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34歳法人営業職、妻の妊娠をきっかけにワークライフバランスを叶えるべく、創業110年の老舗専門商社へ

34歳法人営業職、妻の妊娠をきっかけにワークライフバランスを叶えるべく、創業110年の老舗専門商社へ

No.1516
  • 現職

    創業110年を誇る紙製品、消耗品や食材など総合的に手掛ける専門商社  IoT事業の法人営業職

  • 前職

    速記を祖業とする印刷会社 印刷物の法人営業職 兼 プロジェクトマネージャー
    →創業70年以上の老舗セールスプロモーション代理店 家電メーカー向け法人営業職

倉八 忠志 氏 34歳 / 男性

学歴:東京都立 高等学校 卒
千葉工業大学 工学部(現:創造工学部) デザイン科学科 卒

① 新卒での就職活動

大学3年生の後半から企業の合同説明会に参加し始め、翌年春頃からは書類選考や面接等に応募し他の就活生の方々と同じような動きをしていましたが、夏頃までにどこにも就職が決まりませんでした。
それと並行して研究室のプロジェクトに参画したり、卒業研究の骨子を固めるのに時間がかかりすぎたりしたため、その影響が就職活動にもかなり出てしまいました。
どちらも中途半端にならぬよう、秋くらいには一旦大学生時代の就職活動を諦めました。

何とか無事に卒業はできましたが、所謂「就職浪人」のかたちになり、デザイン・クリエイティブ業界を志望しつつ、卒業後半年くらいはグラフィックソフトの勉強や短期のアルバイトをしながら将来のことを考えていました。
その中で就職活動のきっかけ作りとしてハローワークに通って求人票を確認したり、合同説明会に参加したこともあり、その年の秋に内定を頂きました。
冬には普通自動車免許を取得するために山形県へ合宿に行き、年明けの2月に印刷会社へ入社しました。

入社1年目に印刷・製本工場で現場を研修というかたちで1年間勉強でき、その「現場感覚」や「地道な重労働」を下積みできた経験は今日の業務でも活かせています。

② 入社した会社・部門での担当業務

新卒で入社した印刷会社では、印刷・製本関係のオペレーションスキルを1年間で身に付け、その後は東京の本社で印刷物の法人営業職として3年ほど働きました。
並行して、WEBサイトの更新作業およびプロジェクトマネージャーとしてのディレクション、大手旅行会社様案件の組版作業のオペレーションやデザイン・印刷ディレクションなど、平物の印刷物やWEB関係の知見を身に付けることができました。

2社目のセールスプロモーション代理店では、1社目の印刷会社での知見を活かし、企画営業職として家電メーカー様を担当しました。
そこでは、基本的なアカウント業務に加え、店頭販促物やキャンペーンの企画・ディレクション、協力会社への各種手配や折衝など、1案件ごとに上流から下流まで全て責任を持って管理する仕事をしていました。
その中で、大学や独学で身に付けたデザインのスキルを活かし、グラフィックデザイン・画像処理やレタッチ・LEDやサイネージを用いた複合的な什器のデザイン・設計など、紙や化成品を用いた立体演出のスキルを伸ばすことができました。
並行してコンペティション時のプレゼンテーションや資料作りなども経験し、競合に勝つための戦略やヒアリング能力も身に付きました。

③ 転職に至ったきっかけ

今回の転職の主なきっかけは以下の2点です。

1、前職での業務量・拘束時間
2、上記に付随した子育ての時間確保の難しさ

クリエイティブ業界および代理店業界の多くは拘束時間が多く、個人商店になりがちで休みも取りづらいのが実情です。
2022年の暮れに妻の妊娠が分かり、その段階で環境整備に向けた準備をするため、転職を決断しました。
出産予定日が2023年7月だったことと、仕事の繁忙期が毎年10月ごろから翌年6月ごろまで続くこともあり、後腐れなく退職するために2023年2月上旬には辞める意思を上司に伝え、引継ぎ期間や後任の採用期間を十分に設けることにしました。

1社目の場合は退職後に転職活動を行いましたが、今回は仕事と並行して転職活動を行いました。
結果として、辞める意向を伝えるタイミングを誤ったと後悔しています。
転職先が決まっていない、かつ引継ぎが全然できずに辞める直前まで業務に追われていたことや、予定通り7月に子供が産まれて育児に奔走していたこともあり、仕事もプライベートも大変なことになってしまいました。
転職を考えていらっしゃる皆さんは転職先を決めてから穏便に退職されることをお勧めします。
(退職届を提出するタイミングは会社によって多少違うため、そこはトラブルにならないように事前に確認しておくと良いと思います。)

