自分が抑圧されているような気分を感じる方で、そんな気持ちから転職を考えている方は、ありきたりですが夏目漱石の「私の個人主義」を読んだら勇気づけられるかもしれません。僕が僕であるために〜なんて曲もありますね。

正解かどうかはわかりませんが、誰かが私の人生に責任を取ってくれるわけでもないので、体面を取り繕わずに自分のために自分の心の赴く方向に行動しても良いのではと思うに至りました(いい歳してまだ自分探ししてんのかって自分で自分にツッコミを入れつつも)。

エリートネットワーク様のお力添えのお陰で、これらの自分本位な思いを叶えられそうな会社・環境にご縁を頂くことができました。あるとこにはあるもんですね。

【転職活動を通じて気づいた点】

案外人間は自分のこともよくわかっていないし、今回の転職先が当初全く思いもしなかったところだったことから、転職先候補を自力で探すのも限界があるものだなと思いました。

その点、エリートネットワーク様では面談を通じて他己分析をして頂き、それを踏まえて「これ以上マッチすることころがあろうか」というような企業様への転職が決まりました。
実際の面接でもちらっと見えたのですが、"大変文量のある推薦文" を作成し、先方に送って頂いていたようで、そのお陰もあってほぼ雑談で面接が進むというような、大変ありがたい形で進行しました。

そういう意味では、転職は案外他力本願でいった方がうまくいくかもしれません。
自分より他人の方が自分をうまく言語化してくれるものだなと実感しました。私は口下手ですし、自分の話を結構端折りがちなので尚更でした。

【次の職場にかける意気込み】

なんだかんだ2回も転職しています。何も成果を出せなければ、ただのジョブホッパーになってしまいます。
10年20年後に、これまでの転職を振り返って、すべてがキャリアアップに繋がったと胸を張って言えるようにしたいと思います。
可能であれば最後の転職になることを祈りつつ、拾ってくれた先様を失望させることのないように精進します。

この転職者を担当したカウンセラーに
転職相談したい

この記事をご覧になったあなたに

関連する転職体験記

転職体験記を絞り込み検索 全ての記事一覧は
こちら