④ 自身がこだわった事柄、逆に、従来のこだわりを捨てた点

今回の転職にあたり【こだわり・軸】と【こだわりを捨てた点】は以下になります。

【こだわり・軸】
1、時間(勤務時間・残業時間・土日深夜帯の勤務や出張がほぼ無い・通勤時間)
子育ての比重を高めるために時間を作ることがメインで、その中で自己啓発もできたらと考えました。
(転職前は日々の業務に忙殺された毎日でした)

2、自分の市場価値を高めるような新たな経験・スキルの獲得
印刷や広告的なクリエイティブ業界とは少しベクトルの違うことをやること、今後を見据えて「無形商材」の知見と職務経験を得ることを希望しました。

【こだわりを捨てた点】
1、年収(400万円前後でも可)
妻が早く仕事へ復帰したい意欲があり、年収も私より高かったため、額面よりも「時間」を優先し、妻を前よりもフォローできる環境に身を置けるように考えました。

2、デザイン・クリエイティブ業界への執着
デザイン・クリエイティブに関係することが心から好きではあるものの、独り身でもなければ特別な能力もないため、「好き」よりも「市場価値を高める」ことを優先する30代にすると割り切りました。

3、アプリケーションスキル(Adobe系)を活かした業務
こちらも「時間(拘束時間)」に関係することですが、手を動かす仕事だとどうしても受注ありきでの仕事の仕方になりがちで頼まれたらあまり断れない、かつ仕事を振れないことが多いため、転職先の候補はアカウント・ディレクション寄りの職務を優先して探しました。
ただ、本音はこういったクリエイティブアプリのオペレーションは楽しいし好きなので、将来的にはまたこのような仕事に就きたいと思ってます。

⑤ 転職活動を通じて学んだ点

1、自己評価が少し過大だった
転職活動の当初は、直近6年間でいろんな経験・実績を残せたため、他業種だとしてもある程度は評価頂けると考えていました。
しかし、決してそんなことはなく、WEB・IT・メーカー等の企業では、「今の世の中の潮流に沿った案件実績(WEB・IT関連の実績)」や「グローバル的な対応力(言語・出張可・駐在可)」が無いと突出した評価は得られないと感じました。

2、辞める時期を伝えるタイミング
根本的に、辞める時期を決め、早めに上司へ申し伝えてから転職活動をすることはお勧めしません。
現在働いている職場の業務量が少ない、かつ家庭環境も時間に融通が利くなら問題ありません。
しかし、私の場合はどちらも多忙だったため、10月末で退職する予定だったのに、転職先の決定が結局10月上旬となってしまい、かなりバタつきました。
そして、引継ぎや社内整理もギリギリになってしまったため、最終日も遅くまで勤務し、翌日から転職先で入社式+業務開始という全く心が休まらない・気持ちの整理がつかない状況になってしまいました。
特に、転職1回目の方は現職に負い目を感じるかもしれませんが、転職先をしっかり決め、スケジュールに余裕をもった行動をすることをお勧めします。

⑥ 2回目の転職を振り返って

多様なアプリケーションスキルや経験値が評価対象だったのかもしれませんが、主に約10年間培った「法人営業経験」と直近での「企画提案・ディレクションスキル」が評価されたのではないかと感じています。
未経験のIT系の職種に飛び込むにあたり、営業職として「折衝・交渉・調整・企画・提案」に関する力と「新しいことを学ぼうとする意欲や姿勢」が採用頂く上でかなり重要だと思います。
年齢的な部分も考慮されるかと思いますが、30代なら意欲やポテンシャルでの採用も多いと考えます。
現職での仕事内容に不満を抱えていたり、燃え尽き症候群に陥っていたりする方は、40代・50代ではまた求められる要件が変わってくるため、是非早いうちにチャレンジしチャンスを掴むために動いて欲しいです。

⑦ 最後に

今までの職務では「営業+クリエイティブ」でどうにか活路を見出してきましたが、新しい職場では商材が「有形」からほぼ「無形」に変わり、営業スタイルも「ルートセールス+対面営業」ではなく、その真逆の「新規セールス+オンライン商談主体」となります。
営業的な交渉力や調整力は活かせる一方でいろんな面でチャレンジすることになるため、勉強することが多く大変ですが、今後も自分自身の市場価値を高めるための行動をしていきたいと思います。

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